26万人を超える応募のため.あきらめていたところ招待状が来た.当てにしていないと運が回ってくることもあるという一例である.JR九州によると,26,27日の両日,2011年3月12日の開業日にちなんで1万1312人を招待するとのことである.
上熊本駅を通り過ぎるとトンネルに入り,熊本県内はほとんど景色を眺めるところはない.全般的に市街地では防音壁で期待していたほど窓外の景色は見えな い.途中の「新」の付いた駅(新玉名,新大牟田,新鳥栖等)は在来線の駅からかなり離れたところにあるらし く,見慣れない風景が広がっていた.帰りの在来線「特急つばめ」に較べると高速,静音,快適であることは比較のしようがない.特にレールの継ぎ目音とそれ に伴う揺れがこんなに大きいのかと改めて思った.
乗車した車両は「さくら」であり,車両内はメカニックな感じがなく,明るかった.頭上の荷物置きもオープンで使い易い.航空機の真似をした在来線つばめのような密閉式ではない.振動で荷物が落下することはないという自信の現れかもしれない.
折角博多へ行ったので,われわれ夫婦の懸案事項であった九州大学新キャンパス見物のため,九大学研都市へ行ってみた.博多駅から地下鉄で姪の浜へ,そこ から地上へ出て三 つ目の九大学研都市駅で降りるとそこには学生アパート,一般住居以外は目立った大きな建物はなく田畑が広がっていた.大学の姿ははるかかなた,駅からタク シーで1450円程度の丘稜に段々畑形式で巨大な建造物が散在してい るという印象であった.昭和三十年代後半に医学部薬学科に在籍し六本松の教養課程を経験した家内にとっては特に隔世の感があったようである.近くに比較す るものがないため建物がそんなに大きく見えないが,10階建ての巨大総合学習棟や各種の理工系実験棟が数多く実現していた.今後文系が移動すれば2万人弱 の人口になるとのことである.九州の研究拠点大学としての発展を期待したい.
帰りの九大構内から博多駅までのバスは悲惨であった.都市高速を通るのはごく一部区間で1時間半を要した.九州の研究教育の拠点として,地下鉄の延長が当然と思われる様に九大が発展することを望みたい.
[一言]あちこちの駅で新幹線開通のキャンペーンが行われていた.内容的には一時的な感が強いものが多かった.新幹線の経済効果がどの程度のものか期待して見守りたい.