2-3-1-⑥イ下総台地のボーリング資料

2-3 芦太川筋谷津の地形発達史

2-3-1 谷中分水界と浅い谷

⑥ 芦太川検討の課題

イ 下総台地のボーリング資料

■□花見川■□素材■□花見川■□素材■□花見川■□素材■□花見川■□

【下総台地のボーリング資料】

芦太川の地形観察の最後に芦太川東岸台地のボーリング資料を眺めてみました。

千葉県地質環境インフォメーションバンクのボーリングデータを標高を比較できるように並べてみました。

下総台地のボーリングデータ

ボーリングデータ位置図

1~7は下総上位面のデータ、8と9は下総下位面のデータ、10は古柏井川の河岸段丘のデータです。

これらのデータの単純な比較表を次に作りました。

下総上位面のデータ2は人工改変の程度が激しいので集計から除外した。

上記データから次の2点の特徴についてメモしておきます。

ア 下総上位面のデータから地殻変動の様子を感じることができる

地形は1→4に向かって高まり、4→7に向かって低くなりますが、粘土層と砂層の境の標高はほぼこれと同じ傾向を示します。粘土層の堆積は水平に近いものであったが、その後の地殻変動でこのような現象が生じたと理解します。

イ 既往地学知見と整合的情報であると感じることができる

次の模式図は「千葉県の自然誌 本編 千葉県の大地」(千葉県発行)収録の下総台地模式地形地質断面図です。この模式図は杉原(1970)をベースにしているものです。

ボーリングデータ1~7(下総上位面)、ボーリングデータ8、9(下総下位面)、ボーリングデータ10(古柏井川河岸段丘)の3者対比をその層相記述からだけで行うことは無理です。

しかし、上記模式図の考えをボーリングデータに投影して理解することは可能のように感じます。

つまり、上記模式図とボーリングデータの関係は整合的に理解することができると考えました。