2-1 花見川流域の地形概観

2 下総台地の地形発達史

2-1 花見川流域の地形概観

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【花見川流域の地形イメージ】

花見川流域の地形イメージをトータルで把握するために、7000m以上の上空に視点を置き、地形レリーフ図を撮影しました。

地形レリーフは1m毎に色が異なります。 自由に飛行機を飛ばすようにして写真を撮ることが、ソフト(カシミール3D)と5mメッシュデータでできること自体、それも双方無償で、恐るべしという感じです。

花見川流域の地形イメージ

2枚の画像をフォトショップのphotomerge機能で合成して作成。

画面下の芦太川付近はほぼ真下に、画面上の宇那谷川付近はやや斜めから見下ろしています。

この画像を見ていると、私は、このブログで話題にしてきた地形に関する興味がどのように関連しているのか、あれこれ考え出し、時間のたつことを忘れてしまいます。

これまで考えていたことの矛盾や新たな疑問・興味もいろいろ考えます。

前の記事で紹介した今後の記事に関わる地形現象の一部をこの地形イメージ図に書き込んでみました。

興味をそそる地学現象の例

花見川流域の地形は地殻変動の影響と、印旛沼水系と東京湾水系のせめぎ合いが、地史時間の中で交錯することによって、興味ある地学現象が沢山見られるところだと認識するようになりました。

その中でも、人工改変(印旛沼堀割普請)によって厚いベールに隠されている花見川河川争奪現象が興味深さの頂点にあるように感じます。

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【流域レベルの地形断面図】

5mメッシュをカシミール3Dで運用して、流域全体の地形断面図を作ってみました。

ワンタッチで次の断面図が作成できます。

流域を横断する地形断面図

地形断面図線の位置

流域をこのような断面図7枚で輪切りにして、比較することも試行しましたが、ほんの数分で作業は終えました。手作業では気の遠くなるような作業です。

上記の地形断面図で谷津谷底の高度を連ねてみると、中央部で低くなるカーブを描いています。

花見川は河川争奪があり、かつ堀割普請で深く掘り下げていますから直接の検討から一旦取り外す必要がありますが、その他の谷津谷底は縄文海進の影響を受けて埋積した沖積面という条件の下で比較することができます。

谷津谷底高度が断面中央部(流域中央部)で低く、断面縁辺部(流域縁辺部)で高い理由と、私が考える河川争奪成因(*)と密接な関係があると考えており、今後検討を深めたいと考えています。

* 2011.11.20記事「地理的位置仮説」参照