俺の彼氏はアホやと思う。
何というか説明もめんどいからせんのやけど、同じテニス部の先輩にコクられて、うっかり生返事をしてたら付き合うことになっとった。それなりのスピードで(ちゅーか、三ヶ月とか謙也さんにしては我慢した方やと思う。)それなりのことをするようになって、今俺は岐路に立たされている。一気にいうて疲れたな。
目の前にはフル勃起した他人のち◯こや。
まぁ、謙也さんのやけど。なんかすごく期待に満ちた目でこっちを見てくるんだけど、キモいからやめてもらえんやろか。
同じ部のホモっぽい先輩やなくて、謙也さんとかフツーに女を好きそうなのになんで俺やったのかさっぱりわからんけど、これを舐めろとかハードル高すぎやわ。よし、別れよ。
「財前、心の声漏れとるし、俺は別れへんで!」
「いや、こんなん舐めろとか無理ですわ」
赤く充血してパンパンになっている謙也さんのそれを指差す。
自分にも生えてるけど、いっこ上の謙也さんのち◯こはもうオトナでなかなかグロい。映像かなんかで他人のち◯こみても興奮するタイプではない俺にハードル高すぎや。まぁ俺かて成長期やし来年はぐろちんになるんやろ。というかこんなんよう入るようになったな? いつも面倒で謙也さんに任せてるから、少し痛いのさえ我慢すれば後は気持ちよくしてもらえるから考えたことなかったけど。
「こんなんいうなや! 俺はいつもお前の舐めとるちゅーねん!」
そうやった。謙也さんからコクってきただけあって、いざそういうことになった時に俺にイれたいと言ってきたので、驚いて固まってしもて、そのまま受け入れてしまった。謙也さんヘタレやし、そのうちヤるとしても俺がイれるのかとぼんやり思っていたあの頃に戻りたい。いつも俺のち◯こ美味そうにしゃぶってくれるのはええねんけどこれはなぁ。でも、謙也さんイラチやからフェラ下手なんやで。
「ほな、法善寺のぜんざいで手ェ打ちますわ」
なかなか萎えない謙也さんのブツを横目で見ながら交渉をする。間抜けな格好や。フツーの女なら百年の恋も冷めるで。謙也さんの後輩やって二年目、彼氏やって半年の俺はこの人のええとこもわるいとこも大体わかってるから付きおうてられるんや。謙也さんは付け上がるタイプだから口に出しては言わんけど。釣った魚にも餌はくれるのでそこに文句はない。
駄目押しに、ち◯こを指の腹で撫でてやる。特別サービスやで。
「わかったわかった! 次の休みの時に奢ったるから……なぁ」
謙也さんは快感にめっちゃ弱い。さっきのでもう先っぽ濡れてきてるやんけ。
俺は嫌々ながら口を開くとそれに舌を這わした。は? なんでフローラルな匂いがするんや。
「へへ、ちゃんとキレーにしてきたんやで」
謙也さんは意外とこうで、気を遣うタイプなんやった。ホンマなんで俺と付き合ってるんやろなぁ。
「んッ」
裏から先っぽを目指して舐めていく。想像していたようなエグいにおいや味はせんけどなんかやる気もせんな。せや。
「くッ、財前止まったらアカン」
「ちょお、待ってください」
待つのが嫌いな謙也さんを待たせて俺はベッドから降りると自分のリュックからあんぱんを取り出した。謙也さんの顔はでかい?が見えそうなのになった。
「なんや? どないしたん? 今日は帰り一緒に食べにいくんやろ?」
このシチュエーションで腹が減ってなわけないやろ。流石に俺でもそれくらい空気読むわ。
「こうするんスわ」
ビニール袋を開けて、パンを割る。これクリーム入りのちょお旨いやつなん。
俺は餡子とクリームを指で掬うとベッドに戻る。
「なんや? 財前、行儀が悪いで?」
少し力を失った謙也さんのち◯こを掴むと餡子クリームを満遍なく塗る。
「なんで俺のに塗るん???」
全部塗り終わる頃にはまたフル勃起や。若いな、謙也さん。
俺は手に残っていた甘味を舐める。謙也さんに見えるように。謙也さんの唾を飲み込む音が聞こえた。チョロいっスわ。
「じゃ、いきますよ」
まだ俺の意図がわかっていない謙也さんは不思議そうに首を傾げる。こういうとこは可愛いんやけどな。ホンマなんで俺が女役なんや。謙也さんのが可愛ええやろ。
謙也さんに塗った餡子クリームを取り戻していく。
「あ、財前…ええで。んッ」
丁寧に舌を遣って皮の皺に入り込んだのも掬い取る。甘い。これならええわ。なんか謙也さんのち◯こが美味いような錯覚が起きる。餡子と生クリームのハーモニーが絶妙や。根元のところしゃぶった時だけいらん毛までついてきたけど、謙也さんのここの毛は黒いままで、餡子と白いクリームと俺の唾液に塗れててホンマ酷くて笑いそうになった。
先まで丸ごと舐めとり終わって、もう餡子の形跡はなく、謙也さんの先走りと俺の唾液でヌルヌルしたそれしか残ってない。
謙也さんが腰を引いて俺の頭を優しく離す。
竿の部分はパンパンでキモいくらい血管が浮いているのになんや?
「財前〜! 嫌がってたのにおおきにな。最高やったで! もう出るかと思ったわ」
なんや、全然出せへんと思ったらわざと射精とめてたんか。いつも早い方やのに。俺はよくプライドが高い、言われる。自覚もある。キモチよくないんか、なんで出さんのかと思ってたけど、謙也さんの台詞を聞いてムカついた。俺にしてはようやったほうなんですよ?
確か喉まで突っ込むのがええんやっけ? めんどいな。
謙也さんの顔を見るとキモチええのか、機嫌がええのか、ホンマ緩んでてホンマしゃーない。
謙也さんやから、トクベツやで?
俺は謙也さんのち◯こを掴むとネットで見たように喉の奥まで飲み込む。こうでええんかな。
「なん! アカン! 財前もうアカンから! 離せや、ぁあああああ」
謙也さん、煩いっスわ。
数回、口と喉で愛撫しただけであっさりと苦味が口の中に広がった。マズすぎや。
咽せてしまった。
「ほら、いわんこっちゃない。ほら、吐き出し」
慌ててティッシュが渡される。俺はそこに謙也さんの子種を出す。最近のはちょっとさらさらしとる。謙也さんは俺の出したのたまに飲むけどホンマようやるわ。
「お前、苦いの嫌いやろ? せっかく出さんよう頑張ってたのに。アホやなぁ」
そういうて、俺の髪をぽんぽんと叩く謙也さんに俺はなんとなく微妙なキモチになった。
「なんや、謙也さんそんなんで我慢しとったんですか。まぁ、いつもはスピードスターやもんな」
俺は笑った。謙也さんもなぜか不敵に笑った。なんや? この人がこういう笑い方するときはロクなこと考えてへん。
「お前なぁ……遅ければええってもんやないやろ。ほら、もうできるで」
すぐに回復した下半身を見せつけてくる謙也さんに、やっぱこの人アホやと思う。アホやと思うけど面倒なので抱き寄せてくる謙也さんに身を任せる。
俺はまだ口の中に残ってる苦味を確認すると、謙也さんのシャツを引っ張った。
「なん? 甘えたさんか?」
謙也さんがまた頭を撫でようとするので無視して、そのまま上を向いて口付ける。謙也さんの口の少しあいた隙間からベロを入れて謙也さんのベロに俺のを絡ませる。嬉しそうにしてた謙也さんの顔がちょっとしかめっ面になる。自分の味わいや。苦いやろ? 謙也さんのベロも絡んできて、散々謙也さんの口の中を堪能する。
ちゅって音がして唇が離れた。
「自分の味しました?」
「ざ、財前、おまえなぁ」
「俺のと味ちゃいます?」
俺は俺のを飲んだ謙也さんとはキスせんけど。どないや?
「……わからんかった」
「は? あんなけゆっくり味わったやろ?」
この歳でまさかの味覚障害か? 青汁の飲み過ぎちゃうか?
謙也さんが頬をぽりぽり掻きながら言うた言葉に俺は固まった。
「財前とキスしてる時はいつも夢中やし、ドキドキしてそんなん気にしてる暇ないっちゅー話や!」
これが半年付き合うてセックスまでしてる彼氏やで。かわええやろ。ホンマに俺、どうしてここまで惚れられてるんやろ? 謙也さんは女友達には気安いのに好きな女にはテンパってなにも話せないって聞いてたんやけど。
謙也先輩と俺が付きおうとるって知らない白石部長と小石川副部長が話とるのを聞いたんや。
俺と謙也さんは部活の先輩後輩でそんなロマンチックな始まりでもなかったから、今までの謙也さんが好きだった女とは扱いちゃうんやろうなぁと思ってたけどそうでもなかった。
俺は緩む口を押さえて、なんでもないフリをすると謙也さんの上に乗る。謙也さんはすぐに俺を抱えてベッドに転がった。
「今日は財前がサービスしてくれたから俺もやったるで」
またアホなこと言うとる。
またキスが降ってくる。
もう口の中からは謙也さんの味は消えたのに今度は謙也さんの唾液の味がする。こっちの方が慣れてるから俺は好きや。
謙也さんの唇が俺の首に落ちる。いつもは跡がつくと言い訳が面倒だからさせないけど、今日は……ちょおちょっとだけ特別や。
「あ……」
謙也さんの唇はすでに首から胸まで降りていて。そこはあまり触って欲しくないんやけど。最近、触られた次の日に朝練や体育があると擦れて痛いし、ヘンな気分になって困るんや。
だけど、それを見つけた謙也さんはベロでめっちゃ舐ってくる。アカン。
「ンッ」
「ココもイイ反応するようになったな。ええ子やな。財前」
「そ、そこで喋んな……あっ」
歯で甘噛みされて、身体の奥が痺れる。俺は思わず謙也さんの頭ごと抑えてしまう。謙也さんは薄く笑った。この人のこの笑い方、ホンマにエロい。これからされることを身体が覚えていて、奥がきゅっと締まる。まだ挿入れられてもいないのに。
「か、かわええ……」
謙也さんの褒めタイムがきて、恥ずい。わりとこの人はヤってる時にやたらと俺を可愛い、可愛いという。最初はサイズとかバカにされてんのかと思って喧嘩になったけど、訊いてみるとそういう話ではなかったらしく、今ではわりと素直に受け取っている。少し前までは謙也さん元カノにも同じやったんやろかと思わないこともなかったけど、この人の童貞を俺がもろたみたいな話を知ってから、なんかこっちも余裕ができた。埋められない一年違いの差もテニス以外はしゃーないわって。
謙也さんは我慢できなくなったらしく、顔が胸から離されると、太腿を掴まれて開かされる。
未だにこの体勢は恥ずいけど、もう謙也さんのギンギンになった目やそこをみると俺の中もキュンとくるから。ドボドボとローションが垂らされて、えっ、
「アカン! 謙也さん、いきなりはアカンって!」
「だってもう我慢でけへん」
慣らしもせず、一気に押し入られる。
痛い、痛い、熱い、あつう、腹への圧迫感が半端ない。なんでこんなに盛っとんのや。いつもはもうちょお優しいのに。なんで今日はこんな余裕ないん?
「ッ! アホ! 何考えてるんですか? ホンマ、謙也さん……待てや」
無理やり入れたのに穴が馴染むまで待ってるのが謙也さんやなって思う。
「な、財前。もうええか?」
このままだと、もどかしくなってくるのが経験上わかってる俺は頷く。謙也さん、後で覚えておいてくださいよ。こんなの善哉三回くらい奢ってもらわなワリに合わへん。
ローションも行き渡って広がったこともあって深く息を吸い込んだ途端、見計らっていた謙也さんが動いた。ずしんときたそれに身体が、心が、引き摺られる。アカン、深い。
謙也さんのピストンは早い。いつも尻の穴が捲れ上がるんじゃと心配になるスピードだしよる。
奥が……
隙間なく埋められて、謙也さんと一つになる。
あー、キスして欲しいのに謙也さんの顔が遠いわ。
「財前」
謙也さんにキスされて、どうしようかと思った。そんな丸わかりな顔してたん、俺。
身体の快楽に引っ張られてるのとは違う。好きや、ホンマ好き。感情が溢れてアカン。絶対に口には出さんけど。
謙也さんが俺を見て笑う。
あー、これもバレてんのやろな。恥ずい。
もう謙也さんも限界らしく、放置プレイされていた俺のち◯こが握られる。謙也さんイくときに一緒にイきたがるから。一気に持っていかれて。
「ーーーッ!」
謙也さんも終わってるのに未だに俺の中にいる。ゴム外れるんちゃうかな。漏れると面倒やねんけど。身長からいっても謙也さんの方が体格がええから未だに俺は謙也さんの腕の中にすっぽりと収まっている。実はめっちゃ悔しい。俺も成長期やし、来年は謙也さん覚えておいてくださいよ。
あと何が楽しいのか俺のデコや頬にちゅちゅっと吸い付いてくるし、鬱陶しい。
「謙也さん、それマジでやめてください」
思わず標準語になってしまった。
「えー、ヤった後ですぐ離れたら冷たいっていうてたんお前やん。ホンマ、うちのはワガママでかなわんなぁ」
そういうて、髪の毛をわしゃわしゃにされる。これからまた外に出なあかんのに。でもなんか悪くない気分っすわ。
かなわんいうてるのにそんな俺のこと好き好きって目線で言われても困るわ。
ホンマ、俺の彼氏はアホな人やで。