明け方にふと目が覚めて、肌が触れ合う距離に一緒に寝ていた大石をみて背中から全身になんとも言えないあたたかいものに包まれた。
大石は少し寒いのか二人の間にできた隙間を無くすように俺を抱きしめてくる。
Realize
昨日、昼休みにわざわざやってきて「明日の英二の誕生日は一緒に過ごそう」っていってきたときには素直によろこんだ。
今年は部活も引退してるし、一応テストはあるって言ってもエスカ式だから受験も心配ないし。ゆっくりと恋人と過ごせる誕生日なんてうれし過ぎる。
家に大石ン家に泊まるって連絡を入れて、ファミレスで夕飯とケーキをオゴってもらった後に、大石ン家に向かった。
その時はまさか大石の家に行ったら都合良く誰もいないなんて……そんなことは予想していなかった。
だけど…何故か知んないけど大石の家族の人は皆いなくて、部屋に着いた途端、シャワーもなしで貪るように快楽を分け与えあって。
そのまま、意識はフェードアウトしたわけなんだけど。
「ん…」
「あ、わりー起こした?」
どうやら大石を起こしてしまったらしい。
寝起きがいいコイツは俺を視界に認めると笑って「15歳、おめでとう」なんて言って抱きしめてきた。
俺はすっげーうれしくなって大石に唇を押しつけた。
そのまま、深いキスになって舌を絡ませ合う。
「これでまた大石と同じ年かぁ」
「また4月までな」
大石は耳の後ろから指を入れ、俺の髪を梳いている。
俺、コレ好き。
互いに笑ってじゃれあった。俺は大石の首に腕を回して抱きしめかえした。
大石は喋っていた俺の口をまた塞ぎそのまま体重を俺の方にかけ、その唇を下にとずらしていった。
舌先で赤く染まったものをチロチロと舐められ、反対側のそれを指先で軽く摘まれ転がされる。俺は思わず電流が走ったようにのけぞった。
馴染んだ愛撫とその肌が気持ち良くて身体をくねらせると、調子に乗った大石はいきなり馴らすことも前を弄ることもせずに挿れてきた。
ほんの数時間前までいじられていたせいもあってすっかり柔らかくはなっていたものの、狭苦しいそこにいきなりいきりたった大石のモノがぶちこまれたんだからこっちはたまったもんじゃない。
涙目になりながら大石の方に抗議の視線をむけると、それがまたこいつの情欲を煽ったらしい。挿れられたまま激しく揺さぶられた。
いつも使う潤滑剤もゴムもなしで。痛みに堪えかねて懇願するように視線を向けると、大石はついばむように俺にキスしてまたその行為に集中しだした。
ヤる方はイイかもしれないけどさ、ヤられる方はタイヘンな訳よ。
俺は諦めて少しでも早くヨクなろうと辛い姿勢を変えようと、身体を捻るために大石の身体から腕を離そうとした。
でもできなかった。大石のヤツがキツク抱きしめてきたから。そのまま激しく愛された。
…この時はホント壊れちゃうかと思った。
大石に壊されるかと思った。
でも、この行為がダブルスするのと同じくらい大石のことが理解できるから。
大石がどんな風に考えて愛して、どんな風に俺を理解してくれているのか判るから、別に怖くない。
怖くないんだぜ? 大石…っ
大石から溢れた先走りの液でなんとか滑りは良くなったものの、いつもより俺も大石も大分キツくて。
耳に掛かる大石の熱い息も、自分の口から出る恥ずかしい嬌声も身体を高めるのに一役買って、最後には獣みたいなSEXしてた。
ひたすら体温を分け合って、互いに貪り合う。
大石のが俺の中で膨らんで最後を迎えようとしたときにはもう俺の意識はなかった。
次に目が覚めたときにはもうベタベタした身体はすっかりキレイになっていてちゃんとパジャマを着ていた。
腰いた…
うー。 大石が言うから泊まりにきたのにっ! ひでぇヤツ。
…ま、別にいっか。
大石がカフェオレとコーヒーを持ってくる。カフェオレを俺に差し出した。そんな大石に向って俺は何となく判っていることを聞いた。
やっぱ直接、大石の口から聞きたかったし。
「そういや大石……今日なんであんなに強引だったんだよ?」
「…………」
ほらほら、大石君? さっさと吐いちゃった方が楽だと思うんだけど?
誕生日なのに結構なことされたんだし?
俺はニヤニヤと口元に笑みを浮かべながら大石の返事を待った。
「14歳の英二も15歳の英二も……俺のものにしたかった、からかな」
「バカ。大石」
おおまか予想していた通りの大石の言葉に俺はいつのまにか声をあげて笑ってたらしい。
俺はぼんやりとしている大石の腕を掴むと自分のほうへ引き寄せた。
「16も17の俺も。それから先もみんな全部大石にあげるよ」
だから大石、怯えなくてもいいんだよ…
すぐそばの未来でも予想なんてつかないけれど、大石の隣は俺がずっとキープしてるんだから。
俺は大石(おまえ)が怖くないから。
ずっとそばにいるよ…