最初に仕掛けたのはどちらだったのか、今となってはどうでも良い話。
「はっ、っん」
脳から犯すような淫靡な水音が自分の身体から響いている。
わざとその音が聞こえるように羞恥を煽るように行為を行うことに抗議のようにその胸を叩くが、
一つに繋がった箇所から次々と生まれる音に更なる快感が呼び起こされて。
堕ちそうになるたびに引き上げられる。
「オリヴィエさぁまっ…ぁ」
「んっ、イイ表情(カオ)するじゃない」
紅を舐め取られ、顎を上向けにされる。
ざらざらとした舌の進入を許すとそのまま口内を蹂躙される。
気位の高いロザリアは、それを塞ごうと抵抗するが、意思に反して自然と応えるものになっていく。
その間もずっと繋がったままで、下から上から全身をオリヴィエによって支配されていた。
「こんな格好っ…ぁっ、嫌ですわっ」
「ウ・ソ・ツ・キ。イイんでしょ?さっきよりココすごくなってる」
オリヴィエを咥えている部分が激しく収縮していて、尚吸い付いて中へ中へと促すように蠢いている。
片手でロザリアの身体を支え、もう片手で尖っている蕾を美しく整えられネイルされた爪で弄ばれる。
紅く色付いた蕾はその刺激によって更に硬さを増す。
指の腹で、その先で、蕾の割れ目を刺激されるとロザリアは啼いた。
「ひっ…ぁ」
「ここには二人だけなんだし、もっと可愛い声聞かせてよ」
耳元で囁かれるその声に、背の毛が粟立って。
更に粘度の増した半濁の体液がロザリアの脚を伝う。
「さあ、フィニッシュだよ…イイ夢みせてあげるからね」
「で、今日は何があったんだい?」
何度も高みに上り詰めてぐったりとした身体をオリヴィエに預けながら呼吸を整えているロザリアに聞く。
「何もありませんわ」
「そのワリに今日の乱れ具合はすごかったじゃない?」
「なっ」
羞恥に顔を染めるロザリアを楽しそうに見つめて続けた。
「ランディとデート中に、あの子たちと会ったんだってね」
「……情報が早いですわね。ランディ様も口が軽いこと」
「ランディを責めないでやってよ。あのコがこの私に勝てるワケないじゃない?」
「そうですわね」
「しかしホントに好きなんだねェ~あの子のコト」
「……」
「そんなに心乱されるなら、さっさとあの子を女王にしたら?」
意味ありに微笑みながら提案するオリヴィエをにらみつけて。
「馬鹿なことをおっしゃらないでいただけます? オリヴィエ様。
女王になるのはこのわたくし、ロザリア・デ・カタルヘナ。
脳天気なあの子には女王という大役よりも、……あの方の隣でのほほんと笑ってるほうが似合うわ」
「……愛しちゃってるね」
「貴方にいわれたくありませんわ!」
「フフッ、報われない秘密の恋をしたもの同士仲良くしようじゃないか」
「……」
お互いに決して叶うことのない恋だった。
もっともお互い叶える気もなかったけれど。
「それにね、ロザリア。私はあんたのこともキライじゃないんだよ」
「オリヴィエ様……そういうときは好きだっていうものですわ」
ロザリアはそういって微笑みながらオリヴィエに口付ける。
その笑みは少女の年齢に相応しいもので。
オリヴィエはその肩を抱き、胸の中に引き寄せた。
――中の島まで、力が満ち渡るまであと少し。