「あー」
「ルヴァ! 中で出すなっていっただろう!?」
「ご、ごめんなさいっ」
ルヴァが慌てて腰を引くとオスカーと繋がっていた箇所から白い体液が泡立ち、やがてそれはオスカーのふとももを伝う。
オスカーは未だヒクつきながらルヴァの体液を垂れ流している自分の下半身を見つめて唸る。
「マナー違反だろう」
直に触れ合うことにも思うところがあったオスカーは注意する良い機会だと考え、告げる。
ルヴァは何故かそれに素直に頷いた。
「うんうん、そうですねぇ。確かにマナー違反です。貴方が女性でしたら、もうそろそろ孕んでいてもおかしくないですよね」
情事の最中に考え込んだルヴァに、オスカーは舌打ちするとルヴァの腰を引き寄せて思考を現実へと取り戻さす。
ルヴァは微笑むとオスカーの旋毛に口付け、その髪を乱した。
指はオスカーの後方へと向かった。ルヴァがオスカーの蕾に指を入れると掻き出すのかと思えば、指は添えただけですぐに再び自分のモノを侵入させる。
「ちょ…あっ」
まさかすぐに挿入れられると思っていなかったオスカーは突然の圧迫感に驚くものの、少し前までそれを受け入れていたそこは再びそれを飲み込むと外へと押し出す器官であるのに中へと誘い出す。
以前に吐き出された精がぐちゅぐちゅと音を立てるのを聞いてオスカーの中心は再び熱を持ち出した。
抗議の途中であったのに、続けることも叶わず熱い肉を味わう。
「うっ」
ルヴァは鍛え上げられたオスカーの割れた腹をゆっくりと撫ぜながら言った。
「ここに私の子がいてもおかしくないんですよねー」
「いや、あのな、常識的に考えておかしいだろうが」
男の自分が腹に子を成してたまるかとオスカーは呆れるが、天然すぎるルヴァには通じなかったようだ。
溜息を吐くつもりが与えられる快感に甘い声しか漏れない。
繋がっている部分がまた熱を帯びていて、もっと刺激がほしくて、いい加減動いてほしいが、愛しげに自分の腹を撫ぜるルヴァを見ると何とも言えない。
今までの恋人からも腹を撫ぜられながら、うっとりするような目で見られたことはあるが、今回は彼女たちのそれとは絶対に意図が違う。
オスカーの腹筋を触っていたルヴァの手が横に反れた。
「ああぁぁ」
オスカーの反応にルヴァが満足そうに微笑む。
「はは、脇腹弱いですよね」
「くっ、ゃあ」
「こことか?」
そういって、オスカーの横腹の敏感な皮膚をきつく擦ると、身体を捩らせるオスカーに覆いかぶさった。
血管の浮き出たオスカーの中心が聳え立ってるがルヴァは何故かそれには目もくれず、オスカーの隠れた性感帯を攻めていく。
「ここも」
天を向いている赤い突起を縁から先端まで舐めあげて。
もう片方は指で押されるつつ円を描くように刺激を与えられて、オスカーは更に喘いだ。
「あ、あ、あぁっ」
「こんな身体でよく今まで普通のSEXで我慢できてましたねえ…」
ルヴァがいうと、オスカーは瞠目して反論する。
「あ、あんたが!」
「私が?」
「あんたが変えたんだろう」
「うーん、人聞き悪いですねー……才能があったんですよ」
ルヴァはそう苦笑いして、繋がって膨らんでいる箇所からオスカーのそそり立った場所まで丹念に刺激する。
「は、やぁ…っ」
手馴れた夜の女のようなそれにオスカーはまた感じてしまった。
ルヴァはそれを確認すると、やっとオスカーの雄に触れた。かと思うと微妙に触れるか触れないかの愛撫を続ける。
自分がこんな身体になったのは絶対にルヴァが原因だとオスカーは一人ごちる。
女相手だと百戦錬磨、初めて「男」になった日から啼かしてきた女は数知れず、主導権を握らすことはあってもここまでいいようにされたことなんてない。
ルヴァと事故のように身体を繋ぐようになってからも主導権は自分にあった筈だ。
男としては完全に見縊っていたルヴァに翻弄されて喘ぎ続ける自分に腹が立つ。
この自分を啼かせる術をいつのまに手に入れたのか。
それとも自分を抱くようになってから、この身体で学習したのか。
オスカーには判らず苛立たしい。
いつのまにか耳元に当たるルヴァの吐息と声。
「オスカー、こっちへ『還って』来てください」
耳に心地よく響く誘いの言葉とともに精を生み出すところを何度も突き上げられ、
いつの間にか足されていた潤滑液と自身から吐き出された滑りで奥深くまでルヴァを飲み込んだ。
目の前を認識することすら出来ない。
ただただ身体の中から湧いてくる衝動に身を任せていた。
ぽたぽたと落ちる汗と。
ドクドクと勢いなく滲んでくる白濁に、こうやって中でイクときに延々と続く射精感を識ったはいつだったかと薄れる意識の中で思う。
「後ろだけでイッたんですね」
最後に感じたのは、ルヴァのつぶやきと腹の内に吐き出された欲望の熱さ、だった。
終