最初は女王になんてなれる気がしなかった。
せっかく選ばれたのだから、がんばろうと飛空都市へ向かったのがすべてのが始まり。
「ママ?」
目が覚めて、慣れない風景に戸惑う。
(そうだ、昨日から私、飛空都市に…)
アンジェリーク・リモージュは女王候補として、主星から女王陛下が統べる聖地を真似て作った飛空都市にやってきたのだった。
制服が可愛いかったから。
なんてよくある理由で、志望したスモルニィ女学院に合格したのは1年半前のこと。
入学した学院が代々女王候補を輩出してきたのを知ったのは
女王候補に選ばれたために、学院長室に呼ばれたときだった。
そのくらい自分には縁のない世界だと思っていた。
飛空都市についてからも、それは一緒だった。
最初は冗談だと思ったけど。
あっというまに、その日になって、私は女王試験を受けるべく聖殿の謁見の間にいる。
とっても緊張していたけど
端から並んだ人たちをみて、そんな気持ちは吹っ飛んだ。
あ、隣の巻髪の娘、ロザリアだっけ?キツそうだけどびっじーん!
あ、向こうにもすごい美人発見!
守護聖様って女の人もいるんだ! 水色の髪のお姉様。素敵。
こっちのイケメンすごいハンサム!
あっちのイケメンも渋くて素敵!
あの金髪のコも可愛いっ!
赤毛のワイルド系イケメンが笑った!
すごく爽やかそうな美少年にちょっと怖い系のカッコいい男の子!
スーパーモデルのようなド派手な美しいお姉様!
なにっ!?このすごくすごくゴージャスな人たち!
目の前がチカチカしてくる。
そういえば、キラキラした守護聖様の中に一人ふつうの人っぽいがいたなぁ~
緑のローブの穏やかそうなお兄さん。
あの人とは仲良くなれそうかも?
なぜ平凡な私が選ばれたのか全く分らないけど、どうせなら
おもいっきり楽しんじゃお♪
そのとき私は物見遊山で、これから起こる物語が私の人生を変えることになるなんて
全く思わず、これからの新しい未来に心躍らせた。
1 / 2 /