いやいや、こうも上手くいくとは驚いた。
俺は俺の腹の上で腰を振っている一期一振の腰を抱きながら、俺の鶴丸を一期の中へ突き上げる。
「っ! つっる丸殿ぉ…っ!」
すぐに一期が俺の名を呼んで有られもない声を上げて啼く。
常であれば冷静沈着な粟田口の長兄だというのに今では見る影すらなく。
よほどアレが効いたのか?
かっちりと着込んでいたシャツはだらしないを超えて汗などを吸って肌に吸い付き、薄明かりの中で一期一振の身体を淫らに演出する。
敵を射抜く目や弟を慈しむ目はそこにはなくただ快楽に喘ぐ姿があった。
ソイツを楽しんでいたらふと腰を掴んでいた手を取られた。驚いて動作を止めると手を一期一振の胸の突起に這わされる。
そして、弟たちや主に見せる顔ではなく、初めてみる妖艶な表情で微笑まれて――
「ははは、鶴丸殿? もっと触ってくだされ」
コイツは…っ!
要望通り、赤く色付いたそこを潰すように捻ってやる。
「はぁぁんっ!」
その瞬間、俺の鶴丸を咥えていた一期一振の中がきゅっと締まった。
ただでさえ狭いそこで、俺のを食い尽くす様に締め付けられて。
艶かしい腰の動きと共に絞られる。
これで初めて男を咥え込んだなんて驚きだろう!
蠕動する器官、いや、性器の中に俺の性器が包まれていいようにない快楽に頭がもっていかれそうになる。
まぐわうとやらがこんな気持ちいいもんだとは。
驚きだぜ。
「鶴丸どのぉ! もっと、もっと、ください!」
よほどのことがないと仲間内でも取り乱したりなどしないヤツが、俺の上で正気をなくし喘いでいる。
その扇情的な光景に目を奪われる。
「あっ、もっ」
根元に尻が擦り付けられて。
一期一振の催促に俺は雑念を振り払うように首を横に振ると更に突き上げた。
最近本丸へとやってきた栗田口の兄貴分の一期一振を俺は知っていた。
あれは俺たちが鋼の身だけだった頃、ありゃ数百年ほど前だったか?
御物として共に保管されていたこともあり、なんとなく知り合いではあった。
だってアレだろ?当時は付喪神としても顕現しておらずただの意識体でしかなかったのだから。
それで馴染みはあったが特に親しくもなく、一期一振は再刃されたせいか元からの気性のせいか普段から刀らしくなく紳士面を崩さずにいたから、俺はあまり好きではなかった。
退屈で退屈で仕方なかった時代の知り合いってなワケで、一期一振がここにやってきてからも挨拶くらいしかしたことがなかった。
「おー、秋田と平野じゃないか?」
外廊下をぶらぶらと皆の集まる部屋に向けて歩いていたら、ふとみえたものが気になった。
俺の掛けた声に若い刀たちが振り返る。
そこには粟田口の短刀(チビ)たちが何か実がついた植物を抱えていた。
「鶴丸さん!(殿!)」
「これ食べられるんでしょうか?」
手で招くフリをすると二振りは疑いもせず、ひょこひょこと俺のほうへやってきた。
ほう。
小さな突起がたくさんついた赤い色の実。
二振りが差し出してきた植物を俺は知っていた。
俺は顎に手をあてニヤリと笑う。
「その実は不味かった」
「え? もう試したんですか?」
「ああ! ソイツらは味がしない」
感心するように俺を見上げてくる視線が気持ちいい。
コイツら兄弟揃ってピュアだなぁ!
ふと魔が差したというか、俺はとあることを思いついた。
コイツは驚くぞ!
「なぁ、君たちにソレのいい活用方法を教えてやるぜ」
俺はニヤリと微笑むと秋田と平野にとあるアドバイスを行った。
一期一振はかなり後から来たこともあり今は一部屋を一振りで使っている。
俺は笑いながら襖の縁を掴むとババーンと音をたてて開ける。
案の定、思っていたとおり、一期は布団を掴みながら何事か耐えるように丸まっていた。
俺はなるべく平静な声を保ち話しかける。
「どうした? 一期一振」
俺の気配に気づいていたんだろうがそれどころじゃなかったようで、ようやく閉じていた目が開けられる。
一期一振の息は荒く、それを気取らせない様に努めようとしているのか、心持ちゆっくりと振り返る。
「つ、鶴丸殿……何か御用ですかな?」
「いや、君は夕餉にもこなかっただろう?」
いかにもという感じで片手を振れば、一期一振は疑わず深くため息を吐き言う。
「身体が変なのです」
「変とは?」
「なんといいますかムズムズするというか……熱を持っている訳ではないのです。どうにも初めての感触で。人の身とは難儀なものですなぁ」
「俺に任せてみるかい?」
一期は思考が纏まらないのか身体を緩く揺らしていたが、どうにも堪らないようで浅く首を縦に振った。
俺はそれを了承とみなして、一期一振へと近づくとその身体を抱きしめる。
「な、なにをされるのです!?」
「身体を得て一番浅いヤツの役に立つことさ」
そういうと一期一振は抵抗を止め、俺の動くとおりに身体を任せてくる。
装飾と大量のボタンのついた上着を脱がして、首元の布を一気に引き抜くとシャツの真ん中までボタンだけ外す。
隙間から覗く一期の苺のように赤くそまった尖りを布越しに指の腹で挟んだ。
「アッ! つ、鶴丸殿! 何を……」
一期一振の逃げる身体に跨り、首に結んでいた布でその両手を縛った。
一期一振は一気に顔を青ざめさせるが、身体のほうは正直で下肢はすでに硬化してその布を持ち上げている。
「さあ、驚きを君にもたらそう!」
豊臣のところにいた刀だ。何をされているのかは理解してるんだろう。
だけど自らの反応にはついていけないようでそこがまた初々しいぜ。
「鶴丸殿」
下衣を膝まで落とし、露になったそこを擦りあげる。
「ふっ、んんっ」
綺麗な顔してるが、生殖器はそこそこ大きくそれがまたエロさを誘う。
しかし、刀剣男士なんて生殖できないんだろうになんでこんなモンついてるんだろうな?
そのお陰でこうして刀で肉を斬るときの様な興奮を味わえているわけだが。
桃色が増して筋が浮かんできたソイツをさらに掴むと、ちょうど傍にあった皿からそれを掬ってドロドロのその物体を一期一振の一期にかけて、最奥を目指す。
潰れた蛇苺の赤い実を一期一振の蕾で潰すとその滑りの助けで中に侵入を果たす。
「あっ、あぁっあんっ」
ズルズルと出たり入ったりする感触に慣れたのか啼き始める一期一振に俺の鶴丸も反応している。
何度も擦りあげれば、薬効もあったのか一期一振はすぐに果てる。
「あぁッ!」
会陰を伝った白濁が赤と交じり合う様はいくさの自分を思い出す。
俺はひくつく一期一振の中へマラを突き挿した。
本能のままにがくがくと揺さぶると一期一振の蕾は俺の鶴丸をぎゅっと締め付けて蠢き出す。
突き当たれば引くとまるで女のように声を上げ、一期一振が啼く。
「はッ!ああんああんん!!!」
特に甲高く啼くその部分をごりごりと擦り上げればそこは、天国だった。
散々啼いてうつ伏せに力尽きた一期一振の後孔からは俺が吐き出した体液が流れている。
白と赤のどろどろの汁が一期一振の小さな白い尻を赤く染めて鶴らしく染めている。
それをぼんやり見つつ呟く。
「こいつは驚きだぜ。本当に効果があるとは……」
粟田口の秋田と平野に、この実と葉を煎じれば疲労回復などに効く薬となると大げさにいい、兄に勧めるようにいったのはただの悪戯のつもりだった。
後孔が腫れたときに沈める薬になるとは一体いつの主が試していたんだっけ。
まさかこんなに効果があるなんて俺も驚いた。
前髪を乱しながら掻き揚げると、俺の言葉を拾った一期一振が固まっていた。
「ははは、弟たちに入れ知恵したのは鶴丸殿でしたか」
さっきまで気をやっていた筈なのに今は一期一振を握り、俺をみて薄く微笑んでいる。
心なしか背面に鬼が見えるのは気のせいか?
俺はゴクリと唾を飲んだ。
「責任はとってくれるんでしょうな? お覚悟」
驚いたことにその後、夜通し精を搾り取られて。
俺は一回目とは異なり一期一振の身体に圧し掛かったまま休んでいた。
「なぁ一期一振」
「……なんでしょう?」
「君は意外と……いや、まぁいい」
俺がそういうと一期一振は追い畳みかけるように言う。
「意味が分かりませんな。はっきり仰って下さい」
煽られたらノッてやろう!
「君に惚れた! 俺と夫婦(めおと)にならないか!?」
ここはてっきり驚くか冷静さを失うかと思ったんだが。
「鶴丸殿、私たちは刀ですよ」
コイツは予定通りハメたがハマらなかったというヤツか!
俺はがっくりと肩を落とす。その肩を叩かれた。
「先ほどお伝えしましたでしょう。お覚悟があったのではなかったのですかな?」
そう、はははっと太平に笑う一期一振に先ほどのせりふを思い出して。
驚きの結果を追い求めた俺の悪戯は、こうして驚きの大団円となったのだった。