「オスカー、先にイって」
こうして身体を繋ぐようになったのはいつからだろう。
オスカーはノーマルだった筈だ。
それがこうしてオスカーが今自分の手技で喘ぐ様をみると酷く淫らで、傷なんてつけたくない筈なのにめちゃくちゃにしてやりたくなる。
少し肉厚の唇が薄く開く様にも煽られた。
「オスカー綺麗だよ」
「カ」
「か?」
「カッコいいといってくれ」
「フフ…、可愛いよ」
そういって耳朶を唇に含む。耳が弱いのか、掛かったオリヴィエの吐息に甘い吐息を返すのがオスカーだった。
丹念に手入れされた指で円を作り、オスカーの中心を包む。
強弱をつけて擦ってやる。
もう何回身体を繋いだだろう。オスカーの良いところは全部知っている。
お互い様だろうけれど。
爪で内壁を傷つけないように避妊具でその指を覆い、溢れ出る体液を掬って。
ぷつりと差し込むとオスカーは指一本をまるごと飲み込んだ。
深く差し入れた指をまた浅いところに引きずり出して折り曲げた。
「んっぁ、いいっ」
「オスカー、先にイって」
膨らんだ部分を押し上げて何度も責め立てる。
そのまま高みに連れて行こうとしたところに、オスカーによって遮られる。
「や、やめろ」
「……どうしてさ?」
「一緒にイキたい」
告げられた言葉に嬉しく思ったとは返さない。
口に出さなくてもこのオトコは判っているだろうけれど。
「ふーん、余裕じゃないか」
「余裕、なんてないぜ…っ!」
オスカーの返答を最後まで聞かずに指で押し広げて自身を挿入させる。
いつもよりも早急なせいで蕾はまだ固く、オリヴィエを搾り取りるようにきゅっと締まった。
それに持っていかれないように繋がったまま口付けるとオスカーが笑う。
少し幼く見えるその顔にオリヴィエは少し嗜虐的な気持ちになった。
勃ち上がったオスカーの猛りを扱いていく。
「っん! オリ、ヴィ…ッ!」
音がするくらい打ちつけて激しくグラインドさせる。
流石に達しそうになったのか、少し涙目で睨みつけてくる男に我に返った。
慌ててオスカーの前をきつく握りイケないようにしたけど。
それもまたオスカーにとってはキツイようで。
「イイよ、オスカー……一緒にイこうじゃないか」
オリヴィエはもう一度オスカーに口付けると今度は優しく上下に動き出した。
□ □ □
気だるい情事の後でシャワールームから戻ってきたオリヴィエが額に青筋を立てていた。
「これだからイヤなんだよ!」
何を怒っているのかオスカーはおおよそ判ったものの正直に答えるとそれはまた拙いと思い、とりあえず尋ねてみる。
「何がだ?」
「これをみてごらん」
オリヴィエはバスローブを腰まで下ろすとその背をオスカーに見せた。そこにはオスカーの想像通り、オスカーの爪の痕が無数に刻み込まれていた。
「美しい私の柔肌が~~」
「ふんっ、お互い様だろ?」
オスカーは身体に巻きついていたシーツを剥ぐとその身体をオリヴィエに見せる。
オリヴィエは自分が散らしたオスカーの身体中の赤い跡を見せられて何も言えず。
「この勝負引き分けだね!」
「……だな」
オスカーにはいつから勝負になったのか判らなかったがオリヴィエを宥めようと口付ける。
オリヴィエの背に新たな爪痕が増やされるのも時間の問題だった。
finish?