最近、勘が狂う。
今まで豊穣の女神のような懐の深いオトナの女性と恋仲になったことは度々あった。
いつも温かく深い海のような彼女たちに甘えることは心地よく、彼女たちがたまにみせる弱さに俺が頼れる男だと示すのは俺の自尊心をも満足させた。
下に妹がいたせいか頼られることは悪くなかった。
それがどうだ?
俺は隣で微かな寝息を立てて眠る地の守護聖と呼ばれる男の顔を眺めつつ考える。
少し前までは全く考えたことがなかったが、俺がルヴァとうっかりそういう行為を行うことになってから、この身体が馴染むまでに対して時間はかからなかった。
どうやら俺の敬愛する愛の女神は俺の身体をどんな愛の形でも楽しめるように作ったらしい。
今でも男とのキスや前戯となると抵抗があるが、それでも身体の内部を抉るような快感はこのセックスでしか味わえず、どちらかというと、ルヴァと過ごすことはセックスだけでなく悪くはなかった。
趣味も趣向も全然違う男の隣にいることは刺激があったし、何より素晴らしいのはルヴァには束縛するということがなかった。
レディの我が儘を利くのは男冥利に尽きるが、それでもたまに重荷に感じたりすることがある。
前に付き合ってた女性が少しそういう気質で大変だったな……
おっと話題がそれた。
ということで、俺は好きなときにルヴァの館を訪ねて、読書やなにやら書き物をするルヴァの隣で剣を磨いたり、兵法の書を嗜んだり、結果的に女断ちになってるに関わらず充実したとても穏やかな日々を送っていた。
「おや? まだいらっしゃったんですかー?」
ルヴァが起きたようだ。少し目を擦ると欠伸をしつつ、声がかかる。
「その言い草は感心しないな。アンタが俺の肩で寝てたお陰で、今日は無断外泊だ。」
わざとからかうような口調でいうとルヴァが両手を横に降り慌て出す。
「ええ~! それはすみません! 馬車を用意させましょうか?」
いつも俺はルヴァの館に来ると執事を通さず入り、勝手に帰る。
ルヴァの館に使えている者たちは最初こそ驚いていたものの今では慣れたもので、俺を主人の同僚として、また守護聖として敬意は表しつつ黙認されていた。
馬車の用意を聞いてくるルヴァに首を横に振る。
外はすっかり闇のベールが辺りを包んでいる。
聖地はこの時間であっても女王陛下のサクリアに充たされ平和そのものだ。
俺が指揮する警備の奴らも蟻の子一匹逃さないだろう。
まぁ聖地(こっち)から外へふらふらと出て行く緑や夢の守護聖どもは別としてな。
「いや、今日泊まってもいいか?」
俺の答えが若干ルヴァには意外だったみたいで、目をぱちくりとさせたもののすぐに破顔して快諾の返事が来た。
「寝所は別に用意させたほうが良いですかねぇ?」
少し悪戯っぽい笑みを浮かべつつ提案するルヴァに、俺は軽く拳を入れる。
「それじゃ意味ないだろ」
「ふふ、私の寝台はあなたと一緒だとちょっと狭いんですよ」
「それもたまにはいいだろ」
ソファから立ち上がったルヴァは少しかがむと俺に口づけてくる。
俺はその口付けを受け入れつつ、唇と唇の間を舐めて隙間を作る。
下手過ぎたルヴァのキスも今では慣れたもので、舌で不器用に俺の前歯に合図すると更に深く。
ルヴァにこんなキスを覚えさせたのは俺だ。
ルヴァの学習能力はこっちでも発揮されたらしく、不器用ながらも、この俺を快楽に導くくらいには上達していた。
「あー、私だとあなたを運べないので自分で移動していただけませんか?」
フンッ!コイツは頭も物覚えも悪くないのに情緒的な方面での学習はいまいちらしくムードがぶち壊しだ。
俺はルヴァを抱き上げるとベッドへ急いだ。
「うっあぁ…いいっぜ」
集中的に二つの突起をいじくり回すルヴァに俺はたまらず声をあげる。
恐ろしいことに、ルヴァには俺のこの野太い声もちゃんと興奮剤になるらしく、いつもの穏やかなアイスグレーの瞳に欲望の色がさっきよりも強く彩り始める。
腰を浮かすと、いつのまにかたっぷりと潤滑剤をすくった指が俺の蕾を撫で回す。
ぷつっと一本目の指が飲みこまれた。
待ちわびたその感触に俺の中心は血を集め、ヤラしい形に変化していく。
「結構溜まってたんですか? 指はまだ一本なのにすごい収縮してますねー」
「ばっ!」
すぐに俺の一番感じるところをみつけ、執拗に責めてくる。
中心は反り返り蜜を溢れ出していた。
「あなたは浅いところがお好きですから今日はそこでいくだけにしましょうねー」
「あ? どういうことだ!? ルヴァ」
しつこく膨らみを刺激していたルヴァだったが、俺の問いにやれやれといった風情で答える。
「明日の日の曜日はジュリアスと遠駆けにいくといってませんでした? 繋がると明日に響きますよー」
そうだった。明日はジュリアス様と聖地外れの小高い丘まで遠駆けを楽しもうと約束していたのだった。
ジュリアス様と自分たちの愛馬と爽やかな風と同化しながら駆けるのは楽しいものだ。
但し……以前、同様の約束をしていた前日、溜まりまくった性欲をルヴァにぶつけて発散してから出掛けたところ、えらい目にあったんだった。
体力には自信はあったが、酷使された尻に往復4時間の遠駆けはきつかった。
無論、ジュリアス様の前では醜態を晒さずに済んだ。
それでも翌日は腰が立たず出仕できなかった。
痛みへの怒りをそのままルヴァにぶつけて看病させたのを覚えていた。
そうしてる間にもルヴァの指はそのまま動き、俺を追い上げてくる。
「さあ、いきましょうねー」
中の指で圧力を掛けながら、指の形を求めて収縮する肉を残り二本で押し広げられる。
俺は快感に震えつつもルヴァの胸を叩き、抗議する。
「やめっ、っ、ここにアンタがいるのに繋がらないなんて生殺しじゃないか!」
「オスカー…恥ずかしい台詞をそんな表情でいうのは止めてください…」
自分でも今の顔はきっと情欲にまみれた雄の顔をしているんだろう。
なぜかルヴァが真っ赤な顔をしていた。
「……あまり煽らないでください。我慢できなくなります」
その台詞を聞いた俺はそのままルヴァを押し倒すと、何もかも忘れのルヴァの性器にしゃぶりついた。
「あっ…ダメですよ。ンッ」
ルヴァの静止に構わず、根元からかり口まで裏筋を辿るように舐めあげていく。
自分以外の生臭い男の臭いさえも慣れたもので俺はルヴァの性器を嘗め回した。仕上げに爪で窪みを弾くと簡単に準備ができる。
ルヴァだって身体の反応には抗えないだろう?
「オスカー! ……ジュリアスと約束しているのでしょう?」
確かにジュリアス様と約束している。
尊敬し敬愛しているジュリアス様と話していると時間はすぐに過ぎ去り、過ぎ去った時間も惜しいとは思わず、むしろそれは俺の糧となるだろう。俺の女王陛下とすべての女性への忠誠以外はジュリアス様に捧げられているといっても過言ではない。
だけど、この生殺しはなんだ!?
宥めるように背を撫でてくるルヴァをベッドに押し倒し、その腰に跨る。
簡単なことだ。ルヴァが挿入れないのであれば、俺が乗ればいい。
ルヴァによってトロトロに解された穴に、俺が無理やりおったてた棒を掴みながら挿入れていく。
頭の部分を押し付けるとぬるぬると動くそれが気持ち良い。少し力をいれるとにゅるんとルヴァを飲み込み、出し入れするその感触がたまらん。
「んっっっ! はぁんっ、ぁ」
「オスカーッ!」
上下に腰を使い始めたころには、ルヴァも諦めたようで
「なぜ私が襲われるのでしょうか……」
口ではぶつぶついっているが、その腰は先端が俺の良いところに当たる様に揺らされている。
今だけは目の前の、俺を内側から満たす青緑の髪の男に夢中だった。
思い切り前かがみになりルヴァに再び口付ける。
この体勢結構きついな。明日から柔軟性を良くするメニューも組み込むか。
限界が近い。
「あぁはぁぁっんっっ」
女みたいな声を上げると俺はそのまま天国へと向かった。
そのままルヴァの方へと倒れこむ。
発散された性欲と肌の温もりに包まれて俺は幸せだった。
翌日、再び地獄を見ることは忘れて。
☆ワンパタだなって気づいたのが書いた後だったので没にしましたw
よくある首挿げ替えの小話というものができるのかエルリで確認したところ、ルヴァオスでみたいとリクがあったので結局よしたのですが、今までと同じ表現が被りまくりで申し訳ないです。。。(語彙力がない)
この緑の守護聖様はカティス様です。