稲穂垂る畦道響く朝の鐘
犬と散歩する時間が決まっているわけではない。私の気分と天候次第なので、朝になったり、昼、夕方、時には夜中という事もある。犬にとっては大変迷惑であろうと思えない事も無い。家内からは「犬に対する虐待」だと言われ続けているが、やはり私のマイペ-スは止められない。
久し振りに早朝の散歩である。犬のカッチ(勝智)は「今が最高」という表情で、主人の歩調に尻尾をメトロノ-ムの様に正確に合わせ、四足を運んでいる。約10分位歩いた所で林の入り口に差し掛かると、「鳥の一鳴き」が私の耳を劈きそうであった。
「俺の縄張りに入るな!との鳥の「一喝」だったのか? それとも「朝の挨拶」だったのか。それにしても、何鳥? だったのかちょっと気になる・・・と考えながら歩いていると、今度はお寺の鐘である・・・私の心に染み入ってくる! と同時に犬との理想の散歩像(私見)・・・若者が老犬のペ-スに合わせて散歩している姿(いまだかつて見たことがない)が私の脳裏に浮かんできた・・・老人の気ままな散歩に付き合わされる「老犬の気持ち」はさて如何なものであろうか?