五月ゴールデンウィーク明けに出郷し、三泊四日の予定で東京に向かう。鹿児島県人寮の同学舎「よかにせ会」における記念講演と旧TBSブリタニカ元同僚に拠る歓迎会出席が目的である。十数年ぶりの上京であるから浦島太郎の感もあり、お上りさんの体でもある。案内を請いつつも何とか新宿の京王プラザホテルまで辿り着く。昼すぎにチェックインしたが、今年入社したばかりのベルボーイが新鮮である。将来は幹部を目指すと胸を張る。まだ昼飯を食べていないので、着替えをしてレストランを物色する。ホテル内にイタリアンレストランがあったのでパスタランチを注文する。ドリンクはマンゴージュース。デザートにムースが出て来たが、ウェイターに聞くがよく分からない。一応腹ごしらえが出来たので、かつて知った新宿の街を歩いて見る。コンクリートの上を革靴で歩くと慣れていないので足が痛い。早々にホテルに引き揚げ、シャワーを浴びて午睡を摂る。夕食はホテル内の韓国料理店に決める。焼肉とチゲのディナーを頼む。ウェイターに食べ方を聞きながら、本場の韓国料理に満足する。翌日は午後1時半まで目黒にある三州倶楽部まで行かなければならないが、ホテルからタクシーに乗る。会場受付で幹事に会い、既に来場していた「よかにせ会」代表に挨拶する。やがて旧知の同期の友人たちが現れ、一瞬にして50年前にタイムスリップ。1時間ばかりの講演を何とか切り抜け、懇親会、二次会を経て暗くなってからホテルに戻る。翌日は銀座で1時から歓迎会。電車で有楽町に向かう。京橋口で運河の出迎えを受け、会場まで銀ブラをする。銀座4丁目で田舎暮らしについて街の声を聞くテレビの街頭取材を受ける。帰郷後テレビを見たら冒頭に何秒か写っていたのは一興。最後の日の朝はホテルからリムジンバスで羽田に向かい、夕方6時ごろ帰郷を果たす。
敬天の偉人の像や夏立ちぬ
誰彼も古き顔なりビヤホール 金剛