平成28年明けましておめでとうございます。『天草俳壇』も主宰を引き継いでから35号の発刊を重ねてきました。これも俳句の世界に魅せられた同人、会員のご協力の賜物と感謝する次第です。本年度も宜しくお願いします。
さて金剛没落回帰大地方程式空間30周年の掉尾を飾るべく、去年10月金剛普通作水稲田の稲刈り作業に取り掛かる。幸い愛知県在住の妹夫婦が援軍に駆けつけ、案ずるよりもあっけなく完了することが出来た。妹夫婦が帰った後、乾燥した籾を集荷場へ持ちこんだら何とこの秋の出荷一番乗りであった。30年も作っていればこんなこともあるものだと感慨一入のものがある。この30年の総括はまだ果たしてはいないが、周りの全ての人から何をあほなことをと総スカンを食いながら、それでも何食わぬ顔して泥遊び、土いじりに明け暮れて来たが、30年は如何にも長く、既に70歳を超え、肉体の衰えは至る所で顕著になり、肉体を動かす快感よりも苦痛の方が大きくなってきた。所詮は遊戯であるから、いつ撤退してもいいのだが、大地に半分根が生えてしまったから、足を抜くのも容易ではない事態が生まれている。又、何時死んだところで誰も困ることのない身分であるから、却って始末が悪い。そこで例によって法螺吹きに輪を掛け、金剛没落回帰大地方程式空間31年目からはアウトバウンドを目指すのもありだと考えたりもする。アウトバウンドとはインバウンドの反対に国外に観光などで出かけることを言う。運河から金剛文明論にはイスラム論が欠けていると指摘されているから、先ずはメッカ詣でから初めて見るのも悪くはないが、異教徒は行かれないということで、これは国内移動だからアウトバウンドではないが、芭蕉の奥の細道を訪ねて、平泉ぐらいは行っておかないと俳句結社主宰の株が下がるというものだなどと思案する。法螺であり、初夢であるからどこの誰が災難に巻き込まれるわけでもない。昨年の11月の末ごろマイナンバー通知カードが郵便局より配達されたが、老人世代にとって何の役に立つものなのだろうか。いよいよ世の中は住みにくくなる一方なのかも知れない。
初夢はマイナンバーを忘れけり
大法螺も吹き敢へもせで歳の旦
下腹に贅肉の付く冬籠り 金剛