宮之浦岳  湯泊歩道

鹿児島県  宮之浦岳1,936m、栗生岳1,867m、黒味岳1,831m、高盤岳1,711m  2019年11月2日

     烏帽子岳1,614m、七五岳1,488m  2019年11月3日

(宮之浦岳)日本百名山

452

山道を辿り

緑の林の中を行く 

鹿の声、鳥の囁き

緑の中に立つ岩峰

(九州の秋)

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屋久島に近づくと、海岸沿いから盛り上がった陸地のはるか上に、宮之浦岳の双耳が見えてくる。その右のやや傾いたのが永田岳だろう。感激の再会。

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左の樹間に高盤岳のトーフ岩が見えた。包丁で切ったような長細い岩が頂上に乗っている不思議な山。そして、小さなケルンから狭い踏跡を辿り、巨大なスライス岩が横たわる高盤岳頂上に到達。それは何かの遺跡のようにも見える。不思議な空間。

大岩の最高点の手前に黒味岳の頂上標識があり、まずそこから宮之浦岳の絶景を眺め、それから最高点に立って四周に並ぶ屋久島の山々に見入る。

この日は快晴、深田久弥が見た、深い谷の向こうの宮之浦岳は左に永田岳、右に翁岳、安房岳、投石岳を従え、悠々と屋久島の中心にそびえていた。この景観は屋久島で一番、日本でも有数の山岳景観ではなかろうか。

南には、ジンネム高盤岳、烏帽子岳、七五岳が並び、さっき登った高盤岳はその手前でやや目立たない。それぞれに個性のある山々。

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湯泊歩道は手ごわく、アップダウンがあり、荒れた箇所を一つ一つ越えていく。その間に杉の道、うっそうとした林があり、ナメ沢を渡る。デー太郎岩屋、ワレノの岩屋、ミノの小屋跡には表示あり。老木と標識、岩にからむ木々、苔むした道を進み、ようやく烏帽子岳登山口のミノの小屋跡に到達。

烏帽子岳は登っている途中で頂上の大岩が見えたが、大岩の根元の隙間に祠があった。ハイマツみたいのを押しのけて進み、最高地点に立つ。ジンネム高盤岳の細かな岩に覆われた姿、そのまた向こうには黒味岳、宮之浦岳などの屋久島の重鎮が並んでいて、壮観。これはすごい。西には七五岳の鋭鋒が鋭く天を突いている。

烏帽子岳頂上手前にある祠のある大岩は、手前から見たときは平凡な丸い姿だったが、頂上側から見ると頭でっかちの烏帽子のように見える。これが烏帽子岳の名前の由来なのだろうか。

烏帽子岳から背後に初めて七五岳を見たとき、そのあまりの鋭角に圧倒され、まさかあの頂上までは登るまい、いや、登れまい、と思った。正面はのっぺらの岩肌なので取付きようがないが、左側には樹木が生えていて、そこをぐんぐん登り、太い黒綱を何度か登り、最後は岩の上を渡り、ついに七五岳の頂上に立つ。強烈だった。

頂上の大岩の上は広くて平らで、その中心になぜか石が三つある。なんでここに石が三つあるんだろう?この鋭鋒の頂上に立てて気分は最高。大岩の上に思い切り足を伸ばして座る。

 この日は快晴、深田久弥が見た、深い谷の向こうの宮之浦岳は左に永田岳、右に翁岳、安房岳、投石岳を従え、悠々と屋久島の中心にそびえていた。この景観は屋久島で一番、日本でも有数の山岳景観ではなかろうか。
 左の樹間に高盤岳のトーフ岩が見えた。包丁で切ったような長細い岩が頂上に乗っている不思議な山。そして、小さなケルンから狭い踏跡を辿り、巨大なスライス岩が横たわる高盤岳頂上に到達。それは何かの遺跡のようにも見える。不思議な空間。
 烏帽子岳から背後に初めて七五岳を見たとき、そのあまりの鋭角に圧倒され、まさかあの頂上までは登るまい、いや、登れまい、と思った。正面はのっぺらの岩肌なので取付きようがないが、左側には樹木が生えていて、そこをぐんぐん登り、太い黒綱を何度か登り、最後は岩の上を渡り、ついに七五岳の頂上に立つ。強烈だった。
 黒味岳の上に立つ人たち
 古い道(湯泊歩道)
 烏帽子岳の大岩(烏帽子岩?)
 宮之浦岳の黒い一等三角点
 シカ
 湯泊歩道の老木
D1  6:33 淀川口駐車地点発  8:40 花之江河  9:16 高盤岳  9:40 テント設営・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・淀川口駐車地点から3時間7分10:00 テント発10:28 花之江河10:44 黒味岳分岐11:18 黒味岳11:24 黒味岳発11:53 黒味岳分岐12:39 投石岳広場14:11 栗生岳14:36 宮之浦岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テントから4時間36分14:47 宮之浦岳発15:01 栗生岳16:40 投石岳広場17:12 黒味岳分岐17:40 花之江河18:21 テント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・宮之浦岳から3時間45分                                  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・淀川口駐車地点から11時間48分D2 6:33 テント発  7:01 デー太郎岩屋  8:54 ワレノの岩屋10:22 ミノの小屋跡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テントから3時間49分10:27 ミノの小屋跡発11:06 烏帽子岳11:28 ミノの小屋跡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミノの小屋跡から烏帽子岳往復1時間1分12:22 七五岳13:29 ミノの小屋跡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミノの小屋跡から七五岳往復2時間1分13:45 ミノの小屋跡発15:24 ワレノの岩屋17:12 デー太郎岩屋17:54 テント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ミノの小屋跡から4時間9分                                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テントから往復11時間21分D3  7:11 テント発  7:50 花之江河10:13 淀川口駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下り3時間2分

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行く手に屋久島が現われ、近づくにつれ、屋久島の山々が青空の下に次第に見えてくる。屋久島はでかい島で、平べったい島のいたるところにピークが林立しており、その真ん中の一番高いのが宮之浦岳に違いない。屋久島に近づくと、海岸沿いから盛り上がった陸地のはるか上に、宮之浦岳の双耳が見えてくる。その右のやや傾いたのが永田岳だろう。感激の再会。しばらくの間、その姿から目が離せない。フェリーは着岸するまで車に入れないようになっていて、ずっと山を見ていた。宮之浦岳と永田岳は着岸する直前までずっと見えていた。

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4時に起き、5時前にふれあいパークを出るが、周回路(県道77)にはもう車が単発的に走っている。そのほとんどは安房で右折して山に向かう。右折してすぐのところに煌々と明かりを灯していたのは荒川口へのバス乗換所で、ものすごく大勢の登山スタイルの人たちが並んでいた。こいつはすごい。こんなに人がいたのか。淀川口はそこから延々1時間ドライブで、客を運んだ帰りのタクシーとたびたびすれ違う。14年前はあのタクシーのうちの一台の客だった。淀川口の駐車場スペースは数台のみ、よってその手前のスペースに何台もが駐車していて、私もそれに倣う。天気予報は11月2日は晴だが、3日は曇るというので、できれば初日に宮之浦岳に登っておきたい。整備されている道を淡々と登る。このところ、追い越されることはあっても誰かを追越すことはめったになかったが、この日は追い越して行った方が多かった。私の足が速くなったのだろうか?そんなことはないな。展望所というのをスキップ。すると、左の樹間に高盤岳のトーフ岩が見えた。包丁で切ったような長細い岩が頂上に乗っている不思議な山。今日はこれにも登っておきたい。北西方向の樹間に黒味岳も初めて見える。その頂上の大岩の上に人々が乗っかっている。この方角から見ると、その大岩は細い塔のてっぺんのように小さく、とても登れそうには見えない。林の中で唸っていたのはイノシシかなと思ったが、どうやらシカらしい。なわばりを荒らされたと思っているらしい。

花之江河にだいぶ早く着いたので、デー太郎にテントを張ってから宮之浦岳に行くことに決める。大勢の人たちが木道にたたずみ、湿原やその向こうの黒味岳を眺めている。花之江河の湯泊歩道入口は閉鎖されていて、初心者侵入禁止となっていたが、脇を通って入る。最初は木道、次は歩きやすい道、そして次第に荒れていく。いったん下り、登り返したコルに思った通り、高盤岳への登山口があった。小さなケルン。ザックを置き、サブザックで狭い踏跡を辿り、巨大なスライス岩が横たわる高盤岳頂上に到達。この日の最初の感動。大きな岩が積み重なっている下をくぐってトーフ岩の北側に出ると、真上にスライスされた大岩。割れ目のむこうに青空。それは何かの遺跡のようにも見える。不思議な空間。高盤岳から下るとき、登ってきた人に会う。その人も翌日、湯泊を歩いて烏帽子、七五に向かったようだ。高盤岳登山口から下ったコルにナメの流れがあり、そこがデー太郎岩屋に違いないと思い、その少し手前のスペースにテントを張る(デー太郎はもっと先で、もっとよい水場があった)。バナナを食べ、軽くしたザックで宮之浦岳に向かい。まず黒味岳に登る。こいつが意外に遠かった。黒味岳の頂上にある直立した大岩がときどき見え、その上に立っている人が見える。その大岩はなかなか近づかず、反対側まで回って短い黒縄を登り、その先に緩い岩斜面がさっきの大岩の頂上まで続いていた。きっと太い黒縄の10mくらいと覚悟していたのに、これは拍子抜け。頂上付近で食事中の若者たちは、何やらもの足りなそうな雰囲気だった。だが、この日は快晴、深田久弥が見た、深い谷の向こうの宮之浦岳は左に永田岳、右に翁岳、安房岳、投石岳を従え、悠々と屋久島の中心にそびえていた。この景観は屋久島で一番、日本でも有数の山岳景観ではなかろうか。大岩の最高点の手前に黒味岳の頂上標識があり、まずそこから宮之浦岳の絶景を眺め、それから最高点に立って四周に並ぶ屋久島の山々に見入る。南には、ジンネム高盤岳、烏帽子岳、七五岳が並び、さっき登った高盤岳はその手前でやや目立たない。ジンネムは幅広の大きな山、なだらかに見える烏帽子岳の頂上には烏帽子岩があり、七五岳は切り立った尖峰の姿。それぞれに個性のある山々。

黒味岳から下るとき、背中の日ざしが気になり、分岐から少し先で二度目の休憩。パンを食べるが、この直後に少し立ち眩みぎみになる。足は動くのだが、心拍数があがり、頭がふらつく。投石岳の岩広場で横になって休む。そこでは、のんびり昼寝している人たちもいた。のろのろ登るのではいかにも効率が悪かったが、この後、ランニングのときの二吸二吐にすればよいと気づく。だが、足の方も疲れてきた。投石、安房、翁岳のところは山の西側をトラバースしてゆくのだが、安房から翁岳にかけてはナメ沢に沿って下るところがあり、その向こうに栗生岳と宮之浦岳がだいぶ近くなってくる。丸い白い石がたくさん散らばった緑の山が二つ。ナメ沢のところでは復路でシカに遭遇。近くに寄っても逃げないのは人に慣れてるから?翁岳の麓にある分岐はトイレ・ブースだが、その先に翁岳頂上に続く踏み跡が続いているようだった。栗生岳の頂上には大きな岩が数個あり、その隙間に祠、隙間の手前に頂上標識がある。狭い隙間にもぐりこんで祠にお参り。宮之浦岳の頂上は双耳になっているが、道が通じているのは三角点のある西峰。真下からだと東峰の方が高く見えるが、西峰に登ると西峰のほうが高く感ずる。因みに、地理院地図ではどちらも1,930mの等高線内にある。

14年ぶりの宮之浦頂上はやや雲が出てきていたが、まだ青空。永田岳の恐竜の姿、翁岳の王冠のような大岩、その他周囲をとりまく山また山。ここはまさしく屋久島アルプスの中心だ。黒い三角点も貫禄あり。ザックを下ろし、岩に座って少し感慨に浸る。あまりゆっくりもしていられないので帰路につくが、あわてても仕方ないので何度も休みをとりながら下る。唯一見た、青い花はリンドウ?翁岳の近くに良い水場があったが、遠すぎるので止め、花之江河の少し手前の水場で2リットル・バッグに給水。水流が細く、足場も悪くて少し苦労。湯泊歩道に入るあたりでヘッドランプ点灯。テントに戻り、深夜まで寝てから夕食。野菜スープと白米ではちょっと多すぎたか。

 

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この日は湯泊歩道を南に歩き、烏帽子岳と七五岳に登るだけだから、この日のうちに下れるだろうと思っていたが無理だった(ネットで見た記録はずいぶん早かったが、私には無理だった)。湯泊歩道は手ごわく、アップダウンがあり、荒れた箇所を一つ一つ越えていく。その間に杉の道、うっそうとした林があり、ナメ沢を渡る。「湯泊歩道」という表示がときどき現われ、赤テープはたくさんある。GPS軌跡は地理院破線からだいぶ外れていて、赤テープがなければ辿るのは不可能だろう。基本的にはトラバースで、ときどきコルを通過。デー太郎岩屋、ワレノの岩屋、ミノの小屋跡には表示あり。デー太郎にはテント適地と良い水場、ワレノにもよい水場があった。先日の男性はワレノの少し手前でテントを張っていた。テント適地なら無数にある。

二吸二吐で進み、中間地点で最初の休憩(バナナを食べる)。老木と標識、岩にからむ木々、苔むした道を進み、ようやく烏帽子岳登山口のミノの小屋跡に到達して二度目の休憩。パンを口に入れても呑み込めず、ポカリで半分を流し込む。烏帽子岳は登っている途中で頂上の大岩が見えたが、やがてその大岩のところに到達。そこで終わりかと思ったが、大岩の麓にある斜めの岩を伝ってもう少し先まで進むと、大岩の根元の隙間に祠があった。祠は反対側を向いていたので、奥まで回ってお参り。すると、その先にも道がついているようだ。その道は灌木の中の隙間で、ハイマツ(がある訳ないので何か別のマツだろう)みたいのを押しのけて進み、最高地点に立つ。GPSで最高地点であることを確認。因みに、地理院地図の破線の終点は北の谷向こうのピーク。その向こうにはジンネム高盤岳の細かな岩に覆われた姿、そのまた向こうには黒味岳、宮之浦岳などの屋久島の重鎮が並んでいて、壮観。これはすごい。西には七五岳の鋭鋒が鋭く天を突いている。烏帽子岳頂上手前にある祠のある大岩は、手前から見たときは平凡な丸い姿だったが、頂上側から見ると頭でっかちの烏帽子のように見える。これが烏帽子岳の名前の由来なのだろうか。ここにも薄紫のキキョウ。

烏帽子岳から背後に初めて七五岳を見たとき、そのあまりの鋭角に圧倒され、まさかあの頂上までは登るまい、いや、登れまい、と思った。地理院破線も頂上手前で途切れている。ミノの小屋跡まで戻り、湯泊歩道を100mほど行くと七五岳入口という表示がある。表示があるということは、頂上まで行けるということなのかなあ。アプローチは長く、アップダウンにトラバースで途中のマイナーピークを越え、いよいよ七五岳が樹間に見え、その左手から登っていく。正面はのっぺらの岩肌なので取付きようがないが、左側には樹木が生えていて、そこをぐんぐん登り、ひょっこり頂上手前のテラスに出る。右は何もない崖、正面も登れそうもないが、左側には頂上近くまで樹木が生えている。ルートはテラスの左側の灌木の間にあったようだが、テラスの岩の上に登って進み、そこでテラス左側の踏跡に気づいてそれを辿る。太い黒綱を何度か登り、最後は岩の上を渡り、ついに七五岳の頂上に立つ。強烈だった。頂上の大岩の上は広くて平らで、その中心になぜか石が三つある。なんでここに石が三つあるんだろう?山渓マップ・ガイドによると、割石岳、モッチョム岳、それに七五岳が屋久島の三大岩場らしい。頂上の西側に祠があったらしいが、行かず。烏帽子岳の頂上にいた頃から霧が流れ始め、七五岳の頂上はすっかり白い霧に包まれていて遠景は全く見えなかった。少し残念。だが、この鋭鋒の頂上に立てて気分は最高。大岩の上に思い切り足を伸ばして座る。

この日の目的を果たし、七五岳からゆっくり下る。いったんテラスに出るところを間違えてまっすぐ降りてしまい、登り返すのが面倒なのでそのまま枝を掴んで下り、更に下のルートに合流。ミノの小屋跡に至り、3度目の休憩。半分残していたパンをポカリで流し込む。ここでポカリ2本を飲み干し、あとはワレノとデー太郎の水場で給水。水バッグを持ってこなかったが、ポカリのペットボトル4本、2リットルあれば十分だろう。ミノの小屋跡で横になって休むと、頭上の木の葉が黒いシルエットになっている。

湯泊歩道の荒れようをいくつか。(1)(デー太郎岩屋の南で、)沢筋を越えていくのに太い丸太が一本かかっている。水はほとんど流れてないので2mほどを沢に下り、対岸をまた2m登ればいいのだが、何もない垂直の上り下りはやっかいそう。そこで丸太の上を歩いてみる。ウォーキング・スティックを前後に突いてそろそろと前進。往路では丸太は次第に太くなり、終盤につかめる枝もあったが、復路では丸太は次第に細くなり、つかめる枝もなし。だが結局、復路もトライ。終盤にぐらついて落ちそうになるが、スティックで土手をついてなんとか渡る。(2)ワレノの岩屋の南に大きな倒木。大回りするも向こう側のルートが分からず、うろうろ。(3)(高盤岳登山口の北など数ヶ所、)溝が深く掘れてしまって、しかも水がたまっている。側面に足をかけてそろりと行こうとすると足がすべり、ボチャン。(4)(デー太郎岩屋の南のヘアピンで、)突然、道が消える。どっちだ!と四方を探しまわり、赤テープを見つけてこっちか、と進む。だが、GPSを見ると後戻りしている!(5)復路、テントまであと200mのところでヘッドランプを点灯。ランプで照らす踏跡を進むと途切れている。どっちだ?まわりを照らしても赤テープは近くにはない。GPSの軌跡を見て、少し戻って右の斜面を登ることが分かる。こいつは暗いと絶対にわからないな。

デー太郎まで来ると誰かのテントが一張。今朝会った人のらしい。私は水場で水を汲み、二口ほど飲んで先に進む。もうだいぶ暗い。ようやくテントに戻り、いったんしまったシュラフとシュラフ・カバーを広げて横になり、22時頃に起きて食事。この日は野菜スープだけにしておく。薄味だったせいか、昔ほどおいしく感じない。だが、湯泊歩道を歩いて二つの山に登れ、心は平穏だった。

 

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下山するだけの最終日。5時のアラームでゆっくり起き、長崎チャンポンのカップ麺を食べるとえらくうまかった。これからはこれにするか。片付けをしていると、やってきたのは昨日の人ではなく、これから湯泊を下ろうとする人だった。話しかけてきたということは監視員の人だろうか。湯泊は2度目だと言っていたが、まあ、たいへんだろうな。昨日の人は出かける少し前に登っていった。ご苦労さん。この日も朝はいい天気で、高盤岳が青空の下にきれいに見えていた。あのスライスの下のところの、斜めになった岩を歩いたなあ。花之江河から淀川口に向かうと、ちらほらと人に会う。小花之江河の木道から高盤岳を写しているときに木道の先に現われた人、数人パーティ数組、一人旅、ガイド付きのパーティ、中国語を話している夫婦連れ、黙々と歩む若者。展望台には先客がいて、ガイドさんが説明中。宮之浦岳は見えていないが、黒味岳と頂上の大岩が見えていた。誰もいない淀川小屋の手前の淀川の岸辺に降りてみる。サラサラと流れる美しい川。小屋の少し先の水場というのは支流のナメ沢で、これもサラサラと水が流れていたが、水を受けられるようなところは見当たらなかった。ナメから直接汲むのかな。

淀川口が近づくと何やら物音がしていたのは、工事の人たちの何かの作業。登山口には誰かを待っているらしい女性が一人。私は駐車地点まで戻ってゆっくり片付け、安房まで車で下る。三日前と同じ楠川温泉に入り、三日ぶりの風呂にはいってさっぱりする。スーパーを探しに行き、宮之浦の奥に一つ発見(ヤクデン)。ショッピング・モールもコンビニもない屋久島。日帰り温泉も一つのみ。だが、スーパーはもう一つ、わいわいランドというのがあり、都合二つあった。最初に見たときは保育園と思い違いをして数回通過していた。品ぞろえも悪くない。昼と夕方にそれぞれのスーパーに寄って買物。ふれあいパークで、たっぷりゆっくり海の幸を味わう。幸せだ。ふれあいパークの海岸に並ぶ丸い池はエビの養殖場らしい。飛行場から飛び立つ小さな飛行機。14年前はあれに乗っていた。

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  屋久島

行く手に屋久島が現われ、近づくにつれ、屋久島の山々が青空の下に次第に見えてくる。屋久島はでかい島で、平べったい島のいたるところにピークが林立しており、その真ん中の一番高いのが宮之浦岳に違いない。屋久島に近づくと、海岸沿いから盛り上がった陸地のはるか上に、宮之浦岳の双耳が見えてくる。その右のやや傾いたのが永田岳だろう。感激の再会。しばらくの間、その姿から目が離せない。フェリーは着岸するまで車に入れないようになっていて、ずっと山を見ていた。宮之浦岳と永田岳は着岸する直前までずっと見えていた。

  海と宮之浦岳

  海から見上げる宮之浦岳

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  淀川登山口


  淀川小屋

  淀川

  初めて見えた高盤岳

  トーフ岩

  初めて見えた黒味岳

  黒味岳頂上に立つ人々

 花之江河

  花之江河の祠

  初心者侵入禁止の湯泊歩道入口

  湯泊歩道の注意書き

  高盤岳登山口とケルン


  トーフ岩の脇をくぐる

  見上げるトーフ岩

  見上げるトーフ岩

  黒味岳頂上に立つ人

  黒味岳頂上標識(最高点の少し手前)、背景は永田岳と宮之浦岳

  永田岳、宮之浦岳、翁岳

  宮之浦岳

  黒味岳最高点の大岩

 黒味岳頂上から北の景観: 永田岳、宮之浦岳、翁岳、投石岳

 黒味岳頂上から南の景観: 高盤岳、ジンネム高盤岳、烏帽子岳、七五岳

ジンネム高盤岳、烏帽子岳、七五岳  (上の拡大)

  七五岳(上の拡大)

  七五岳(更に拡大)

  黒味岳の大岩を見上げる(投石岳途上より)

  投石岳の岩広場

  宮之浦岳と栗生岳

  沢沿いの道

  栗生岳


  栗生岳の祠

  近づいた宮之浦岳

  宮之浦岳の本峰(左)と東峰(右)

  宮之浦岳の三角点と頂上標識


  黒い一等三角点

  宮之浦岳の頂上標識

  永田岳

  翁岳

  リンドウ?

  シカ

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  デー太郎岩屋の標識


  デー太郎岩屋のテント適地

  デー太郎岩屋の水場

  杉の道

  うっそうとした林

  ナメ沢

  湯泊歩道の表示

  ワレノの岩屋の標識

  ワレノの岩屋

  老木と標識

  岩にからむ木々

  苔むした道

  赤テープとプレート

  ミノの小屋跡のテント適地


  ミノの小屋跡の標識

  初めて見えた七五岳

  七五岳

  七五岳

  烏帽子岳頂上手前からの景観: 永田岳、宮之浦岳、黒味岳、高盤岳、ジンネム高盤岳

  烏帽子岳頂上手前からの景観(上の拡大): 永田岳、宮之浦岳、黒味岳、高盤岳

  烏帽子岩の背中(左奥が頂上)

  烏帽子岳の祠

  烏帽子岩

  烏帽子岳の頂上

 烏帽子岳頂上からの景観: 永田岳、宮之浦岳、黒味岳、高盤岳、ジンネム高盤岳

  キキョウ

  七五岳入口の表示

  七五岳の岸壁


  七五岳の岸壁

  ロープの急坂

  七五岳の太い黒綱

  七五岳頂上の三つの岩

  夕刻の林の空

この日の目的を果たし、七五岳からゆっくり下る。いったんテラスに出るところを間違えてまっすぐ降りてしまい、登り返すのが面倒なのでそのまま枝を掴んで下り、更に下のルートに合流。ミノの小屋跡に至り、3度目の休憩。半分残していたパンをポカリで流し込む。ここでポカリ2本を飲み干し、あとはワレノとデー太郎の水場で給水。水バッグを持ってこなかったが、ポカリのペットボトル4本、2リットルあれば十分だろう。ミノの小屋跡で横になって休むと、頭上の木の葉が黒いシルエットになっている。

  岩にからむ木々

  木から生える木々

  古い道

  荒れた道、タイプ1: 沢の丸太橋


  荒れた道、タイプ2: 倒木

  荒れた道、タイプ3: えぐれた溝の水

  荒れた道、タイプ5: 行き止まりの踏跡の右斜面にルート

デー太郎まで来ると誰かのテントが一張。今朝会った人のらしい。私は水場で水を汲み、二口ほど飲んで先に進む。もうだいぶ暗い。ようやくテントに戻り、いったんしまったシュラフとシュラフ・カバーを広げて横になり、22時頃に起きて食事。この日は野菜スープだけにしておく。薄味だったせいか、昔ほどおいしく感じない。だが、湯泊歩道を歩いて二つの山に登れ、心は平穏だった。

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  夜明け


  夜明けの高盤岳