檜洞丸、蛭ヶ岳 西丹沢の縦走2
神奈川県 檜洞丸1,601m、蛭ヶ岳1,673m、大臼岳1,460m 2019年11月17日
(檜洞丸、蛭ヶ岳)関東百名山
455
町のすぐ近くにあり
気軽に登れるがどっこい、奥が深い
身軽な装備で早朝
暗いうちに歩き始める
稜線に上がると真っ白な富士山!
☘🌪🚢🐈🍁🍂
道標に東沢とゴーラ沢を渡渉するようイラストがついている。なるほど。水は多かったが、水にわずかに沈んだ石に少し靴を濡らした程度で渡る。東沢から頂上尾根までの2㎞が登りの連続。
背後の樹間に真っ白な富士山が見え始め、展望台に着く前から何度か樹間の富士山を見ながら進む。展望台ではテーブルの上に立って木々に遮られていない富士山を撮影。すばらしい秋空に真っ白な富士!
頂上尾根に上がると、やがて木道となり、そして15年ぶりの檜洞丸に到達。まだ人の少ない広い頂上の西端に行って富士山を見ていると、南アルプスが見えている。真っ白なのは北岳と間ノ岳のようだが、その右手に甲斐駒、左手には赤石と悪沢も見えているようだ。夢中で撮影。
縦走路に進む。あまり下ってほしくないが、最低コルはそこからは見えない。どんどん下っていくにつれ、どんどん気が滅入ってくる。もうそのくらいでいいぞ、と思うが、平坦になったと思ったらまた下り、少し登り返したら、その倍以上の下りが現われる。最初は同じくらいの高さに見えていた蛭ヶ岳はどんどん高くなっていき、憂鬱。
最低コル1,250mには神ノ川乗越の表示。蛭ヶ岳まで1.9㎞だが、その前にある大臼岳1,460mへの登り返しが辛かった。
背後には檜洞丸が富士山と並んで見えていた。木々の隙間を探してこの絶景を眺める。鬼太郎の漫画にでてくるような木々で覆われて真っ黒な姿の檜洞丸はどう見ても妖怪の住処のように見えてしまい、真っ白な富士山とは対極。そのコントラストもおもしろい。
高度が上がるにつれ檜洞丸の背後の富士山は次第に高く、大きくなり、富士山の白い姿が大きくなるほど、檜洞丸の黒い姿も引き立って見えてくる。このときのツーショットは後日あらためて見ても実にすばらしい。こっちから見る檜洞丸も全然悪くないなあ。富士山を背景に従え、どっしり構えている。
そして広い蛭ヶ岳頂上に到達。これまた15年ぶり。蛭ヶ岳山荘の手前に祠があり、そこにお参りすると、山荘のすぐ近くに傾いた三角点があった。落葉を拾ってコケを払落し、少しきれいにしてから撮影。実は、地理院地図の蛭ヶ岳には三角点は記されておらず、どうやら「亡失」ということにされているようだ。
蛭ヶ岳から東には、丹沢山が地味な姿を見せている。その南には塔ノ岳。頂上に山荘の見えるこの山は檜洞丸からも見えていた。
檜洞丸に登り返していくと背後に少し夕日(アーベントロート)の蛭ヶ岳が輝く。日が暮れる直前のわずかな時間の小さな奇跡。
檜洞丸頂上は冷たい風が吹いて寒かったが、展望スポットまで行くと、ちょうど夕陽が富士山の左肩に落ちるところだった。金色に輝く夕陽に寄り添う富士のシルエット。実物はまぶしかったが、写真で見ると絶景だ。
********************
二日目は4時に起きたが、3時に起きるべきだった。檜洞丸への登山口、西丹沢センターにはもう車が何台かいた。未舗装の駐車場に停め、トイレに寄り、登山者カードを出して歩き始めたのはもう6時前。屋久島では夏服だったが、11月の丹沢はもう寒い。厚手の上下をもってきて正解だった。初日はそれにレインウェアも着込んで出かけたが、途中で脱いだ。二日目はレインウェアなしで行く(帰りの檜洞丸頂上が寒く、レインウェアの上を着込む)。最初は県道76を北に500mほど歩くと、川べりがオートキャンプ場になっていて、テントがいくつも見えている。家族連れで来るのにはいいところなのだろう。ここを歩いている間にもう明るくなり、ヘッドランプはまもなく消灯。小さな沢(用木沢)沿いの登山口に着き、最初はほとんど水のない沢ぞいを進んでから斜面にとりつくのだが、間違えて斜面についている歩きにくい踏み跡をたどる。えらくハードな道だなあと思いながら、あぶなっかしく急な片斜面を進むと、突然、広い歩きやすい道に出る。その道は左右に続いているが、下っていく道は沢から登ってくる道だったのだ。なんたるくたびれもうけ。そういえば、15年前も同じことをしたような気がする。
そこからは、初日の縦走路と比べても格段に歩きやすい道。沢沿いだがだいぶ高いところに水平に付けられた道で、沢沿いを横断するところには橋が架けられていて、手すりのある橋もある。やがて道標があり、東沢沿いの道となるが、更に広く歩きやすくなる。こいつは楽だなとすいすい歩いていると、もう追い付いてきた人がいるので道を譲る。大きな細長い葉っぱの蜂の巣のような白い実は何だろう?(ミツマタ?)1.5㎞ほど歩き、沢に降りて沢を渡渉。東沢はごうごうとすごい音をたてていたが、渡渉点は砂防ダムのすぐ上。ここには15年前は橋があったような気がするが、今回はなし。道標に東沢とゴーラ沢を渡渉するようイラストがついている。なるほど。水は多かったが、水にわずかに沈んだ石に少し靴を濡らした程度で渡る。東沢から頂上尾根までの2㎞が登りの連続。最初はやや緩いが、少し下って登り返しになってから傾斜がきつくなり、階段が連続するのは歩きやすいのだが、辛い。しかし、背後の樹間に真っ白な富士山が見え始め、展望台に着く前から何度か樹間の富士山を見ながら進む。展望台ではテーブルの上に立って木々に遮られていない富士山を撮影。すばらしい秋空に真っ白な富士!その先で、今度は樹間に南アルプスが見え始める。前日は雲をかぶっていたが、この日は真っ白な姿が見えている。北には樹間に檜洞丸の頂上があり、その左奥に代謝色の大室山。
頂上尾根に上がると、やがて木道となり、そして15年ぶりの檜洞丸に到達。まだ人の少ない広い頂上の西端に行って富士山を見ていると、南アルプスが見えている。真っ白なのは北岳と間ノ岳のようだが、その右手に甲斐駒、左手には赤石と悪沢も見えているようだ。夢中で撮影。檜洞丸頂上には木々が多く(ただし、檜ではなく、ブナなどの広葉樹が多いような気がする)、蛭ヶ岳は見えないので、15年前は青ヶ岳山荘のあたりまで下って蛭ヶ岳と丹沢の主稜を見た。今回はその先にある縦走路に進む。青ヶ岳山荘の少し下で最初の休憩をとってパンを食べていると、男性が一人、縦走路に先に下っていく(この男性には、蛭ヶ岳まで数百メートルのところで会ったと思う)。北に市街地が見えており、その向こうに見えているのは高柄山だろうか。あまり下ってほしくないが、最低コルはそこからは見えない。どんどん下っていくにつれ、どんどん気が滅入ってくる。もうそのくらいでいいぞ、と思うが、平坦になったと思ったらまた下り、少し登り返したら、その倍以上の下りが現われる。最初は同じくらいの高さに見えていた蛭ヶ岳はどんどん高くなっていき、憂鬱。縦走路をやってくる人に初めて出会ったのは最初のコルのあたり、この後、何人もの人に出会うが、午前中にここを歩いているということは、日帰りではないのだろう。西側の最低コル1,300mの先にあった「源蔵おね」という表示はこの吊尾根のことなのだろうか?その先のハシゴと橋のある狭いところに金山谷乗越の表示があり、それが西側最低コルのことだと思われる。その先はやや楽なアップダウン。三つのピーク(P2・1,350m、P3・1,330m、P4・1,344m)が並び、東端のP4・1,344mから最低コル1,250mに下っていくときに会ったのは学生と先生?のパーティ。最低コル1,250mには神ノ川乗越の表示。蛭ヶ岳まで1.9㎞だが、その前にある大臼岳1,460mへの登り返しが辛かった。
大臼岳(の1,450m地点。最高点1,460mは登山道の標識から120mほど南にある)からは谷向こうの蛭ヶ岳がすぐ先に見える。途中に白い岩が目立つ箇所があり、そこが難所なのだろうか。あそこまで登ればあとは楽だろう。背後には檜洞丸が富士山と並んで見えていた。木々の隙間を探してこの絶景を眺める。鬼太郎の漫画にでてくるような木々で覆われて真っ黒な姿の檜洞丸はどう見ても妖怪の住処のように見えてしまい、真っ白な富士山とは対極。そのコントラストもおもしろい。大臼岳から北に900mほどのところにあるP6・1,421mで2度目の休憩。蛭ヶ岳の西斜面の登りに備え、バナナを食べる。P6・1,421mから蛭ヶ岳の間には狭い吊尾根が2箇所あり、二つ目の吊尾根(キレットと呼ぶべきか)は尾根の北側にトラバース路が付けられている。そこから登り返したあたりに鎖場があり、岩の多い急斜面を慎重に登る。背後に見えてきた富士山と檜洞丸のツーショットを写している時、下ってきた若い男性は青ヶ岳山荘のあたりで会った人だろうか。高度が上がるにつれ檜洞丸の背後の富士山は次第に高く、大きくなり、富士山の白い姿が大きくなるほど、檜洞丸の黒い姿も引き立って見えてくる。このときのツーショットは後日あらためて見ても実にすばらしい。こっちから見る檜洞丸も全然悪くないなあ。富士山を背景に従え、どっしり構えている。やがて白い岩の目立つ箇所に出る。そこは斜面が崩れてややナギのようになっているところで、階段が付けられていて難なく通過。そこからはもう傾斜も緩くなる。
そして広い蛭ヶ岳頂上に到達。これまた15年ぶり。頂上手前で上半身裸の男性が現われ、ドキっとするが、たぶんトレイルランか何かの人だろう(単なる日帰りの人かも)。15年前はたくさん人がいた記憶があるが、今回は思ったよりも人が少なく、4~5人程度。それでも新たに来る人もいて、すばらしい富士山に歓声を上げている。広い頂上の中央付近にある頂上標識を撮影。あれっ三角点はどこだ?蛭ヶ岳山荘の手前に祠があり、そこにお参りすると、山荘のすぐ近くに傾いた三角点があった。これはひどい。菰釣山の三角点も不遇だったが、丹沢の最高点にある三角点が小屋脇の土手の上で傾いて今にも落ちそうになっている。三角点を覆っている雑草を抜こうとすると、トゲのある雑草がじゃまをする。手袋をしていてもつかめないので脇に押しやる。次に落葉を拾ってコケを払落し、少しきれいにしてから撮影。実は、地理院地図の蛭ヶ岳には三角点は記されておらず、どうやら「亡失」ということにされているようだ。けれども傾いているにせよ、現実に存在しているではないか。誰か修復してくれないものか。大きな蛭ヶ岳山荘には、この日は何人くらい泊まっているのだろう。頂上広場に戻ると写真をとってくれという夫婦。富士山がきれいだからよい記念になるだろう。スマホの撮影ボタンを手袋をしたまま押そうとするとうまく作動しない(手袋を外すべきだった)。蛭ヶ岳から東には、丹沢山が地味な姿を見せている。その南には塔ノ岳。頂上に山荘の見えるこの山は檜洞丸からも見えていた。360度の景観を見回し、さあ、ゆっくり休もうと思ったら、もう13時前になっていた。これではゆっくりしていられない。ポカリを飲み早々に帰路につく。最後にもう一度、頂上標識にタッチ。また来なくては。
トントンと階段を下っていくと、登ってくる人に何人か会う。この人たちはたぶん、山小屋に泊まるのだろう。往路には7時間かかったが登りが2回あった。復路は登りが1回だけだから5時間半くらいで済むだろう。それでも18時半。また真っ暗だな(結局、檜洞丸からの下りでペースダウンし、19時過ぎとなる)。復路も足は動き、二吸二吐で頭もしっかししていたが、だんだん肩が痛くなってくる。この日もよせばいいのに大臼岳でザックを下ろして最高点1,460mまで行ってみる。踏み跡はあったが、最高点は鹿除けの網で囲まれた植生保護区域の中の大きな木のところで、標識はなし。前日に食べ残した皮つきのナッツを食べながら行く。最低コル1,250m(神ノ川乗越)への下りの途中で道を間違えそうになり、GPSを見て往路に復帰。神ノ川乗越1,250mからは辛い登り返し。ようやくP4・1,344mまで登り返し、5回目の休憩をとり、次のナッツの袋を開ける。金山谷乗越(西の最低コル1,300m)から最後の登り返し。この日は日が照ると暖かく、手袋を外すこともあったが、日が陰ると冷たい風が吹き、再び手袋をはめる。檜洞丸に登り返していくと背後に少し夕日(アーベントロート)の蛭ヶ岳が輝く。日が暮れる直前のわずかな時間の小さな奇跡。檜洞丸頂上は冷たい風が吹いて寒かったが、ちょうど夕陽が沈むところだった。暗くなりかけた空に木々の黒いシルエットと金色の夕日。展望スポットまで行くと、ちょうど夕陽が富士山の左肩に落ちるところだった。金色に輝く夕陽に寄り添う富士のシルエット。実物はまぶしかったが、写真で見ると絶景だ。前日に見逃した風景だが、それだけ今日のほうが遅れているということだ。
まっくらな駐車場で待っていたのは私の車のみ、ゆっくり片付けるがもう19時半になっていたので、前日よりも少しあわてる。幸い20時半前に温泉に着き、(何時までなのだろう?10:00~深夜1:00までやっていた。)この日も熱い五右衛門にざぶん!
用木沢沿いから東沢沿いへの道標
二日目は4時に起きたが、3時に起きるべきだった。檜洞丸への登山口、西丹沢センターにはもう車が何台かいた。未舗装の駐車場に停め、トイレに寄り、登山者カードを出して歩き始めたのはもう6時前。屋久島では夏服だったが、11月の丹沢はもう寒い。
白い実(ミツマタ?)
厚手の上下をもってきて正解だった。初日はそれにレインウェアも着込んで出かけたが、途中で脱いだ。二日目はレインウェアなしで行く(帰りの檜洞丸頂上が寒く、レインウェアの上を着込む)。最初は県道76を北に500mほど歩くと、川べりがオートキャンプ場になっていて、テントがいくつも見えている。家族連れで来るのにはいいところなのだろう。
ゴーラ沢出会いの道標
そこからは、初日の縦走路と比べても格段に歩きやすい道。沢沿いだがだいぶ高いところに水平に付けられた道で、沢沿いを横断するところには橋が架けられていて、手すりのある橋もある。やがて道標があり、東沢沿いの道となるが、更に広く歩きやすくなる。こいつは楽だなとすいすい歩いていると、もう追い付いてきた人がいるので道を譲る。
東沢の渡渉
ゴーラ沢の渡渉
尾根への取付き
黄葉
細尾根
富士山
最初はやや緩いが、少し下って登り返しになってから傾斜がきつくなり、階段が連続するのは歩きやすいのだが、辛い。しかし、背後の樹間に真っ白な富士山が見え始め、展望台に着く前から何度か樹間の富士山を見ながら進む。展望台ではテーブルの上に立って木々に遮られていない富士山を撮影。すばらしい秋空に真っ白な富士!その先で、今度は樹間に南アルプスが見え始める。前日は雲をかぶっていたが、この日は真っ白な姿が見えている。北には樹間に檜洞丸の頂上があり、その左奥に代謝色の大室山。
箱根山
青空と大室山
稜線の木道
太陽光パネルと風車
富士山
檜洞丸の頂上
頂上尾根に上がると、やがて木道となり、そして15年ぶりの檜洞丸に到達。まだ人の少ない広い頂上の西端に行って富士山を見ていると、南アルプスが見えている。真っ白なのは北岳と間ノ岳のようだが、その右手に甲斐駒、左手には赤石と悪沢も見えているようだ。夢中で撮影。
檜洞丸頂上の祠
檜洞丸頂上には木々が多く(ただし、檜ではなく、ブナなどの広葉樹が多いような気がする)、蛭ヶ岳は見えないので、15年前は青ヶ岳山荘のあたりまで下って蛭ヶ岳と丹沢の主稜を見た。今回はその先にある縦走路に進む。青ヶ岳山荘の少し下で最初の休憩をとってパンを食べていると、男性が一人、縦走路に先に下っていく(この男性には、蛭ヶ岳まで数百メートルのところで会ったと思う)。北に市街地が見えており、その向こうに見えているのは高柄山だろうか。
檜洞丸の頂上標識
南アルプス: 赤石岳、悪沢岳、蝙蝠岳、塩見岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳、仙丈岳、鳳凰山、オベリスク、甲斐駒ヶ岳
蛭ヶ岳への縦走路表示
青岳山荘
蛭ヶ岳
蛭ヶ岳
金山谷乗越付近
あまり下ってほしくないが、最低コルはそこからは見えない。どんどん下っていくにつれ、どんどん気が滅入ってくる。もうそのくらいでいいぞ、と思うが、平坦になったと思ったらまた下り、少し登り返したら、その倍以上の下りが現われる。
金山谷乗越の標識
最初は同じくらいの高さに見えていた蛭ヶ岳はどんどん高くなっていき、憂鬱。縦走路をやってくる人に初めて出会ったのは最初のコルのあたり、この後、何人もの人に出会うが、午前中にここを歩いているということは、日帰りではないのだろう。西側の最低コル1,300mの先にあった「源蔵おね」という表示はこの吊尾根のことなのだろうか?その先のハシゴと橋のある狭いところに金山谷乗越の表示があり、それが西側最低コルのことだと思われる。その先はやや楽なアップダウン。
神ノ川乗越への急な下降
三つのピーク(P2・1,350m、P3・1,330m、P4・1,344m)が並び、東端のP4・1,344mから最低コル1,250mに下っていくときに会ったのは学生と先生?のパーティ。最低コル1,250mには神ノ川乗越の表示。蛭ヶ岳まで1.9㎞だが、その前にある大臼岳1,460mへの登り返しが辛かった。
神ノ川乗越の標識
大臼岳・北肩の道標
大臼岳(の1,450m地点。最高点1,460mは登山道の標識から120mほど南にある)からは谷向こうの蛭ヶ岳がすぐ先に見える。途中に白い岩が目立つ箇所があり、そこが難所なのだろうか。あそこまで登ればあとは楽だろう。背後には檜洞丸が富士山と並んで見えていた。木々の隙間を探してこの絶景を眺める。
蛭ヶ岳
鬼太郎の漫画にでてくるような木々で覆われて真っ黒な姿の檜洞丸はどう見ても妖怪の住処のように見えてしまい、真っ白な富士山とは対極。そのコントラストもおもしろい。大臼岳から北に900mほどのところにあるP6・1,421mで2度目の休憩。蛭ヶ岳の西斜面の登りに備え、バナナを食べる。
檜洞丸
蛭ヶ岳との間の最後のコルへの下降
P6・1,421mから蛭ヶ岳の間には狭い吊尾根が2箇所あり、二つ目の吊尾根(キレットと呼ぶべきか)は尾根の北側にトラバース路が付けられている。そこから登り返したあたりに鎖場があり、岩の多い急斜面を慎重に登る。背後に見えてきた富士山と檜洞丸のツーショットを写している時、下ってきた若い男性は青ヶ岳山荘のあたりで会った人だろうか。高度が上がるにつれ檜洞丸の背後の富士山は次第に高く、大きくなり、富士山の白い姿が大きくなるほど、檜洞丸の黒い姿も引き立って見えてくる。このときのツーショットは後日あらためて見ても実にすばらしい。こっちから見る檜洞丸も全然悪くないなあ。富士山を背景に従え、どっしり構えている。やがて白い岩の目立つ箇所に出る。そこは斜面が崩れてややナギのようになっているところで、階段が付けられていて難なく通過。そこからはもう傾斜も緩くなる。
キレットのようなコル
最後の登りの鎖場
富士山と檜洞丸(その1)
富士山と檜洞丸(その2)
富士山と檜洞丸(その3)
頂上に続く階段
蛭ヶ岳頂上標識と富士山
そして広い蛭ヶ岳頂上に到達。これまた15年ぶり。頂上手前で上半身裸の男性が現われ、ドキっとするが、たぶんトレイルランか何かの人だろう(単なる日帰りの人かも)。15年前はたくさん人がいた記憶があるが、今回は思ったよりも人が少なく、4~5人程度。それでも新たに来る人もいて、すばらしい富士山に歓声を上げている。広い頂上の中央付近にある頂上標識を撮影。
蛭ヶ岳頂上の祠
蛭ヶ岳の三角点
あれっ三角点はどこだ?蛭ヶ岳山荘の手前に祠があり、そこにお参りすると、山荘のすぐ近くに傾いた三角点があった。これはひどい。菰釣山の三角点も不遇だったが、丹沢の最高点にある三角点が小屋脇の土手の上で傾いて今にも落ちそうになっている。三角点を覆っている雑草を抜こうとすると、トゲのある雑草がじゃまをする。
蛭ヶ岳の三等三角点
手袋をしていてもつかめないので脇に押しやる。次に落葉を拾ってコケを払落し、少しきれいにしてから撮影。実は、地理院地図の蛭ヶ岳には三角点は記されておらず、どうやら「亡失」ということにされているようだ。けれども傾いているにせよ、現実に存在しているではないか。誰か修復してくれないものか。
蛭ヶ岳山荘
大きな蛭ヶ岳山荘には、この日は何人くらい泊まっているのだろう。頂上広場に戻ると写真をとってくれという夫婦。富士山がきれいだからよい記念になるだろう。スマホの撮影ボタンを手袋をしたまま押そうとするとうまく作動しない(手袋を外すべきだった)。蛭ヶ岳から東には、丹沢山が地味な姿を見せている。
丹沢山
その南には塔ノ岳。頂上に山荘の見えるこの山は檜洞丸からも見えていた。360度の景観を見回し、さあ、ゆっくり休もうと思ったら、もう13時前になっていた。これではゆっくりしていられない。ポカリを飲み早々に帰路につく。最後にもう一度、頂上標識にタッチ。また来なくては。
蛭ヶ岳頂上から東の景観: 丹沢山、不動ノ峰、塔ノ岳
蛭ヶ岳頂上から西の景観: 富士山、檜洞丸、菰釣山、御正体山、北岳、大室山
大臼岳: 大臼岳、富士山、檜洞丸
大臼岳の最高点
トントンと階段を下っていくと、登ってくる人に何人か会う。この人たちはたぶん、山小屋に泊まるのだろう。往路には7時間かかったが登りが2回あった。復路は登りが1回だけだから5時間半くらいで済むだろう。それでも18時半。また真っ暗だな(結局、檜洞丸からの下りでペースダウンし、19時過ぎとなる)。
檜洞丸
復路も足は動き、二吸二吐で頭もしっかししていたが、だんだん肩が痛くなってくる。この日もよせばいいのに大臼岳でザックを下ろして最高点1,460mまで行ってみる。踏み跡はあったが、最高点は鹿除けの網で囲まれた植生保護区域の中の大きな木のところで、標識はなし。前日に食べ残した皮つきのナッツを食べながら行く。最低コル1,250m(神ノ川乗越)への下りの途中で道を間違えそうになり、GPSを見て往路に復帰。神ノ川乗越1,250mからは辛い登り返し。ようやくP4・1,344mまで登り返し、5回目の休憩をとり、次のナッツの袋を開ける。
袖平山
少し夕日の蛭ヶ岳
金山谷乗越(西の最低コル1,300m)から最後の登り返し。この日は日が照ると暖かく、手袋を外すこともあったが、日が陰ると冷たい風が吹き、再び手袋をはめる。檜洞丸に登り返していくと背後に少し夕日(アーベントロート)の蛭ヶ岳が輝く。日が暮れる直前のわずかな時間の小さな奇跡。
夕陽の檜洞丸頂上
檜洞丸頂上は冷たい風が吹いて寒かったが、ちょうど夕陽が沈むところだった。暗くなりかけた空に木々の黒いシルエットと金色の夕日。
夕陽と富士山
展望スポットまで行くと、ちょうど夕陽が富士山の左肩に落ちるところだった。金色に輝く夕陽に寄り添う富士のシルエット。実物はまぶしかったが、写真で見ると絶景だ。前日に見逃した風景だが、それだけ今日のほうが遅れているということだ。
まっくらな駐車場で待っていたのは私の車のみ、ゆっくり片付けるがもう19時半になっていたので、前日よりも少しあわてる。幸い20時半前に温泉に着き、(何時までなのだろう?10:00~深夜1:00までやっていた。)この日も熱い五右衛門にざぶん!