山梨県 滝子山(最高点峰1,620m(*)、三角点1,590m)、P3・1,600m 2019年8月3日
甲信越百名山
430
(*)滝子山の標高: 滝子山・最高点峰の頂上標識には標高1,620mとあるが、地理院地図の等高線は1,610m。ヤマケイは1,615mとしている。歴戦を共に歩いてきた
くたびれた靴
靴底もすり減って
ソールもはがれそう
その古ぼけたところに
思い出がつまってる
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駐車地点から50mほど下って滝子川に出合う。橋の手前で川と林の上に見えていた丸いピークが滝子山なのかもしれない。えらく優しく見えたが、沢も夏道も易しくなかった。
しばらくは伏流になっているゴーロを黙々と登る。水がない区間は700mほどだった。そしていきなり最初の難関F1が現われる。水をかぶれば登れないことはないと思ったが、まだズブ濡れになる気にはなれず、右岸を巻いて越える。
例の岩斜面(F3)に出会ったのは、まだ沢靴に水が入っていない時だった。広くて高い(30mくらい?)斜めの岩斜面の隙間を水が流れている。左の倒木を使って登り、途中で中央の岩棚になっているところに上がる。そこからはホールドが豊富にあり、岩の隙間の水流に沢靴をつっこんで、なんとか登っていく。F3を15分ほどかけて登り切り、これが本日のハイライトかもしれないとは思ったが、難関がこれで終わりだとは思わなかった。
F3のような岩斜面が規模は小さいが連続して3箇所ほど続き、緊張の岩登りが続く。緊張と疲労がだいぶたまっていて、そろそろ尾根に上がりたかった。白いヤマアジサイ。再び手強そうな岩斜面が現われ、そこで左の尾根に取付く。
最初の休憩をとって夏靴に履き替え、ガーデン手袋をはめて枝を摑んで登る。岩登りよりもこの方が安心感がある。だが、その先にも手強い岩壁が待ち構えており、2度ほど緊張の登りを強いられる。最初は岩壁の灌木に掴まってテラスの上に登る。二つ目は緩い傾斜のバンド登り。
そしてスティックを出して尾根を登り、疲労困憊でP3に到達。そこに夏道を見て、やっと緊張感から解放された。黄色いヘビイチゴと白いヤマハハコ?を見る。
P3からいったんコルに降り、登り返して滝子山頂上(最高点峰)(*)に到達。すると、反対側から半ズボンの男性がやってきた。すぐに三角点峰に向かい、滝子山頂上に戻ると、頂上には更に二人がやってきて四人に増えていた(私を入れると五人)。沢では誰にも会わなかったが、人気のある山のようだ。虫が飛び交っていたが、二人はザックを下ろし、一人はガスバーナーを出して食事の用意をしていた。静寂の頂上に集う山好きたち。
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暗いうちに起きて道の駅を出る。駐車している車はだいぶ増えていた。すぐに長い新笹子トンネルに入り、トンネルを出て左折点までの間にトラックに迫られ、ウインカーを早めに出して左折。左折点に滝子山登山口の矢印表示があり、その先にも何箇所かに見る。この道で間違いないようだ。集落内の狭い舗装路を進み、中央道をまたぎ、やがて舗装林道(奥は未舗装)を進む。途中の林道分岐を左に入ったのは間違いだったが、林道はカーナビに出ていないので、だいぶ先まで行って通行止めになっているところで引返し、分岐まで戻って東に向かう。そっちの林道もやや荒れていたので、寂ショウ尾根登山口や滝子川出会いのだいぶ手前に駐車。そこには広いスペースがあり、他の車も来るかもしれないので寄せて駐車したが、結局、ここに駐車したのは私一人だった。1年ぶりの沢靴をはき、沢スパッツをはめ、カバーをかけたバイク・ヘルメットをかぶっていくが、ハーネスを忘れ、せっかく準備した塩漬けソックスも忘れていた。まあ、大過なし。地理院地図には出ていないが、このあたりかな、と思った位置に寂ショウ尾根登山口の表示があった。取付きは急な斜面で、ロープ付のつづら折りの登山道。楽ではなさそうだ。
駐車地点から50mほど下って滝子川に出合う。橋の手前で川と林の上に見えていた丸いピークが滝子山なのかもしれない。えらく優しく見えたが、沢も夏道も易しくなかった。橋の上流は工事のクレーンやらが並び、左岸に新しいコンクリ道が敷かれている。たぶん砂防ダムを造っているのだろうが、そのコンクリ道は地理院地図の破線のところまで伸びていた。幸い工事はやっていないので、コンクリ道を登るが、結構きつい。夏靴を入れたザックは担ぐときは重く感じたが、肩が痛くなることはなかった。重いザックをしょってジョギングしている成果か。工事終了点でコンクリ道も終わり、クレーンの脇を通って沢に入るが水は無し。太い配管がどこからか水を集めて流していたが、工事をするために上流の水を迂回させているのかもしれない。だが、その先は延々とゴーロが続き、まったく水なし。しばらくは伏流になっているゴーロを黙々と登る。水のない区間は長く感じ、入渓点から頂上までは1.7㎞しかないので、このまま水なしで終わるのだろうかと思い始めた頃からチョロチョロと水が現われはじめる。水がない区間は700mほどだった。そしていきなり最初の難関F1が現われる。ネットに写真の乗っていた手強そうな垂直滝で、なんとか登ったネット情報も見たが、4mくらいかな。水をかぶれば登れないことはないと思ったが、左に巻道があるようだ。まだズブ濡れになる気にはなれず、右岸を巻いて越える。巻道には確かに踏み跡が残っていた。この沢で初めて見たヒトの気配。それとも獣道なのだろうか。
その後も石の上を歩いていけるので、あえて水に入らずに登る。F2はたぶん滝の右側を登ったと思うが、余り記憶に残っていない。小滝をちゃぽちゃぽ越えていく方が楽しいのだが、今回のはそうではなかった。二俣が現われ、右に進む。ネット情報にあった四俣というのは良くわからず。例の岩斜面(F3)に出会ったのは、まだ沢靴に水が入っていない時だった。広くて高い(30mくらい?)斜めの岩斜面の隙間を水が流れている。隙間は多いので、一見して登れそうな岩斜面だが、大きな岩の連なりなので意外に手がかり足がかりがない。最初は斜面の右側から登ろうとして行き詰り、いったん降りる。行き詰った斜面右側にピンクの花が咲いていたので、近寄ってみる(タマアジサイ?)。次は左の倒木を使って登り、途中で中央の岩棚になっているところに上がる。そこからはホールドが豊富にあり、岩の隙間の水流に沢靴をつっこんで、なんとか登っていく。隙間に挟んだ沢靴が抜けずに何度か苦労。F3を15分ほどかけて登り切り、これが本日のハイライトかもしれないとは思ったが、難関がこれで終わりだとは思わなかった。F4・2段滝はほとんど記憶にないので、たぶん楽に越えたのだろう。しかし、その先に、F3のような岩斜面が規模は小さいが連続して3箇所ほど続き、緊張の岩登りが続く。時々振り返ると、とんでもなく急な斜面が背後に下っている。こんなところを登ってきたのか。緊張と疲労がだいぶたまっていて、そろそろ尾根に上がりたかった。白いヤマアジサイ。尾根に抜けるルンゼまであと200mほどのところで再び手強そうな岩斜面が現われ、そこで左の尾根に取付く。
斜面の土は柔らかく、沢靴では登りにくいので最初の休憩をとって夏靴に履き替え、パンを食べ、缶ポカリを飲み干す。それからスティックもしまい、ガーデン手袋をはめて枝を摑んで登る。岩登りよりもこの方が安心感がある。灌木斜面の傾斜が緩くなり、両手を使わずに斜面を登るが、息があがるのでスティックを出す。だが、その先にも手強い岩壁が待ち構えており、2度ほど緊張の登りを強いられる。最初はスティックを背中に差し、岩壁の灌木に掴まってテラスの上に登る。その後、灌木に当たってスティックが落ちそうなので、再びザックに収納。二つ目は緩い傾斜のバンド登りだったが、中間に手がかりにできる立木がない。バランスを崩さないよう手をついてバンドを登り、少し先の立木を手で掴んでほっとする。このとき、ピンクのランのような花を見るが、そこまで近寄る元気がなかった。遠くから写した写真は大ボケ。ようやく夏道まであとわずかの小尾根に上がり、2度目の休憩をとる。虫がたかるので虫ネットをかぶり、日よけ腕カバーをはめる。そしてスティックを出して尾根を登り、疲労困憊でP3に到達。そこに夏道を見て足が止まり、ザックを下ろす。やっと緊張感から解放された。雄叫びも何もなし。虫ネットをかぶったまま横になる。P3手前で黄色いヘビイチゴと白いヒヨドリバナ(ヨツバヒヨドリ?)を見る。
P3は標高1,600mだから三角点峰(P1・1,590m)よりも高い。そこからいったんコルに降り、登り返して滝子山頂上(最高点峰)(*)に到達。すると、反対側から半ズボンの男性がやってきた。私は虫ネットをかぶったままだったが、それを外し、滝子山の新旧の頂上標識を写し、すぐに三角点峰に向かう。すぐ下に鎮西ヶ池と大谷ヶ丸(北の稜線)への分岐があり、そのあたりで東から登ってきた男性に会う。三角点峰には大きな二等三角点があり、静かだった。この間にピンクのシモツケソウ。滝子山・最高点峰に戻ると、そこには更に二人がやってきて四人に増えていた(私を入れると五人)。しかも二人は東側からだが、二人は西側から登ってきたようだ。沢では誰にも会わなかったが、人気のある山のようだ。長細い頂上は開けていたが遠景は霞がかかって見えず、わずかに大月市街近辺が見えていた。虫が飛び交っていたが、二人はザックを下ろし、一人はガスバーナーを出して食事の用意をしていた。静寂の頂上に集う山好きたち。
(*)滝子山の標高: 滝子山・最高点峰の頂上標識には標高1,620mとあるが、地理院地図の等高線は1,610m。ヤマケイは1,615mとしている。
混み合ってきた滝子山頂上を辞し、P3に戻り、再び虫ネットをかぶって横になって休憩。少し仮眠したと思う。景色は見えずとも難関をクリアして頂上に到達し、疲れていたがものすごく幸せな気分だった。目覚めて起き上がり、南尾根(寂ショウ尾根)を下る。寂ショウ尾根の上部は極めて厳しい岩尾根の道で、P3直下の難場を迂回する巻道も付けられていた。赤いママコナを写していると、その難場の方を登ってくる男性が一人。岩登りの好きな人ならこういうのがいいのかもしれないが、寂ショウ尾根の登山道が地理院地図に載っていないのは、一般向けでないからかもしれない。しかし、その厳しい尾根を登ってくるもう一つのパーティに会った。年配の人も登っていたが、頂上まで無事に登れたかな。黄色いのはオミナエシ(キンレイカ)だろうか。ピンクのシモツケソウ。ちょっと地味なウスユキソウ。岩尾根が終わるとあとは楽な林斜面で、まばらな立木の間のつづら折り。だが、封を開けたナッツがだいぶ残っていたので、残り500mくらいのところで休憩をとり、ナッツの残りを食べる。林道に降りると夏の日差が射していたが、林道は日向からすぐ日陰に入ってくれた。意外なことに、林道沿いのスペースに駐車している車はなし。私が駐車したところにもなし。すると、頂上にやってきた二人や、寂ショウ尾根を登っていた人たちはどこから登ってきたのだろう。地理院地図にある滝子川沿いの破線を登り、林道を西に歩いて寂ショウ尾根登山口まで登ったのだろうか。
距離2km、標高差800mに登り3時間、往復6時間とすると5時半発で帰着11時半だが、実績は帰着14時だから2時間半超過。それでもこの時間ならゆっくりできる。昼前に下山できたら高川山に登ろうと思っていたが、こんなに疲れているのでは無理だ。渋滞の大月市内を抜けてスターランド温泉に入り、まだ新しい道の駅都留に入ると、フジサンアジサイという派手なアジサイが飾ってあった。
車道の道標
暗いうちに起きて道の駅を出る。駐車している車はだいぶ増えていた。すぐに長い新笹子トンネルに入り、トンネルを出て左折点までの間にトラックに迫られ、ウインカーを早めに出して左折。左折点に滝子山登山口の矢印表示があり、その先にも何箇所かに見る。この道で間違いないようだ。集落内の狭い舗装路を進み、中央道をまたぎ、やがて舗装林道(奥は未舗装)を進む。途中の林道分岐を左に入ったのは間違いだったが、林道はカーナビに出ていないので、だいぶ先まで行って通行止めになっているところで引返し、分岐まで戻って東に向かう。そっちの林道もやや荒れていたので、寂ショウ尾根登山口や滝子川出会いのだいぶ手前に駐車。そこには広いスペースがあり、他の車も来るかもしれないので寄せて駐車したが、結局、ここに駐車したのは私一人だった。1年ぶりの沢靴をはき、沢スパッツをはめ、カバーをかけたバイク・ヘルメットをかぶっていくが、ハーネスを忘れ、せっかく準備した塩漬けソックスも忘れていた。まあ、大過なし。地理院地図には出ていないが、このあたりかな、と思った位置に寂ショウ尾根登山口の表示があった。取付きは急な斜面で、ロープ付のつづら折りの登山道。楽ではなさそうだ。
林道
植林の林道
日の出
滝子山?
駐車地点から50mほど下って滝子川に出合う。橋の手前で川と林の上に見えていた丸いピークが滝子山なのかもしれない。えらく優しく見えたが、沢も夏道も易しくなかった。橋の上流は工事のクレーンやらが並び、左岸に新しいコンクリ道が敷かれている。たぶん砂防ダムを造っているのだろうが、そのコンクリ道は地理院地図の破線のところまで伸びていた。幸い工事はやっていないので、コンクリ道を登るが、結構きつい。夏靴を入れたザックは担ぐときは重く感じたが、肩が痛くなることはなかった。重いザックをしょってジョギングしている成果か。工事終了点でコンクリ道も終わり、クレーンの脇を通って沢に入るが水は無し。太い配管がどこからか水を集めて流していたが、工事をするために上流の水を迂回させているのかもしれない。だが、その先は延々とゴーロが続き、まったく水なし。しばらくは伏流になっているゴーロを黙々と登る。水のない区間は長く感じ、入渓点から頂上までは1.7㎞しかないので、このまま水なしで終わるのだろうかと思い始めた頃からチョロチョロと水が現われはじめる。水がない区間は700mほどだった。そしていきなり最初の難関F1が現われる。ネットに写真の乗っていた手強そうな垂直滝で、なんとか登ったネット情報も見たが、4mくらいかな。水をかぶれば登れないことはないと思ったが、左に巻道があるようだ。まだズブ濡れになる気にはなれず、右岸を巻いて越える。巻道には確かに踏み跡が残っていた。この沢で初めて見たヒトの気配。それとも獣道なのだろうか。
滝子川出会い
工事用舗装路
工事地点上流のガレ
F1
F2
二俣
その後も石の上を歩いていけるので、あえて水に入らずに登る。F2はたぶん滝の右側を登ったと思うが、余り記憶に残っていない。小滝をちゃぽちゃぽ越えていく方が楽しいのだが、今回のはそうではなかった。二俣が現われ、右に進む。ネット情報にあった四俣というのは良くわからず。例の岩斜面(F3)に出会ったのは、まだ沢靴に水が入っていない時だった。広くて高い(30mくらい?)斜めの岩斜面の隙間を水が流れている。隙間は多いので、一見して登れそうな岩斜面だが、大きな岩の連なりなので意外に手がかり足がかりがない。最初は斜面の右側から登ろうとして行き詰り、いったん降りる。行き詰った斜面右側にピンクの花が咲いていたので、近寄ってみる(タマアジサイ?)。次は左の倒木を使って登り、途中で中央の岩棚になっているところに上がる。そこからはホールドが豊富にあり、岩の隙間の水流に沢靴をつっこんで、なんとか登っていく。隙間に挟んだ沢靴が抜けずに何度か苦労。F3を15分ほどかけて登り切り、これが本日のハイライトかもしれないとは思ったが、難関がこれで終わりだとは思わなかった。F4・2段滝はほとんど記憶にないので、たぶん楽に越えたのだろう。しかし、その先に、F3のような岩斜面が規模は小さいが連続して3箇所ほど続き、緊張の岩登りが続く。時々振り返ると、とんでもなく急な斜面が背後に下っている。こんなところを登ってきたのか。緊張と疲労がだいぶたまっていて、そろそろ尾根に上がりたかった。白いヤマアジサイ。尾根に抜けるルンゼまであと200mほどのところで再び手強そうな岩斜面が現われ、そこで左の尾根に取付く。
F3・岩斜面
タマアジサイ?
行き詰った斜面右側にピンクの花が咲いていたので、近寄ってみる
F3・岩斜面の上
F4・2段滝
F5・岩斜面
ヤマアジサイ
F6・岩斜面
F7・岩斜面
尾根に上がる
斜面の土は柔らかく、沢靴では登りにくいので最初の休憩をとって夏靴に履き替え、パンを食べ、缶ポカリを飲み干す。それからスティックもしまい、ガーデン手袋をはめて枝を摑んで登る。岩登りよりもこの方が安心感がある。灌木斜面の傾斜が緩くなり、両手を使わずに斜面を登るが、息があがるのでスティックを出す。だが、その先にも手強い岩壁が待ち構えており、2度ほど緊張の登りを強いられる。最初はスティックを背中に差し、岩壁の灌木に掴まってテラスの上に登る。その後、灌木に当たってスティックが落ちそうなので、再びザックに収納。二つ目は緩い傾斜のバンド登りだったが、中間に手がかりにできる立木がない。バランスを崩さないよう手をついてバンドを登り、少し先の立木を手で掴んでほっとする。このとき、ピンクのランのような花を見るが、そこまで近寄る元気がなかった。遠くから写した写真は大ボケ。ようやく夏道まであとわずかの小尾根に上がり、2度目の休憩をとる。虫がたかるので虫ネットをかぶり、日よけ腕カバーをはめる。そしてスティックを出して尾根を登り、疲労困憊でP3に到達。そこに夏道を見て足が止まり、ザックを下ろす。やっと緊張感から解放された。雄叫びも何もなし。虫ネットをかぶったまま横になる。P3手前で黄色いヘビイチゴと白いヒヨドリバナ(ヨツバヒヨドリ?)を見る。
尾根を登る
崖に咲いていた花(ボケている)
バンドの上の斜面
ヘビイチゴと蟻
ヒヨドリバナ(ヨツバヒヨドリ?)
P3・1,600m頂上
P3は標高1,600mだから三角点峰(P1・1,590m)よりも高い。そこからいったんコルに降り、登り返して滝子山頂上(最高点峰)(*)に到達。すると、反対側から半ズボンの男性がやってきた。私は虫ネットをかぶったままだったが、それを外し、滝子山の新旧の頂上標識を写し、すぐに三角点峰に向かう。すぐ下に鎮西ヶ池と大谷ヶ丸(北の稜線)への分岐があり、そのあたりで東から登ってきた男性に会う。三角点峰には大きな二等三角点があり、静かだった。この間にピンクのシモツケソウ。滝子山・最高点峰に戻ると、そこには更に二人がやってきて四人に増えていた(私を入れると五人)。しかも二人は東側からだが、二人は西側から登ってきたようだ。沢では誰にも会わなかったが、人気のある山のようだ。長細い頂上は開けていたが遠景は霞がかかって見えず、わずかに大月市街近辺が見えていた。虫が飛び交っていたが、二人はザックを下ろし、一人はガスバーナーを出して食事の用意をしていた。静寂の頂上に集う山好きたち。
(*)滝子山の標高: 滝子山・最高点峰の頂上標識には標高1,620mとあるが、地理院地図の等高線は1,610m。ヤマケイは1,615mとしている。
滝子山・最高点峰頂上1,620m
シモツケソウ
北の稜線への分岐表示
三角点峰1,590mの二等三角点
大月市街方面の景色
ママコナ
混み合ってきた滝子山頂上を辞し、P3に戻り、再び虫ネットをかぶって横になって休憩。少し仮眠したと思う。景色は見えずとも難関をクリアして頂上に到達し、疲れていたがものすごく幸せな気分だった。目覚めて起き上がり、南尾根(寂ショウ尾根)を下る。寂ショウ尾根の上部は極めて厳しい岩尾根の道で、P3直下の難場を迂回する巻道も付けられていた。赤いママコナを写していると、その難場の方を登ってくる男性が一人。岩登りの好きな人ならこういうのがいいのかもしれないが、寂ショウ尾根の登山道が地理院地図に載っていないのは、一般向けでないからかもしれない。しかし、その厳しい尾根を登ってくるもう一つのパーティに会った。年配の人も登っていたが、頂上まで無事に登れたかな。黄色いのはオミナエシ(キンレイカ)らしい。ピンクのシモツケソウ。ちょっと地味なウスユキソウ。岩尾根が終わるとあとは楽な林斜面で、まばらな立木の間のつづら折り。だが、封を開けたナッツがだいぶ残っていたので、残り500mくらいのところで休憩をとり、ナッツの残りを食べる。林道に降りると夏の日差が射していたが、林道は日向からすぐ日陰に入ってくれた。意外なことに、林道沿いのスペースに駐車している車はなし。私が駐車したところにもなし。すると、頂上にやってきた二人や、寂ショウ尾根を登っていた人たちはどこから登ってきたのだろう。地理院地図にある滝子川沿いの破線を登り、林道を西に歩いて寂ショウ尾根登山口まで登ったのだろうか。
ヨメナ
オミナエシ(キンレイカ)
ウスユキソウ
寂ショウ尾根の岩の道
眼下に見えた林道
寂ショウ尾根登山口表示
道の駅都留のフジサンアジサイ
距離2km、標高差800mに登り3時間、往復6時間とすると5時半発で帰着11時半だが、実績は帰着14時だから2時間半超過。それでもこの時間ならゆっくりできる。昼前に下山できたら高川山に登ろうと思っていたが、こんなに疲れているのでは無理だ。渋滞の大月市内を抜けてスターランド温泉に入り、まだ新しい道の駅都留に入ると、フジサンアジサイという派手なアジサイが飾ってあった。