三ツ石山 八幡平の雪の縦走路1

岩手県  三ツ石山1,466m、三角点峰(覘標ノ台)1,448m、大松倉山1,408m  2020年3月12日

(三ツ石山)東北百名山

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網張スキー場のリフト予定、9時半スタートではちょっと遅すぎると思い、シールで登ることにする(が、これは大きな失敗だった)。

一番きつくて長いスロープを苦労して登っていると、もう第一リフトを運転開始するというアナウンスが入り、もたもたしているとスキー客も降りてくるだろう。

第三リフトトップまで登ってもコル1まで下らないといけないので、迂回コースの途中で斜面をトラバースして縦走コースに向かうことにする。

平坦なコル1に出て最初の休憩。いやあ、網張スキー場のゲレンデを登るのにこんなに苦労するとは思わなかった。行く手には大松倉山の長い頂上稜線がそびえていて、風が強そうだ。縦走路には古い指導標がある。

ビスケットを食べて元気になり、快調に登って大松倉山の頂上稜線に至る。標識の頭のみが見えていた。行く手には八幡平の景観が広がり、八幡平・本峰や茶臼岳はこのとき少し雲をかぶっており、秋田駒や背後の岩手山も雲に隠れていたが、三ツ石山は見えていた。アオモリトドマツの雪原の中に真白な緩いトライアングル。その頂上には大きな岩が二つある(三つ目はどれだろう?)。左手前のコルの林の中に三ツ石小屋も見えている。大きな二階建ての山小屋は心強い。

三ツ石山の東面はまっさらな雪斜面で、正面から見るとえらく急に見えるが、登ってみるとそうでもない。頂上北側の大岩まであと少しというところで斜面全体がクラストしていてシールでは登れなくなり、アイゼンに変更。

三ツ石山の頂上標識は北の大岩の少し南側にあるが、その西側に最高点ピーク(西の大岩)があるので、そこまで登る。えらく風が強い。強風の三ツ石山・最高点でシールを外し、北側を廻ってコル4に向かう。だが、そのとき栗木ヶ原だと思ったのは広いコル4にある三ツ沼の一角で、栗木ヶ原はその更に奥にあった。うわあ、あれは遠い。それにだいぶ下らないといけないので、登り返しが大変だ(三ツ石山頂上から3㎞弱、標高差300m)。そこで、栗木ヶ原は諦めることにする。だが、ここから引き返すのも癪だ。縦走路のすぐ先に見えている三角点峰まで行くことにする。

三角点峰・頂上標識には「覘標ノ台」という表記があった。そこは更に風が強く、三角点峰からコル4(三ツ沼)へ滑走開始して帰路につく。

三ツ石山の北側をトラバースして東斜面に回り込み、往路トレースに出会ったところからショートターン滑走開始。わずかな距離だが、これがこの日のハイライト。

大松倉山へは往路よりも少し西側で頂上稜線に上がる。この時はだいぶ山が見えるようになっていて、八幡平の山々、それに笊森山と乳頭山が見えていた。

網張スキー場はもう営業終了していて、無人のゲレンデを淡々と滑走。シールで登ってきた斜面は意外なほど急で、風でガリガリになった急斜面はなかなか骨がある。こんなところで転ばぬよう、しっかり前傾姿勢をとって慎重に滑走。よくこんな斜面をシールで登ったな、と思う。

 三ツ石山は見えていた。アオモリトドマツの雪原の中に真白な緩いトライアングル。その頂上には大きな岩が二つある(三つ目はどれだろう?)。左手前のコルの林の中に三ツ石小屋も見えている。
 三ツ石山の北側をトラバースして東斜面に回り込み、往路トレースに出会ったところからショートターン滑走開始。わずかな距離だが、これがこの日のハイライト。
大松倉山に向かう
 コル3に見えている三ツ石山荘。大きな二階建ての山小屋は心強い
源太ヶ岳
乳頭山
 縦走路には古い指導標がある。
三ツ石山の頂上標識
 三角点峰に到達。頂上標識には「覘標ノ台」という表記がある。
  7:52 網張スキー場P発(標高750m)  9:28 コース外、縦走路に向かう10:09 1,318m峰10:58 大松倉山12:39 三ツ石山、滑走・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り4時間47分13:17 三ツ沼、アイゼン13:32 三角点峰(覘標ノ台)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・網張スキー場Pから5時間40分13:38 三角点峰発、滑走13:59 三ツ石山トラバース14:25 シール15:27 大松倉山、滑走15:43 シール16:13 1,318m峰、滑走16:27 網張スキー場コース内16:34 網張スキー場P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三角点峰から2時間56分          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復8時間42分
(網張スキー場Pから三角点峰)8.5㎞、標高差987m、速度1.5㎞/h、標高差174m/h(三角点峰から網張スキー場P)8.1㎞、標高差227m、速度2.8㎞/h

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この週の東北は木、金が晴ということで、八幡平縦走路に向かう。網張スキー場のリフトを使う南のルート、それに冬季閉鎖のアスピーテラインから入る東からのルート。夏道のあるルートだが、距離が長く、帰りも往路と同じくらい歩かないといけない。どこまで行けるかということになろう(網張スキー場からは当初、栗木ヶ原まで往復するプランだったが、結局、強風に遮られ、三ツ石山とその先の三角点峰までとなる)。夜明け前は小雨模様だったが、日が差してきて晴れそうな予感。

網張スキー場へは8時前に着き、とりあえずトイレを借りに行くが、リフト予定は第一リフト8時半だが、第二リフトは9時、第三リフトは9時半という貼り紙があり、9時半スタートではちょっと遅すぎると思い、シールで登ることにする(が、これは大きな失敗だった)。ホットレモンを作るのを忘れていたので、湯を沸かしてホットレモンを作ってから駐車場を出る。リフトはもう動き出していて、係員が登っていく。左端のコースを淡々と登っていくが、急坂が結構厳しい。風が強いのでゲレンデはアイスバーン気味で、気づくと右スキーのシールが外れかかっている。コールテックスのシールはアイスバーンに弱く、手荒に押し付けると外れてしまうようだ。一度外れたシールの裏には雪がたくさん付き、そのままでは全くスキーにくっつかない。この時のためにフロントバッグに入れてあるブラシを使い、雪を払ってからシールを貼りなおす。だが、この後も何度か出てきた急坂に苦戦し、力の入れ方を間違えるとまたシールが外れてしまう。一番きつくて長いスロープを苦労して登っていると、整備の人がスキーで降りてきた。もう第一リフトを運転開始するというアナウンスが入り、もたもたしているとスキー客も降りてくるだろう。

第二リフトの運転開始アナウンスが入った直後に第二リフト・トップに到着。正面の急コースの左に緩い迂回コースがあったので、迷わずそっちに入る。こんなことならリフト運転開始を待てばよかった。迂回コースはずいぶん緩やかで、第三リフトトップまで登ってもコル1まで下らないといけないので、迂回コースの途中で斜面をトラバースして縦走コースに向かうことにする。まっさらなコースから、これまたまっさらな雪の林斜面に踏み込む。ほとんど登らずにトラバースしてゆき、平坦なコル1に出て最初の休憩。いやあ、網張スキー場のゲレンデを登るのにこんなに苦労するとは思わなかった。ペットコーヒーにビスケットを袋半分。正面の緩斜面を登って最初のピーク1,318m峰に着く。小松倉山というのはここの南にある1,241m峰で、縦走路から外れているので行かなかった。行く手には大松倉山の長い頂上稜線がそびえていて、風が強そうだ。縦走路には古い指導標がある。ビスケットを食べて元気になり、快調に登って大松倉山の頂上稜線に至る。標識の頭のみが見えていた。行く手には八幡平の景観が広がり、八幡平・本峰や茶臼岳はこのとき少し雲をかぶっており、秋田駒や背後の岩手山も雲に隠れていたが、三ツ石山は見えていた。アオモリトドマツの雪原の中に真白な緩いトライアングル。その頂上には大きな岩が二つある(三つ目はどれだろう?)。左手前のコルの林の中に三ツ石小屋も見えている。三ツ石山の先にある栗木ヶ原までは三ツ石山頂上から3㎞弱、高低差300mある。だが風が強く、ゴーグルやネックウォーマーにスキーグローブは手離せない。風が弱ければすいぶん違っていただろう。

大松倉山の頂上稜線の西端まで行かず、途中からコル3に見えている三ツ石山荘に向かってシールのままトラバース気味に下降。大きな二階建ての山小屋は心強い。斜面には樹木があり、高いところにはクラストしたところがあって滑りにくい。オープンスペースを探して少しづつ滑走。三ツ石山荘には寄らず、その近くで2度目の休憩をとり、ビスケットの残りとホットレモンを半分飲む。三ツ石山の東面はまっさらな雪斜面で、正面から見るとえらく急に見えるが、登ってみるとそうでもない。左(南)側の方が傾斜が緩そうだが、雪庇があって登りにくそうなので正面を大きく九十九折で登る。またシールが外れ、ブラシで雪を落として貼りなおす。頂上北側の大岩まであと少しというところで斜面全体がクラストしていてシールでは登れなくなり、アイゼンに変更。ここまでクラストしているとアイゼンの方が楽。三ツ石山の頂上標識は北の大岩の少し南側にあるが、その西側に最高点ピーク(西の大岩)があるので、そこまで登る。えらく風が強い。そこから初めて栗木ヶ原が見えるはずだったが、それは比較的近くに見えていて、あれならそれほど時間はかかるまいと思う。そして強風の三ツ石山・最高点でシールを外し、北側を廻ってコル4に向かう。だが、そのとき栗木ヶ原だと思ったのは広いコル4にある三ツ沼の一角で、栗木ヶ原はその更に奥にあった。うわあ、あれは遠い。それにだいぶ下らないといけないので、登り返しが大変だ(三ツ石山頂上から3㎞弱、標高差300m)。そこで、栗木ヶ原は諦めることにする。だが、ここから引き返すのも癪だ。縦走路のすぐ先に見えている三角点峰まで行くことにする。

コル4(三ツ沼)からの登り返しはアイゼンにするが、強風なので歩きにくく、ついでにアイゼンが外れる。付け直しても、つま先のフックがすぐ外れてしまう*。面倒なので外れっぱなしで右足のアイゼンをひきずり、一度アイスバーンに滑って、転び、ようやく三角点峰に到達。やれやれ。三等三角点のそばの三角点峰・頂上標識には「覘標ノ台」という表記があった。そこは更に風が強く、行く手の縦走路は小畚山との間に大きなギャップを作っている。数年前に松川温泉から大深岳、源太ヶ岳を周回したときは、三角点峰から小畚山とのコルまで滑走した。これだけ急坂だと、スキーでないと下れない。この日は三角点峰からコル4(三ツ沼)へ滑走開始し、帰路につく。本来なら、コル4から三ツ石山に登り返し、あのまっさらな三ツ石山・東斜面を滑走したいところだが、今回はスキーのままで三ツ石山をトラバースする。三ツ石山の北側をトラバースして東斜面に回り込み、往路トレースに出会ったところからショートターン滑走開始。わずかな距離だが、これがこの日のハイライト。コル3でシールを貼り直し、3度目の休憩。今度は薄いビスケットを半分食べ、ホットレモンをほとんど飲み干す。

*アイゼンが外れるのは、翌日、アイゼンのフロント・フックの横幅を調整して少しよくなったが、結局、長さ調整のネジが緩んでいたのが原因のようだった。自宅できっちり締めておく。

大松倉山へは往路よりも少し西側で頂上稜線に上がる。この時はだいぶ山が見えるようになっていて、八幡平の山々、それに笊森山と乳頭山が見えていた。明日はもっと晴れるかな。そして大松倉山頂上でシールを外し、本日3度目の滑走。大松倉山の東斜面は短いながら、まずまずのパウダー斜面。コル2から1,318m峰まではたいした高低差ではないが、雪が深く、こういうところを無理にスキーで登るのは予想以上にしんどいので、またシールを貼り、わずかな距離を登る。途中で1回、今度は左スキーのシールが外れ、黙々と貼りなおす。さて、1,318m峰頂上からはどうしよう。朝のトラバースはほとんど登ってないからシールのままの方がいいかもしれない。だが、最初の深雪の緩斜面をシールで下るのがやっかいで、すぐにシールを外して滑走。トラバースのところはほとんどストックで押して滑るが、まあ、こっちの方が正解だった。途中から別のトレースが重なっていて、どうやら誰かが私のトレースの上を滑ったらしい。どこまで行ったのだろう。網張スキー場はもう営業終了していて、無人のゲレンデを淡々と滑走。昔、ここを滑ったことがあると思ったが、シールで登ってきた斜面は意外なほど急で、風でガリガリになった急斜面はなかなか骨がある。こんなところで転ばぬよう、しっかり前傾姿勢をとって慎重に滑走。よくこんな斜面をシールで登ったな、と思う。

もう数台しか残っていない駐車場に戻り、ゆっくり着替えをし、駐車場を出る。この日は木曜。昨年、鎌倉森を滑った時と同様、すぐ近くの網張温泉に行くが、定休日だった。そこで少し離れたゆこたんの森に行くが、ここも木曜日は定休日。なんで同じ曜日を定休日にするんだ!3番目に行ったありね山荘も営業終了していて、仕方ないので4号線まで出て「ゆっこ」(旧マーズ)という温泉に入る。露天も内湯を熱くてGOODだった。こうでなくては。

 朝の網張スキー場

この週の東北は木、金が晴ということで、八幡平縦走路に向かう。網張スキー場のリフトを使う南のルート、それに冬季閉鎖のアスピーテラインから入る東からのルート。夏道のあるルートだが、距離が長く、帰りも往路と同じくらい歩かないといけない。どこまで行けるかということになろう(網張スキー場からは当初、栗木ヶ原まで往復するプランだったが、結局、強風に遮られ、三ツ石山とその先の三角点峰までとなる)。

 ゲレンデ中盤から見る小高倉山と高倉山

 


急斜面ゲレンデ

網張スキー場へは8時前に着き、とりあえずトイレを借りに行くが、リフト予定は第一リフト8時半だが、第二リフトは9時、第三リフトは9時半という貼り紙があり、9時半スタートではちょっと遅すぎると思い、シールで登ることにする(が、これは大きな失敗だった)。ホットレモンを作るのを忘れていたので、湯を沸かしてホットレモンを作ってから駐車場を出る。

 

ゲレンデから縦走路に向かう

 

1,318m峰


古い縦走路指導標


大松倉山に向かう


 大松倉山の長い頂上稜線

 

大松倉山の頂上

雪に埋まった標識


三ツ石山

第二リフトの運転開始アナウンスが入った直後に第二リフト・トップに到着。正面の急コースの左に緩い迂回コースがあったので、迷わずそっちに入る。こんなことならリフト運転開始を待てばよかった。迂回コースはずいぶん緩やかで、第三リフトトップまで登ってもコル1まで下らないといけないので、迂回コースの途中で斜面をトラバースして縦走コースに向かうことにする。

 

三ツ石山荘

 

三ツ石山の頂上標識


三ツ石山の最高点ピーク

大松倉山の頂上稜線の西端まで行かず、途中からコル3に見えている三ツ石山荘に向かってシールのままトラバース気味に下降。大きな二階建ての山小屋は心強い。斜面には樹木があり、高いところにはクラストしたところがあって滑りにくい。オープンスペースを探して少しづつ滑走。三ツ石山荘には寄らず、その近くで2度目の休憩をとり、ビスケットの残りとホットレモンを半分飲む。

 三ツ石山から西の景観: 大白森1,215m? 栗木ヶ原、大白森1,269m、曲崎山? 三角点峰、小畚山、雲の中の大深岳、源太ヶ岳

 

栗木ヶ原

 三角点峰

コル4(三ツ沼)からの登り返しはアイゼンにするが、強風なので歩きにくく、ついでにアイゼンが外れる。付け直しても、つま先のフックがすぐ外れてしまう*。面倒なので外れっぱなしで右足のアイゼンをひきずり、一度アイスバーンに滑って、転び、ようやく三角点峰に到達。やれやれ。三等三角点のそばの三角点峰・頂上標識には「覘標ノ台」という表記があった。

 三角点峰の頂上

*アイゼンが外れるのは、翌日、アイゼンのフロント・フックの横幅を調整して少しよくなったが、結局、長さ調整のネジが緩んでいたのが原因のようだった。自宅できっちり締めておく。

 三角点峰の頂上標識(覘標ノ台(てんぴょう))

三等三角点


三ツ石山の北斜面をトラバース


三ツ石山・南斜面をショートターン滑走


源太ヶ岳


 大松倉山から東の景観: 三ツ石山、三角点峰、小畚山、大深岳、源太ヶ岳、源太森? 茶臼岳、大黒森、屋棟岳、西森山、前森山

 大松倉山から北の景観: 姥倉山、雲に隠れた岩手山、犬倉山、鎌倉森

 大松倉山から南の景観: 三角山、笊森山、乳頭山

 

乳頭山


大松倉山からの滑走


戻ってきたゲレンデ

大松倉山へは往路よりも少し西側で頂上稜線に上がる。この時はだいぶ山が見えるようになっていて、八幡平の山々、それに笊森山と乳頭山が見えていた。明日はもっと晴れるかな。そして大松倉山頂上でシールを外し、本日3度目の滑走。大松倉山の東斜面は短いながら、まずまずのパウダー斜面。コル2から1,318m峰まではたいした高低差ではないが、雪が深く、こういうところを無理にスキーで登るのは予想以上にしんどいので、またシールを貼り、わずかな距離を登る。

急傾斜ゲレンデを見下ろす

 


温泉ゆっこ

もう数台しか残っていない駐車場に戻り、ゆっくり着替えをし、駐車場を出る。この日は木曜。昨年、鎌倉森を滑った時と同様、すぐ近くの網張温泉に行くが、定休日だった。そこで少し離れたゆこたんの森に行くが、ここも木曜日は定休日。なんで同じ曜日を定休日にするんだ!3番目に行ったありね山荘も営業終了していて、仕方ないので4号線まで出て「ゆっこ」(旧マーズ)という温泉に入る。露天も内湯を熱くてGOODだった。こうでなくては。