箱ヶ森、太田薬師  紫波三山縦走1

岩手県  箱ヶ森866m、太田薬師408m  2013年11月24日

(箱ヶ森、太田薬師)岩手の山150

510

盛岡の西に並ぶ東根三山はいつも高速から眺めていて、ようやく登る時がやってきた。

広い林道のような道を登っていくと、階段ステップとなり、それを登ると鉄塔の下に出る。高度が上がり、地表を覆っている雲海の上に出る。岩手山が雲間から出ようとしている。霧の中に見える盛岡市街。鉄塔から更に登ると、九十九折りの道の途中に大きな狛犬の頭(ではなくて石の獅子頭)を祀っているところがある。

太田薬師の頂上は林の中で、赤白の大きな社が立っていた。木の幹に頂上標識。切り株の御神体。「峯薬師神社」という説明(*1)。社の正面には「薬師神社」の標識があるが、裏には「峯薬師」の標識もある。

これが箱ヶ森への登山口に間違いないだろう。それは元林道と思われる広い道だった。「岩手大学ツキノワグマ研究会、木本植物プレート」というのがかかっている。このあたりにクマがいるということか?

シラカバの林の中の頂上付近に着くと、マクラ山の標識が立っている。なんだ、まだ全然手前だったのか。

残雪の笹原の斜面を進み、広い箱ヶ森の頂上に到着。こんなに大変とは思わなかった。たくさんの頂上標識に二等三角点。盛岡市街も見えている。

広い頂上を探検。ロープで囲われた御神体と思われる岩(苔むした獅子頭と思われる)、「つなぎ下山道」の標識。それはつなぎ温泉への道らしい。木で囲われた石の獅子頭が二つ祀られている。太田薬師にあったのと同じだ。ワンカップのお酒が供えてある。頂上標識のところに戻り、ザックを下ろし、ホットレモンを飲む。盛岡市街をバックにした箱ヶ森の頂上標識は本日のハイライト。

朝に見た紫波三山の案内をよく見ると、箱ヶ森の南に赤林山20、毒ヶ森30、南昌50、ヘッタクレ60、田沢岳、不動岳70、東根は80となっており、ラフランス温泉館100が終点になっている。たいへんなものを見てしまった。紫波連山の縦走計画を立てないといけないかな(*2)。

すっかり雲の取れた岩手山が見えている。温泉に向かって南に下ると、西に太田薬師と箱ヶ森が並んで見えていた。

 盛岡市街をバックにした箱ヶ森の頂上標識は本日のハイライト
 太田薬師の頂上は林の中で、赤白の大きな社が立っていた。木の幹に頂上標識。切り株の御神体。「峯薬師神社」という説明(*1)。社の正面には「薬師神社」の標識があるが、裏には「峯薬師」の標識もある。
 箱ヶ森と太田薬師
雲の上に出る
 箱ヶ森頂上の獅子頭
 岩手大学ツキノワグマ研究会のプレート
  8:04 鳥居前P発  8:41 太田薬師408m10:02 猪去林道(崩落箇所)10:20 箱ヶ森登山口(林道崩壊)11:24 マクラ山610m12:23 箱ヶ森865m・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り4時間19分12:42 箱ヶ森発13:26 マクラ山14:07 箱ヶ森登山口(林道崩壊)14:32 太田薬師分岐(崩落箇所)15:11 鳥居前P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・周回7時間7分

************************************

盛岡の西に並ぶ東根三山はいつも高速から眺めていて、ようやく登る時がやってきた。北の太田薬師から順に登ることにするが、箱ヶ森、赤林山、南昌山、東根山と5山あるので、全部は無理だろう。小雨が降っているので出発を遅らせる。国道4号を北上し、途中のセルフGSで給油(150円を切っていた?)。左折して西に向かうと雲間にわずかに岩手山が見えている。南西方向に山並みが見えていて、その最奥の高いピークが箱ヶ森で、その右手前に平らなマクラ山(528m)。太田薬師は左手前の峰。太田薬師の左後の丸いのは三助山(531m、カーナビには三助はなく、犬ヶ森、洞ヶ森)、その後に赤林山(855m)。市街地に入ると「紫波三山」の案内がある。それは箱ヶ森、南昌山、東根山の三つ。左に入ると太田薬師の道標。箱ヶ森の案内があり、直進して沢沿いの先に登山道。しかし、沢沿いの林道は侵入禁止になっていた。右折するとかんぽ保養センターがあったが、登山口はなし。太田薬師の案内があったが、「危険、歩道崩落のため太田薬師コースは利用禁止」とあった。戻って分岐を左に入り、尾根沿いの車道を進んで太田薬師に向かう。りんご園の脇の土の車道を進み、鳥居の前で駐車。「薬師神社」とある鳥居をくぐって出発。「薬師神社のクロビ」という説明がある。黒っぽい木かな。りすがいて、地面から木に登って行ったのでカメラで追いかけたが、写っていない。広い林道のような道を登っていくと、階段ステップとなり、それを登ると鉄塔の下に出る。高度が上がり、地表を覆っている雲海の上に出る。岩手山が雲間から出ようとしている。霧の中に見える盛岡市街。鉄塔から更に登ると、九十九折りの道の途中に大きな狛犬の頭(ではなくて石の獅子頭)を祀っているところがある。

太田薬師の頂上は林の中で、赤白の大きな社が立っていた。木の幹に頂上標識。切り株の御神体。「峯薬師神社」という説明(*1)。社の正面には「薬師神社」の標識があるが、裏には「峯薬師」の標識もある。頂上を南に、猪去林道方面に向かう。登山道は太田薬師の南斜面を東から西に回って下っていくが、斜面の下に案内標識と登山道が見える。今の道を進んでもその案内標識のところには出そうもないので、登山道を離れ、斜面を下ってその標識のところまで行ってみる。すると、「猪去林道まで500m」とあったので、その古い登山道を下る。古い登山道は斜面から尾根道となり、尾根から西に下るところに案内標識がある。はるか下まで下っていくのがもったいなく感じ、案内はないが、尾根に続いている踏跡を直進してみる。その踏跡は林業の作業道だったらしく、木の幹の赤ペンキなどの目印があったが、結局、箱ヶ森に向かっておらず、引き返す。沢に向かって下ることも考えたが、止めておいた。尾根下降点まで戻り、尾根を西に下降。やがて「その先崩落箇所あり、歩行注意」の黄色標識がある。それは荒れ果てた沢の砂防ダムの横に付けられた部分で、ほぼ垂直に数十メートルの崖になっているので迂回することもできない。ロープを掴み、慎重に崩落箇所を通過し、砂防ダムの上流側に降りて徒渉し、対岸の林道に出る。荒れた林道の案内標識には、林道を南に300m進むとオガセ滝があり、その先500mで行き止まり、とある。箱ヶ森へは行けないのか。いったんは諦めて帰ろうとしたが、一応、オガセ滝まで行ってみる。また来るハメになるかもしれない。オガセ滝は一枚ナメを流れる滝。まわりが荒れてなければもっと美しいだろう。その先の行き止まり地点まで歩いてみることにする。大きな倒木の下をくぐる。

(*1)峯薬師神社: 太田薬師の山頂に鎮座する峯の薬師神社は大同元年(806年)現在地に祭られたと伝えられています。大東亜戦争終戦前は大田村の村社でした。御神体は徳川時代の作と伝えられる薬師如来像です。明治44年(1911年)に社殿が再建された際発見した棟札様のものに「峯の薬師如来は天笠の月氏国医師善逝の御姫浄瑠璃光女と申し奉る、此の地神国に降来し玉いて薬師菩薩と号す。一切の諸病を療し民衆を救わんがため、大同元丙戌此」とありました。明治初年に起きた廃仏棄釈運動に際し、少名彦名命を奉祀して従来の薬師如来を薬師神社と改称しています。例祭日は六月の第一日曜日です。なお神木の大松と盛岡市指定の天然記念物クロビは猪去氏二代目の猪去蔵人(天文末年頃1550)手植えとされ、またその下にある出羽三山の碑の周囲に置かれている一つ一つの穴あき石は、目、耳、鼻等人体の穴の病気平癒を記念して願いを込めて奉納したもの。(太田の昭和史より)

林道が分岐している箇所があり、沢沿いの道を進むと、道端に「登山入口、駐車場」という表示が落ちている。沢の対岸に斜面を登る道が見えており、それが登山道のようだ。沢を徒渉し、その道を進む。これが箱ヶ森への登山口に間違いないだろう。それは元林道と思われる広い道だったが、やはり荒れていて、中央に大きな溝ができている箇所があった。尾根を越え、尾根の西側を南に向かう。「岩手大学ツキノワグマ研究会、木本植物プレート」というのがかかっている。このあたりにクマがいるということか?「岩手山展望地、10」という標識。これはどうやらクロスカントリーかトレイルランニングのためのもののようで、この先にも現われる。再び尾根に上がったところが三叉路になっており、最初に右に入ってみるが行き止まり。引き返して左を進むと、行く手に大きなピークが見える。あれが箱ヶ森かな。高度が上がり、落葉樹の間に高倉山と雫石スキー場が見える。シラカバの林の中の頂上付近に着くと、マクラ山の標識が立っている。なんだ、まだ全然手前だったのか。コルまで下り、行く手に見えるピークに向かってゆっくりと登っていく。クリムゾンは絶好調(ウォークマンで聞いていたのはロード・トゥ・レッドの1974年ライブ集。キング・クリムゾンが一番光り輝いていた時の魂の演奏)。マイナーピークを一つ越え、御所湖方面展望地という標識に着くが、湖は見えていない。やがて落ち葉の上に雪が現われる。そして「箱ヶ森分岐点」という標識に着く。猪去林道から箱ヶ森への二つの登山道の分岐点のようだ。東の道の入口には案内はなく、やってきた西側の道に「下山道」とある。東側の道は難路なのかもしれない。残雪の笹原の斜面を進み、広い箱ヶ森の頂上に到着。こんなに大変とは思わなかった。たくさんの頂上標識に二等三角点。盛岡市街も見えている。

広い頂上を探検。ロープで囲われた御神体と思われる岩(苔むした獅子頭と思われる)、「つなぎ下山道」の標識。それはつなぎ温泉への道らしい。木で囲われた狛犬の頭(石の獅子頭)が二つ祀られている。太田薬師にあったのと同じだ。ワンカップのお酒が供えてある。頂上標識のところに戻り、ザックを下ろし、ホットレモンを飲む。盛岡市街をバックにした箱ヶ森の頂上標識は本日のハイライト。笹の上に横になって休憩。マップには太田薬師1km、30分、箱ヶ森3km、1時間半、とあるが、実績は太田薬師まで37分、箱ヶ森まで4時間19分、(猪去林道から2時間21分)。帰り道で、箱ヶ森分岐を東側の登山道に入ってみたが、途中がどうなっているか分からないので、西側の登山道に戻る。マクラ山まで下り、横になって休憩。猪去林道まで下り、林道を更に南まで進んでみる。林道は少し先で崩壊しており、沢に向かって崩れている。段差を降りて河原を歩き、向こう側の段差を登った先に東登山道の入口があった。「箱ヶ森登山道入口」の標識と登山者名簿ボックス、それにクロスカントリーの標識②がある。こっちの登山道がメインなのかもしれない。林道を戻り、オガセ滝を過ぎたあたりで男性二人がやってくるのに出会う。クリムゾンを止める。「登ってきたのか」「箱ヶ森まで行ってきた」「道は崩れてないか」「西の道は大丈夫」と言っておいた。太田薬師への分岐のあたりに、男性二人のものと思われる大きなジープ。荒れ果てた道の表面を均した跡がドロドロになっている林道を戻っていると、犬を連れて散歩している夫婦に会う。箱ヶ森登山道開設記念という立派な石板。

「災害により通行できません」とあるゲートに着き、市街地に入り、車道を尾根に向かう。朝に見た箱ヶ森の案内の下に、クロスカントリー標識①がある。これは箱ヶ森の道標だったのか。その先の紫波三山の案内をよく見ると、箱ヶ森には①から⑩の印があり、その南に赤林山20、毒ヶ森30、南昌50、ヘッタクレ60、田沢岳、不動岳70、東根は80となっており、ラフランス温泉館100が終点になっている。たいへんなものを見てしまった。紫波連山の縦走計画を立てないといけないかな(*2)。鳥居の車に戻り、少し休憩してから出発。すっかり雲の取れた岩手山が見えている。温泉に向かって南に下ると、西に太田薬師と箱ヶ森が並んで見えていた。最初に寄った温泉は営業中止しており、二つ目のパストラルバーデンというのに入る。西に見えている三角形の山は南昌なのだろうか。

(*2)紫波三山の案内 ◎箱ヶ森:信仰の山とされ、獅子頭のある箱ヶ森山頂は尾根の南西で、手入れされた気持ちの良い山頂である。盛岡市街や紫波の田園風景、姫神山、早池峰、赤林山をはじめ南昌山塊の山々などが眺められる。◎南昌山:洞窟に青龍が住み、常に毒気を吹いて雲をおこしたという伝説の青龍権現を祭る南昌山神社がある。「この山に雲がかかると雨が降る」といわれる雨乞い信仰が伝わる盛岡方面や紫波郡内などが東方に見える。早池峰や姫神山、和賀岳などの眺望もよい。◎東根山:ドッシリとした台形の山容に眼を奪われる東根山である。山頂からの展望を楽しみとして登る山、また、山菜採りやキノコ刈りの身近な対象として、親しまれている。

今季最後のツアーは盛岡の太田薬師と箱ヶ森。簡単に登れるだろうと思って臨んだが、災害で林道が崩壊していて奥まで入れず、新しい道標には箱ヶ森は記載されていなかった。念のために林道の奥まで歩き、荒れた登山道を見つける。そこには古い道標があり、林道から3時間で箱ヶ森の頂上に達する。広い頂上で、盛岡市街が良く見え、獅子の頭が祀られていた。

 箱ヶ森

 


赤林山と箱ヶ森


紫波三山登山ルート案内図


箱ヶ森登山コース案内図


太田薬師コース案内図


薬師神社の鳥居(登山口)


鉄塔


雲の上に出る


 

岩手山が雲から出ようとしている

 



霧の中の盛岡市街


石の獅子頭


太田薬師頂上の薬師神社


太田薬師の頂上標識


御神木の切株


峯薬師神社の案内

太田薬師の山頂に鎮座する峯の薬師神社は大同元年(806年)現在地に祭られたと伝えられています。大東亜戦争終戦前は大田村の村社でした。御神体は徳川時代の作と伝えられる薬師如来像です。明治44年(1911年)に社殿が再建された際発見した棟札様のものに「峯の薬師如来は天笠の月氏国医師善逝の御姫浄瑠璃光女と申し奉る、此の地神国に降来し玉いて薬師菩薩と号す。一切の諸病を療し民衆を救わんがため、大同元丙戌此」とありました。明治初年に起きた廃仏棄釈運動に際し、少名彦名命を奉祀して従来の薬師如来を薬師神社と改称しています。例祭日は六月の第一日曜日です。なお神木の大松と盛岡市指定の天然記念物クロビは猪去氏二代目の猪去蔵人(天文末年頃1550)手植えとされ、またその下にある出羽三山の碑の周囲に置かれている一つ一つの穴あき石は、目、耳、鼻等人体の穴の病気平癒を記念して願いを込めて奉納したもの。(太田の昭和史より)

「沢越えして猪去林道に至る」道標


崩落箇所


 

オガセ滝

 


箱ヶ森への道


岩手大学ツキノワグマ研究会木本植物プレート


マクラ山の頂上


マクラ山休憩地の標識(マクラ山頂上)


樹間の箱ヶ森


簡保下山道の道標


 降雪の広い箱ヶ森頂上

 

盛岡市街をバックにした箱ヶ森の頂上標識


箱ヶ森の頂上標識と三角点


トライアングル・ポイントの壊れた頂上標識


箱ヶ森の二等三角点


盛岡市街地


つなぎ下山道の道標


石の獅子頭


箱ヶ森から見る太田薬師


 

箱ヶ森の登山者ボックス

箱ヶ森登山道入口の標識


林道崩壊箇所


猪去林道


猪去林道の標識


箱ヶ森登山道開設記念碑


太田薬師


駐車地点


すっかり雲の取れた岩手山が見えている


箱ヶ森と太田薬師