神威岳  札幌のいかつい岩峰と冬の青空

北海道・道央  983m  2019年2月10日

北海道百名山

372

雲間に冬の太陽が射す

まぶしいがちっとも熱くない

冬の張りつめた青空に輝く 

冷たい光

☼❄☼❄☼❄☼❄

札幌市内に入って夜が明け、R230を西に向かう途中、薄曇りの空に神威のいかつい姿が覗いていた。何か造形物のよう。

そして樹間に、神威の髑髏のような姿が見えてきた。強烈。まだだいぶ高い。あそこまで登れるのだろうか。

やがて西尾根に乗り、北には高く烏帽子岳、行く手には冬の青空の下に灌木に隠れた神威岳。よおし、もうすぐだ。

ついに神威岳の北尾根に到達。頂上まであと200メートル。尾根の北には烏帽子岳が雄大にそびえ、北東には百松沢山(南峰)。1月にはあそこから神威を見ていた。

休みながらブッシュの斜面を登り、ついに神威岳の頂上に到達。そこには南向きにシンプルな頂上標識があった。東には札幌市街が広がり、南には朝通ってきたR230が小さく見えている。神威の頂上は平穏で、百松沢山から見たあのいかつい頭の上にいるとは思えない。

滑走開始。西尾根へはピークを少しトラバースして滑り込み、ここも尾根を外してやや南側のスペースを滑走。雪はパウダーなので快適。もう少しオープンスペースがあれば、パウダー天国だろう。

 行く手には青空の下に灌木に隠れた神威岳。よおし、もうすぐだ。
 R230を西に向かう途中、薄曇りの空に神威のいかつい姿が覗いていた。
 樹間に、神威の髑髏のような姿が見えてきた。強烈
 氷結した札幌湖の上のワカサギ釣りのテント村を見下ろす
  7:37 札幌湖駐車場発  9:28 林道終点10:34 沢底12:12 北尾根12:41 神威岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り5時間4分13:09 神威岳発、滑走13:43 沢底、シール13:54 滑走14:15 林道終点14:54 シール15:11 滑走15:25 札幌湖駐車場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復7時間48分

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神威岳に登るのに、前回と同じ百松沢コースから登るプランと、西の札幌湖から林道を辿って登るプランの二つを準備してきた。一日目の大黒が調子よかったので、長い百松沢コースにしようとカーナビ・セットしていたが、二日目の朝は小雪。天気が悪そうなので、札幌湖から登るプランに変えようと決める。札幌市内に入って夜が明け、R230を西に向かう途中、薄曇りの空に神威のいかつい姿が覗いていた。何か造形物のよう。7時少し過ぎにレイクラインのゲートを通過。背後からは札幌国際に向かうと思われる車の列が追ってくる。ゆっくりは走れない。ところが、札幌湖展望台に着くと、広い駐車場に既に何台もの車が駐車し、人々が出かけ始めている。奥のスペースに駐車して準備。どうやら登山ではなく、ワカサギ釣りらしい。氷結した札幌湖の対岸には小天狗岳765mが立っており、その右奥に、天狗岳の迫力の岩峰がぼんやり見えていた。スキーを担いで駐車場入口からレイクラインを横断すると、踏み跡はすぐに氷結した湖に下る道になっていて、木挽沢林道には踏み跡なし。スキーを下ろして雪の上に踏み出し、眼下に氷結した札幌湖の上のワカサギ釣りのテント村を見下ろす。ブログによると、「朝7時開門、6時着ですでに先頭から10台目くらいでしょうか。」とある。なるほど。

このルートをスキーで登った記録は一つしか見ておらず、しかも木挽沢林道側から登って平和霊園に下っている。たぶんスキーには不向きなのだろうが、林道の帰りは滑って戻れるだろう、と思っていたが、林道を歩き始めてすぐ、下り傾斜となる。これじゃあ帰りに滑れない。しかし、小雪は止み、いつの間にか青空となり、いい感じになってきた。林道も歩きにくくはなく、後半は登り傾斜になってきた。やがて行く手の樹間に真っ白な山が見えてくる。烏帽子岳だろうか。この日は前日の疲れが少しあり、右足の腿の裏あたりに違和感がある。雪が盛り上がっていて、最初に林道終点と思った箇所はまだ手前で、その先に小尾根がたちはだかる林道終点に着く。小尾根は灌木がたくさんあり、段差もあって登りにくかったが、灌木を掴んで無理やり登る。ところが、尾根の途中まで登ると作業道らしきところに出た。林道終点から大きく支沢側を回って登ってきているらしい。そっちを登るんだった、と思ったが、帰りにその作業道を下るが、ほとんど崩壊していて辿れず、途中で斜面を斜めに下降した。まあ、その斜面をシールでつづら折りで登っても良かった。作業道は高い所を少しづつ登っていて、それで神威の西尾根までたどり着けるかなと思ったが、途中で下り始め、GPSピンクルートから下に逸れ始める。そこで、登りやすい斜面を登ってみるが、今度はピンクルートの上に外れていく。困ったなと思ったら、ちょうどピンク・ルートの方角に二つ目の作業道があったので、そちらに進む。そして樹間に、神威の髑髏のような姿が見えてきた。強烈。まだだいぶ高い。あそこまで登れるのだろうか。神威岳の西尾根は、作業道2より南の、だいぶ低いところから始まっていたので、作業道2からなるべく高いところで西尾根に取付きたかったが、西尾根との間には沢筋があり、そこまで下降してから登り返す。西尾根は急だが、登れないことはない。西尾根の北側斜面をつづら折りに登る。ここでも灌木と雪の段差に悩まされるが、なんとか登れる。斜面の端に踏み込むと突然、雪庇が崩れ、急斜面を落ちていく。絶壁ではないが、雪庇には気をつけよう。

やがて西尾根に乗り、同様につづら折りで登るが、傾斜が緩くなって楽になる。そして北には高く烏帽子岳、行く手には冬の青空の下に灌木に隠れた神威岳。よおし、もうすぐだ。ついに神威岳の北尾根に到達。頂上まであと200メートル。尾根の北には烏帽子岳が雄大にそびえ、北東には百松沢山(南峰)。1月にはあそこから神威を見ていた。しかし、体がへばっていて、ここから神威への登りは辛かった。北尾根の東側は切り立っているので、今度は端を歩かないように進む。途中に深い切れ目が一箇所あり、踏み込むのがためらわれたので、大きく西側を回る。そこまでする必要はなかったかもしれない。こうして頂上のやや北西側から取付くと、夏道の標識をいくつか見つける。夏道自体は見分けがつかないが、南西尾根に下っているはず。まったく人の気配のないところを登ってきて、突然、人の作った表示を見て、少し安心。休みながらブッシュの斜面を登り、ついに神威岳の頂上に到達。そこには南向きにシンプルな頂上標識があった。ザックを下ろし、烏帽子岳と百松沢山をバックに神威岳の頂上標識を何枚も写す。東には札幌市街が広がり、南には朝通ってきたR230が小さく見えている。神威の頂上は平穏で、百松沢山から見たあのいかつい頭の上にいるとは思えない。西側のガスが次第に広がってきて、青空も狭まってきた。風が冷たくて長居もできない。ホットレモンを飲み、少し南側まで歩いてみて、それから滑走開始。小雪が降ってきた。ブッシュのある斜面は滑りにくい。往路の通りには滑れないので、スペースを探して大きく回って滑走し、下り過ぎたところを登り返す。深い切れ目のところは、切れ目のすぐ近くを通過。西尾根へはピークを少しトラバースして滑り込み、ここも尾根を外してやや南側のスペースを滑走。雪はパウダーなので快適。もう少しオープンスペースがあれば、パウダー天国だろう。木々の合間を探して滑るが、この西尾根の滑走が一応、この日のハイライト。

沢底に着き、シールを貼るが、登っている間に左スキーのシールに雪が入ってずれる。一応、フックが利いていて、まっすぐ進めば外れないのだが、こうなってしまうと、このシールはもうスキーに貼りつかない。モップで雪を少し落としたくらいでは効果なし。作業道2の途中、この先は下りだろうと思われるところでシールを外し、滑走再開。しかし、また緩い登りとなり、往路を外してトラバース。300mくらいで往路に戻る。そこからは作業道1を滑走し、林道終点の上の灌木尾根を外して北に下り、途中で切り返して南西に滑走し、林道終点に滑り込む。木挽沢林道は約3㎞。奥は傾斜があって滑れたが、ところどころ傾斜がなくなるので、ビンディングを廻してかかとを外し、滑り歩きを交え、その大半、2.5㎞はシールなしで進む。ようやく木挽大橋が見え、残り600mくらいのところの登り返しでシールを貼る。元気ならシールなしで歩いたかもしれないが、ちょっときつい傾斜。

そして残り300mくらいの地点でシールを外して最後の滑走、と思ったが、傾斜があまりなく、ほとんど滑り歩き。小吹雪になっていたが、札幌湖にはまだワカサギのテントはいくつも残っていた。スキーを外して駐車場に戻ると、車は朝の半分程度。私の両隣の人たちも戻ってきて、先に帰っていった。結局、山に向かったのは私一人だったようだ。ゆっくり着替え、カーナビ・セットしてから車を出す。

神威岳

神威岳に登るのに、前回と同じ百松沢コースから登るプランと、西の札幌湖から林道を辿って登るプランの二つを準備してきた。一日目の大黒が調子よかったので、長い百松沢コースにしようとカーナビ・セットしていたが、二日目の朝は小雪。天気が悪そうなので、札幌湖から登るプランに変えようと決める。札幌市内に入って夜が明け、R230を西に向かう途中、薄曇りの空に神威のいかつい姿が覗いていた。何か造形物のよう。

定山渓ゲート

札幌湖駐車場

小天狗岳

 氷結した札幌湖と小天狗岳

札幌湖駐車場から林道入口に渡る

木挽沢林道

木挽沢林道の標識

ワカサギ釣りのテント村

7時少し過ぎにレイクラインのゲートを通過。背後からは札幌国際に向かうと思われる車の列が追ってくる。ゆっくりは走れない。ところが、札幌湖展望台に着くと、広い駐車場に既に何台もの車が駐車し、人々が出かけ始めている。奥のスペースに駐車して準備。どうやら登山ではなく、ワカサギ釣りらしい。氷結した札幌湖の対岸には小天狗岳765mが立っており、その右奥に、天狗岳の迫力の岩峰がぼんやり見えていた。スキーを担いで駐車場入口からレイクラインを横断すると、踏み跡はすぐに氷結した湖に下る道になっていて、木挽沢林道には踏み跡なし。スキーを下ろして雪の上に踏み出し、眼下に氷結した札幌湖の上のワカサギ釣りのテント村を見下ろす。ブログによると、「朝7時開門、6時着ですでに先頭から10台目くらいでしょうか。」とある。なるほど。

行く手に白く光る尾根

林道終点の小尾根

このルートをスキーで登った記録は一つしか見ておらず、しかも木挽沢林道側から登って平和霊園に下っている。たぶんスキーには不向きなのだろうが、林道の帰りは滑って戻れるだろう、と思っていたが、林道を歩き始めてすぐ、下り傾斜となる。これじゃあ帰りに滑れない。しかし、小雪は止み、いつの間にか青空となり、いい感じになってきた。林道も歩きにくくはなく、後半は登り傾斜になってきた。やがて行く手の樹間に真っ白な山が見えてくる。烏帽子岳だろうか。この日は前日の疲れが少しあり、右足の腿の裏あたりに違和感がある。雪が盛り上がっていて、最初に林道終点と思った箇所はまだ手前で、その先に小尾根がたちはだかる林道終点に着く。小尾根は灌木がたくさんあり、段差もあって登りにくかったが、灌木を掴んで無理やり登る。ところが、尾根の途中まで登ると作業道らしきところに出た。林道終点から大きく支沢側を回って登ってきているらしい。そっちを登るんだった、と思ったが、帰りにその作業道を下るが、ほとんど崩壊していて辿れず、途中で斜面を斜めに下降した。まあ、その斜面をシールでつづら折りで登っても良かった。

古い赤リボン

小尾根の上の作業道1

髑髏の神威岳

作業道は高い所を少しづつ登っていて、それで神威の西尾根までたどり着けるかなと思ったが、途中で下り始め、GPSピンクルートから下に逸れ始める。そこで、登りやすい斜面を登ってみるが、今度はピンクルートの上に外れていく。困ったなと思ったら、ちょうどピンク・ルートの方角に二つ目の作業道があったので、そちらに進む。そして樹間に、神威の髑髏のような姿が見えてきた。強烈。まだだいぶ高い。あそこまで登れるのだろうか。神威岳の西尾根は、作業道2より南の、だいぶ低いところから始まっていたので、作業道2からなるべく高いところで西尾根に取付きたかったが、西尾根との間には沢筋があり、そこまで下降してから登り返す。西尾根は急だが、登れないことはない。西尾根の北側斜面をつづら折りに登る。ここでも灌木と雪の段差に悩まされるが、なんとか登れる。斜面の端に踏み込むと突然、雪庇が崩れ、急斜面を落ちていく。絶壁ではないが、雪庇には気をつけよう。

作業道1の上の斜面

作業道2

沢底

西尾根の北斜面を登る

西尾根

烏帽子岳

神威岳

札幌湖

北尾根

百松沢山(南峰)

札幌市街

百松沢山(南峰)

北尾根から見る烏帽子岳と百松沢山(南峰)

手稲ネオパラと手稲山

北尾根から神威岳頂上に向かう

細尾根の注意書き

冬の太陽

神威岳頂上

やがて西尾根に乗り、同様につづら折りで登るが、傾斜が緩くなって楽になる。そして北には高く烏帽子岳、行く手には冬の青空の下に灌木に隠れた神威岳。よおし、もうすぐだ。ついに神威岳の北尾根に到達。頂上まであと200メートル。尾根の北には烏帽子岳が雄大にそびえ、北東には百松沢山(南峰)。1月にはあそこから神威を見ていた。しかし、体がへばっていて、ここから神威への登りは辛かった。北尾根の東側は切り立っているので、今度は端を歩かないように進む。途中に深い切れ目が一箇所あり、踏み込むのがためらわれたので、大きく西側を回る。そこまでする必要はなかったかもしれない。こうして頂上のやや北西側から取付くと、夏道の標識をいくつか見つける。夏道自体は見分けがつかないが、南西尾根に下っているはず。まったく人の気配のないところを登ってきて、突然、人の作った表示を見て、少し安心。休みながらブッシュの斜面を登り、ついに神威岳の頂上に到達。そこには南向きにシンプルな頂上標識があった。ザックを下ろし、烏帽子岳と百松沢山をバックに神威岳の頂上標識を何枚も写す。東には札幌市街が広がり、南には朝通ってきたR230が小さく見えている。神威の頂上は平穏で、百松沢山から見たあのいかつい頭の上にいるとは思えない。

R230

定山渓天狗岳

頂上から東と南の展望

神威岳頂上(南側より)

夏道の標識

西尾根の滑走

西側のガスが次第に広がってきて、青空も狭まってきた。風が冷たくて長居もできない。ホットレモンを飲み、少し南側まで歩いてみて、それから滑走開始。小雪が降ってきた。ブッシュのある斜面は滑りにくい。往路の通りには滑れないので、スペースを探して大きく回って滑走し、下り過ぎたところを登り返す。深い切れ目のところは、切れ目のすぐ近くを通過。西尾根へはピークを少しトラバースして滑り込み、ここも尾根を外してやや南側のスペースを滑走。雪はパウダーなので快適。もう少しオープンスペースがあれば、パウダー天国だろう。木々の合間を探して滑るが、この西尾根の滑走が一応、この日のハイライト。

西尾根の南側の滑走

西尾根の北側の滑走

沢底

沢底に着き、シールを貼るが、登っている間に左スキーのシールに雪が入ってずれる。一応、フックが利いていて、まっすぐ進めば外れないのだが、こうなってしまうと、このシールはもうスキーに貼りつかない。モップで雪を少し落としたくらいでは効果なし。作業道2の途中、この先は下りだろうと思われるところでシールを外し、滑走再開。しかし、また緩い登りとなり、往路を外してトラバース。300mくらいで往路に戻る。そこからは作業道1を滑走し、林道終点の上の灌木尾根を外して北に下り、途中で切り返して南西に滑走し、林道終点に滑り込む。木挽沢林道は約3㎞。奥は傾斜があって滑れたが、ところどころ傾斜がなくなるので、ビンディングを廻してかかとを外し、滑り歩きを交え、その大半、2.5㎞はシールなしで進む。ようやく木挽大橋が見え、残り600mくらいのところの登り返しでシールを貼る。元気ならシールなしで歩いたかもしれないが、ちょっときつい傾斜。

細尾根の上から見下ろす

道路標識

そして残り300mくらいの地点でシールを外して最後の滑走、と思ったが、傾斜があまりなく、ほとんど滑り歩き。小吹雪になっていたが、札幌湖にはまだサワカギのテントはいくつも残っていた。スキーを外して駐車場に戻ると、車は朝の半分程度。私の両隣の人たちも戻ってきて、先に帰っていった。結局、山に向かったのは私一人だったようだ。ゆっくり着替え、カーナビ・セットしてから車を出す。