寒風山、白髪山  船形連峰の南西縦走路

宮城県  白髪山(最高点1,290m、三角点1,284m)、寒風山1,117m  2019年6月1日

(寒風山)宮城県の山

401

また一つピークを越える

頂上が見えてるのにちっとも近づかないなあ

長い下りを駆け下りて、また登り返し

緩やかな道はどこまでも続く

🍁🍂🌻🌷⚘🦋🐞

最初は沢沿いの道。車の行き交うトンネル入口のすぐ近くの登山口にはタニウツギが咲いていて、谷に入ると道沿いに小さなミミナグサにクルマムグラ。涸れ沢を右岸から左岸に渡り、そこから稜線に向かってつづら折りの登り。

縦走路の序盤は極めて歩きやすい。高度が上がると背後の景観が見えてくる。ごついのは大東山だと思うが、その手前の複雑な横長の山は面白山だろうか。コブの背にはマイヅルソウの群落があった。

ところが、コブの背(995m)を下って少しで、それまで歩きやすかった刈払いが唐突に終了。朝のササは前日夜の雨にたっぷり濡れていて、たちまち靴とヒザがびしょ濡れになる。

ササがなぎ倒された平らな地形に上がり、その先の林の中に寒風山の頂上があった。二等三角点に壊れた頂上標識。なぜか鈴がついている。

この日は印象的な岩峰を二つ見た(柴倉山と仙台カゴ)が、寒風山の頂上の北から樹間に最初に見たのは柴倉山。行く手の視界が開け、視界いっぱいに見えてきた幅広の山は、戸立山の手前にあるP4(奥寒風山)1,132mだった。なかなかの貫録。

そして、最高点よりも少し手前で、白髪山・三角点と頂上標識のところに到達。やっと着いた。視界のよい頂上で、東から北、西にかけては船形連峰が並び、後白髪、三峰山、蛇ヶ岳、船形山、仙台カゴ、柴倉山、そして黒伏山。盟主の船形山は優雅に山裾を伸ばしていて、広い頂上尾根の左端に避難小屋が見えている。いつのまにか青空が広がり、絶景だ。

帰りは青空の広がった船形連峰の景観を楽しみながら下る。ここまで登ってきて良かった。二つの岩峰、東の柴倉山と西の仙台カゴが特に印象的で、何度も撮影。柴倉山は少し右に傾き、緑に包まれた姿だが、西側にえぐれた噴火口が隠れている。南側に垂直の岩壁を見せる仙台カゴはなかなか手ごわそうで迫力がある。

ようやく寒風山に着き、ザックを下ろす。三角点の上に壊れた頂上標識が乗せてあったので、誰かが来たようだ。青の背からも再び背後に船形連峰の雄姿が見え、しっかり目に焼き付ける。

 P6(前白髪山)1,142mの頂上に着くと、目の前に白髪山の緑色の巨体が迫る。もうすぐだ。
 北に縦走路を下っていくと、寒風山の北面に隠された大きなナギが見えてきた。平らな岩壁がむき出しになっている。あんなのがあったのか。
 南側に垂直の岩壁を見せる仙台カゴはなかなか手ごわそうで迫力がある。
 コブの背にはマイヅルソウの群落があった。
 木陰にサンカヨウが咲いていた
ヤグルマソウ?
タネツケバナ?
ツマトリソウ
 盟主の船形山は優雅に山裾を伸ばしていて、広い頂上尾根の左端に避難小屋が見えている。
  7:35 関山トンネル発540m  8:35 コブの背995m  8:41 刈払い終点  9:12 P2・1,065m  9:38 寒風山1,117m9:55 寒風山発10:27 P4・1,132m10:57 戸立山1,100m12:07 P6・1,142m12:49 白髪山・三角点1,284m・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り5時間14分13:10 白髪山・最高点1,290m13:19 白髪山・三角点発14:06 P6・1,142m14:55 戸立山1,100m15:25 P4・1,132m15:58 寒風山16:10 寒風山発16:34 P2・1,065m16:51 刈払い終点17:08 コブの背18:05 関山トンネル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復10時間30分

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宮城にも雨が降った跡があり、山は霞んでいる。作並温泉には大きなこけし。R48は車がしょっちゅう通っていて、道路上で停止しにくかったので、関山トンネル手前にスペースがあるかを確認するために、トンネルの100mほど手前のスペース(南側)に停車。車が通り過ぎてからトンネル入口北側まで歩くと、そこには駐車スペースがあり、奥に踏み跡と古い登山口表示があった。そこでそこまで車を移動し、準備して歩き始める。登山口表示の木板には「登山道開通2000.7.30 坂下口-コブの背-青の背-寒風山-奥寒風山-戸立山-前白髪山-白髪山-粟畑」とある。最初は沢沿いの道。車の行き交うトンネル入口のすぐ近くの登山口にはタニウツギが咲いていて、谷に入ると道沿いに小さなミミナグサにクルマムグラ。黄色い塔みたいな花はヤグルマソウ?白い花はタネツケバナだろうか。入口近くに砂防ダムがあり、そこから上には水は無く、涸れ沢を右岸から左岸に渡り、そこから稜線に向かってつづら折りの登り。最初、ガーデン手袋をはめていたが、道は整備されていて歩きやすいので手袋をしまう。

朝が寒かったので、厚手の上下を着てきたが、風のない林の中のつづら折りを登っていると暑い。薄い上下を着てくるんだったと悔やむ。稜線に上がると、意外なことに南西方向、関山峠への踏み跡はなかった。北東に向かう道は明瞭で歩きやすいが、稜線はえらくアップダウンがあるようで、そのアップダウンをトラバースでやりすごし、最初は稜線の南側、次いで北側を緩やかに登っていく。縦走路の序盤は極めて歩きやすい。でっかい「うろ」のある木。高度が上がると背後の景観が見えてくる。ごついのは大東山だと思うが、その手前の複雑な横長の山は面白山だろうか。やがて最初のピーク995mに着くと、意外なことに「コブの背」という頂上標識と「2、森永キャラメル」という古い指導標があった。いかにも目的地への途中という印象。コブの背にはマイヅルソウの群落があった。このピークの北端からは初めて船形連峰の一角が見える。行く手に二つのピークが見え、その奥が寒風山かな。その先にも視界の開けたところがあり、復路のときはそこから船形山や白髪山が見えていたが、往路のときは雲で隠れていた。9時過ぎに初めて白髪山と頭の隠れた船形山を見ているが、そのときは同定できていなかった。

ところが、コブの背(995m)を下って少しで、それまで歩きやすかった刈払いが唐突に終了。踏み跡の上に覆いかぶさったササを両手で払いながら進むが、朝のササは前日夜の雨にたっぷり濡れていて、たちまち靴とヒザがびしょ濡れになる。厚手のズボンは中までしみこまなかったが、靴の中にはやがて水が沁みこんでくる。このときはまだスティックはなし。ツクバネウツギの黄色い花の先でP2(青の背)1,065mに着く。樹間にたびたび船形山や後白髪山を見るが、行く手の寒風山は見えない。ササがなぎ倒された平らな地形に上がり、その先の林の中に寒風山の頂上があった。二等三角点に壊れた頂上標識。なぜか鈴がついている。腰を下ろして本日最初の休憩。まだ下は濡れているのでザックの上にすわり、パンを食べ、アクエリアスを飲み、ここでスティックを出す。三角点に脇にある古い道標によると、寒風山から戸立山まで2㎞、戸立山から白髪山まで2㎞だが、GPSによると3㎞強。この日は印象的な岩峰を二つ見た(柴倉山と仙台カゴ)が、寒風山の頂上の北から樹間に最初に見たのは柴倉山。行く手の視界が開け、視界いっぱいに見えてきた幅広の山は、戸立山の手前にあるP4(奥寒風山)1,132mだった。なかなかの貫録。北に縦走路を下っていくと、寒風山の北面に隠された大きなナギが見えてきた。平らな岩壁がむき出しになっている。あんなのがあったのか。コル1,040mまで約90mを下り、登り返す。P4(奥寒風山)の頂上はブナ林の中にあり、その前後でユキザサ、チゴユリやオオカメノキを見る。

ササはだいぶ乾いてきたが、密集した背の高いササの下の微かな踏み跡を見失いがち。林の中のなだらかなピークで、戸立山の頂上標識を見る。その先の展望所から、行く手のP6(前白髪山)1,142mとその向こうの白髪山、その右手に並ぶ仙台カゴ、船形山を同定する。この景観は復路ではコブの背(995m)のあたりまで見えており、往路でも樹間にたびたび見えていたが、同定できたのは戸立山の先が初めて。戸立山から下ったコルは平坦な深い笹ヤブで、ルートを見失いそうになり、何度が後戻りして踏み跡を確かめて進む。幸い、大きく外れることはなかった。P6(前白髪山)1,142mに登り返していくと足元にツマトリソウ。そして背後に見えてきたのはP4(奥寒風山)1,132mで、寒風山1,117mはその蔭に隠れて見えていないようだ。P6(前白髪山)1,142mの頂上に着くと、目の前に白髪山の緑色の巨体が迫る。もうすぐだ。その先を下っていくと、木陰にサンカヨウが咲いていた。緑色の大きな葉っぱはツクバネソウ。その先からは残雪が出てくる。最初は道脇にあった残雪はルート上に現われ、残雪の上を歩いて進み、倒れた木の枝をくぐろうとすると、いきなりその木が立ち上がる。高い木々がなくなり、背後の視界が開け、戸立山とP4・1,132mの背後の寒風山を初めて見る。

そして、最高点よりも少し手前で、白髪山・三角点と頂上標識のところに到達。やっと着いた。三角点と古ぼけた両面の頂上標識を撮影し、ザックを下ろして2度目の休憩。視界のよい頂上で、南には深い谷を見下ろすことができ、その向こうに面白山と大東山が並ぶ。東に見える大きな湖は大倉ダムのあたり。東から北、西にかけては船形連峰が並び、後白髪、三峰山、蛇ヶ岳、船形山、仙台カゴ、柴倉山、そして黒伏山。山形空港があるはずの東根市街は銀色に輝いている。盟主の船形山は優雅に山裾を伸ばしていて、広い頂上尾根の左端に避難小屋が見えている。いつのまにか青空が広がり、絶景だ。何度も何度も写真に撮る。そして腰を下ろし、小ナッツを二つ食べ、アクエリアスを飲み干す。咳が出るのはササの埃か花粉のためだろうが、白髪山頂上に着いた頃から鼻水が止まらなくなり、何度もティッシュを使う。帰路につく前に、登山道を北にたどり、白髪山の最高地点まで行ってみる。登山道はほぼ平らな灌木の中の道で、黒伏スキー場の東にある船形山の登山口まで整備された道が続いているのかもしれない。灌木の中の最高地点には何もなし。GPSで標高1,290mであることを確認し、引き返す。帰りは青空の広った船形連峰の景観を楽しみながら下る。咳と鼻水は出るが、ここまで登ってきて良かった。

戸立山の手前あたりから腰が痛みだしたが、戸立山でも休まず、歩き続ける。背後の青空に並ぶ諸峰を何度も眺めるが、二つの岩峰、東の柴倉山と西の仙台カゴが特に印象的で、何度も撮影。柴倉山は少し右に傾き、緑に包まれた姿だが、西側にえぐれた噴火口が隠れている。南側に垂直の岩壁を見せる仙台カゴはなかなか手ごわそうで迫力がある。どちらの岩峰も破線の登山道は頂上を迂回しているようだが、頂上に登ったというネット情報は多い。どんな感じなんだろう。ミヤマシキミの赤い実は何度も見たが、花は見当たらず、往路で見た、ややくたびれたミヤマシキミの花を復路で見つけ、撮影する。うまく映っているかな。ようやく寒風山に着き、ザックを下ろす。三角点の上に壊れた頂上標識が乗せてあったので、誰かが来たようだ。もうナッツは食べなかったが、半分残ったポカリはたぶん昨年11月のもの。酸っぱい味がしたそのポカリにあろうことか小さな虫が飛び込み、水に浸かって死んでしまった。まだ半分くらい残ってるのにどうすればいいんだ。水を少し流して虫を捨てたのだが、水はほとんど流れてしまい、少ししか残らなかった。下山後、サイダーを2杯飲んでから腹具合がおかしくなり、気分も悪くなったのはこのポカリが原因だったのかもしれない。それとも虫?青の背からも再び背後に船形連峰の雄姿が見え、しっかり目に焼き付ける。刈払い終点からはすっかり楽になり、ダブル・スティックですいすいと下る。だんだん日が翳ってきて林の中が暗くなるが、まだ16時頃だろうと思っていた。車の音が大きくなり、暗がりの足元の小さな花がクルマムグラであることに気づき、登山口に帰着。トンネルとタニウツギを写そうとしたらメモリーカードが満杯になっていて、取り換える。R48は相変わらず車がたくさん行きかっている。着替えて車に入ると、もう18時前だった。笹ヤブの往復で結構、時間がかかったようだ。

 作並温泉の大きなこけし

宮城にも雨が降った跡があり、山は霞んでいる。作並温泉には大きなこけし。R48は車がしょっちゅう通っていて、道路上で停止しにくかったので、関山トンネル手前にスペースがあるかを確認するために、トンネルの100mほど手前のスペース(南側)に停車。車が通り過ぎてからトンネル入口北側まで歩くと、そこには駐車スペースがあり、奥に踏み跡と古い登山口表示があった。そこでそこまで車を移動し、準備して歩き始める。登山口表示の木板には「登山道開通2000.7.30 坂下口-コブの背-青の背-寒風山-奥寒風山-戸立山-前白髪山-白髪山-粟畑」とある。最初は沢沿いの道。車の行き交うトンネル入口のすぐ近くの登山口にはタニウツギが咲いていて、谷に入ると道沿いに小さなミミナグサにクルマムグラ。黄色い塔みたいな花はヤグルマソウ?白い花はタネツケバナだろうか。入口近くに砂防ダムがあり、そこから上には水は無く、涸れ沢を右岸から左岸に渡り、そこから稜線に向かってつづら折りの登り。最初、ガーデン手袋をはめていたが、道は整備されていて歩きやすいので手袋をしまう。

 関山トンネル

 登山口の案内

 タニウツギ

 ヤグルマソウ?

 ミミナグサ

 クルマムグラ

 タネツケバナ?

 九十九折の歩きやすい道

朝が寒かったので、厚手の上下を着てきたが、風のない林の中のつづら折りを登っていると暑い。薄い上下を着てくるんだったと悔やむ。稜線に上がると、意外なことに南西方向、関山峠への踏み跡はなかった。北東に向かう道は明瞭で歩きやすいが、稜線はえらくアップダウンがあるようで、そのアップダウンをトラバースでやりすごし、最初は稜線の南側、次いで北側を緩やかに登っていく。縦走路の序盤は極めて歩きやすい。でっかい「うろ」のある木。高度が上がると背後の景観が見えてくる。ごついのは大東山だと思うが、その手前の複雑な横長の山は面白山だろうか。やがて最初のピーク995mに着くと、意外なことに「コブの背」という頂上標識と「2、森永キャラメル」という古い指導標があった。いかにも目的地への途中という印象。コブの背にはマイヅルソウの群落があった。このピークの北端からは初めて船形連峰の一角が見える。行く手に二つのピークが見え、その奥が寒風山かな。その先にも視界の開けたところがあり、復路のときはそこから船形山や白髪山が見えていたが、往路のときは雲で隠れていた。9時過ぎに初めて白髪山と頭の隠れた船形山を見ているが、そのときは同定できていなかった。

 うろ

 大東岳と面白山

 コブの背の頂上

 マイヅルソウ

 マイヅルソウ

 寒風山とP2(青の背)

 刈払い終点

ところが、コブの背(995m)を下って少しで、それまで歩きやすかった刈払いが唐突に終了。踏み跡の上に覆いかぶさったササを両手で払いながら進むが、朝のササは前日夜の雨にたっぷり濡れていて、たちまち靴とヒザがびしょ濡れになる。厚手のズボンは中までしみこまなかったが、靴の中にはやがて水が沁みこんでくる。このときはまだスティックはなし。ツクバネウツギの黄色い花の先でP2(青の背)1,065mに着く。樹間にたびたび船形山や後白髪山を見るが、行く手の寒風山は見えない。ササがなぎ倒された平らな地形に上がり、その先の林の中に寒風山の頂上があった。二等三角点に壊れた頂上標識。なぜか鈴がついている。腰を下ろして本日最初の休憩。まだ下は濡れているのでザックの上にすわり、パンを食べ、アクエリアスを飲み、ここでスティックを出す。三角点に脇にある古い道標によると、寒風山から戸立山まで2㎞、戸立山から白髪山まで2㎞だが、GPSによると3㎞強。この日は印象的な岩峰を二つ見た(柴倉山と仙台カゴ)が、寒風山の頂上の北から樹間に最初に見たのは柴倉山。行く手の視界が開け、視界いっぱいに見えてきた幅広の山は、戸立山の手前にあるP4(奥寒風山)1,132mだった。なかなかの貫録。北に縦走路を下っていくと、寒風山の北面に隠された大きなナギが見えてきた。平らな岩壁がむき出しになっている。あんなのがあったのか。コル1,040mまで約90mを下り、登り返す。P4(奥寒風山)の頂上はブナ林の中にあり、その前後でユキザサ、チゴユリやオオカメノキを見る。

 ツクバネウツギ

 P2(青の背)頂上

 寒風山の頂上

 P4(奥寒風山)

 P4(奥寒風山)

 寒風山と北ナギ

 ユキザサ

 P4(奥寒風山)頂上付近

 チゴユリ

 オオカメノキ

 戸立山の頂上標識

ササはだいぶ乾いてきたが、密集した背の高いササの下の微かな踏み跡を見失いがち。林の中のなだらかなピークで、戸立山の頂上標識を見る。その先の展望所から、行く手のP6(前白髪山)1,142mとその向こうの白髪山、その右手に並ぶ仙台カゴ、船形山を同定する。この景観は復路ではコブの背(995m)のあたりまで見えており、往路でも樹間にたびたび見えていたが、同定できたのは戸立山の先が初めて。戸立山から下ったコルは平坦な深い笹ヤブで、ルートを見失いそうになり、何度が後戻りして踏み跡を確かめて進む。幸い、大きく外れることはなかった。P6(前白髪山)1,142mに登り返していくと足元にツマトリソウ。そして背後に見えてきたのはP4(奥寒風山)1,132mで、寒風山1,117mはその蔭に隠れて見えていないようだ。P6(前白髪山)1,142mの頂上に着くと、目の前に白髪山の緑色の巨体が迫る。もうすぐだ。その先を下っていくと、木陰にサンカヨウが咲いていた。緑色の大きな葉っぱはツクバネソウ。その先からは残雪が出てくる。最初は道脇にあった残雪はルート上に現われ、残雪の上を歩いて進み、倒れた木の枝をくぐろうとすると、いきなりその木が立ち上がる。高い木々がなくなり、背後の視界が開け、戸立山とP4・1,132mの背後の寒風山を初めて見る。

 平坦な深い笹ヤブ

 ツマトリソウ

 P4(奥寒風山)

 白髪山

 白髪山とP6(前白髪山)

 白髪山

 サンカヨウ

 残雪

 ツクバネソウ

 白髪山・三角点頂上

そして、最高点よりも少し手前で、白髪山・三角点と頂上標識のところに到達。やっと着いた。三角点と古ぼけた両面の頂上標識を撮影し、ザックを下ろして2度目の休憩。視界のよい頂上で、南には深い谷を見下ろすことができ、その向こうに面白山と大東山が並ぶ。東に見える大きな湖は大倉ダムのあたり。東から北、西にかけては船形連峰が並び、後白髪、三峰山、蛇ヶ岳、船形山、仙台カゴ、柴倉山、そして黒伏山。山形空港があるはずの東根市街は銀色に輝いている。盟主の船形山は優雅に山裾を伸ばしていて、広い頂上尾根の左端に避難小屋が見えている。いつのまにか青空が広がり、絶景だ。何度も何度も写真に撮る。そして腰を下ろし、小ナッツを二つ食べ、アクエリアスを飲み干す。咳が出るのはササの埃か花粉のためだろうが、白髪山頂上に着いた頃から鼻水が止まらなくなり、何度もティッシュを使う。帰路につく前に、登山道を北にたどり、白髪山の最高地点まで行ってみる。登山道はほぼ平らな灌木の中の道で、黒伏スキー場の東にある船形山の登山口まで整備された道が続いているのかもしれない。灌木の中の最高地点には何もなし。GPSで標高1,290mであることを確認し、引き返す。帰りは青空の広った船形連峰の景観を楽しみながら下る。咳と鼻水は出るが、ここまで登ってきて良かった。

 船形山

 船形山頂上と避難小屋

 船形山

 白髪山・最高点付近

 白髪山頂上から西の景観: 前白髪山、戸立山、奥寒風山、寒風山、大東岳、面白山、黒伏山

 東根市街と山形空港

 黒伏山

 白髪山頂上から東の景観: 船形山、蛇ヶ岳、三峰山、後白髪山、大倉ダム

 大倉ダム

 戸立山の北尾根から北西の景観: 水無山、黒伏山、白森、銭山、柴倉山、白髪山、前白髪山

 柴倉山

戸立山の手前あたりから腰が痛みだしたが、戸立山でも休まず、歩き続ける。背後の青空に並ぶ諸峰を何度も眺めるが、二つの岩峰、東の柴倉山と西の仙台カゴが特に印象的で、何度も撮影。柴倉山は少し右に傾き、緑に包まれた姿だが、西側にえぐれた噴火口が隠れている。南側に垂直の岩壁を見せる仙台カゴはなかなか手ごわそうで迫力がある。どちらの岩峰も破線の登山道は頂上を迂回しているようだが、頂上に登ったというネット情報は多い。どんな感じなんだろう。ミヤマシキミの赤い実は何度も見たが、花は見当たらず、往路で見た、ややくたびれたミヤマシキミの花を復路で見つけ、撮影する。うまく映っているかな。ようやく寒風山に着き、ザックを下ろす。三角点の上に壊れた頂上標識が乗せてあったので、誰かが来たようだ。もうナッツは食べなかったが、半分残ったポカリはたぶん昨年11月のもの。酸っぱい味がしたそのポカリにあろうことか小さな虫が飛び込み、水に浸かって死んでしまった。まだ半分くらい残ってるのにどうすればいいんだ。水を少し流して虫を捨てたのだが、水はほとんど流れてしまい、少ししか残らなかった。下山後、サイダーを2杯飲んでから腹具合がおかしくなり、気分も悪くなったのはこのポカリが原因だったのかもしれない。それとも虫?青の背からも再び背後に船形連峰の雄姿が見え、しっかり目に焼き付ける。刈払い終点からはすっかり楽になり、ダブル・スティックですいすいと下る。だんだん日が翳ってきて林の中が暗くなるが、まだ16時頃だろうと思っていた。車の音が大きくなり、暗がりの足元の小さな花がクルマムグラであることに気づき、登山口に帰着。トンネルとタニウツギを写そうとしたらメモリーカードが満杯になっていて、取り換える。R48は相変わらず車がたくさん行きかっている。着替えて車に入ると、もう18時前だった。笹ヤブの往復で結構、時間がかかったようだ。

 仙台カゴ

 ミヤマシキミの赤い実

 ミヤマシキミ

 青の背から北東の景観: 白髪山、仙台カゴ、船形山、蛇ヶ岳、三峰山、後白髪山

 夕焼の月山

 夕焼の葉山