南八甲田・乗鞍岳 大雪原の逍遥漫歩
青森県 乗鞍岳1,450m、駒ヶ峰1,417m、ニセ駒1,380m、猿倉岳1,354m、黄瀬沼1,090m 2004年4月10日
(乗鞍岳)青森110山
370
ニセ駒:出典「山スキールート図集2」白水書房2000年、p69雪が落ち着いてくると
南八甲田に向かう
城ヶ倉大橋を渡って横岳
そして大岩とナギの南沢岳
平らな乗鞍岳から黄瀬沼
赤倉岳から凍った赤沼を見下ろす
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8時過ぎ、ニセ駒の稜線(1,380m)に近づくと、まず乗鞍岳の平らな頭が見えてきて、稜線に達すると乗鞍岳の巨大な姿が目の前の視界いっぱいに広がる。ずっしりとした存在感。西に見える真っ白な櫛ヶ峰と対照的に、乗鞍は重い黒い巨体をしている。
広い乗鞍岳の頂上を歩いて南端に達し、最高点を探して東側に進んでいると、9時半、ひょっこり大きな岩を見つけた。それは、2年前登ったときに見た頂上の大岩であった。ちょうど座りやすい形をしていて、一度見たら忘れられない姿。ここよりもやや北東のあたりが最高点の感じ。
ザックを岩の上に置き、一応、北東の最高点ピークまで歩く。湯を沸かしていると、5~6人のパーティがやってきた。
沢の急斜面を快適に滑り降り、黄瀬沼の雪原に着く。その上を歩いていくが、どこから沼なのかは分からない。林に囲まれた静かな沼。周りに土手があり、土手の上に櫛ヶ峰と駒ヶ峰が見えている。夏にきたらどんな感じなんだろうか。
駒ヶ峰頂上に着くと、頂上からスキーで滑り降りていく二人。頂上でシールを外していると、子供連れ夫婦4人がうちわのようなものをもって登ってきた。西からはスキーの二人がやってくる。賑やかな春スキーや雪山ハイキングの交差点。
猿倉岳頂上から最後の滑走。背後には、矢櫃山、赤倉岳、乗鞍岳のピークが並んでいる。しばらく下ると沢道に出て、そこを快適に下る。
青空の広がる雪山と大雪原の逍遥漫歩。
矢櫃岳:出典、山と高原地図4「十和田湖・八甲田・岩木山」2002年
矢櫃山:出典「旧青森県の山」(1993年初版)p64赤倉岳
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南北20峰登頂の最後ということで、朝6:00出発。結局、前週よりも良い天気であった。道路に雪はなく、すんなり睡蓮沼(標高990m)に着く。猿倉温泉から登ろうとも思ったが、確実な方にする。6:30頃だが、既に4~5台来ている。シールを着け、道路から雪原に上がる。雪壁には、前週なかったステップがきざんである。上では既に4~5人のパーティが出かけようとしている。
快晴のなかを出発、6:44。沢を行くか右手の土手を行くか迷ったが、土手に登る。眺めは良いが、少し回り道になる。背後に並んでいるのは石倉岳、硫黄岳と大岳。パーティの方は沢を進んでいたが、どうみても向こうの方が早い。今週は雪が固く、先週よりも全然歩き易い。7:12、1,167mスロープ着。前週の約半分の時間で着いた(54分→28分)。アイスバーンの斜面を登り、しばらく進むと雪原に出る。前週は右手右手と進んだが、今週は真っ直ぐ進むと、大きな雪原となっている。その雪原の西に駒ヶ峰と櫛ヶ峰が少しづつ見えてくる。8時過ぎ、ニセ駒の稜線(1,380m)に近づくと、まず乗鞍岳の平らな頭が見えてきて、稜線に達すると乗鞍岳の巨大な姿が目の前の視界いっぱいに広がる。ずっしりとした存在感。西に見える真っ白な櫛ヶ峰と対照的に、乗鞍は重い黒い巨体をしている。乗鞍岳の東に見えるピークは赤倉岳(それに矢櫃岳、矢櫃山のピーク)。ニセ駒の稜線の東には猿倉岳が見えていた。シールのまま鞍部まで滑り降りる。8:28、たぶん地獄峠と思われる雪原(標高1,260m)。ここから登りになるが、意外な急斜面。アイスバーンを斜めに登っていく。
斜面の上に出ると左手に頂らしきものが見える。あれが頂上かと思い進むと、更にずっと先に左右に長いピークが見えてきた。あれが乗鞍の南ピークで、真ん中あたりが頂上、東端が切り立ったピークになっている。視界も広がり、西には真っ白な櫛ヶ峰、北から東には北八甲田連峰と八幡岳が並ぶ。壮観!アオモリトドマツの上にはレンズ雲。広い乗鞍岳の頂上を歩いて南端に達し、最高点を探して東側に進んでいると、9時半、ひょっこり大きな岩を見つけた。それは、2年前登ったときに見た頂上の大岩であった。ちょうど座りやすい形をしていて、一度見たら忘れられない姿。ここよりもやや北東のあたりが最高点の感じ。そばには雪にうずまって先端のみの道標がある。南側は崖になっているが、途中にテラスがあり、ころげおちることはないだろう。南には十和田三山に岩手山が見えている(岩手山はそのうち見えなくなってしまった)。ザックを岩の上に置き、一応、北東の最高点ピークまで歩く。赤倉の背中が見えている。このあたりはスキーの跡が多数ついている。東ピークから下を眺める。ここを滑り降りたら気持ちいいだろう。岩まで戻り、バーナーを出してカップラーメンを食べる。今年初めての山での食事。こうでなくてはいけない。さっき出した新聞がない、と思ったら風で飛ばされて4~5m先にあったので、あわてて取りに行く。ここは新聞を読むのは止め、景色を楽しむ。湯を沸かしていると、5~6人のパーティがやってきた。彼等は雪を掘り、テントを張っていたが、ここで一泊するんだろうか。
10:28頂上発。黄瀬沼に向かう。途中でシールを外して滑り出す。木が多いので滑りにくいが、途中から沢を滑っていく。西側に大きな沢の窪みが見えるが、その手前に丸い雪原が見える。たぶんあれが黄瀬沼だろう。沢の急斜面を快適に滑り降り、黄瀬沼の雪原に着く。その上を歩いていくが、どこから沼なのかは分からない。水にはまってもつまらないので、先に窪みらしきものが見えたところでストップ。あそこは氷が融けているのかもしれない。林に囲まれた静かな沼。周りに土手があり、土手の上に櫛ヶ峰と駒ヶ峰が見えている。乗鞍は近すぎて大きな斜面しか見えない。夏にきたらどんな感じなんだろうか。シールを着けて駒ヶ峰めざして出発。向いの沢筋の土手を登るのは大変そうだ。結局、越えなくてはならない沢筋はひとつではなく、3個あり、そのたびにビンディングを上げ下げする。スキー・アイゼンがあると良いのかもしれない。乗鞍は低い北ピークと高い南ピークがアンバランスに見えていたが、歩いていくにつれて南北ピークを縦に見るようになってくると、次第に整った形になっていく。行く手には、東側に白い顔の滑走斜面を持つ駒ヶ峰が次第に大きくなってくる。気がつくと、既に夏道を越えてしまっていることに気付く。上から見ると、地獄峠にそれらしい道の跡が雪の形でついているが、駒ヶ峰の下あたりは、どの辺が夏道なのかわからない(たぶん夏道通過は11:57)。
12:39、駒ヶ峰頂上に着くと、頂上からスキーで滑り降りていく二人。頂上でシールを外していると、子供連れ夫婦4人がうちわのようなものをもって登ってきた。登ってきた方向からすると、猿倉温泉から来たのだろうか。西からはスキーの二人がやってくる。賑やかな春スキーや雪山ハイキングの交差点。駒ヶ峰の頂上にはまだ雪がたっぷりある。西に大きく櫛ヶ峰、東にはゆるく稜線がカーブしており、ニセ駒と猿倉が並んでいる。南には今や整った台形となった乗鞍。ここから見ると南ピークの南北はほぼ水平に見える。その右下にはさっきまでいた黄瀬沼が丸く小さく見えている。シールを外して駒ヶ峰の東斜面を滑降。南側に窪みがある。ここに夏まで雪が残るのか、それとも逆なのか。鞍部でスキーを外してニセ駒まで歩く。踏み跡がたくさんついている。朝、降りていった跡は分からない。今朝は雪が固かったから、跡が着いていないのだろう。スキーを滑らせながら進んでいく人に追い越される。シールを外し、ビンディングの後ろを外して滑っていくのも良いのかもしれない。雪は柔らかくなっており、今や歩きにくい。
ニセ駒着13:12。最初ここかと思ったピークの先に、更に高いピークがある。ピークのあたりは木が多く、その周りに雪の柔らかいところがあって踏み抜くことがある。精神的に良くない。ニセ駒あたりから櫛ヶ峰コースの標識がやたらに多く立っている。こんなにいっぱい立ててどうするんだろうというくらいある。猿倉の鞍部まで滑り、再び歩く。乗鞍は形が歪みはじめ、矢櫃岳から一の沢は乗鞍の7~8合目あたりにあるように見える。かなり高い。その左手を目でたどると、橋のありそうなところまで夏道が続いている。橋自体は山のかげになって見えない。
13:32、猿倉岳着。ここも木が多く、どこが最高点が分かりにくい。一番高そうなところでデジカメを撮る。山頂から更に東に滑り降りると、猿倉の東斜面がある。なるほどここを滑れば快適だろう。しばらく探したが、猿倉温泉らしきものは見えず。猿倉岳頂上から最後の滑走。スロープを北側に回りこみながら帰路につく。背後には、矢櫃山、赤倉岳、乗鞍岳のピークが並んでいる。スキーの跡がたくさん残っており、その跡を辿る。大きな雪原はないが、十分に滑れる。一度、木と木の間をすり抜けようとして枝にぶつかり、すり抜けた後でバランスが崩れて転倒。ザックが重くて起き上がるのに一苦労。ああいう時はザックを外すのが良いのかもしれない。しばらく下ると沢道に出て、そこを快適に下る。振り返ると、朝に見慣れた猿倉が見えている。14:11睡蓮沼着。
雪原で食事をしていたらしいパーティが道路に荷物を降ろすのをしばらく待つ。前週と比べて雪壁はやや低くなっており、ステップもあるので降り易い。荷物を車に積み込み、睡蓮沼に上がってみる。一面の雪原となっており、竹ポールがまっすぐ林のなかに続いている。ここから仙人小屋まで登るコースなのだろう。雪に埋まった睡蓮沼の向こうに高田大岳。バスを待ち、乗っていったスキーヤー一人。一応、猿倉温泉に寄ってみる。工事中のようで、温泉はまだのようだ。奥に猿倉らしきピークが見えているが、斜面がないので、たぶんあの先に更に高いピークがあるのだろう。前週と比べ、かなり早いツアーとなった。雪が固くて歩き易かったのが主因だろう。青空の広がる雪山と大雪原の逍遥漫歩。時の過ぎるのを忘れ、というか、まるで時間が止まっていた。
雪原入口
南北20峰登頂の最後ということで、朝6:00出発。結局、前週よりも良い天気であった。道路に雪はなく、すんなり睡蓮沼(標高990m)に着く。猿倉温泉から登ろうとも思ったが、確実な方にする。6:30頃だが、既に4~5台来ている。シールを着け、道路から雪原に上がる。雪壁には、前週なかったステップがきざんである。上では既に4~5人のパーティが出かけようとしている。
高田大岳
石倉岳、硫黄岳、大岳
快晴のなかを出発、6:44。沢を行くか右手の土手を行くか迷ったが、土手に登る。眺めは良いが、少し回り道になる。背後に並んでいるのは石倉岳、硫黄岳と大岳。パーティの方は沢を進んでいたが、どうみても向こうの方が早い。今週は雪が固く、先週よりも全然歩き易い。7:12、1,167mスロープ着。前週の約半分の時間で着いた(54分→28分)。アイスバーンの斜面を登り、しばらく進むと雪原に出る。前週は右手右手と進んだが、今週は真っ直ぐ進むと、大きな雪原となっている。その雪原の西に駒ヶ峰と櫛ヶ峰が少しづつ見えてくる。8時過ぎ、ニセ駒の稜線(1,370m)に近づくと、まず乗鞍岳の平らな頭が見えてきて、稜線に達すると乗鞍岳の巨大な姿が目の前の視界いっぱいに広がる。ずっしりとした存在感。西に見える真っ白な櫛ヶ峰と対照的に、乗鞍は重い黒い巨体をしている。乗鞍岳の東に見えるピークは赤倉岳(それに矢櫃岳、矢櫃山のピーク)。ニセ駒の稜線の東には猿倉岳が見えていた。シールのまま鞍部まで滑り降りる。8:28、たぶん地獄峠と思われる雪原(標高1,260m)。ここから登りになるが、意外な急斜面。アイスバーンを斜めに登っていく。
駒ヶ峰と櫛ヶ峰
稜線の向こうの乗鞍岳
乗鞍岳
8時過ぎ、ニセ駒の稜線(1,370m)に近づくと、まず乗鞍岳の平らな頭が見えてきて、稜線に達すると乗鞍岳の巨大な姿が目の前の視界いっぱいに広がる。ずっしりとした存在感。西に見える真っ白な櫛ヶ峰と対照的に乗鞍は重い黒い巨体をしている。
矢櫃山、矢櫃岳、赤倉岳、乗鞍岳
猿倉岳
乗鞍岳への登り
頂上台地
櫛ヶ峰
北八甲田連峰
乗鞍岳から北の景観: 硫黄岳、大岳、井戸岳、赤倉岳、猿倉岳、小岳、高田大岳、雛岳、石倉山、八幡岳、黒森
レンズ雲
乗鞍岳頂上の大岩
斜面の上に出ると左手に頂らしきものが見える。あれが頂上かと思い進むと、更にずっと先に左右に長いピークが見えてきた。あれが乗鞍の南ピークで、真ん中あたりが頂上、東端が切り立ったピークになっている。視界も広がり、西には真っ白な櫛ヶ峰、北から東には北八甲田連峰と八幡岳が並ぶ。壮観!アオモリトドマツの上にはレンズ雲。広い乗鞍岳の頂上を歩いて南端に達し、最高点を探して東側に進んでいると、9時半、ひょっこり大きな岩を見つけた。それは、2年前登ったときに見た頂上の大岩であった。ちょうど座りやすい形をしていて、一度見たら忘れられない姿。ここよりもやや北東のあたりが最高点の感じ。そばには雪にうずまって先端のみの道標がある。南側は崖になっているが、途中にテラスがあり、ころげおちることはないだろう。南には十和田三山に岩手山が見えている(岩手山はそのうち見えなくなってしまった)。
乗鞍岳から南の景観: 十和田三山(戸来岳、十和田山、十和利山)、十和田湖、その上に薄く岩手山
岩手山
赤倉岳
ザックを岩の上に置き、一応、北東の最高点ピークまで歩く。赤倉の背中が見えている。このあたりはスキーの跡が多数ついている。東ピークから下を眺める。ここを滑り降りたら気持ちいいだろう。岩まで戻り、バーナーを出してカップラーメンを食べる。今年初めての山での食事。こうでなくてはいけない。さっき出した新聞がない、と思ったら風で飛ばされて4~5m先にあったので、あわてて取りに行く。ここは新聞を読むのは止め、景色を楽しむ。湯を沸かしていると、5~6人のパーティがやってきた。彼等は雪を掘り、テントを張っていたが、ここで一泊するんだろうか。
乗鞍岳から北の景観: 硫黄岳、猿倉岳、大岳、井戸岳、赤倉岳、小岳、高田大岳、雛岳
御鼻部山
櫛ヶ峰
乗鞍岳から西の景観: 櫛ヶ峰、駒ヶ峰
沢筋の滑走
10:28頂上発。黄瀬沼に向かう。途中でシールを外して滑り出す。木が多いので滑りにくいが、途中から沢を滑っていく。西側に大きな沢の窪みが見えるが、その手前に丸い雪原が見える。たぶんあれが黄瀬沼だろう。沢の急斜面を快適に滑り降り、黄瀬沼の雪原に着く。その上を歩いていくが、どこから沼なのかは分からない。水にはまってもつまらないので、先に窪みらしきものが見えたところでストップ。あそこは氷が融けているのかもしれない。林に囲まれた静かな沼。周りに土手があり、土手の上に櫛ヶ峰と駒ヶ峰が見えている。乗鞍は近すぎて大きな斜面しか見えない。夏にきたらどんな感じなんだろうか。
黄瀬沼
黄瀬沼の上
櫛ヶ峰と黄瀬沼
黄瀬沼
シールを着けて駒ヶ峰めざして出発。向いの沢筋の土手を登るのは大変そうだ。結局、越えなくてはならない沢筋はひとつではなく、3個あり、そのたびにビンディングを上げ下げする。スキー・アイゼンがあると良いのかもしれない。乗鞍は低い北ピークと高い南ピークがアンバランスに見えていたが、歩いていくにつれて南北ピークを縦に見るようになってくると、次第に整った形になっていく。行く手には、東側に白い顔の滑走斜面を持つ駒ヶ峰が次第に大きくなってくる。気がつくと、既に夏道を越えてしまっていることに気付く。上から見ると、地獄峠にそれらしい道の跡が雪の形でついているが、駒ヶ峰の下あたりは、どの辺が夏道なのかわからない(たぶん夏道通過は11:57)。
駒ヶ峰
駒ヶ峰への途上から南東の景観: 乗鞍岳、黄瀬沼、御鼻部山
赤倉岳と乗鞍岳
駒ヶ峰付近から北東の景観: ロープウェイ頂上駅、田茂萢岳・北峰、田茂萢岳・南峰、大岳、硫黄岳、石倉岳、小岳、高田大岳
駒ヶ峰頂上から櫛ヶ峰
12:39、駒ヶ峰頂上に着くと、頂上からスキーで滑り降りていく二人。頂上でシールを外していると、子供連れ夫婦4人がうちわのようなものをもって登ってきた。登ってきた方向からすると、猿倉温泉から来たのだろうか。西からはスキーの二人がやってくる。賑やかな春スキーや雪山ハイキングの交差点。駒ヶ峰の頂上にはまだ雪がたっぷりある。西に大きく櫛ヶ峰、東にはゆるく稜線がカーブしており、ニセ駒と猿倉が並んでいる。南には今や整った台形となった乗鞍。ここから見ると南ピークの南北はほぼ水平に見える。その右下にはさっきまでいた黄瀬沼が丸く小さく見えている。シールを外して駒ヶ峰の東斜面を滑降。南側に窪みがある。ここに夏まで雪が残るのか、それとも逆なのか。
櫛ヶ峰コース指導票149
鞍部でスキーを外してニセ駒まで歩く。踏み跡がたくさんついている。朝、降りていった跡は分からない。今朝は雪が固かったから、跡が着いていないのだろう。スキーを滑らせながら進んでいく人に追い越される。シールを外し、ビンディングの後ろを外して滑っていくのも良いのかもしれない。雪は柔らかくなっており、今や歩きにくい。
黄瀬沼
ニセ駒頂上から乗鞍岳
ニセ駒着13:12。最初ここかと思ったピークの先に、更に高いピークがある。ピークのあたりは木が多く、その周りに雪の柔らかいところがあって踏み抜くことがある。精神的に良くない。ニセ駒あたりから櫛ヶ峰コースの標識がやたらに多く立っている。こんなにいっぱい立ててどうするんだろうというくらいある。猿倉の鞍部まで滑り、再び歩く。乗鞍は形が歪みはじめ、矢櫃岳から一の沢は乗鞍の7~8合目あたりにあるように見える。かなり高い。その左手を目でたどると、橋のありそうなところまで夏道が続いている。橋自体は山のかげになって見えない。
ニセ駒:出典「山スキールート図集2」白水書房2000年、p69
猿倉岳
猿倉岳頂上から高田大岳
13:32、猿倉岳着。ここも木が多く、どこが最高点が分かりにくい。一番高そうなところでデジカメを撮る。山頂から更に東に滑り降りると、猿倉の東斜面がある。なるほどここを滑れば快適だろう。しばらく探したが、猿倉温泉らしきものは見えず。猿倉岳頂上から最後の滑走。スロープを北側に回りこみながら帰路につく。背後には、矢櫃山、赤倉岳、乗鞍岳のピークが並んでいる。スキーの跡がたくさん残っており、その跡を辿る。大きな雪原はないが、十分に滑れる。一度、木と木の間をすり抜けようとして枝にぶつかり、すり抜けた後でバランスが崩れて転倒。ザックが重くて起き上がるのに一苦労。ああいう時はザックを外すのが良いのかもしれない。しばらく下ると沢道に出て、そこを快適に下る。振り返ると、朝に見慣れた猿倉が見えている。14:11睡蓮沼着。
猿倉岳から南の景観: 矢櫃山、赤倉岳、矢櫃岳、戸来岳、十和田山、乗鞍岳
猿倉岳からの滑走
睡蓮沼から高田大岳
雪原で食事をしていたらしいパーティが道路に荷物を降ろすのをしばらく待つ。前週と比べて雪壁はやや低くなっており、ステップもあるので降り易い。荷物を車に積み込み、睡蓮沼に上がってみる。一面の雪原となっており、竹ポールがまっすぐ林のなかに続いている。ここから仙人小屋まで登るコースなのだろう。雪に埋まった睡蓮沼の向こうに高田大岳。バスを待ち、乗っていったスキーヤー一人。一応、猿倉温泉に寄ってみる。工事中のようで、温泉はまだのようだ。奥に猿倉らしきピークが見えているが、斜面がないので、たぶんあの先に更に高いピークがあるのだろう。前週と比べ、かなり早いツアーとなった。雪が固くて歩き易かったのが主因だろう。青空の広がる雪山と大雪原の逍遥漫歩。時の過ぎるのを忘れ、というか、まるで時間が止まっていた。
雪壁のR103
酸ヶ湯から見る大岳