立山     広大無辺な雪世界の周遊、人と自然の大きなスケール

富山県  立山(大汝山3,015m、雄山(最高点3,003m、三角点2,992m)、富士ノ折立2,999m(トラバース))、別山・南峰2,874m、真砂岳2,861m  2007年5月4日

奥大日岳(最高点2,611m、三角点2,606m) 2007年5月3日

(立山)日本百名山

(奥大日岳)日本二百名山

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D1

バスに乗って雪の弥陀ヶ原を行く。室堂の手前に頂上がいびつな丘があり、それを越えるとやっと立山が見えてくる。すばらしい快晴。

室堂から見る白銀の立山。淡い青の空の下にどっしりと構える広い台形の姿は輝くばかりに美しい。北には奥大日岳も見えている。さっそくテントを設営。身軽になって奥大日岳に向かう。

稜線から見る鋭角の奥大日岳は雪庇を連ねた迫力の姿。これに登れるのか?と思ったが、雪庇の向こう側に踏跡が続いていた。

先行している団体の縦列が見えるが、いずれ追いつきそう。振り返るとスキーをかついだ学生らしき三人が追いついてくる。背後の立山をバックに急坂を登るスキーヤー。大勢の人たちが集っていた室堂や雷鳥沢テントサイトはもうすっかり眼下に見えなくなり、静寂の白い世界を黙々と登る。

奥大日岳・最高点には予想通り何もなく、ストックを立てて剱岳を写す。剱岳の全身が現われており、ガイドの通りすごく立派。

奥大日岳・三角点の頂上に着くと頂上標識の一角のみが見える。すばらしい景観が広がり、南東には奥大日岳・最高点の奥に立山と浄土山、南にはバス道路がくねくなと連なる弥陀ヶ原、その向こうにやや霞んだ薬師岳と鍬崎山、西には大日岳。北東には大猫山、毛勝三山(釜谷山、毛勝山、猫又山)、赤谷山、剱岳、東には別山。見渡す限りの山また山。

最高点まで戻り、そこから南斜面を滑降。ここはかなりの急斜面。

最後の斜面を雷鳥沢まで滑り、ロッジ立山連峰まで登ってビール二本とつまみを買う。テントに入ってビールを飲む。今は静か。明日は晴れてほしい。

D2

6時過ぎに出発。風は強そうだが、朝日に浄土山が光っている。

一ノ越山荘に着くとたいへんな人だかり。1時間強で雄山三角点に到着。三角点を写している人はいない。皆、奥の雄山神社を目指す。なるほど、神社のほうが何メートルか高い。三角点は2,992mで、神社は3,003m。

雄山神社にお参りしてから下りにかかる。ガイドのとおりの急な岩場の下りで、団体が慎重に降りていくのを待つ。

空には細い雲が走り、北アルプスの遠景は霞んで良く見えない。でも、行く手に剱岳が見え、その手前の立山の稜線の一番高いところが大汝山だろう。左には昨日登った奥大日岳と大日岳が並んでいる。

大汝山の立山最高点3,015m。雄山に比べると静かな頂上。大汝山のピーク直下には休憩小屋の青い屋根。屋根の表面のほかは雪に埋まっている。次の富士ノ折立2,999mは岩峰で、西側をトラバースしていく。

富士ノ折立を過ぎて東側を見ると少しガスが晴れ、広大な内蔵助カール。こいつはなかなか立派。

別山への登りは結構きつく、夏道で土や岩がでている。頂上(別山・南峰)に着くと雪に覆われた祠。そこから間近となった剱岳と、その下の剱沢がよく見える。剱の右後には後立山連峰が並び、更に歩いてきた真砂岳、富士ノ折立、大汝山、雄山、龍王岳、浄土山が見えている。剱の左に眼を向けると、大日岳、前日登った奥大日岳、そして剱御前。まさに360度の景観。

さて、スキーを履いて雷鳥沢に向かう。広い斜面にジャンプ!

同じ北アルプスでも立山は(上高地に似てはいるが)違う。とにかく人が多い。何千人もいたと思うが、稜線からみると何千人がかき消されるほど雪原は広い。人と自然の大きなスケール。

 室堂から見る白銀の立山。淡い青の空の下にどっしりと構える広い台形の姿は輝くばかりに美しい。
 稜線から見る鋭角の奥大日岳は雪庇を連ねた迫力の姿。これに登れるのか?と思ったが、雪庇の向こう側に踏跡が続いていた。
 振り返るとスキーをかついだ学生らしき三人が追いついてくる。背後の立山をバックに急坂を登るスキーヤー。大勢の人たちが集っていた室堂や雷鳥沢テントサイトはもうすっかり眼下に見えなくなり、静寂の白い世界を黙々と登る。(奥大日岳への途上)

立山三山

 奥の雄山神社を目指す。なるほど、神社のほうが何メートルか高い。三角点は2,992mで、神社は3,003m。
 大汝山の立山最高点3,015m。雄山に比べると静かな頂上。
 富士ノ折立2,999mは岩峰で、西側をトラバースしていく。
テント
D1  7:10 立山駅ケーブルカー乗車  7:40 高原バス乗車  8:35 室堂  9:10 雷鳥沢テントサイト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・室堂から35分  9:35 雷鳥沢テントサイト発10:26 稜線、室堂乗越付近11:03 2,440m峰11:35 カガミ谷乗越2,511m12:16 奥大日岳・最高点12:30 奥大日岳・三角点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・雷鳥沢テントサイトから2時間55分12:51 奥大日岳・三角点発12:59 奥大日岳・最高点から南斜面滑走13:29 カガミ谷乗越2,511m直下13:49 2,440m峰13:54 室堂乗越14:30 ロッジ立山連峰で買物14:53 雷鳥沢テントサイト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復5時間18分D2  6:15 雷鳥沢テントサイト発、シートラ  8:45 一ノ越山荘10:07 立山・雄山・三角点2,992m10:16 立山・雄山神社3,003m10:42 立山・大汝山3,015m・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り4時間27分11:02 立山・富士ノ折立2,999m11:45 真砂岳・最高点2,861m、滑走11:54 コル、シートラ12:43 別山・南峰2,861m、滑走13:22 剱御前小屋13:33 雷鳥沢テントサイト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・周回7時間18分14:18 雷鳥沢テントサイト発16:00 室堂バス・ターミナル17:36 美女平ケーブル乗車18:00 立山駅

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D1

アパホテルから立山駅まで、前日にカーナビセットしてみると40分弱(15:05→15:45)。よってその夜はゆっくりビールを飲み、深夜のNBA(ラプターズ対ネッツ)を見、5時前に起きて準備。たまたまNHKで八幡平の特集をやっていたので5時半頃まで見る。それから出発するとなんと立山駅到着6:25ときた。ケーブル始発が6:40だからギリギリだ。少し飛ばし、二台ほど抜いて進むが、いかんせん前が6~7台と詰まっている。なんとか6時20分頃に着いたが、昨年の駐車場は満車、駅の裏手の駐車場に止めようとすると、ここは従業員用だと言われる。奥の河原沿いの駐車場に止め、ザックとスキーにピッケルをもって駅に向かうが、途中で6時40分を過ぎたらしく、始発のケーブルが出て行く。駅に入ると大入りで、切符販売の列に辛抱強く並ぶ。無限に長く感じたが、7時10分のケーブルに乗れる。客の1/3くらいがスキー。スキー靴を別にしてる人もいる。全くの普段着の人もいる。ザックとスキーを貨物スペースに預け、ケーブルには手ぶらで乗る。美女平でバスに乗換だが、ストックとピッケルをバスに持ち込み、300円×2でザックとスキーを預ける。バスに乗って雪の弥陀ヶ原を行く。バスからの景観は、称名滝を過ぎたあとから良くなってくる。鍬崎山に薬師岳、そして大日岳。立山はなかなか見えてこない。室堂の手前に頂上がいびつな丘があり、それを越えるとやっと立山が見えてくる。もう室堂が近い。すばらしい快晴。バスを下り、トイレに寄ってから二階上の出口に向かう。「アイスバーンに注意」の表示があり、スキーをかついで歩いている人が多かったが、私はスキーを履いてガリガリ進む。ただし、何度も止まってデジカメを写す。室堂から見る白銀の立山。淡い青の空の下にどっしりと構える広い台形の姿は輝くばかりに美しい。北には奥大日岳も見えている。調子にのって荒れた下りで一回転ぶが、元気に起き上がる。みくりが池のあたりにもたくさんの人。テント場の上でこれから向かう奥大日へのルートを眺め、テント場に滑り降りる。ちょうど入口のところで、深い穴を掘ったパーティが帰るところで、場所をゆずってもらう。ラッキー。さっそくテントを設営し、身軽になって奥大日岳に向かう。テントサイトから見る立山は真っ白に高くそびえている。

雪に埋まった沢まで降りる前に奥大日に向かうトレースを確認。2~3人は歩いているのが見える。あれだ。沢まで滑り降り、アイゼンを付けて登る。雪はもう柔らかいので踏跡を忠実に辿る。二日休んでいたせいか、お尻のあたりがこっているが、スタミナはある。どんどん登る。稜線が近づくと、ミクリガ池の南側に噴気煙が上がってい箇所があるのが見える。ゴーゴー聞こえていたのはあれだったのだ。稜線に出ると丸い頭の剱岳が見える。立派。追いついてきた男性に写してもらう。稜線から見る鋭角の奥大日岳は雪庇を連ねた迫力の姿。これに登れるのか?と思ったが、雪庇の向こう側に踏跡が続いていた。その手前の雪庇のあるピーク(2,444m峰)に登ると、上は割に広い。剱岳がすごく立派で、また追いついてきた同じ男性に撮ってもらう。そこからは奥大日の最高点へ向かっての登り(途中にカガミ谷乗越のピーク2,511mあり)。クラックが数本。先行している団体の縦列が見えるが、いずれ追いつきそう。振り返るとスキーをかついだ学生らしき三人が追いついてくる。背後の立山をバックに急坂を登るスキーヤー。大勢の人たちが集っていた室堂や雷鳥沢テントサイトはもうすっかり眼下に見えなくなり、静寂の白い世界を黙々と登る。デジカメを撮っている間に三人は先を行く。カガミ谷乗越のところで休んでいた団体を追い越し、奥大日岳・最高点まであと少しのところを登っているとき、三人が斜面を滑り降りていくのを見る。なるほど、あそこを滑るのか。最高点から南の急な尾根筋を下り、途中で東にトラバースし、カガミ谷乗越の真下で登り返すルートのようだ。あれなら、登り返しは少なくてすむ。奥大日岳・最高点には予想通り何もなく、ストックを立てて剱岳を写す。剱岳の全身が現われており、ガイドの通りすごく立派。しかし、やや雲が出てきている。最高点の向こうに三角点山頂があるはず。戻ってきた男性に聞いてみると、頂上標識は少し出ているとのこと。そのまま三角点頂上を目指す。少し遠い。その向こうには大日岳。中途半端な時間だが、大日まで行くと往復4時間。きついと思って止める。

奥大日岳・三角点頂上の直前では、大日に向かう踏跡。スキーをかついだ人が歩いていたが、どこまで行ったんだろう。奥大日岳・三角点の頂上に着くと頂上標識の一角のみが見える。文字はなし。すばらしい景観が広がり、南東には奥大日岳・最高点の奥に立山と浄土山、南にはバス道路がくねくなと連なる弥陀ヶ原、その向こうにやや霞んだ薬師岳と鍬崎山、西には大日岳。北東には大猫山、毛勝三山(釜谷山、毛勝山、猫又山)、赤谷山、剱岳、東には別山。回りを写していると男性二人組が追いついてきて、三度目の剱岳を写してもらう。見渡す限りの山また山。お茶を飲みながら休憩。団体がやってきたところで出発。いや、ここからは滑り降りないよ。スキーをはき、最高点峰に向かう。背後を見ると満員の奥大日岳・三角点峰。最高点まで戻り、そこから南斜面を滑降。ここはかなりの急斜面。トラバースしてカガミ谷乗越の真下に出る。スキーを外して登ろうとすると、スキーの一本が流れそうになり、あわてて追う。稜線に戻り、元きたルートを辿って歩いていると、北側の斜面からさっきの三人組が現われる。北斜面を滑って戻ってきたらしい。三人の後をついてカガミ谷乗越2,511m峰に登りかえし、そこから滑降。コルに達するとスキーを外し、雷鳥沢への下降点まで歩く。稜線上ではあるパーティがロープとカラビナの使い方を練習している。なんとか覚えたい。こちらはピッケルを腰にさしているだけ。アイゼンは登りのときのみで、下りの歩きでは一切使わず。最後の斜面を雷鳥沢まで滑り、ロッジ立山連峰まで登ってビール二本とつまみを買う。テントに戻り、管理人に500円払い、テントの回りの雪壁を仕上げ、テントに入ってビールを飲む。二杯目になったところでウトウト。ゴハンを食べてからトイレに行き、今、メモを書いている。外は雪。少し前は雷も鳴っていたが、今は静か。明日は晴れてほしい。

20:30、トイレに起きる。少し前雪上車がガタガタいわせてやってきて、「こちらは富山県警、剣御前小屋宿泊予定の松田さん、いらしたら雪上車まで」と呼出。4回ほど呼出し、諦めてガタガタ行ってしまった。外に出てみると空に星はなし。しかし稜線はかすかに見えている。テント場は静かだが、ところどころに話し声。左のお尻がいたい。こっている。ビール2杯飲んで少々頭が痛い。1本にしておくべきだった(ホットウイスキーは飲まず)。つまみ込で1,400円。


D2

この日は、立山三山を回って雷鳥沢を滑り、テントを片付けて16時の最終バスに乗るプラン。結構距離があり、ガイドでは10時間とあり、朝5時くらいに出ないと間に合わないと思ったが、10時間もかからないのでは・・・・・、間に合わなくてももう一泊すればよい・・・・・と考え、なんとなく朝の出発が遅れる。しかし、あたりが明るくなるとさすがに起き、6時過ぎに出発。風は強そうだが、朝日に浄土山が光っている。立山とテントサイトにはまだ日が射していない。アイゼンをつけた人が通り過ぎたせいか、アイゼンを付けてスキーをかついで出発(失敗。スキーをはいて南に下るべきだった)。アイゼンをつけている以上、西の傾斜を登り、室堂廻りのルートに向かう(たぶん大回り)。出発する頃には回りも起きてきて、トイレは長蛇の列。雷鳥沢の斜面にはもう朝早いパーティがたくさんとりついている。奥大日のルートを登っている人もいる。斜面を登ると上では何人もがカメラを東に向けて構えており、やがて稜線から朝日が顔を出す。ミクリガ池のところまできて、室堂までいくのはなんとも大回りなのに気付き、そこから雪上車路をいったん下に下り、浄土山目指して登る。なんでスキーで滑り降りなかったんだ、と後から思う。たぶん、そんなに下りに見えなかったのと、距離も短く感じたのだろう。

何組かの山登りアイゼンパーティに追い抜かれながらもマイペースを崩さずに登り、やがて室堂からのトラバース路との合流点。ここから傾斜がややきつくなり、ここまでシールの人もアイゼンに変えて登っている。背後には浄土山に奥大日岳、そして行く手に真白な雪斜面の上に岩峰を連ねた龍王岳が見えてくる。あの斜面も滑り甲斐がありそうだ。一ノ越山荘の前に雄山の頂上建物が見え、一ノ越山荘が見えた頃にルートを逸れて浄土山に向かう。一ノ越から浄土に向かうボーダー二人。岩の出た稜線に着くと、しかし、風が強くて頂上までゆくのが厳しそう。しかももう9時近くになってしまい、浄土に寄っていると室堂の最終には間に合わないだろう。そこで、浄土を諦めて一ノ越に向かう。これが正解だったかどうかは分からない。ただし、浄土を外しても室堂バスはギリギリだったし、雄山から振り返った龍王岳からの斜面は強烈だった。一ノ越山荘に着くとたいへんな人だかり。スキーで東に下っているパーティもいるが、登り返すのではなく、そのまま黒部湖方面まで滑り降りてしまう様子。山登り部隊のほとんどが雄山を目指すということだろう。風が強く、いったんはスキーを置いて雄山を往復しようと思ったが、スキーをかついで登っている人もいたので思い直し、スキーをザックでかついで登り始める。前を行く団体の列に追いつきそうで追いつかない。こちらが遅いのか、あちらが早いのか。

1時間強で雄山三角点に到着。たいへんな人だかりだが、三角点を写している人はいない。皆、奥の雄山神社を目指す。なるほど、神社のほうが何メートルか高い。三角点は2,992mで、神社は3,003m。下から見えたのは神社ではなく、三角点のそばにある建物のようだ。大勢が風をしのいで休んでいる。東側のカールに滑り込もうという人。登り返すつもりかなあ。三角点で写真を撮ってもらい、雄山神社にお参りしてから下りにかかる。ガイドのとおりの急な岩場の下りで、団体が慎重に降りていくのを待つ。三角点手前から南に平らになった浄土と大きなひし形頭の龍王岳が見える。龍王岳の頂上から滑るとすれば、出だしはかなりの急傾斜。今回はスキーの先端をバンドでとめている。風の強いときは正解だろう。それにしても、突風がくると踏ん張らないといけない。空には細い雲が走り、北アルプスの遠景は霞んで良く見えない。でも、行く手に剱岳が見え、その手前の立山の稜線の一番高いところが大汝山だろう。左には昨日登った奥大日岳と大日岳が並んでいる。眼下には室堂の建物にテント村にくねくね続く車道が見える。団体は遅いけれど、私も写真を撮るのでテンポは同じ。

大汝山の立山最高点3,015mには標識が立っていたが、「立山登頂記念」と書いてあるようだ。雄山に比べて静かな頂上。すこし座り込んで休憩。視界が広がり、富士ノ折立に続く雪庇尾根の左下に、真砂岳から別山に続く広い尾根が見える。その上に剱岳。東のガスが取れてきて後立山連峰が並ぶ。たぶん白くとんがって目立っているのが鹿島槍で、その向こうが五竜岳に唐松岳。白馬三山あたりは霞んでる。鹿島槍の手前の低いのが爺ヶ岳で、更に手前の黒いのが針ノ木なんだろう。大汝山のピーク直下には休憩小屋の青い屋根。屋根の表面のほかは雪に埋まっている。次の富士ノ折立2,999mは岩峰で、西側をトラバースしていく。遠目に頂上まで登ってる人が見えたような気がしたが、通過したときは誰もおらず。まあ、登って登れないこともないだろう。富士ノ折立を過ぎて東側を見ると少しガスが晴れ、五竜岳、唐松岳らしき二峰と、その向こうの白馬三山らしき山、更にその向こうの二峰(白馬以降は同定の決め手なし)まで見える。その下には広大な内蔵助カール。こいつはなかなか立派。カールの上端に雪庇がついており、その一番高いところが真砂岳、ここから見ると目立たない。その向こうに別山のピークが見えるが、その真上に剱岳があるので全く目立たない。

内蔵助カールの上の稜線に団体さんが大勢いるのが見える。下からみてもかなりの下り斜面だったが、スキーで滑り降りていればよかった(後の祭り)。コル2,710mには案内標識。広い稜線を歩いて真砂岳を登っていると、上からスキーやボードで滑ってくる一団。逆廻りでどこかに下るのかな。スキーヤーたちのいた頂上(真砂岳・南峰)付近に着くと標識は何もなし。少し先のいくらか高そうなところが最高点頂上(真砂岳・北峰)のようだ。トラバース路から外れて最高点まで歩くと、赤い「山」石標あり。風は強いがここでアイゼンを外し、スキーを履く。ガリガリのアイスバーンを滑り、最初は広かったが、次第に左下がりの狭いルートとなり、横滑りしながら、歩いている人によけてもらって鞍部まで滑りこむ。かなりの人を追い抜いたが、スキーをザックに取り付けている間に何人かに抜かれる。ここからはアイゼンは付けずに別山に登る(多少難あり)。西の真下にはテント村。別山への登りは結構きつく、夏道で土や岩がでている。何人かに道を譲り、頂上(別山・南峰)に着くと雪に覆われた祠。ザックとスキーを下ろし、広い頂上を歩く。尾根が北東に続いていて(その先の北峰2880の方が別山・南峰2874より高い)、そこから間近となった剱岳と、その下の剱沢がよく見える。剱沢にテント村。高い位置から前年に登った剱岳の平蔵谷がよく見える。インディアンクーロワールの角はよく見えないが、たぶんあの部分を登り、その上の部分を滑り降りたのだろう(この日は強風、アイスバーンで、何人かが滑落、怪我をしたとのこと。まあ、こんな日だったら登らないだろう)。剱の右後(別山・南峰から東)には後立山連峰、白馬岳、別山・北峰を挟んで、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳が並び、更に(別山・南峰から南に)赤沢岳、蓮華岳、針ノ木岳、そして歩いてきた真砂岳・北峰、富士ノ折立、大汝山、真砂岳・南峰、雄山、龍王岳、浄土山が見えている。剱の左(別山・南峰から北西)に眼を向けると、大日岳、前日登った奥大日岳、そして剱御前。まさに360度の景観。

さて、スキーを履いて剱御前小屋まで滑る。アップダウンがあり、何回かスキーを外し、手に持って歩く。東斜面から滑り降りようと思ったが、剱御前小屋よりやや下に滑り降りることになりそうなので止め、夏道のとおりに進む。剱沢カールの上端にも雪庇が出ており、広い稜線になっている。剱御前小屋に着いたときに13時前だったらおでんを食べようと思ったが、もう13時を回っていたのでやめる。トイレに寄り、すぐにスキーを履いて雷鳥沢に向かう。昨年は登ってきた尾根を下ったが、今回はその手前の沢筋を滑走。広い斜面にジャンプ! 下まで休まずに滑り降りるつもりだったが、中段あたりで疲れてストップ。そこからは雪質が悪くなり、スピードは出せず、自然ブレーキで足がすごく疲れる。テント村へはなるべく登り返しの少ないところに向かうが、なにせスキーは滑らない。くたくたでテント村に到着し、ロープをくぐって中に入る。さっそくテントを畳んでザックに詰め、小休止。まだ14時半前だから、16時の最終には十分だろう(甘かった)。テントサイトからのろのろ歩いていて何人かに抜かれるが、多くは尾根上を歩いている。休憩したときは15時だったが、バス・ターミナルが見えたときには15時40分。あと20分としてもギリギリの距離に思え、あせる。しかし、たった今ついたばかりと思われる大勢の人たちが向こうからやってきて、はしゃいだり写真をとったり。ほとんどは登山スタイルではなく、普段着に普段靴。泊まらずに今日帰る人もいるのかな。なんとかバスターミナルに着き、階段を下りていくと、二つ目の階段のところで、「ここが立山行きバス(待ち列の)最後尾ですー」とやっているのでそこに並ぶ。どのくらい待たされるのかわからないが、とにかくバスには乗れそうだ。客数に応じて増便を出すのだろう。明日から天気が崩れるとのことで帰る人が多いのだろうが、逆にやってきている人も多い(どうやら、それほど天気は悪化しなかったのかもしれない)。

並んでいる間にザックからスキーを外し、かわりにストックとピッケルをザックに付ける。これでだいぶ軽くなった。列は思ったより早く動き出し、16時半頃に乗車。スキー客4人は最後となり、補助席。40分くらいで美女平に着き、バスターミナルで渡されたケーブル整理券19番の電車を待つ。これも最初、17時50分頃と言われたが、実際は10分ほど早く乗れる。美女平のターミナルもこれから出かける人、帰る人で満員盛況。女子トイレに並ぶ人たち。「奥にも女子トイレがありますよ」と係員。観光客に混じって18時前に立山駅着。スキーを肩に担いで駐車場まで歩き、途中で片手でソフトクリームを買う。うまい。(癖になり、翌日もSAで何個も食べる)駐車場に着き、着替えをして出発。コンビニで、当日のホテルを探すとなかなか空いていない。アルファワン富山桜木町というのが空いていたのでそこにする(失敗。駐車場でへこみをつくり、板金塗装5万円)。当てにしていたアパホテルの温泉がダメになったので、とってかえして昨年行ったグリーンパーク吉峰に行く。大きく、露天もありでGOOD。同じコンビニに寄ってビールと食べ物を買い込み、ゆっくり過ごす。同じ北アルプスでも立山は(上高地に似てはいるが)違う。とにかく人が多い。何千人もいたと思うが、稜線からみると何千人がかき消されるほど雪原は広い。人と自然の大きなスケール。

D1

立山駅

 

バスから見る薬師岳


室堂から見る白銀の立山


室堂から見る奥大日岳


みくりが池から見る奥大日岳

 

雷鳥沢のテントサイト


テントサイトから見る立山


立山


 初めて見えた丸い頭の剱岳

 

稜線から見る鋭角の奥大日岳


雪庇を連ねた迫力の奥大日岳


剱岳と私


 立山をバックに急坂を登るスキーヤー

 

奥大日岳から見る剱岳

 大日岳と奥大日岳

 奥大日岳・最高点への最後の急登

 奥大日岳・最高点の頂上、背景は剱岳

 

奥大日岳・三角点峰


まだ遠い大日岳


奥大日岳・三角点頂上の頂上標識?


奥大日岳・三角点頂上、背景は剱岳


奥大日岳・三角点頂上から見る立山


 奥大日岳・三角点峰から南東、南、西の景観: 奥大日岳・最高点、立山、弥陀ヶ原とバス道路、浄土山、薬師岳、鍬崎山、大日岳

 奥大日岳・三角点峰から北東、東、南東の景観:大猫山、毛勝三山(釜谷山、毛勝山、猫又山)、赤谷山、剱岳、別山、奥大日岳・最高点、立山

 満員の奥大日岳・三角点頂上

 


奥大日岳・最高点から南斜面の滑走


2,511m峰からの滑走


 奥大日岳からの滑走(2,511m峰と奥大日岳・最高点)

 

テントに戻る

D2

 

朝のテント


朝の立山


奥大日岳


浄土山


朝日


龍王岳


 一ノ越から立山に向かう人々

 

立山の一等三角点2,992m


雄山神社3,003m


雄山神社から下る


大汝山の頂上


富士ノ折立の頂上をトラバース


 内蔵助カール

 コル2,710mの標識

 真砂岳から滑り降りる

 

別山に向かう


別山・南峰の祠


剱岳と剱沢と平蔵谷


 別山・南峰から東の景観: 白馬岳、別山・北峰、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳

 別山・南峰から南の景観: 赤沢岳、蓮華岳、針ノ木岳、真砂岳・北峰、富士ノ折立、大汝山、真砂岳・南峰、雄山・神社、龍王岳、浄土山、別山・南峰の祠

 別山・南峰から北西の景観: 大日岳、奥大日岳、剱御前、剱岳

 最後の滑走

 

雷鳥沢の滑走


 

テント撤収