南八甲田・櫛ヶ峰 無限の大斜面

青森県  櫛ヶ峰1,517m、駒ヶ峰1,417m  2015年4月26日

    櫛ヶ峰・上岳1,517m、下岳1,342m  2004年4月4日

(櫛ヶ峰)東北百名山、青森県の山

376

(2015年4月26日)

駒ヶ峰・西峰に達すると、正面に櫛ヶ峰が現われる。真っ白な二等辺三角形の大斜面。白に吸い込まれてしまいそうだ。

櫛ヶ峰頂上から方向を定め、滑走開始。大斜面に飛び込み、丹念にショートターンを刻む。やがてオーバーハングの先に麓の大雪原が見えてきたが、滑っても滑っても全然、麓に近づかない。無限の大斜面。

少しづつ麓が近づいてきて、はるか下に小さく見える立木をターゲットに最後はクローチング滑走。立木のところで停止し、背後の大斜面を見上げる。ショートターンのトレースは、巨大な白い壁に縦にくるくる書き込まれた小さなひっかき傷。

駒ヶ峰に向かうと、いつの間にか櫛ヶ峰の大斜面に滑走トレースが数本ついており、更に滑りだそうとする一団がいる。北尾根の上を登っている人影がいくつか。その下の斜面を斜めに登っているスキーヤー。

(2004年4月4日)

櫛ヶ峰頂上から西を見ると、稜線の先に下岳の角ばったピークが見える。

凍りついた櫛ヶ峰頂上でシールを外し、下岳に向かって櫛ヶ峰の背中(西稜線)を滑り降りる。稜線のやや南側が木立が少なく滑りやすい。コルでシールを着け下岳に向かうと、途中に蟻の戸渡りのような狭いところがあった。特に下岳の北側が崖になっており、雪庇もついている。

12:03下岳頂上に到達。最高点は西端の木立手前で、雪の上。下岳頂上の西は切れ落ち、眼下に小さなピーク。その先に田代山、黒森山などの山並みがあり、その向こうには津軽平野が広がっているようだ。北にはナギを伸ばした南沢岳。南には御鼻部山と十和田湖。東には櫛ヶ峰の巨大な背中が天にかかっている。

へばりながら巨大な櫛ヶ峰の背中を登り返し、大斜面を滑走。滑っても滑っても終らない広大な大斜面に歓声。

 正面に櫛ヶ峰が現われる。真っ白な二等辺三角形の大斜面。白に吸い込まれてしまいそうだ
 櫛ヶ峰頂上から西を見ると、稜線の先に下岳の角ばったピークが見える。
 下岳の東には櫛ヶ峰の巨大な背中が天にかかっている。
 ダケカンバ
 背後の大斜面を見上げる。ショートターンのトレースは、巨大な白い壁に縦にくるくる書き込まれた小さなひっかき傷。
(2015年4月26日)  7:17 睡蓮沼発  8:13 雪原1,250m  8:36 トラバース1,330m  9:29 駒ヶ峰・西峰1,375m  9:46 コル1,310m10:36 櫛ヶ峰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り3時間19分10:56 櫛ヶ峰発、滑走11:13 コル、シール11:43 駒ヶ峰・西峰12:17 駒ヶ峰1,417m12:34 駒ヶ峰発、滑走12:58 雪原1,250m13:17 睡蓮沼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復6時間0分(2004年4月4日) 7:06 睡蓮沼発  8:52 駒ヶ峰の北10:56 櫛ヶ峰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り3時間50分11:02 櫛ヶ峰発、滑走11:34 コル、シール12:03 下岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・櫛ヶ峰から1時間7分12:17 下岳発13:54 櫛ヶ峰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下岳から1時間51分14:05 櫛ヶ峰発、滑走14:19 コル、シール15:15 駒ヶ峰の北、滑走15:54 睡蓮沼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・櫛ヶ峰から1時間49分           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復8時間48分

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(2015年4月26日)

まだ空いている睡蓮沼・車道脇に駐車。雪は少なく、すぐ横から雪原に入る。八戸の団体さんが大勢やってきそうだ。正面ではなく、大きく右(北)周りに沢沿いに進み、最初の指導標276。斜面を登ったところに「櫛ヶ峰コース」指導標。更に斜面を登り、木のてっぺんに赤い目印のあるところが雪原1。ここで先行トレースがなくなり、右にトラバースしようと思ったが、なおも南に登る。二つ目の雪原に出ると、西にトラバースするトレースあり。GPSを見ると、トラバースしてよさそうなのでトレースをたどる。しかし、その先で先行トレースは下っていくので見限り、高度を落とさずに進む。駒ヶ峰の北にある雪原に出る手前で、さきほどのものと思われる先行トレースに合流。駒ヶ峰の北側を進む。ここにはやや低い位置に大雪原。その大雪原からトラバース気味に登って駒ヶ峰・西峰に達すると、正面に櫛ヶ峰が現われる。真っ白な二等辺三角形の大斜面。白に吸い込まれてしまいそうだ。

駒ヶ峰・西峰の西端から雪原にシール滑走。風が強く、ゴーグルをかける。キューブでジェフベックを聞いていたが、最初にアイポッドのバッテリー、次にキューブのバッテリーが切れ、そのたびにザックを下ろして取り換える。昨年はコルからまっすぐ登ったが、今年はやや右寄りから北尾根に上がる。この方が数段楽。北尾根に達すると南沢岳が見え、次いで下岳が見える。頂上までもうすぐの頃、ようやく後続の一人を発見。たどり着いた櫛ヶ峰頂上部分の雪は溶けていて、しかも強風。写真を映し、すぐに頂上東側に移動して休憩。

休んでいるとさっきの男性がやってきた。滑走開始前に連れの二人も到着。三人とも徒歩。私は櫛ヶ峰頂上から駒ヶ峰に方向を定め、滑走開始。下の大斜面はややオーバーハングしていて先が見えないが、割れ目はないはず。大斜面に飛び込み、丹念にショートターンを刻む。やがてオーバーハングの先に麓の大雪原が見えてきたが、滑っても滑っても全然、麓に近づかない。無限の大斜面。何度か休止して周囲を撮影し、再び滑走。少しづつ麓が近づいてきて、はるか下に小さく見える立木をターゲットに最後はクローチング滑走。立木のところで停止し、シールを貼る。ショートターンのトレースはすぐ近くでは見えなかったが、やや離れた位置からは見えてくる。巨大な白い壁に縦にくるくる書き込まれた小さなひっかき傷。駒ヶ峰・西峰に登り返し、そこから駒ヶ峰に向かう。そこもルートになっていて、トレースと指導標あり。距離スキーの男性が追い抜いていく。いつの間にか櫛ヶ峰の大斜面に滑走トレースが数本ついており、更に滑りだそうとする一団がいる。北尾根の上を登っている人影がいくつか。その下の斜面を斜めに登っているスキーヤー。駒ヶ峰の頂上には真新しい頂上標識が取り付けられていた。寝ころんで休憩。ホットレモンを飲みほす。

そして駒ヶ峰の東斜面を滑走。櫛ヶ峰のに比べるとだいぶ小さな斜面にたくさん滑走トレースがついている。今回もショートターンだが、先行トレースが多くて私のがどれか判別困難。コルからはスキーのままでの登り返しの先行トレース(往路と同じ)をたどる。雪原2を横断するが、少し東に進み過ぎ、次の雪原でGPSを見て修正。北西方面に向かう。雪原1の木のてっぺんの赤い目印に到着。往路の沢筋・西側の尾根の上を滑り、ころ合いで沢筋に滑りこむ。その後も沢筋の左岸沿いに滑り、ほとんど漕がずに睡蓮沼に到着。睡蓮沼は観光客でにぎわっていた。汚れたスキーを拭き、前日買ったコーティング・ワックスを塗る。


(2004年4月4日)

睡蓮沼には3~4台が来ていて、北八甲田に向かうパーティ。どこに登るんだろう。両側は高い雪の壁で、氷になっているので登るのは不可能だが、ところどころに登り口が作ってある。そこから壁の外に登り、出発、7:06。新雪が積もっており、スキーでのラッセルとなる。時間がかかりそうなのでショートカットで櫛ヶ峰に行こうとするが、右側には沢があり、途中のスロープも昨年とほぼ同じところで登ることとなる。8:00。駒ヶ峰手前で西側にトラバース。8:52。駒ヶ峰の北側の雪原を進むが、ここは夏は湿原なんだろう。北には横岳、西にはガスで隠れがちの櫛ヶ峰が見えてきた。駒ヶ峰・西峰から櫛ヶ峰基部の間に意外に時間がかかり、櫛ヶ峰基部到着10:20。先客が一人、櫛ヶ峰を登っているが、途中で南側の方に回って行ってしまった。夏道の方から登るんだろうか。櫛ヶ峰の右端にある二つの小ピークの左側を直登し、小ピークの上の雪庇の左上の稜線に向かう。真っ直ぐ登れず、だんだん右寄りになるが、稜線まで来ると傾斜は楽になる。その後は稜線沿いに頂上に向かう。下を振り返ると、二つの小ピークの先にガチャボッチまで稜線が続いている。横岳からはあのルートで登るのだろう。

風が強いなか櫛ヶ峰頂上着。10:56。最後で取り戻してスケジュールどおりとなる。櫛ヶ峰頂上から西を見ると、稜線の先に下岳の角ばったピークが見える。凍りついた櫛ヶ峰頂上でシールを外し、下岳に向かって櫛ヶ峰の背中(西稜線)を滑り降りる。雪をかぶったハイ松帯(アオモリトドマツ?)を避け、稜線の南側を滑走し、頃合いで稜線北側に大きく回りこんでいく。稜線のやや南側が木立が少なく滑りやすい。遠目にはモスラの尻尾のように見える下岳は、コルまで下って見上げると、れっきとしたピークであった。コルでシールを着け下岳に向かうと、途中に蟻の戸渡りのような狭いところがあった。特に下岳の北側が崖になっており、雪庇もついている。

12:03下岳頂上に到達。最高点は西端の木立手前で、雪の上。下岳頂上の西は切れ落ち、眼下に小さなピーク。その先に田代山、黒森山などの山並みがあり、その向こうには津軽平野が広がっているようだ。北にはナギを伸ばした南沢岳。南には御鼻部山と十和田湖。東には櫛ヶ峰の巨大な背中が天にかかっている。風を避け、頂上から東に少し下ったところで休憩。大きな櫛ヶ峰の背中を見ながらビールを飲む。十和田湖が見えたのは初めてだが、御鼻部山手前の明るいところは牧場だろうか。

へばりながら巨大な櫛ヶ峰の背中を登り返す。だんだん雲が出てきて北八甲田は雲に隠れていたが、なぜか雲に切れ目がでてきて大岳が見えてきた。下岳に行くときはガスぎみだった櫛ヶ峰も登り返している時はずっと見えていた。頂上のだいぶ手前から、頂上標識が黒い点になって見えていたが、なかなか近づかない。そのあたりから見る櫛ヶ峰は、樹氷に覆われた丸いピークで、西吾妻山のような感じ。ほぼ真っ直ぐ登り、13:54櫛ヶ峰頂上に二度目の到達。登る途中で振り返ると、モスラのしっぽの下岳がくっきり見えている。頂上には朝には無かった足跡やスキーの跡が多数あり、あの先行登山者だけでなく、パーティが来たものと思われる。乗鞍岳のガスがとれて見えているが、空は一面の雲で暗くなってきた。

前々日の降雪で雪崩が恐く、大斜面の滑降は止めようと思ったが、先行パーティのスキーの跡があるので、やはり大斜面を滑走。滑っても滑っても終らない広大な大斜面に歓声。暗くなっているため斜面が見えにくい。ふと駒ヶ峰の方を見ると、一列縦隊のパーティが進んでいくのが見える。あのパーティだったのだろう。駒ヶ峰の南側を進んでいくが、駒ヶ峰経由で睡蓮沼に戻るのだろうか、それとも猿倉温泉に出るのだろうか。私は往路の駒ヶ峰の北の雪原を戻ることにし、コルまで降りていってシールを着ける。スキーの踏み跡は大きくなっており、あのパーティが後から辿ってきたものと思われる。ほとんど平坦な道を戻るが、踏み固められた踏み跡はものすごく歩きやすい。15:15駒ヶ峰の北あたりまで歩き、ザックを下ろして少し休憩。朝から歩きとおしで腰が痛い。ここでシールを外して滑りおりるが、ところどころ歩かないといけない部分あり。15:34スロープ。結構な斜面が続いており、滑走を楽しむ。今回は沢筋に添って下まで下りたが、降りすぎてしまい、最後は少し歩くことになってしまった。15:54睡蓮沼着。予定どおりの8時間ツアーとなった。雪壁のすぐ下を車が走っており、慎重に降りる。朝は凍り付いていた車道の表面も、今は全く融けている。睡蓮沼の観光客でにぎわう道路でUターンし、青森に戻る。

 (2015年4月26日)

傘松峠

まだ空いている睡蓮沼・車道脇に駐車。雪は少なく、すぐ横から雪原に入る。八戸の団体さんが大勢やってきそうだ。正面ではなく、大きく右(北)周りに沢沿いに進み、最初の指導標276。斜面を登ったところに「櫛ヶ峰コース」指導標。更に斜面を登り、木のてっぺんに赤い目印のあるところが雪原1。ここで先行トレースがなくなり、右にトラバースしようと思ったが、なおも南に登る。二つ目の雪原に出ると、西にトラバースするトレースあり。GPSを見ると、トラバースしてよさそうなのでトレースをたどる。しかし、その先で先行トレースは下っていくので見限り、高度を落とさずに進む。駒ヶ峰の北にある雪原に出る手前で、さきほどのものと思われる先行トレースに合流。駒ヶ峰の北側を進む。ここにはやや低い位置に大雪原。その大雪原からトラバース気味に登って駒ヶ峰・西峰に達すると、正面に櫛ヶ峰が現われる。真っ白な二等辺三角形の大斜面。白に吸い込まれてしまいそうだ。

睡蓮沼の駐車スペース

睡蓮沼のスタート地点、車道の雪壁の上

睡蓮沼から雪原を登ると背後の景観が広がる: 田茂萢岳、大岳、硫黄岳、石倉岳、小岳、高田大岳

駒ヶ峰

横岳

櫛ヶ峰

 櫛ヶ峰に登っていくと背後に景観が広がる: 大岳、小岳、高田大岳、駒ヶ峰、乗鞍岳

横岳

黄瀬沼

南沢岳

櫛ヶ峰頂上から北八甲田

駒ヶ峰・西峰の西端から雪原にシール滑走。風が強く、ゴーグルをかける。キューブでジェフベックを聞いていたが、最初にアイポッドのバッテリー、次にキューブのバッテリーが切れ、そのたびにザックを下ろして取り換える。昨年はコルからまっすぐ登ったが、今年はやや右寄りから北尾根に上がる。この方が数段楽。北尾根に達すると南沢岳が見え、次いで下岳が見える。頂上までもうすぐの頃、ようやく後続の一人を発見。たどり着いた櫛ヶ峰頂上部分の雪は溶けていて、しかも強風。写真を映し、すぐに頂上東側に移動して休憩。

 櫛ヶ峰から南の景観: 戸来岳、十和田山、十和利山、御鼻部山、十和田湖

 櫛ヶ峰から西の景観: 毛無山、雷山、下岳

 櫛ヶ峰から東の景観: 田茂萢岳、大岳、小岳、高田大岳、駒ヶ峰、猿倉岳、乗鞍岳

御鼻部山

白地山

櫛ヶ峰の大斜面

大斜面の滑走トレース

休んでいるとさっきの男性がやってきた。滑走開始前に連れの二人も到着。三人とも徒歩。私は頂上から駒ヶ峰に方向を定め、滑走開始。下の大斜面はややオーバーハングしていて先が見えないが、割れ目はないはず。大斜面に飛び込み、丹念にショートターンを刻む。やがてオーバーハングの先に麓の大雪原が見えてきたが、滑っても滑っても全然、麓に近づかない。無限の大斜面。何度か休止して周囲を撮影し、再び滑走。少しづつ麓が近づいてきて、はるか下に小さく見える立木をターゲットに最後はクローチング滑走。立木のところで停止し、シールを貼る。ショートターンのトレースはすぐ近くでは見えなかったが、やや離れた位置からは見えてくる。巨大な白い壁に縦にくるくる書き込まれた小さなひっかき傷。駒ヶ峰・西峰に登り返し、そこから駒ヶ峰に向かう。そこもルートになっていて、トレースと指導標あり。距離スキーの男性が追い抜いていく。いつの間にか櫛ヶ峰の大斜面に滑走トレースが数本ついており、更に滑りだそうとする一団がいる。北尾根の上を登っている人影がいくつか。その下の斜面を斜めに登っているスキーヤー。駒ヶ峰の頂上には真新しい頂上標識が取り付けられていた。寝ころんで休憩。ホットレモンを飲みほす。

 櫛ヶ峰の大斜面と滑走トレース

 櫛ヶ峰に登るスキーヤーや登山者たち

櫛ヶ峰に登るスキーヤー

櫛ヶ峰

駒ヶ峰の頂上標識

駒ヶ峰の東斜面

駒ヶ峰の滑走トレース

そして駒ヶ峰の東斜面を滑走。櫛ヶ峰のに比べるとだいぶ小さな斜面にたくさん滑走トレースがついている。今回もショートターンだが、先行トレースが多くて私のがどれか判別困難。コルからはスキーのままでの登り返しの先行トレース(往路と同じ)をたどる。雪原2を横断するが、少し東に進み過ぎ、次の雪原でGPSを見て修正。北西方面に向かう。雪原1の木のてっぺんの赤い目印に到着。

駒ヶ峰

往路の沢筋・西側の尾根の上を滑り、ころ合いで沢筋に滑りこむ。その後も沢筋の左岸沿いに滑り、ほとんど漕がずに睡蓮沼に到着。睡蓮沼は観光客でにぎわっていた。汚れたスキーを拭き、前日買ったコーティング・ワックスを塗る。

 2002年4月4日

雪壁の取付き点

睡蓮沼には3~4台が来ていて、北八甲田に向かうパーティ。どこに登るんだろう。両側は高い雪の壁で、氷になっているので登るのは不可能だが、ところどころに登り口が作ってある。そこから壁の外に登り、出発、7:06。新雪が積もっており、スキーでのラッセルとなる。時間がかかりそうなのでショートカットで櫛ヶ峰に行こうとするが、右側には沢があり、途中のスロープも昨年とほぼ同じところで登ることとなる。8:00。

睡蓮沼のスタート地点(車道の雪壁の上)

アオモリトドマツ

ダケカンバ

大雪原を行く

駒ヶ峰手前で西側にトラバース。8:52。駒ヶ峰の北側の雪原を進むが、ここは夏は湿原なんだろう。北には横岳、西にはガスで隠れがちの櫛ヶ峰が見えてきた。駒ヶ峰・西峰から櫛ヶ峰基部の間に意外に時間がかかり、櫛ヶ峰基部到着10:20。先客が一人、櫛ヶ峰を登っているが、途中で南側の方に回って行ってしまった。夏道の方から登るんだろうか。櫛ヶ峰の右端にある二つの小ピークの左側を直登し、小ピークの上の雪庇の左上の稜線に向かう。真っ直ぐ登れず、だんだん右寄りになるが、稜線まで来ると傾斜は楽になる。その後は稜線沿いに頂上に向かう。下を振り返ると、二つの小ピークの先にガチャボッチまで稜線が続いている。横岳からはあのルートで登るのだろう。

櫛ヶ峰

凍りついた櫛ヶ峰頂上

下岳

風が強いなか櫛ヶ峰頂上着。10:56。最後で取り戻してスケジュールどおりとなる。櫛ヶ峰頂上から西を見ると、稜線の先に下岳の角ばったピークが見える。凍りついた櫛ヶ峰頂上でシールを外し、下岳に向かって櫛ヶ峰の背中(西稜線)を滑り降りる。雪をかぶったハイ松帯(アオモリトドマツ?)を避け、稜線の南側を滑走し、頃合いで稜線北側に大きく回りこんでいく。稜線のやや南側が木立が少なく滑りやすい。遠目にはモスラの尻尾のように見える下岳は、コルまで下って見上げると、れっきとしたピークであった。コルでシールを着け下岳に向かうと、途中に蟻の戸渡りのような狭いところがあった。特に下岳の北側が崖になっており、雪庇もついている。

下岳と南沢岳

櫛ヶ峰の背中(西稜線)を滑り降りる

コルから見上げる下岳

 コルから背後(東)の景観: 横岳、田茂萢岳、ガチャボッチ、高田大岳、櫛ヶ峰

コルから下岳に向かう

南沢岳とナギ

櫛ヶ峰の背中

下岳頂上まであとわずか

下岳頂上から櫛ヶ峰

12:03下岳頂上に到達。最高点は西端の木立手前で、雪の上。下岳頂上の西は切れ落ち、眼下に小さなピーク。その先に田代山、黒森山などの山並みがあり、その向こうには津軽平野が広がっているようだ。北にはナギを伸ばした南沢岳。南には御鼻部山と十和田湖。東には櫛ヶ峰の巨大な背中が天にかかっている。風を避け、頂上から東に少し下ったところで休憩。大きな櫛ヶ峰の背中を見ながらビールを飲む。十和田湖が見えたのは初めてだが、御鼻部山手前の明るいところは牧場だろうか。

下岳から西の景観: 田代山、黒森山、南沢岳

 下岳から南の景観: 御鼻部山、十和田湖、白地山

 下岳から東の景観: 横岳、田茂萢岳、大岳、ガチャボッチ、小岳、高田大岳、櫛ヶ峰

櫛ヶ峰に登り返す

へばりながら巨大な櫛ヶ峰の背中を登り返す。だんだん雲が出てきて北八甲田は雲に隠れていたが、なぜか雲に切れ目がでてきて大岳が見えてきた。下岳に行くときはガスぎみだった櫛ヶ峰も登り返している時はずっと見えていた。頂上のだいぶ手前から、頂上標識が黒い点になって見えていたが、なかなか近づかない。そのあたりから見る櫛ヶ峰は、樹氷に覆われた丸いピークで、西吾妻山のような感じ。ほぼ真っ直ぐ登り、13:54櫛ヶ峰頂上に二度目の到達。登る途中で振り返ると、モスラのしっぽの下岳がくっきり見えている。頂上には朝には無かった足跡やスキーの跡が多数あり、あの先行登山者だけでなく、パーティが来たものと思われる。乗鞍岳のガスがとれて見えているが、空は一面の雲で暗くなってきた。

櫛ヶ峰頂上に戻り、下岳を見る

大斜面の滑走

前々日の降雪で雪崩が恐く、大斜面の滑降は止めようと思ったが、先行パーティのスキーの跡があるので、やはり大斜面を滑走。滑っても滑っても終らない広大な大斜面に歓声。暗くなっているため斜面が見えにくい。ふと駒ヶ峰の方を見ると、一列縦隊のパーティが進んでいくのが見える。あのパーティだったのだろう。駒ヶ峰の南側を進んでいくが、駒ヶ峰経由で睡蓮沼に戻るのだろうか、それとも猿倉温泉に出るのだろうか。私は往路の駒ヶ峰の北の雪原を戻ることにし、コルまで降りていってシールを着ける。スキーの踏み跡は大きくなっており、あのパーティが後から辿ってきたものと思われる。ほとんど平坦な道を戻るが、踏み固められた踏み跡はものすごく歩きやすい。

大斜面の滑走

駒ヶ峰(帰りも駒ヶ峰には登らず)

15:15駒ヶ峰の北あたりまで歩き、ザックを下ろして少し休憩。朝から歩きとおしで腰が痛い。ここでシールを外して滑りおりるが、ところどころ歩かないといけない部分あり。15:34スロープ。結構な斜面が続いており、滑走を楽しむ。今回は沢筋に添って下まで下りたが、降りすぎてしまい、最後は少し歩くことになってしまった。15:54睡蓮沼着。予定どおりの8時間ツアーとなった。雪壁のすぐ下を車が走っており、慎重に降りる。朝は凍り付いていた車道の表面も、今は全く融けている。睡蓮沼の観光客でにぎわう道路でUターンし、青森に戻る。