火打山  静かな春の日

新潟県  2,462m  2020年5月8日

日本百名山

501

二度登ったことがあり、勝手がわかっている火打山に登る朝は前日の毛猛のときとは違って全くリラックスしていた。道の駅あらいにはツバメがたくさん巣をつくり、飛び回っていた。

登山届を出し、シートラで歩き始めたのは5時。前の二回はここからシールだったが、今回は雪はなし。

十二曲の冬道はほとんど夏道と同じ急斜面をほとんど真直ぐに登っていたが、朝はまだ元気だったので休まずにどんどん登る。

急傾斜のところはシートラで登り続け、傾斜が緩くなってきたところでシールに変える。そして黒沢岳の西側のトラバースルートに入る。

樹間に火打山と焼山が見えてきて、やがて林が切れ、すっかり晴れた青空の下に火打山、影火打、焼山が整然と並んでいた。過去2回に魅了されたこの景観をまた見ることができて幸せだ。

高谷池ヒュッテの三角形の大きな小屋は二棟あり、その近くの木陰で2度目の休憩。

少し南側に回り込みすぎ、東側に戻って細く東に伸びた頂上尾根に上がると、頂上はすぐ先だった。今回も頂上の雪は消えていて、頂上標識とケルンが見えていた。

頂上には冷たい風が吹いていて寒かったが、北アルプスが見えているので西に向かって腰を下ろし、ホットレモンをゆっくり飲む。北アルプスを中心に写真を撮っていると、南に御岳?、中央アルプス(南アルプス?)、更に八ヶ岳に富士山までが見えていた。すごい天気だ。

頂上からは東にショートターン滑走。四周に広がる名峰に囲まれ、最高の気分。風で雪も締まっていて、きれいにターンを刻んでいく。頂上までは二人だけの静かな春の日。

最後は急傾斜のところを慎重に滑って雪の消えている尾根の真上で滑走終了。ボーダーが一人休んでいた。

やがてずっと木道が続くようになり、ようやく行く手に駐車場が見えてきた。大きな橋を渡って登山口に着き、下山届を出して終了。

もう18時になっていたから、13時間ツアー(登り7時間、下り6時間)になってしまった。復路では滑走できない箇所が多かったのに加え、余計な寄り道をしたりしてずいぶん時間がかかった。2004年の登り6時間、下り3時間、往復9時間と比べると、半分滑走できなかった復路では2倍かかり、沢筋でなく十二曲を登った往路も1時間余計にかかっている。

因みに、笹ヶ峰から道の駅までR18を戻るとき、ハイブリッド車の燃費99.9km/lを達成。これ以上は目盛がないから、もう更新不能の最高記録。緩くて長い下り坂をほとんどEV駆動で70km/h前後で走った結果だった。

 樹間に火打山と焼山が見えてきて、やがて林が切れ、すっかり晴れた青空の下に火打山、影火打、焼山が整然と並んでいた。過去2回に魅了されたこの景観をまた見ることができて幸せだ。(上の写真は影火打と火打山)
 頂上からは東にショートターン滑走。四周に広がる名峰に囲まれ、最高の気分。風で雪も締まっていて、きれいにターンを刻んでいく。頂上までは二人だけの静かな春の日。
 道の駅あらいにはツバメがたくさん巣をつくり、飛び回っていた。
 高谷池ヒュッテの三角形の大きな小屋は二棟あり、その近くの木陰で2度目の休憩。
 富士山までが見えていた。すごい天気だ。
昼闇山
富士見平に並ぶ雪庇
  5:08 笹ヶ峰P発  6:38 黒沢橋  7:27 十二曲終点、休憩1  8:33 シール、標高1,940m  9:22 富士見平、標高2,100m  9:58 高谷地ヒュッテ、休憩210:36 天狗ノ庭12:13 火打山、休憩3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り7時間5分12:48 火打山発、滑走13:08 天狗ノ庭、シール13:50 2,190m峰14:23 トラバース路北端、休憩414:56 富士見平、休憩5、滑走15:14 滑走終了、休憩6、標高1,870m15:30 急斜面滑走、標高1,820m15:52 滑走終了、休憩7、標高1,740m16:35 黒沢橋、対岸で休憩817:57 駐車場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復12時間49分

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二度登ったことがあり、勝手がわかっている火打山に登る朝は前日の毛猛のときとは違って全くリラックスしていた。道の駅あらいにはツバメがたくさん巣をつくり、飛び回っていた。前日と同じように2時に起きて朝食を食べ、3時半で道の駅を出るが、笹ヶ峰までは長いくねくねした車道があり、標高1,300mある登山口駐車場に着いたのは4時半頃。先客の車が数台駐車していたが、準備している人はいない。登山届を出し、シートラで歩き始めたのは5時。前の二回はここからシールだったが、今回は雪はなし。スキーブーツで登山道を歩くのは不安だったが、ここには木道があり、朝は土も凍っていたので、あまりブーツを汚さずに歩けた。木道には滑り止めの横棒が取り付けてあり、実に快適。ところが、ちょっと油断したときに踏み外して転び、左膝を負傷。そのときは痛みはなく、少し血が出ていたのでバンドエイドを貼るが、歩くに従い痛みが出てきた。

黒沢橋までは1.5㎞弱だが、1㎞過ぎから雪はべったりになり、そこからシールでもよかったが、シートラでもペースは速いので、シートラのままでいく。黒沢橋の前に小さな橋がいくつか。やっかいな丸木橋のところは段差になっていて、往路では壊れかけたスノーブリッジを渡る。いったん聞こえなくなった沢音が再び大きくなり、片斜面の雪の踏跡を下り、黒沢橋を渡る。雪の上の古い踏跡の上に新しいのが一つあり、たぶん前日のものだろう。シール・トレースは全く見当たらなかった。これはちょっと気がかりだったが、黒沢橋を渡り、岩の登山道を登って雪原に上がると、スキートレースがあった。正面の十二曲の尾根の左に大きな沢筋があり、過去2回はそこを登って痛い目に会ったので今回は十二曲がりに向かう。最初、雪の消えた夏道を辿るが、やがて夏道の少し下の雪原から回り込んできた踏跡に合流。その雪の上の踏跡は夏道のやや左側を回っており、リボンもあるので、冬道なのだろう。

十二曲の冬道はほとんど夏道と同じ急斜面をほとんど真直ぐに登っていたが、朝はまだ元気だったので休まずにどんどん登る。転んだ時の左膝が痛むが、歩くのにそれほど支障はない。はるか上に見えていた尾根にようやく到着すると、そこは夏道が見えていて、十二曲(12/12)の標識があった。最初、そこから十二曲が始まるのかと思ったが、終点だった。ここで最初の休憩。まだ全行程の1/3。先は長い。パンを食べ、ペットコーヒーを飲む。モンベル・ザックにはザックの横腹にチャックがついていて、(前日はそこを開いて雨に濡れたザックを乾かしたが、この日は)そこからペットコーヒーを出し入れする。シートラにしているときは便利だ。そしてウォークマンを起動。当分一人旅だろう。

十二曲の標識から大きな岩が重なる夏道を登り、広い尾根に上がるともう雪がべったりついている。急傾斜のところはシートラで登り続け、傾斜が緩くなってきたところでシールに変える。左には富士見平手前の2,062m峰。過去2回はあそこまで登って疲労困憊だったが、視界は抜群だった。富士見平のあたりまで登ると林を抜け、南の高妻・乙妻、西の北アルプスが見えてくる。尾根の東側を登っていき、やがて雪庇を並べた尾根のすぐ横に上がると、正面に黒沢岳が現われる。今回はこの山にも登る計画だったが、見えている南斜面はかなり急。滑走トレースが見えているので、復路で北側から登り、あの南斜面を滑走するのがいいだろう。というか、疲れがたまってきていて、あの急斜面を登る気がしなかった。そして黒沢岳の西側のトラバースルートに入る。

スキートレースの上に踏跡のあるトラバースルートは歩きにくく、時々スキーが流れる。一方、樹間に火打山と焼山が見えてきて、やがて林が切れ、すっかり晴れた青空の下に火打山、影火打、焼山が整然と並んでいた。過去2回に魅了されたこの景観をまた見ることができて幸せだ。行く手の雪原になった高谷池に三角形の高知池ヒュッテが見えてきて、やがてトラバースルートから雪原にシール滑走。高谷池ヒュッテの三角形の大きな小屋は二棟あり、その近くの木陰で2度目の休憩。バナナを食べ、1本目のペットコーヒーを飲み干す。ここからは古いシールトレースもあり、それを辿る。行く手の火打山はずいぶん近く感じるが、ここからまだ2時間かかるだろう。高谷地の雪原から少し登り(2,140mくらい)、天狗の庭(2,110m)にシール滑走で下るが、まっすぐ北西方向ではなく、夏道のある北の方角。火打山2,462mまで標高差300m。

トレースは行く手の尾根に向かってぐんぐん登っていくが、途中から尾根の南斜面を斜めに登っていく。快調に登っていくが、傾斜がきつくなるとスキーが流れるようになり、流れないように気を使って登ると疲労がたまり、時々立ち止まって休む。行く手左には北アルプスが勢ぞろい。やがて、踏みだした足の角度を変えずに力を抜いてスキーに加重する歩き方がうまくいき、それから疲労がたまらずに歩けるようになる。火打山の頂上直下で尾根に上がるのだが、その少し手前でスキーヤーが追い付いてきて、その人はいつの間にか尾根の上から現われ、先に頂上直下に達して休憩をとっている。尾根には雪は無かったので、尾根の北側を回ってきたのだろうか。私は力を抜いてうまくシールで登れるようになっていて、そのまま九十九折りでキックターンを切りながら登っていくが、男性はシートラで追いついてきて、先に頂上に登っていった。

少し南側に回り込みすぎ、東側に戻って細く東に伸びた頂上尾根に上がると、頂上はすぐ先だった。今回も頂上の雪は消えていて、頂上標識とケルンが見えていた。三角点はケルンの中で斜めになっており、近くに石像もあった。頂上には冷たい風が吹いていて寒かったが、北アルプスが見えているので西に向かって腰を下ろし、ホットレモンをゆっくり飲む。北アルプスを中心に写真を撮っていると、南に御岳?、中央アルプス(南アルプス?)、更に八ヶ岳に富士山までが見えていた。すごい天気だ。長居をしていて頭が痛くなってきた。首は北海道から戻って以来まだ直り切っておらず、右後に回すと痛んでいたが、その症状も悪化していた。男性が先に頂上から滑走してから北西の昼闇山とその周囲の山々を撮影。昼闇山だけが真っ白だ。西には数週間前に登った雨飾山(P2)、そして噴煙を上げていない焼山。北にある笹倉温泉からのルートを見ておきたかったが、灌木が邪魔をしていて見えなかった。スキーを履き、頂上東端からは東の景観。北東眼下には大毛無山、東のかなたには白い雪山が並んでいたが、同定困難。スキー場が見えているのは焼額山だろうか。

頂上からは東にショートターン滑走。四周に広がる名峰に囲まれ、最高の気分。風で雪も締まっていて、きれいにターンを刻んでいく。男性は南東方向に下っていったようだが、沢筋を下るのだろうか。私も沢筋ルートをGPSに入力してきたが、この雪の少ない状況では止めておくことにしていた。頂上直下からは尾根の南斜面をトラバース滑走し、次の尾根の末端で南にショートターン滑走。その次も同じようにトラバースしてからショートターン滑走するが、もう傾斜はたいしたことはない。天狗の庭に下り、シールを貼りなおして登り返す。まず茶臼山2,171mを目指すが、すぐ近くに見えていたピークは茶臼山ではなかった。そのピーク2,190mは意外に遠く、しかも頂上は雪がなくてヤブが出ていた。雪は頂上の数メートル手前まで。その時はここが茶臼山だと思い込んでいた。そこから南に黒沢岳の背中が見えており、登りにくくはなさそうだったが、2,190m峰とはつながっておらず、コル2,140mまで下り、登り返さないといけない。疲労がたまっていたので黒沢岳は止めておくことにし、トラバースルートに向かう。ほぼ登り返した地点で4度目の休憩。2本目のペットコーヒーを飲む。あの男性がシールで登ってきて、先に帰っていった。やはり沢筋には下らず、登り返してきたようだ。

トラバースルートをようやく歩き切り、富士見平に上がったところでシールを外し、5度目の休憩。2本目のペットコーヒーを飲み干す。ここからの滑走はもう単に滑るだけ。林に入り、次第に灌木が増えてきて滑りにくくなり、最後は急傾斜のところを慎重に滑って雪の消えている尾根の真上で滑走終了。ボーダーが一人休んでいた。私も6度目の休憩。ザックを枕に横になる。そこからはシートラ。岩が重なり、そこに中途半端に雪のある夏道を慎重に下る。十二曲の標識のところからは少し滑走できると思っていたが、その手前の尾根から滑り込めるところがあり、その雪斜面は十二曲に繋がっていると思ったのでそこでスキーを履いて滑走。確かに雪は繋がっていた。が、灌木ヤブが行く手を塞いでいて、そこを抜けるのに一苦労。止めておくんだった。疲労困憊していたはずなのに、それに輪をかけるようなことをしてしまった。十二曲を少し滑走し、灌木ヤブが混んできたところでシートラに変え、滑走用に長くしたピッケルストックを使って雪の急斜面を下る。

十二曲が終わって傾斜が緩み、尾根の麓を西から南に回り込んでゆき、黒沢の手前まで下るが、沢筋の雪は消えていて下れず、夏道のあるところまで登り返す。この登り返しはきつかった。朝は凍っていたが、今は泥んこの夏道を下り、黒沢橋を渡り、対岸に登り切ったところで最後の休憩。ここからスキー滑走できたのだが、わずかな距離だと思っていたのでシートラで下る。黒沢の南にはスキートレースがあり、私も滑走すべきだった。滑走できたのはたぶん1.5㎞弱のうち300mくらいだと思うが、シートラの300mはずいぶん長く感じた。木道が見えるようになり、枝沢を渡る橋をいくつか渡り、丸太橋の向こう側の雪の上に這い上がり、その先は雪がぐっと少なくなり、木道のない泥んこの道をビチャビチャ歩く。やがてずっと木道が続くようになり、ようやく行く手に駐車場が見えてきた。大きな橋を渡って登山口に着き、下山届を出して終了。もう18時になっていたから、13時間ツアー(登り7時間、下り6時間)になってしまった。往路は早かったように感じたが、そうでもなかった。復路では滑走できない箇所が多かったのに加え、余計な寄り道をしたりしてずいぶん時間がかかった。2004年の登り6時間、下り3時間、往復9時間と比べると、半分滑走できなかった復路では2倍かかり、沢筋でなく十二曲を登った往路も1時間余計にかかっている。苦しくとも沢筋をシールで登る方が速いのかもしれない。

ゆっくり片付け、ブーツの汚れをブラシで落とし、スキーにワックスを塗り、シールと服を干す。この日は温泉は期待できないので諦め、スーパー原信のハンディキャップ・トイレで頭を洗い、体を拭く。

因みに、笹ヶ峰から道の駅までR18を戻るとき、ハイブリッド車の燃費99.9km/lを達成。これ以上は目盛がないから、もう更新不能の最高記録。緩くて長い下り坂をほとんどEV駆動で70km/h前後で走った結果だった。これまでの最高は浅間山の登山口からの急坂だったが、70㎞/lくらいだった。急坂ではEV駆動にならないからなのだろうが、なぜだろう?

 道の駅あらいのツバメ

二度登ったことがあり、勝手がわかっている火打山に登る朝は前日の毛猛のときとは違って全くリラックスしていた。道の駅あらいにはツバメがたくさん巣をつくり、飛び回っていた。前日と同じように2時に起きて朝食を食べ、3時半で道の駅を出るが、笹ヶ峰までは長いくねくねした車道があり、標高1,300mある登山口駐車場に着いたのは4時半頃。

道の駅あらいのツバメ

 


朝の駐車場


木道と小さな橋


黒沢橋

黒沢橋までは1.5㎞弱だが、1㎞過ぎから雪はべったりになり、そこからシールでもよかったが、シートラでもペースは速いので、シートラのままでいく。黒沢橋の前に小さな橋がいくつか。やっかいな丸木橋のところは段差になっていて、往路では壊れかけたスノーブリッジを渡る。いったん聞こえなくなった沢音が再び大きくなり、片斜面の雪の踏跡を下り、黒沢橋を渡る。

 十二曲の急坂

 


十二曲の終点

十二曲の冬道はほとんど夏道と同じ急斜面をほとんど真直ぐに登っていたが、朝はまだ元気だったので休まずにどんどん登る。転んだ時の左膝が痛むが、歩くのにそれほど支障はない。はるか上に見えていた尾根にようやく到着すると、そこは夏道が見えていて、十二曲(12/12)の標識があった。最初、そこから十二曲が始まるのかと思ったが、終点だった。ここで最初の休憩。

 初めて見えた高妻山と乙妻山

 

富士見平に向かう雪尾根

 


シールに変更

十二曲の標識から大きな岩が重なる夏道を登り、広い尾根に上がるともう雪がべったりついている。急傾斜のところはシートラで登り続け、傾斜が緩くなってきたところでシールに変える。左には富士見平手前の2,062m峰。過去2回はあそこまで登って疲労困憊だったが、視界は抜群だった。富士見平のあたりまで登ると林を抜け、南の高妻・乙妻、西の北アルプスが見えてくる。

 

富士見平

 

富士見平の奥に黒沢岳


黒沢岳


初めて見えた火打山

スキートレースの上に踏跡のあるトラバースルートは歩きにくく、時々スキーが流れる。一方、樹間に火打山と焼山が見えてきて、やがて林が切れ、すっかり晴れた青空の下に火打山、影火打、焼山が整然と並んでいた。過去2回に魅了されたこの景観をまた見ることができて幸せだ。行く手の雪原になった高谷池に三角形の高知池ヒュッテが見えてきて、やがてトラバースルートから雪原にシール滑走。

 

火打山(トラバース路より)

 

トラバース路

 北アルプスと焼山と火打山: 白馬岳、雪倉岳、天狗原山、金山、焼山、影火打、火打山

 

高谷地ヒュッテ

 

高妻山と乙妻山


見えてきた妙高山


火打山(天狗ノ庭の手前より)

 

焼山


天狗ノ庭から火打山に向かう

トレースは行く手の尾根に向かってぐんぐん登っていくが、途中から尾根の南斜面を斜めに登っていく。快調に登っていくが、傾斜がきつくなるとスキーが流れるようになり、流れないように気を使って登ると疲労がたまり、時々立ち止まって休む。行く手左には北アルプスが勢ぞろい。やがて、踏みだした足の角度を変えずに力を抜いてスキーに加重する歩き方がうまくいき、それから疲労がたまらずに歩けるようになる。

 北アルプス2: 蓮華岳、爺ヶ岳、針ノ木岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、

 北アルプス3: 唐松岳、白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳、雪倉岳

 西南の景観: 妙高山、三田原山、黒沢山、黒姫山、高妻山、乙妻山、白馬岳、雪倉岳

 火打山(頂上直下より)

 


頂上標識と石像と三角点

少し南側に回り込みすぎ、東側に戻って細く東に伸びた頂上尾根に上がると、頂上はすぐ先だった。今回も頂上の雪は消えていて、頂上標識とケルンが見えていた。三角点はケルンの中で斜めになっており、近くに石像もあった。頂上には冷たい風が吹いていて寒かったが、北アルプスが見えているので西に向かって腰を下ろし、ホットレモンをゆっくり飲む。

 頂上標識とスキー

 


火打山の三角点


 北西の景観: 雨飾山、焼山、鋸岳、昼闇山、阿弥陀山、高松岳、烏帽子岳、鉾ヶ岳

 

昼闇山

 焼山

 


雨飾山


御岳?


富士山


 北東の景観: 大毛無山、焼額山? 茶臼山、妙高山、三田原山、黒沢岳、黒姫山

 大毛無山

 


頂上からのショートターン滑走

頂上からは東にショートターン滑走。四周に広がる名峰に囲まれ、最高の気分。風で雪も締まっていて、きれいにターンを刻んでいく。男性は南東方向に下っていったようだが、沢筋を下るのだろうか。私も沢筋ルートをGPSに入力してきたが、この雪の少ない状況では止めておくことにしていた。

 

頂上からのショートターン滑走

 

頂上からのショートターン滑走

 

2,190m峰の頂上付近


富士見平に並ぶ雪庇


十二曲の上の細尾根

トラバースルートをようやく歩き切り、富士見平に上がったところでシールを外し、5度目の休憩。2本目のペットコーヒーを飲み干す。ここからの滑走はもう単に滑るだけ。林に入り、次第に灌木が増えてきて滑りにくくなり、最後は急傾斜のところを慎重に滑って雪の消えている尾根の真上で滑走終了。ボーダーが一人休んでいた。私も6度目の休憩。ザックを枕に横になる。そこからはシートラ。

 黒沢橋から南も歩いて下る

十二曲が終わって傾斜が緩み、尾根の麓を西から南に回り込んでゆき、黒沢の手前まで下るが、沢筋の雪は消えていて下れず、夏道のあるところまで登り返す。この登り返しはきつかった。朝は凍っていたが、今は泥んこの夏道を下り、黒沢橋を渡り、対岸に登り切ったところで最後の休憩。ここからスキー滑走できたのだが、わずかな距離だと思っていたのでシートラで下る。

 やっと戻ってきた駐車場

ゆっくり片付け、ブーツの汚れをブラシで落とし、スキーにワックスを塗り、シールと服を干す。この日は温泉は期待できないので諦め、スーパー原信のハンディキャップ・トイレで頭を洗い、体を拭く。

因みに、笹ヶ峰から道の駅までR18を戻るとき、ハイブリッド車の燃費99.9km/lを達成。これ以上は目盛がないから、もう更新不能の最高記録。緩くて長い下り坂をほとんどEV駆動で70km/h前後で走った結果だった。