トムラウシ     クワンナイのきらめきと雨のトムラウシ

北海道・大雪山系  トムラウシ2,141m、化雲岳1,954m  2020年9月2~4日(テント2泊)

(トムラウシ)日本百名山

522

二日目の早朝、樹間の先に最初の滝(F1)が見えてきた。幅の広い大きな滝。さあ、ここからがクワンナイの核心だ。5:51。

うねる沢を遡っていくと次のF2が現われる。6:02。これも傾斜のある幅広の滝で、今度は右岸の巻道を登る。このあたりから沢底に分厚い藻がついていて、その上を気持ちよく歩いていく。まさにナメ床。

するとその奥に、両側から滝が落ちている二俣1,160mの滝(F5、F6)に着く。右岸にはF5の左側にある巻道があり、(道脇の紫の花はタツナミソウに似ているが、ミソガワソウというらしい)それを辿ってF5を越えると、再び長いナメ床が始まった。

7:18、ついに日が射しだし、ナメ床に光がきらめく。すばらしい光景。F11からF12はクワンナイ最後のナメ床で、そこは日当たりもよくて光がきらめいていた。

大きな岩が積み重なった谷を越え、今度は左岸の踏跡を辿り、テントサイトのようなところを通過。そこで見たのは前回も見たクワガタ。もう13:15。大きな池の南側を登っていき、13:36やっと縦走路に着く。

トムラウシの方角から雲が湧いていて、霧雨が飛んできて寒いくらい。だが、天気予報は晴だったし、まさか雨は降るまいと思い、レインウェアは持って行かなかった。

霧雨に打たれながら、よくトムラウシまで登ったと思う。頂上標識の目の前にも大岩が積み重なっていて、それを渡ってようやくトムラウシの頂上到着。もう15:55。大きな一等三角点に真新しい頂上標識。

三日目、第一公園の木道の先にぼんやり見えていた大きな山は旭岳のようだ。この三日でずいぶん歩いた。

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雨のトムラウシに登った5日後、武華岳の稜線からトムラウシの王冠を見る。はるか遠くの、そのぼんやりした姿は、強烈な印象を発散していた。

 雨のトムラウシに登った5日後、武華岳の稜線からトムラウシの王冠を見る。はるか遠くの、そのぼんやりした姿は、強烈な印象を発散していた。 
 うねる沢を遡っていくと次のF2が現われる。6:02。これも傾斜のある幅広の滝で、今度は右岸の巻道を登る。このあたりから沢底に分厚い藻がついていて、その上を気持ちよく歩いていく。まさにナメ床。
 7:18、ついに日が射しだし、ナメ床に光がきらめく。すばらしい光景。F11からF12はクワンナイ最後のナメ床で、そこは日当たりもよくて光がきらめいていた。
 道脇の紫の花はタツナミソウに似ているが、ミソガワソウというらしい
 ようやくトムラウシの頂上到着。もう15:55。大きな一等三角点に真新しい頂上標識。
 第一公園の木道の先にぼんやり見えていた大きな山は旭岳のようだ。
D1 4:48 天人峡P発  5:13 入渓  6:10 ゴルジュ13:00 二俣970m13:04 テントサイト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り8時間17分D2  5:15 テントサイト発  5:49 F1  6:39 二俣1,160m、F5&F6  8:01 F8・ハングの滝  8:45 二俣1.350m、F9&F1010:38 F12・階段状の滝13:37 縦走路出会い15:55 トムラウシ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り10時間40分17:37 縦走路出会い19:34 コル1,790m、テント設営・・・・・・・・・・・・・・・・トムラウシから3時間39分             ・・・・・・・・・・・・・・・・テントサイトから14時間19分D3  6:43 コル1,790m発  7:53 化雲岳11:12 第二公園標高1,530m付近12:27 第一公園・木道標高1,380m付近14:49 滝見台910m15:38 天人峡登山口15:54 天人峡P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下り9時間11分

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D1

2時に起き、朝食を食べ、3時半頃に道の駅を出る。まだまっくらで、沢歩きには少し早すぎるかもしれない。クワンナイ入口は思ったよりの手前にあり、駐車場はそのすぐ近く。ヘッドランプで入口を確認。13年前と同様に注意書き(クワウンナイ川への入渓について)があり、入渓時期は9月15日までとある。車に戻って準備している間にすっかり明るくなり、もはやヘッドランプは不要となる。ハーネスに補助ロープをぶら下げ、寒いのでレインウェアを着ていく。4:47。最初は山道なので夏靴で行く。そこはクワンナイが忠別川に合流する地点で、入口からも登山道からもクワンナイは良く見えない。ガイドレールの跡があるから古い林道の跡なのだろう。その踏跡は山裾を左回りにクワンナイの支流(ポンクワンナイ?)に向かっていくが、その合流点で林道跡から河原に下る踏跡があり、それを辿って河原に下る。5:13。支流の流れは水に踏み込まないで渡渉できないので、そこで沢靴に履き替え、カメラもイクシーからタフに変更。さあ、これからだ。水に踏み込む。

川の水は冷たく、しかも水量が多い。たぶん雨が降っていたせいだろう。13年前は水の中をジャブジャブ歩いた記憶があるが、こう冷たく流れが早いと渡渉するのも大変。クワンナイは広い河原の中を蛇行していて、川が河原の端を流れているところでは渡渉して反対側の河原に行かなければならない。その一つ一つの渡渉がそもそも大変だった。松木沢は常に河原の中央を流れていたから、何度も渡渉する必要はなかった。木の幹に何かの標識があり、やがて最初のゴルジュに着く。6:10。ここは13年前、大高巻きした覚えがある。ゴルジュの右岸に高巻きの踏跡があり、最初はそこを行こうとしたが、途中が厳しそうだったので止め、大高巻きルートを探す。だが、そのルートは探し出せず、諦めて最初の踏跡に向かう。もっとゴルジュに近いところのルートを進んでみると、さっきの踏跡の難しいと思った地点に繋がっていて、そこからなんとかゴルジュを抜けられた。6:54。前回もここを通ったのだろうか?それとももっと手前に大高巻きのルートが存在したのだろうか。よく分からなくなった。

日が射してきて少し暖かくなり、広い河原の日向と日陰の間のあたりで最初の休憩。標高640m地点、8:43。そこは初日の二俣970mまでの8㎞のちょうど中間あたりだった。この調子なら午前中に二俣970mに着き、もっと先まで行けるかもしれない。パンを食べ、レインウェアを脱いだと思う。5分間の休憩の後、元気よく歩き出す。約1時間後、2度目の休憩。標高710m地点、8:39。今度はバナナを食べるが、腹具合がおかしくなり、用を足す。前日も済ませていたのに、やはり冷たい水のせいだろう。13年前はゴルジュを右岸から高巻いたのに加え、左岸を高巻きしてロープで懸垂下降した記憶がある。それはどこだろうと思ったが、結局、そんな高巻きには出会わなかった。だが、クワンナイは大岩が多くなり、蛇行し、何度も何度も渡渉。行き詰ってから渡渉するときにえらく深いところを渡り、股下を速い流れが流れていくと、流されそうで不安になる。慎重に足元を固めながら行くと、それだけ足が冷えることになる。そんなときに足をひねると足がつる。これには困った。アキレス腱を伸ばしたりしてもなかなか治らない。進行速度はその分遅くなり、なかなか二俣970mに着かない。

結局、二俣970mに着く前に三度目の休憩。標高940m、12:14。再び5分間休憩。そのあたりでクワンナイの河原はほとんどなくなり、大岩の間を沢の中か川岸側を高巻きしながら進む。これでは速度はひどく遅くなる。二俣970mにやっと着いたのはもう13時。最初の4㎞は2時間だったのに、次の4㎞には7時間。二俣970m出会いには確かにテントサイトがあった。手前には焚火の跡。そのテントサイトは狭く、もっと奥にもあるだろう。そこで先に進むが、なかなか良いテントサイトは見つからなかった。まだ13時だからもっと先まで進んでもよかったが、もうだいぶ疲れていた。二俣970mの広い河原が終わる地点の平坦な小石の広場にザックを降ろすことにする。標高1,020m地点、13:35。小石はやっかいだ。すると、その小石の広場の奥に狭い砂地のスペースがあった。ここだ!その砂地は真ん中が高くなっていたので、沢靴で砂を平たく均し、テントを設営。灌木と大きなフキに囲まれた狭いスペースだったが、快適だった。テントに入って少し仮眠。網戸にするとちょうどいい。そして明るいうちにと思ってビショルドを読み出す。「ミラー衛星衝突(コマール)」は一度どこかで(涸沢?)読んだ記憶があるが、その時はまるでストーリーが頭に入らず、覚えていたのはコマールのある家族のところにマイルズがやってくる場面のみだった。だが今回は、このところの自宅にいるときの読書の経験のためか、ストーリーがすいすいと頭に入ってきた。バラヤーが征服したコマールに赴任しているバラヤー人の夫婦の家に皇帝聴聞官としてやってきたマイルズ。それを第1章では夫人の視点で語り、2章ではマイルズの視点に変わる。どうやらマイルズはその夫人に恋してしまったらしい。1章で止めようと思ったが、おもしろいので2章まで読んでしまった。そこでもう17時近かったので夕食にする。今回は野菜がたっぷり。いつも通りの野菜スープの雑炊を2杯。なんと今回はカフェオレを忘れてきて、仕方ないのでシオコショーのスープにして2杯飲む。就寝は20時頃。


D2

二日目は2時にアラームが鳴るが、外がまっくらなので起きたのは2時半前だったと思う。初日が好調だったので、少し油断したかもしれない。今回は初めてカップ麺でないインスタントラーメンを小コッヘルで作り、プラスチック椀に移して食べる。いい感じ。これからはこれだな。テントを撤収している間に夜は明け、歩きだすときはもうヘッドランプは不要だった。そこからも大岩の沢で、最初から水に踏み込んで大岩を回っていく。前日よりも少し水の流れが弱くなっていて、渡渉が楽になった。だが、大岩の間の水深がえらく深いところがあり、そこを一度渡ると次は岸を高巻きしたくなる。少し大きな高巻きをして沢に戻るとき、樹間の先に最初の滝(F1)が見えてきた。幅の広い大きな滝。さあ、ここからがクワンナイの核心だ。5:51。

幅広のF1が雄大に大量の水を落としているのはなかなか見事。その右端のところを登れそうな気もしたが、左岸に巻道があった。巻道の起点に焚火跡とテントサイトがあった。前日にここまで来ていればよかったなあ。巻道を辿って滝口に上がると、その先には岩の回廊を水がうねりながら流れていた。ザアザアと速い流れ。うねる沢を遡っていくと次のF2が現われる。6:02。これも傾斜のある幅広の滝で、今度は右岸の巻道を登る。6:09、F3。これは傾斜の緩い滝で、滝の右側を登る。このあたりから沢底に分厚い藻がついていて、その上を気持ちよく歩いていく。まさにナメ床。その水の流れを何度も写真と動画に撮影。そのナメ床は長く、6:30にF4。それは深い釜をもっていたが、左岸を登って簡単に越えられる。するとその奥に、両側から滝が落ちている二俣1,160mの滝(F5、F6)に着く。前回に一番印象に残った滝の情景。その手間には岩の間の細い溝を水が走るトイ滝があり、左岸から右岸に移るのにそのトイ滝を越える。ちょっと緊張。右岸にはF5の左側にある巻道があり、(道脇の紫の花はタツナミソウに似ているが、ミソガワソウというらしい)それを辿ってF5を越えると、再び長いナメ床が始まった。7:00、その途中で最初の休憩。

7:18、ついに日が射しだし、ナメ床に光がきらめく。すばらしい光景。7:33に出会ったF7は傾斜の緩いナメ滝だが、最後のところがややシャワークライムとなる。13年前もシャワークライムで水をかぶった記憶がある。この滝を越えると、7:37、いったんナメ床が終了し、大岩の沢となり、7:57、垂直の壁を落ちるF8(ハングの滝)が現われる。こいつはどうやっても越えられないな。だが、右岸のだいぶ手前に巻道があり、その巻道の先には垂直の岩場を越えるロープが下がっている。ここはこの垂直のロープだけが記憶に残っていて、滝のことはすっかり覚えていない。やっかいな垂直ロープをなんとか越え、尾根を越えて下っていくと、そこにもテント場があった。ここにもミソガワソウ。8:44、二俣1,350mの滝(F9、F10)に出会う。左の滝はかなり高い二段滝、右の滝は良く見えないが(見えるところまで行かなかった)勢いよく噴き出している。ここは左の滝の左岸に巻道があり、それを登る。ここで見たのはダイモンジソウにアキノキリンソウ。だが、二段滝を越えるためにはだいぶ登らねばならず、調子に乗って登りすぎてしまったらしい。13年前もかなり登った記憶はあるが、すっきりと川岸に戻れた。それなのに今回は踏跡をいくら登っても終点に着かず、やがて踏跡は不明瞭になり、辿れなくなってしまう。どうやらロストしてしまったらしい。どうしよう。まず左の川岸に下ってみようとしたが、どうも相当の急斜面になっているようなので断念。結局、引き返し、何ヶ所か川岸に下る道を探り、だいぶ戻って滝の音が大きくなったあたりで川岸に下る。9:56。この二俣の滝を越えるのに1時間もかけてしまった。

二回目の休憩を取ろうと思ったが、10:11、すぐ先にF11が見えたので、それを越えてから休憩することにして更に進む。F11は最下部がオーバーハングしている大きな滝だが、右岸に巻道がある。巻道から眼下のF11が良く見える。F11を越えると今度は行く手に階段状のF12が見えた。ついでにそれも越えていくが、F11からF12はクワンナイ最後のナメ床で、そこは日当たりもよくて光がきらめいていた。F12の手前でタフの調子がおかしくなり(電源が入ったままになり、スイッチを押しても切れない。仕方ないのでバッテリーを外し、)イクシーに変える。10:36、階段滝F12を実に楽しく登り、その先にある右岸への道を辿って岸に上がると気持ちの良い草地があり、そこで二度目の休憩。草地に小さな紫のリンドウ。その先も右岸の踏跡(獣道?)を進むが、その踏跡はまた沢に下り、やがて水涸れ。11:26。黄色いのはイワオトギリ?そこから縦走路までは長く、大きな岩が積み重なった谷を越え、今度は左岸の踏跡を辿り、テントサイトのようなところを通過。そこで見たのは前回も見たクワガタ。もう13:15。大きな池の南側を登っていき、13:36やっと縦走路に着く。

3回目の休憩をとり、ザックをデポし、サブザックにペットボトルを入れてトムラウシに向かう。トムラウシまでは1㎞強くらいかと思い、2時間くらいで往復できるのではと思ったのはまるで甘かった。しかもトムラウシの方角から雲が湧いていて、霧雨が飛んできて寒いくらい。だが、天気予報は晴だったし、まさか雨は降るまいと思い、レインウェアは持って行かなかった。一瞬、上着だけでも着ていこうかと思ったが、早く行くことを優先した。しかしトムラウシは遠く、途中に広い平地のある丘を二つ(台地1,980mと2,040m峰)越え、いったん下って北沼のほとりを南下し、それからトラバース気味にトムラウシに登っていく。この間、霧雨が正面から吹いてきて、しかも持っていたのはイクシーだったのでほとんど写真は撮れず。大岩の重なった広い斜面を越えるときに何度もルートが分からなくなり、ペンキ目印や石を積み重ねた目印を見つけて先に進む。GPSを見てルート決めしたこともあった。広い平地のある二つ目の丘(2,040m峰)に上がった時、一つ目の丘(台地1,980m)ととてもよく似ていたので、おもわず同じところなのでは?と混乱してしまった。道を間違えたのだろうか、いやそんなはずはない。霧雨に打たれながら、よくトムラウシまで登ったと思う。頂上標識の目の前にも大岩が積み重なっていて、それを渡ってようやくトムラウシの頂上到着。もう15:55。大きな一等三角点に真新しい頂上標識。そこは霧雨に加え、風も強かったので、すぐに下山にかかる。

帰りは冷たい追い風に押され、体が冷えると震えそうだったので、とにかく足を動かして体を温める。大岩斜面の下降は登りの時に比べて上から見下ろしている分、ルートが分かりやすかった。やっとザック・デポ地点に着くと、ザックはびしょ濡れ。ザック・カバーをかぶせておくべきだった。さっそくレインウェアの上下を着込み、テント・ザックをしょってヒサゴ沼に向かう、17:59。この後は全く写真を撮っていない。ヘッドランプを取り出し、天沼らしき沼のほとりを進み、やたらにいっぱい木道を進みはじめたあたりで真っ暗になる。もうヒサゴ沼分岐だろうと思ったが分岐を発見できず、仕方ないのでもう一つ先のヒサゴ沼分岐を目指す。しかし、木道がついに終わり、斜面を下っていった先でロスト。実はそこがヒサゴ沼分岐だったのだが、分岐標識に気づかなかった。霧雨でメガネに水滴がつき、指で拭っても見ずらかった。大岩の重なったところでルートが分からなくなり、諦めてビバークすることにする。水がないのでもう夕食は断念だが、もうこのくらいにしとかないと体がまいってしまう。道の真ん中だが平らなところにテントを張り、風で飛ばされそうなので風に横向きにし、なんとか設営し終えて中に入り、それから長い睡眠。疲れた。


D3

残っている水は5本もってきたポカリスウェット1.5本分。夜中には全く飲まなかった。2時頃にトイレに起きるが、まだまっくら。4時頃に起きようと思っていたら、次に目覚めたのは5時過ぎで、しかも外に話し声が聞こえる。その二人組はヒサゴ沼分岐標識のところにザックを置いていたので、たぶんトムラウシに向かったのだろう。道を塞いでいたことを二人に謝り、天人峡へのルートを尋ねたが、すぐ近くにヒサゴ沼分岐標識があると聞いたのはそのとき。昨日はいったいどこをウロウロしていたのだろう。実はロストしておらず、正しいところに来ていたのだ。ところがその分岐に気づかなかった。このときは幸い晴れていて雨は降っておらず、ゆっくりテントを撤収。化雲岳に向かって登りはじめたのは6:32。

(疲れた体に)登りはきつく、化雲岳は遠かった。化雲岳の手前の広い尾根に上がり、そこにもヒサゴ沼分岐があり、ようやく化雲岳頂上に到達。そこには大きな岩がデンと座っていて、その手前に頂上標識とやや傾いた三等三角点。7:53、1時間かかった。ザックを枕にして横になるが、横になれたのはこの時だけだった。そこにあった道標の天人峡までの距離は11.5㎞だったが、GPSで見ると7㎞くらい。九十九折りなどを加えると直線距離よりも長くなるのだろう。7時間かかるとして15時。天人峡に向かって歩き始めるとすぐに霧雨が降り始め、ザックを降ろしてレインウェアを着こみ、タフに持ち替える(バッテリーを入れ替えたらタフはちゃんと機能した)。赤いツガザクラ。チングルマはみな毛の風車になっていたが、一輪だけ花が咲いていた。薄紫の花はイワギキョウかな。白い花はシャクナゲの咲き残り?次のターゲットは行く手に見えていた二つのなだらかなピーク(1,933m峰と1,947m峰)。登り返しはきつかったが、また1時間半経った9:24に1,947m峰頂上近くに達し、2度目の休憩。そこから小化雲岳1,925mの脇を通過する。当初プランではそこから小化雲岳に登ることにしていたが、踏跡は見当たらなかった。

小化雲岳を過ぎるとまずハイマツの密生地帯を延々と下り、その次には笹原の中の水のたまった下りとなる。両方とも視界はよくなく、歩きにくく、延々と長い。(第二公園は気づかずに通過。)歩きにくい笹原斜面の水たまりの終盤で3回目の休憩。標高1,460m地点、11:38。雨が止んだときだったが、休んでいると雨が降り出した。それでも5分間休憩。休憩から歩きだした少し先で道沿いの水の流れの中に流水を発見。そこから水を汲み、ペットボトル500mlのほとんどを一気に飲み、もう一度ペットボトルに水を満たす。12:27にやっと笹原斜面を抜け、湿原の木道に乗る。そこは標高1,380mなので第一公園の木道に違いない。雨なので花を閉じたオヤマノリンドウがたくさん咲いていた。第一公園の木道の先にぼんやり見えていた大きな山は旭岳のようだ。この三日でずいぶん歩いた。長い木道の第一公園を抜け、ルートは南北から東西方向に向きを変え、下っていく途中で4回目の休憩。標高1,140m、13:20。もうあと4㎞。肩も腰もいたくなっていて、もう一度だけ休憩をとり(標高910m地点、14:31、そのすぐ先に滝見台のベンチがあった)、道は長い九十九折りを延々と下る。前回は登山口にあった温泉に入ったと思うが、今回、正面の温泉ホテルは営業していなかった。車道をあと500mほど歩き、駐車地点に到着。前回は私一人だったそこの駐車場には更に3台くらいに増えていた。この雨だから沢登りではなく釣りかな。ゆっくり雨に濡れた靴や荷物を室内に干して乾かし、最後に着替えて車を出す。クワンナイを歩いていたとき、トムラウシに向かっていた時、ヒサゴ沼に向かっていたとき、ずっと心に描いていた情景。車を出す前に15分間の仮眠を取ったために天人峡の温泉(しきしま荘)に入り損ね(17時で終了)、もっと町よりにある森の湯花神楽に入る。もう暗くなった露天の熱い湯につかり、生き返る。それからベストプライス東旭で買い物(タコと魚のサシミ、焼肉)。いきなり雷鳴がとどろき、大雨が降ってきたのには驚いた。すぐ近くの道の駅東川に再び入る。

D1

 入口

 

「クワウンナイ川への入渓について」の案内


入渓地点のクワンナイ


木の幹の標識


ゴルジュ


高巻きの道


広い川原のクワンナイ


二俣970m


 

テント設営

D2

 F1

 F2

F3

F4

 F5&6

F5とF6

 

 

ミソガワソウ

 きらめくナメ床

 きらめくナメ床

 


きらめくナメ床


 F7

 F8・ハングの滝

 


垂直ロープ


 

ミソガワソウ

 

F9・二段滝


F10


ダイモンジソウ


F9の二段目


アキノキリンソウ


F11


F11の上流のきらめくナメ床


 F12

 

 

イワオトギリ


リンドウ


縦走路手前のテントサイト


クワガタ


クワンナイ源頭の池


縦走路出会い


 

2,120m峰

 


トムラウシの一等三角点と頂上標識


D2

 

ビバーク地点のテント

 

縦走路から見る化雲岳


化雲岳の頂上


ツガザクラ


チングルマの風車


咲き残りのチングルマ


 イワギキョウ

 

咲き残りのシャクナゲ


オヤマノリンドウ


旭岳と第一公園の木道

第一公園の木道の先にぼんやり見えていた大きな山は旭岳のようだ。

サラシナショウマ


天人峡登山口