源太森  八幡平の雪の縦走路2

岩手県  源太森1,595m、茶臼岳1,578m  2020年3月13日

(茶臼岳)岩手の山150

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八幡平のアスピーテ・ラインは立派な車道で、夏山なら簡単にどこへでも登れてしまうが、積雪期は車道が閉鎖され、ゲートから八幡平・本峰までは10㎞くらい雪の上を歩かなければならない。茶臼岳には山荘があり、パウダー滑走に何度か行ったが、そこから先の縦走路は未経験。滑走よりは雪道散策の道である。

スキーをザックに取り付けて雪のない車道を歩く。ゲートを抜けてもまだ雪はなし。橋を渡った先で、道の北側の雪原にスキートレースが見えたので、そのあたりで雪原に上がり、シールで歩く。

1,360m峰の手前の広い雪原と広い斜面が眼前に広がり、その広い斜面にトレースが何本も残っている。

アイゼンに変えてクラスト斜面を1,448m頂上まで登る。1,448m峰から見る茶臼岳はますます鋭角に高くそびえ、これにはまっすぐ登るのではなく、右奥の広い斜面を九十九折に登る方が正解だろう。

茶臼岳頂上の北側に上がり、そこからすぐに茶臼岳頂上に向かう。今回は頂上標識も三角点も雪の下。茶臼岳の頂上南端まで行って見下ろすと、急だがよさそうな雪斜面が見えている。

やっと茶臼岳頂上に来たのに八幡平方面は雲に覆われていて源太森も見えていなかった。だが、2007年12月に茶臼岳に登ったときに八幡平の広大な森と雪原の世界を見ていた。中央に小ピークの源太森、その右奥に緩い大きなピークの八幡平・本峰、そして右端に傾いた杣角山が並んでいた。

この日は雪も降り始め、これで霧の八幡平まで行くのか。迷ったが、とりあえず縦走路に向かう。縦走路は樹木の間にきれいな雪の道を作っていて、しかもスキートレースがついていた。それをたどってずんずん進む。これは調子がいい。このペースなら八幡平まで行けるだろう。縦走路はまっすぐに林の中に続いており、今度は指導標まで出てきた。

コルはだだっぴろい黒谷地湿原で、今は広大な雪原。尾根に上がるあたりでやや迷ったが、GPSを見て方角確認し、ついに源太森頂上に到達。大きな方位盤に頂上標識がある。八幡平まで1.7㎞とあるが、雪はここでは吹雪になっていて、行く手はさっぱり見えない。まあ、今日はここまでにしておこう。シールのままで帰途につく。

やがて前方に茶臼山荘の大きな屋根が見えてくる。よし、もうあとは滑るだけだ。茶臼山荘には入らず、その奥の斜面手前でシールを外す。

だが、ここも吹雪になっていて、茶臼岳もほとんど見えていない。こいつは困った。風景が見えないと滑走は難しい。

山荘前から斜面に滑り込む。下るにつれて1,448m峰・東尾根の全体が見えるようになり、少し余裕が出てきて、オープン斜面をショートターン滑走。少しスキーを動かしただけでくるりとスキーが回る、まさに完璧なパウダー。ぞんぶんにパウダー滑走を楽しみ、1,448m・東尾根末端の狭い尾根筋に滑り込む。

往路に合流したところからまっすぐ駐車地点に向かうと、途中に深い排水溝があり、落っこちそうになってスライディング停止。こんなのがあるとは・・・・・・知らないで滑ってきたら落ちるだろう。高さは2m以上ありそうで、落ちたら怪我をしそうだ。

八幡平ハイツはずっと昔、泊まったことがあり、日帰りにも何度が来ている。でかい内湯に露天があり、露天は雪見風呂であった。さすがに寒いので2回目は内湯で暖まる。

 やっと茶臼岳頂上に来たのに八幡平方面は雲に覆われていて源太森も見えていなかった。だが、2007年12月に茶臼岳に登ったときに八幡平の広大な森と雪原の世界を見ていた。八幡平・本峰は中央左奥付近、中央の小ピークが源太森、そして右端に傾いた杣角山が並んでいた。
 1,448m峰から見る茶臼岳はますます鋭角に高くそびえ、これにはまっすぐ登るのではなく、右奥の広い斜面を九十九折に登る方が正解だろう。
 茶臼岳の頂上南端まで行って見下ろすと、急だがよさそうな雪斜面が見えている
 ついに源太森頂上に到達。大きな方位盤に頂上標識がある。
 ぞんぶんにパウダー滑走を楽しみ、1,448m・東尾根末端の狭い尾根筋に滑り込む。
岩手山
茶臼山荘
黒谷地湿原の指導標
  6:20 駐車地点発、シートラ(標高940m)  6:29 ゲート  6:42 雪原に上がる、シール  8:32 1,448m峰手前、アイゼン  9:12 茶臼岳手前コル付近、シール10:00 茶臼岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り3時間40分10:45 黒谷地湿原12:08 源太森・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・駐車地点から5時間48分12:12 源太森発14:12 茶臼山荘14:22 滑走14:48 恵比寿沢右岸14:57 排水溝に落ちそうになる15:01 車道に下る15:04 ゲート、シートラ15:11 駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復8時間51分
往路7.5㎞、標高差866m、速度1.3㎞/h、149m/h帰路7.2㎞、標高差125m、速度2.4㎞/h

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八幡平のアスピーテ・ラインは立派な車道で、夏山なら簡単にどこへでも登れてしまうが、積雪期は車道が閉鎖され、ゲートから八幡平・本峰までは10㎞くらい雪の上を歩かなければならない。茶臼岳には山荘があり、パウダー滑走に何度か行ったが、そこから先の縦走路は未経験。滑走よりは雪道散策の道である。

プランは3時起床だったが、ヘッドランプで出かける気になれず、4時起床。ゆっくり食事し、5時頃に道の駅を出る。いつもの北側からアスピーテラインに向かう。ここに来るのもだいぶ久しぶりだが、九十九折の車道を延々と登る。昨日は見えていなかった岩手山は、今日は朝から見えている。晴れそうだ。しかも街中は無風だった。アスピーテラインは当然健在だが、冬季にどこまで除雪しているかが不明だった。登ってみると、いつものところまで除雪されていて、最奥のゲート前よりも手前の駐車場に停める。ここには立派なトイレがあり、ありがたく使わせてもらう。スキーをザックに取り付けて雪のない車道を歩く。ゲートまでは100mはあり、車でここまで来るべきだったと思う。下では風がなかったのに、ここまで高度が上がると風が吹いている。前日と同じ、ネックウォーマー、スキーグローブの完全武装。アスピーテラインは除雪作業を始めているようで、ゲートを抜けてもまだ雪はなし。橋を渡った先で、道の北側の雪原にスキートレースが見えたので、そのあたりで雪原に上がり、シールで歩く。

行く手に最初のターゲットの茶臼岳が見えている。その手前には二つのピーク。ここから茶臼岳までは二つのルートがあり、一つは恵比寿沢右岸の1,448m峰・東尾根を登るもの、もう一つはその南側の1,360m峰・東尾根を登るもの。この日は1,360m・東尾根を登る。最初の尾根取付きのところで細尾根がクラストしていたのが最初の難関。シールのままで無理に上がろうとして失敗し、スキーを外してブーツを雪にけりこんでわずかな距離を登り、シールに復帰。1,360m峰の手前の広い雪原と広い斜面が眼前に広がり、その広い斜面にトレースが何本も残っている。前日のものだろうか。そのうちの歩きやすそうなのを選んで辿る。1,360m峰の頂上はだいぶ奥まったところにあり、オーバーハングして麓が見えない先でようやく頂上に到達。そこからはわずかな下りでアスピーテラインから茶臼岳への夏道登山口がある。シールのまま下り、1,448m峰に登る。1,448m峰手前で本日二つ目の難局。前日の三ツ石山のように、斜面全体がクラストしていてシールで登れない。アイゼンは昨日、すぐ外れてしまうので使いたくなかったが、こうなっては仕方ない。アイゼンのつま先フックをブーツで踏んで縦に均すと、どうやら外れにくくなった(いや、やっぱり外れた。どうやら靴底のネジが緩んでいたのが本当の原因らしい。翌日それに気づき、ネジを締める)。

アイゼンに変えてクラスト斜面を1,448m頂上まで登る。クラストしているところはアイゼンの方が断然歩きやすいが、深雪だとまるで歩きにくい。茶臼岳へのルートはどうだろう。下は深雪だが、上の方はクラストしているだろう。行き詰ってからアイゼンに変えるのも面倒なので、そのままアイゼンで行く。1,448m峰から見る茶臼岳はますます鋭角に高くそびえ、これにはまっすぐ登るのではなく、右奥の広い斜面を九十九折に登る方が正解だろう。先行のスキートレースも茶臼岳にまっすぐ向かわず、茶臼山荘のある広い東斜面に向かっている。そこならクラストしていないのかもしれない。アイゼンで深雪を歩くのにしんどくなり、シールに変える。東斜面をトラバース気味に進む途中でクラストしている部分があったが、そこはスキーエッジを立てて真横に進み、雪の部分になると斜めに登る。だいぶ奥まで進んでから九十九折に大きく登っていく。1,360m峰の他人のトレースはキックターンせずに小回りしていたが、私は九十九折はほとんどキックターン。傾斜が急だとキックターンも鋭角になってやりにくくなるが、この時はそれほどでもなし。それよりもところどころに現われるクラスト斜面がやっかい。そこではキックターンはできない。茶臼岳頂上の北側に上がり、そこからすぐに茶臼岳頂上に向かう。ここは、初めて茶臼岳を目指したとき、深雪を登れずに諦めた思い出の箇所だが、真横の東側でなく、灌木が混んでいる北側の狭い隙間を進むと比較的楽に登れる。今回はその中間あたりにトレースや踏跡がたくさんあり、それらを辿って茶臼岳の頂上到達。今回は頂上標識も三角点も雪の下。茶臼岳の頂上南端まで行って見下ろすと、急だがよさそうな雪斜面が見えている。ちょっと気合がいるが、ここから南斜面を滑走したのは数年前のことだった。

やっと茶臼岳頂上に来たのに八幡平方面は雲に覆われていて源太森も見えていなかった。だが、2007年12月に茶臼岳に登ったときに八幡平の広大な森と雪原の世界を見ていた。八幡平・本峰は中央左奥付近、中央の小ピークが源太森、そして右端に傾いた杣角山が並んでいた。この日は雪も降り始め、これで霧の八幡平まで行くのか。迷ったが、とりあえず縦走路に向かう。茶臼山荘まで行くと少し遠回りになるので、斜めに縦走路に向かうが、樹木の間がデコボコでやたらに歩きにくいのに、縦走路は樹木の間にきれいな雪の道を作っていて、しかもスキートレースがついていた。それをたどってずんずん進む。これは調子がいい。このペースなら八幡平まで行けるだろう。縦走路はまっすぐに林の中に続いており、今度は指導標まで出てきた。昔からのクラシック・コースなのだろう。コルはだだっぴろい黒谷地湿原で、今は広大な雪原。そこに雪が降っている。いいかげん疲れてきたので、源太森に登り返し始めるあたりで最初の休憩。ペットコーヒーを飲み、パンを食べる。このパンはすぐに栄養源になり、やや斜めに登っていく源太森への道をぐんぐん進む。尾根に上がるあたりでやや迷ったが、GPSを見て方角確認し、ついに源太森頂上に到達。大きな方位盤に頂上標識がある。頂上標識の雪をピッケルストックでこすり落として源太森を確認。八幡平まで1.7㎞とあるが、雪はここでは吹雪になっていて、行く手はさっぱり見えない。まあ、今日はここまでにしておこう。シールのままで帰途につく。

源太森からの下りでは、もう登りトレースはほとんど消えていて迷いそうになるが、頻繁にGPSを見てコースを修正。黒谷地湿原に着き、茶臼山荘に登り始めるあたりで2度目の休憩。ホットレモンと前日の残りの薄いビスケット。そこから茶臼山荘までの1kmはしんどかったが、やがて前方に茶臼山荘の大きな屋根が見えてくる。よし、もうあとは滑るだけだ。茶臼山荘には入らず、その奥の斜面手前でシールを外す。だが、ここも吹雪になっていて、茶臼岳もほとんど見えていない。こいつは困った。風景が見えないと滑走は難しい。茶臼岳頂上からの滑走というのも勿論諦め、山荘前から斜面に滑り込む。途中で電池切れで取り換えたGPSには1,360m峰の先から茶臼岳までの軌跡が残っていないので、1,448m峰・東尾根を下る手書きのピンク・トレースを辿る。数十メートル滑ってはルートを修正。斜面の傾斜が分かりにくく、自分が動いているかすら分からないので、周辺の灌木や立木を見て姿勢制御しながら滑走。下るにつ入れて1,448m峰・東尾根の全体が見えるようになり、少し余裕が出てきて、オープン斜面をショートターン滑走。少しスキーを動かしただけでくるりとスキーが回る、まさに完璧なパウダー。ぞんぶんにパウダー滑走を楽しみ、1,448m・東尾根末端の狭い尾根筋に滑り込む。そして、そのすぐ下にある古い林道に入る。林道には灌木も生えていてわかりにくいが、恵比寿沢右岸の林の中にずっと続いており、やがて往路の1,360m峰・東尾根末端に着く。まだ雪に埋もれたアスピーテライン。朝はここから1,360m峰・東尾根を登った地点に合流。

往路に合流したところからまっすぐ駐車地点に向かうと、途中に深い排水溝があり、落っこちそうになってスライディング停止。こんなのがあるとは・・・・・・知らないで滑ってきたら落ちるだろう。高さは2m以上ありそうで、落ちたら怪我をしそうだ。往路ではもっと西側を歩いてきたので、この排水溝には全く気付かなかった。西側は雪に埋もれてスノーブリッジができており、そこを渡る。アスピーテラインはそのすぐ近くにあり、橋のたもとの壁が低くなっているところから車道に下る。これだけ雪が降っているので車道にも雪が積もり、車道の上をスキーで滑走。最初は少しストックで押すが、やがて下り傾斜になり、ゲートまでゆるゆると滑走。すると、ゲートの向こうには作業の人たちがいた。そこからもスキーで滑りたかったが、人がいるんでは止めておこう。スキーを肩にかついで駐車地点まで歩く。車にも雪が積もっていて、着替えをする前に車のエンジンをかけて雪を落とし、それから着替えを持ってトイレの建物の中で靴を履き替え、着替えをする。ブーツの雪がたくさん落ちてしまったが、建物内部は暖房が利いていて、じき消えるだろう。

八幡平ハイツはずっと昔、泊まったことがあり、日帰りにも何度が来ている。でかい内湯に露天があり、露天は雪見風呂であった。さすがに寒いので2回目は内湯で暖まる。

 大黒森

八幡平のアスピーテ・ラインは立派な車道で、夏山なら簡単にどこへでも登れてしまうが、積雪期は車道が閉鎖され、ゲートから八幡平・本峰までは10㎞くらい雪の上を歩かなければならない。茶臼岳には山荘があり、パウダー滑走に何度か行ったが、そこから先の縦走路は未経験。滑走よりは雪道散策の道である。

 トンネルの先の茶臼岳

 


駐車地点の快適トイレ(帰着時)

プランは3時起床だったが、ヘッドランプで出かける気になれず、4時起床。ゆっくり食事し、5時頃に道の駅を出る。いつもの北側からアスピーテラインに向かう。ここに来るのもだいぶ久しぶりだが、九十九折の車道を延々と登る。昨日は見えていなかった岩手山は、今日は朝から見えている。

 

駐車地点から西に向かう

 

ゲート


雪の無い車道から雪原に上がる


除雪中のアスピーテライン


1,360m峰・東尾根から1,448m峰と茶臼岳に向かう


 

岩手山

 


1,360m峰

行く手に最初のターゲットの茶臼岳が見えている。その手前には二つのピーク。ここから茶臼岳までは二つのルートがあり、一つは恵比寿沢右岸の1,448m峰・東尾根を登るもの、もう一つはその南側の1,360m峰・東尾根を登るもの。

 1,360m峰頂上(行く手に1,448m峰と茶臼岳)

 1,448m峰手前から南の景観: 1,360m峰、岩手山、大松倉山、三ツ石山、源太ヶ岳、夜沼、嶮岨森、1,481m峰、諸桧岳

 1,448m峰手前から北の景観: 茶臼岳、恵比寿森、大黒森、前森山

 

茶臼岳

 

茶臼山荘


茶臼岳頂上

アイゼンに変えてクラスト斜面を1,448m頂上まで登る。クラストしているところはアイゼンの方が断然歩きやすいが、深雪だとまるで歩きにくい。茶臼岳へのルートはどうだろう。下は深雪だが、上の方はクラストしているだろう。行き詰ってからアイゼンに変えるのも面倒なので、そのままアイゼンで行く。

 茶臼岳頂上から南斜面を見下ろす

 1,448m峰から見る茶臼岳はますます鋭角に高くそびえ、これにはまっすぐ登るのではなく、右奥の広い斜面を九十九折に登る方が正解だろう。先行のスキートレースも茶臼岳にまっすぐ向かわず、茶臼山荘のある広い東斜面に向かっている。そこならクラストしていないのかもしれない。アイゼンで深雪を歩くのにしんどくなり、シールに変える。東斜面をトラバース気味に進む途中でクラストしている部分があったが、そこはスキーエッジを立てて真横に進み、雪の部分になると斜めに登る。

縦走路を西に向かう

だいぶ奥まで進んでから九十九折に大きく登っていく。1,360m峰の他人のトレースはキックターンせずに小回りしていたが、私は九十九折はほとんどキックターン。傾斜が急だとキックターンも鋭角になってやりにくくなるが、この時はそれほどでもなし。それよりもところどころに現われるクラスト斜面がやっかい。そこではキックターンはできない。

雪で霞む黒谷地湿原

やっと茶臼岳頂上に来たのに八幡平方面は雲に覆われていて源太森も見えていなかった。だが、2007年12月に茶臼岳に登ったときに八幡平の広大な森と雪原の世界を見ていた。八幡平・本峰は中央左奥付近、中央の小ピークが源太森、その左奥は1,591m峰、そして右端に安比岳と思われるピークが並んでいた。この日は雪も降り始め、これで霧の八幡平まで行くのか。迷ったが、とりあえず縦走路に向かう。茶臼山荘まで行くと少し遠回りになるので、斜めに縦走路に向かうが、樹木の間がデコボコでやたらに歩きにくいのに、縦走路は樹木の間にきれいな雪の道を作っていて、しかもスキートレースがついていた。

 黒谷地湿原の指導標

 それをたどってずんずん進む。これは調子がいい。このペースなら八幡平まで行けるだろう。縦走路はまっすぐに林の中に続いており、今度は指導標まで出てきた。昔からのクラシック・コースなのだろう。コルはだだっぴろい黒谷地湿原で、今は広大な雪原。そこに雪が降っている。いいかげん疲れてきたので、源太森に登り返し始めるあたりで最初の休憩。ペットコーヒーを飲み、パンを食べる。このパンはすぐに栄養源になり、やや斜めに登っていく源太森への道をぐんぐん進む。

源太森の頂上

尾根に上がるあたりでやや迷ったが、GPSを見て方角確認し、ついに源太森頂上に到達。大きな方位盤に頂上標識がある。頂上標識の雪をピッケルストックでこすり落として源太森を確認。八幡平まで1.7㎞とあるが、雪はここでは吹雪になっていて、行く手はさっぱり見えない。まあ、今日はここまでにしておこう。シールのままで帰途につく。

源太森の頂上標識(雪で読めない)


源太森の頂上標識(読めるように雪を削る)


茶臼山荘

源太森からの下りでは、もう登りトレースはほとんど消えていて迷いそうになるが、頻繁にGPSを見てコースを修正。黒谷地湿原に着き、茶臼山荘に登り始めるあたりで2度目の休憩。ホットレモンと前日の残りの薄いビスケット。そこから茶臼山荘までの1kmはしんどかったが、やがて前方に茶臼山荘の大きな屋根が見えてくる。よし、もうあとは滑るだけだ。

 茶臼岳北斜面の滑走

茶臼山荘には入らず、その奥の斜面手前でシールを外す。だが、ここも吹雪になっていて、茶臼岳もほとんど見えていない。こいつは困った。風景が見えないと滑走は難しい。茶臼岳頂上からの滑走というのも勿論諦め、山荘前から斜面に滑り込む。途中で電池切れで取り換えたGPSには1,360m峰の先から茶臼岳までの軌跡が残っていないので、1,448m峰・東尾根を下る手書きのピンク・トレースを辿る。数十メートル滑ってはルートを修正。斜面の傾斜が分かりにくく、自分が動いているかすら分からないので、周辺の灌木や立木を見て姿勢制御しながら滑走。

 見えてきた恵比寿沢

下るにつ入れて1,448m峰・東尾根の全体が見えるようになり、少し余裕が出てきて、オープン斜面をショートターン滑走。少しスキーを動かしただけでくるりとスキーが回る、まさに完璧なパウダー。ぞんぶんにパウダー滑走を楽しみ、1,448m・東尾根末端の狭い尾根筋に滑り込む。そして、そのすぐ下にある古い林道に入る。林道には灌木も生えていてわかりにくいが、恵比寿沢右岸の林の中にずっと続いており、やがて往路の1,360m峰・東尾根末端に着く。まだ雪に埋もれたアスピーテライン。朝はここから1,360m峰・東尾根を登った地点に合流。

恵比寿沢への滑走


古い林道の滑走


落ちそうになった排水路

往路に合流したところからまっすぐ駐車地点に向かうと、途中に深い排水溝があり、落っこちそうになってスライディング停止。こんなのがあるとは・・・・・・知らないで滑ってきたら落ちるだろう。高さは2m以上ありそうで、落ちたら怪我をしそうだ。往路ではもっと西側を歩いてきたので、この排水溝には全く気付かなかった。西側は雪に埋もれてスノーブリッジができており、そこを渡る。アスピーテラインはそのすぐ近くにあり、橋のたもとの壁が低くなっているところから車道に下る。

 

雪の積もった車道に滑り込む

 

雪の積もった駐車地点


八幡平ハイツ

八幡平ハイツはずっと昔、泊まったことがあり、日帰りにも何度が来ている。でかい内湯に露天があり、露天は雪見風呂であった。さすがに寒いので2回目は内湯で暖まる。

(2007年12月22日)

 源太森

2007年12月に茶臼岳に登ったときに八幡平の広大な森と雪原の世界を見ていた。八幡平・本峰は中央左奥付近、中央の小ピークが源太森、そして右端に傾いた杣角山が並んでいた。


源太森と1,591m峰


源太森


問合せ・コメント等、メール宛先: kawabe.goro@meizan-hitoritabi.com