丁須ノ頭 裏妙義の縦走

群馬県  丁須ノ頭1,057m、赤岩1,100m(トラバース)、烏帽子岩1,117m(トラバース)  2019年10月20日

(丁須ノ頭)群馬県の山

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歩いても歩いても

目指す山頂ははるか先

岩峰を登り

沢を渡り

果てしなき道をゆく

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すぐ西にあるピーク(丁須ノ頭・西峰1,050m)からは、丁須のTの字が良く見えた。その上に立っている人も。ハンマーヘッドと呼ばれる(竜の頭のようにも見える)不思議な姿の奇岩と、その上に立つ登山者の小さな姿はスリリングで実に印象的。奇岩奇勝に挑戦するヒトの姿はすっかりこの景観の一部になっているように見える。

赤岩の西端を南側に大きく下り、途中から赤岩の直立する巨体をトラバース。斜めの岩壁につけられた鎖を伝っていく。途中真上にそびえる赤岩を見上げると、垂直の岩肌は確かに赤みがかっている。

烏帽子岩の南峰1,100mの大岩に上がると、青空の下に並ぶ烏帽子岩と赤岩が良く見えた。その奥には丁須ノ頭、東には表妙義の白雲と金洞が並ぶ。これぞ妙義の絶景、驚異の奇観。孫悟空の世界だな。

丁須ノ頭のハンマーヘッドが小さく見えていたが、その上には白いヘルメットの二人がいて、やがて鎖を伝って順に降りて行った。

(丁須ノ頭にて)

根本からは丁須ノ頭の上まで一本の長い鎖がぶら下がっていて、それを摑んで上まで登るようになっている。そこで、順番で鎖を摑んで登ろうと思ったが、どうにも下に何もないところで、鎖にぶら下がって登らなくてはならない。どうもバランスが悪い感じが抜けず、止めておくことにする。まあ、ここ(根本)までくれば良し(丁須ノ頭に登ったこと)としていいだろう。

根本の南端までいって見上げる丁須ノ頭は巨大なキノコ、そのキノコの上にいる人、登ろうとしている人。その後も下から続々と登ってくる人たちがいて、岩登りの好きな人たちにとっては人気絶大のようだ。

 すぐ西にあるピーク(丁須ノ頭・西峰1,050m)からは、丁須のTの字が良く見えた。その上に立っている人も。ハンマーヘッドと呼ばれる(竜の頭のようにも見える)不思議な姿の奇岩と、その上に立つ登山者の小さな姿はスリリングで実に印象的。奇岩奇勝に挑戦するヒトの姿はすっかりこの景観の一部になっているように見える。
 烏帽子岩の南峰1,100mの大岩に上がると、青空の下に並ぶ烏帽子岩と赤岩が良く見えた。その奥には丁須ノ頭、東には表妙義の白雲と金洞が並ぶ。これぞ妙義の絶景、驚異の奇観。孫悟空の世界だな。
 丁須ノ頭に登る人
 根本の南端までいって見上げる丁須ノ頭は巨大なキノコ、そのキノコの上にいる人、登ろうとしている人
 センブリ
  6:03 裏妙義P発  6:11 国民宿舎裏妙義  6:15 丁須ノ頭登山口  7:00 木戸  8:15 尾根乗越  8:29 丁須ノ頭・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り2時間26分  8:35 丁須ノ頭発  8:43 丁須ノ頭・西峰  9:13 赤岩トラバース東端  9:38 赤岩トラバース西端  9:49 烏帽子岩トラバース東端  9:54 烏帽子岩・東峰10:05 烏帽子岩トラバース西端10:13 烏帽子岩・南峰10:46 三方境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・丁須ノ頭から2時間11分12:29 国民宿舎裏妙義12:36 裏妙義P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三方境から1時間50分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・周回6時間33分

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国民宿舎裏妙義のところに行くのは2度目だが、前回はどこに停めたのだろう。国民宿舎の駐車場に入るのはためらわれた(四国で注意されたことがある)ので、300mほど手前の駐車場に停める。準備し終わるころにはもう明るくなっていて、ヘッドランプはなし。今回はモンベルシューズにヘルメットとハーネス。モンベルのハーネスは小さくて便利だが、腰の後ろにフックがないのが難点。携帯ロープをハーネスの前のフックに掛けると歩きにくいので、ザックの左前のフックに掛ける。国民宿舎手前の橋のたもとに相馬岳と丁須ノ頭への登山口表示と登山者ボックスがあったので、登山者カードを書いて投入。「鷹返しで事故が多発していますので、鷹返し・金洞山方面へは登山しないようにしてください」という警察署・松井田町・山岳会の注意表示があった。それにもかかわらず、岩登りに自信のある人たちは登るんだろうな。国民宿舎のすぐ前を通って丁須ノ頭に向かうと、国民宿舎の駐車場で準備している人たちがいた。国民宿舎の背後にそびえる岩峰はたぶん丁須ノ頭1,057mの南東峰1,000m峰だと思う。そこの道標には「篭(こもり)沢・丁須ノ頭」「三方境入口」とある。

中木川の左岸沿いに車道が通じていて、国民宿舎前から300mほど歩いて登山道に入るが、それはほとんど沢沿い(篭沢)の道だった。日本登山体系に出ていた篭沢の沢登りというのはこのことだろう。確かに沢靴の方が楽な感じの道だった。困ったのは今週の雨で沢が増水していたこと(下りの三方境の沢はたいしたことはなかった)。最初の渡渉点が増水していて渡れない。橋は流されていた。少し下流の飛び石をなんとか渡る。渡渉点をそのまま渡れたところは少なく、ほとんど上流や下流の渡りやすいところを探し、スティックを使ってサーカス渡渉。ルート上の岩の起点が水であふれているところがあり、その岩を右から登って岩の上を歩いてルートに戻る。その次には沢からは離れているが、大きな岩の上に鎖を使って登る。そうこうしているうちに、二人が追い付いてきた。そんなにゆっくり登っているつもりはなかったが、「木戸」という標識を過ぎ、岩壁を鎖を使って登った先の少し広くなっているところで先に行ってもらう。道は何度か沢を離れて斜面を登るが、沢もいつのまにか登ってきて、いつのまにか沢沿いの道に戻る。それにしても、かなり上まで水は豊富だった。

ようやく水量も衰えてきて、傾斜のきつい岩登りとなり、最後は長い鎖のある沢状の岩登り。いったん尾根に上がり、ルートは尾根を乗越して北側を西にトラバースしてゆくが、その地点の真上が丁須ノ頭だったようだ。ここでも追い付いてきた男性に先に行ってもらう。狭いトラバース路は西側に回ったところで傾斜のある岩壁に渡された鎖を辿ってのトラバースとなり、緊張感全開。ついに丁須ノ頭の真下に出ると、先行した二人が鎖を使って丁須ノ頭に登ろうとしていた。私はスティックを収納し、まず長い鎖を伝って丁須ノ頭の根本に上がる。根本からは丁須ノ頭の上まで一本の長い鎖がぶら下がっていて、それを摑んで上まで登るようになっている。そこで、順番で鎖を摑んで登ろうと思ったが、どうにも下に何もないところで、鎖にぶら下がって登らなくてはならない。どうもバランスが悪い感じが抜けず、止めておくことにする。まあ、ここ(根本)までくれば良し(丁須ノ頭に登ったこと)としていいだろう。根本の南端までいって見上げる丁須ノ頭は巨大なキノコ、そのキノコの上にいる人、登ろうとしている人。その後も下から続々と登ってくる人たちがいて、岩登りの好きな人たちにとっては人気絶大のようだ。私は縦走路に向かうが、そっちに来たのは後から追い付いてきた男性だけだった(縦走路方面には下に下る分岐があり、道標がないので少し迷うが、西への登り返しで正解だった)。すぐ西にあるピーク(丁須ノ頭・西峰1,050m)からは、丁須のTの字が良く見えた。その上に立っている人も。ハンマーヘッドと呼ばれる(竜の頭のようにも見える)不思議な姿の奇岩と、その上に立つ登山者の小さな姿はスリリングで実に印象的。奇岩奇勝に挑戦するヒトの姿はすっかりこの景観の一部になっているように見える。丁須ノ頭・西峰を過ぎるとほとんど垂直に下る鎖場があり、緊張の下降。足場を探して慎重に下る。半開きのオヤマノリンドウ。ギザギザの白い花はセンブリかな。

赤岩と烏帽子岩のうち、赤岩には地図上で破線がついていたので、頂上まで登るのだろうと思っていたが、ルートは南側のだいぶ下をトラバースしていた。トラバースの起点に「赤岩」という木柱が立っており、尾根の北側に続く微かな踏み跡を辿ってみるが、途中で消えていたので引き返した。赤岩の西端を南側に大きく下り、途中から赤岩の直立する巨体をトラバース。斜めの岩壁につけられた鎖を伝っていく。途中真上にそびえる赤岩を見上げると、垂直の岩肌は確かに赤みがかっている。そして上から水滴がパラパラと落ちてくる。このトラバースは長く、鎖を伝って斜めに降りて行き、やがて斜めに登り返し。足場が急なところに金網の足場が付けてあり、これならだいぶ楽。と思ったら、最後のところの金網がなくなっていて、むき出しの足場をたどる。登り返した岩のくぼみにはハシゴが立てかけてあり、それを登る。こいつも鎖1本よりだいぶ楽だ。25分ほどかけてトラバースから尾根上に戻ると、背後には赤岩が高くぞびえ、北には長野道と緑の山並みが見えている。尾根道の途中にも鎖場。烏帽子岩も南側をトラバース。いったん大きく下って登り返すと、針のように細い尖峰(烏帽子岩・東峰)の脇にでる。見上げると青空に伸びる尖峰。岩壁のくぼみにウイスキーの小瓶。そこはまだ途中で、尾根を進むと烏帽子岩の本峰が灌木の上に見えている。その本峰の東端から再び南側をトラバース。

こうして赤岩と烏帽子岩の威容を真下から見上げながら通過した。登り返したところに「左・三方境、右・丁須ノ頭」の道標。これで裏妙義の核心部を通過。緊張感から解放され、ほっとする。一方、赤岩や烏帽子岩の立ち姿を見ていないことに気づく。せっかくここまで来たのに、見れないとは残念。だが、烏帽子岩の南峰1,100mまでくると大岩があり、ひょっとしたらと思い、少し無理をしてその大岩に上がると(大岩は足元がへこんでいるので足がかりがとりにくい。片足を高いところにかけ、えいやっと登る)、青空の下に並ぶ烏帽子岩と赤岩が良く見えた。その奥には丁須ノ頭、東には表妙義の白雲と金洞が並ぶ。これぞ妙義の絶景、驚異の奇観。孫悟空の世界だな。大岩の上でザックを下ろし、本日、最初で最後の休憩。ペット・ポカリを飲み、パンを食べながら絶景を眺める。北の山並みを眺めていて、手前に低いピークを持つ三角形の山に見覚えがあり、それが浅間隠山だと気づく。だから、その左にある双耳は鼻曲山に違いない。妙義から見る鼻曲は右ピーク(小天狗)を天狗の鼻のように横に伸ばしていた。丁須ノ頭のハンマーヘッドが小さく見えていたが、その上には白いヘルメットの二人がいて、やがて鎖を伝って順に降りて行った。

大岩からは楽な道になり、広すぎてわかりにくい林の中をテープや目印を探しながら下っていると、男性が一人登ってくるのに出会う。「ヤマビルに気をつけて」と忠告してくれたのは、管理人さんだろうか。沢筋まで下ったあたりでブーツに虫スプレーをかけておいたが、車に戻って靴や靴下を脱いだ時はなんともなかった。ところが、温泉から出たときに左かかとから血が出ていて、やられたと初めて気づく。まあ、それほど実害はないのだが、知らないうちにやられるというのは落ち着かない。やがて三方境につく。ここに来るのは谷急山に登ったとき以来。だから、そこからの下りが長く、沢をたくさん横断していくことが分かっていた。沢の渡渉が気がかりだったが、往路の篭沢とは大違いに水量が少なく、歩きやすかった。ただし、山腹にトラバース気味に付けられた道なので、ところどころ道が崩れて歩きにくい所はあった。中木川が近づき、大きな支沢を越した先で林道に出会う。それは朝歩いた林道で、途中で丁須ノ頭の登山口を通過。写真を撮るために国民宿舎裏妙義の駐車場に上がってみると、「当館は三月三十一日で閉館いたしました」という貼紙があった。閉館してしまったとは寂しい限り。丁須ノ頭・南東峰を背景にした国民宿舎裏妙義は実に絵になる。

中木川沿いの駐車場に戻ると、十数台の車が駐車していた。国民宿舎に駐車している以外にもこんなに登っている人がいたのかと思ったが、後からやってきた夫婦は「登山ですか」と言い、河原に降りて行ってランチを食べていた。車を出すと、すぐ先の車道沿いに数人の男の人たちがいて、三脚に据えた高そうな望遠レンズ付きのカメラを川向うの尾根に向けている。何かを待っているようだ。鳥だろうか。真剣そうな雰囲気だったので、何も聞かずに通り過ぎたので、真相は分からずじまい。前日、牛伏山の展示場で写真を見たサシバ、ハチクマ、ミサゴのような猛禽類なのだろうか。朝は暗くて見えなかった中木ダムの妙義湖は満水に近く、ダムの下の道に下ると、すさまじい勢いで放水している様子が見えた。久しぶりにもみじの湯に入る。白雲山が背後に見えていて、「大」の字が小さく見えている。露天も眺めがよかった。

 

中木川右岸の登山口と登山者ボックス


篭(こもり)沢・丁須ノ頭の道標

丁須ノ頭の登山口(右)

最初の渡渉点


白い花(マツカゼソウ?)

2回目の大回り渡渉点

最初の岩登り

木戸

長い鎖場

尾根乗越に向かう

尾根乗越の手前側

尾根乗越の先、北側トラバース

北側から見上げる丁須ノ頭

北から西へトラバース

初めて間近に見た丁須ノ頭のT字形


丁須ノ頭に登る人

南西の縦走路尾根

丁須ノ頭

妙義湖

裏妙義・御岳(北東方向)、背後に榛名山と赤城山

半開きのオヤマノリンドウ

丁須ノ頭と登山者たち(二人が登っている)

丁須ノ頭と登山者たち(一人が降りはじめた)

表妙義: 白雲山(天狗岳、相馬岳)、金洞山(鷹戻、東岳、中之岳?)

 赤岩、烏帽子岩と谷急山: 大烏帽子、谷急山、烏帽子岩、赤岩、西大星

センブリ

赤岩の標識


赤岩(トラバース路東側より)

赤岩(トラバース路西側より)

鎖トラバース路と金網の足場

金網の足場と金網のない足場

烏帽子岩・東峰

ウイスキーの小瓶

紅葉の烏帽子岩を見上げる

烏帽子岩の西端

烏帽子岩と赤岩


 烏帽子岩、赤岩、丁須ノ頭: 鼻曲山、浅間隠山、烏帽子岩、赤岩、榛名山、丁須ノ頭、赤城山、御岳、相馬山

丁須ノ頭と登山者

丁須ノ頭

丁須ノ頭

鼻曲山と浅間隠山

烏帽子岩・西峰の大岩

三方境


植林の道

丁須ノ頭・南東峰と国民宿舎裏妙義

中木沢沿いの裏妙義駐車場


中木ダムと妙義湖

放流中の中木ダム