小川山、金峰山  奥秩父の日帰り周回1

山梨県  小川山2,418m、大日岩2,201m、金峰山2,599m  2020年10月12日

(金峰山)日本百名山

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やがて空が明るくなってきて中腹にある岩峰に出る。東には夜明けの奥秩父が見えていた(国師岳から北に延びる尾根のあたり?)。

行く手に見える尾根がモルゲンロートになっていて、その一番高い峰が小川山に違いない。

カモシカ登山道にもう岩峰は無く、林の中を黙々と進むが、歩きやすいときもあれば岩やアップダウンで歩きにくい時もある。ようやく傾斜が緩くなり、樹間にもう青空の金峰山を初めて見る。この山は五畳岩があるのですぐ分かる。

ついに分岐表示に遭遇。左が金峰山、右が小川山頂上。林の中で眺望のない小川山の頂上はそこからすぐ先だった。三角点に立派な頂上標識。小川山は日本百名山・雲取山の章で「奥秩父と称せられている、小川山から東に向かって雲取山まで続く連嶺」という件に出てくる山で、奥秩父の西端にあるこの山が妙に頭に残り、ずいぶん前から登りたいと思っていた山だった。標高も2,418mあり、瑞牆や金峰に登った時も縦走路の西端で目立つ山で、その山にようやく登れ、感無量。

金峰山への尾根登り(表示には2時間半とあり、私は3時間かかった)では、追い越していったのは数人、下っていく人には大勢出会った。

金峰山の西尾根の南側はすさまじい岩斜面になっていて、尾根に並ぶピークの間でナギのようにはるか下まで切れ落ちていた。行く手の雲がときどき切れ、五畳岩と金峰山の頂上が見えた。

五畳岩の近くに来たとき、一瞬、青空が広がり、巨大な人造物のように見えるこの岩を見上げながら五畳岩の正面に回り込む。冷たい風が吹いていて、人々は岩陰に風をしのいでいた。正面の鳥居の前でお参り。お椀に賽銭が溢れていた。百円玉が多い。

金峰山の頂上は岩がたくさん積み重なってできていて、てっぺんに積み重なっている岩の少し手前に三角点と頂上標識があった。それらを確認してから最高点の岩に登る。この日見えるのは、すぐ近くにある五畳岩のみ。だが奥秩父の雄、金峰山に再び登れて気分は最高だった。満足感にしばし浸る。

まっすぐ北に向かって下る。二本のロープの間を下っていくと下に金峰山小屋が見えてくる。そして突然雲が晴れ、瑞牆山と小川山が見えてきた。さっきまで全く見えなかったのに、まるで手品のように瑞牆山と小川山は現われた。この二つの山を再び見ることができ、幸運だった。岩峰をいくつも立てた瑞牆山、ゆったりと緑に覆われた小川山、全く姿の違う二つのピークがすぐ近くに並んでいる。

 小川山は日本百名山・雲取山の章で「奥秩父と称せられている、小川山から東に向かって雲取山まで続く連嶺」という件に出てくる山で、奥秩父の西端にあるこの山が妙に頭に残り、ずいぶん前から登りたいと思っていた山だった。標高も2,418mあり、瑞牆や金峰に登った時も縦走路の西端で目立つ山で、その山にようやく登れ、感無量。
 ようやく傾斜が緩くなり、樹間にもう青空の金峰山を初めて見る。この山は五畳岩があるのですぐ分かる。
 行く手に見える尾根がモルゲンロートになっていて、その一番高い峰が小川山に違いない。
 五畳岩の近くに来たとき、一瞬、青空が広がる。巨大な人造物のように見えるこの岩を見上げながら五畳岩の正面に回り込む。
岩峰をいくつも立てた瑞牆山
 黄葉の木々
 3:04 廻り目平P発  3:24 金峰山荘  7:45 小川山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り4時間41分  8:00 小川山発10:45 大日岩13:24 五畳岩13:31 金峰山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小川山から5時間31分13:59 金峰山小屋15:25 林道16:22 金峰山荘16:33 廻り目平P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・金峰山から3時間2分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・周回13時間29分

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廻り目平の駐車場で深夜1時半のアラームで起き、食事をし、着替え、準備して歩き始めたのはもう3時過ぎ(3:04)。どうしても遅くなってしまう。厚手の上下を着こんだが、それでも外の寒さは厳しいのでレインウェアを着こんでいく。しまった、ヘルメットを忘れた、と気づいたのは車道をだいぶ歩いた後で、そのまま歩く。やがて立派な金峰山荘に着き、トイレを使わせてもらい、林道の途中からカモシカ登山道に入る(3:42)。暗いので、車両侵入禁止のゲートのところからGPSで入口を探し出した。最初は歩きやすかったと思うが、踏跡が分かりにくい林の中なので時々現われる目印が頼り。次第に傾斜がきつく、歩きにくくなっていき、やがて尾根の途中の分岐に気づかず、尾根の南側から北側に下ってしまう。それは唐沢ノ滝経由で廻り目平に戻る道で、ぐんぐん下っていくに従い滝の音が大きくなってやっとおかしいと気づき、引き返し、尾根で分岐を発見(5:17)。廻り目平Pから約2時間半経ち、最初の休憩。コンビニで買ったパンを食べる。やがて空が明るくなってきて中腹にある岩峰に出る(5:36)。東には夜明けの奥秩父が見えていた(国師岳から北に延びる尾根のあたり?)。左の岩峰に登ってみたが違っていて、右のに登るとその先にルートがあった。真っ暗なときにここに出なくてよかった。

唐沢ノ滝というのを樹間に見る。かなりの急斜面を豪快に落ちていた。行く手に見える尾根がモルゲンロートになっていて、その一番高い峰が小川山に違いない。カモシカ登山道にもう岩峰は無く、林の中を黙々と進むが、歩きやすいときもあれば岩やアップダウンで歩きにくい時もある。ようやく傾斜が緩くなり(6:50)、樹間にもう青空の金峰山を初めて見る。この山は五畳岩があるのですぐ分かる。行く手にも丸いピークが見えてくるがまだ小川山ではない。林の中をがむしゃらに歩き続け、ついに分岐表示に遭遇(7:41)。左が金峰山、右が小川山頂上。林の中で眺望のない小川山の頂上はそこからすぐ先だった(7:45)。三角点に立派な頂上標識。2度目の休憩、バナナを食べる。小川山は日本百名山・雲取山の章で「奥秩父と称せられている、小川山から東に向かって雲取山まで続く連嶺」という件に出てくる山で、奥秩父の西端にあるこの山が妙に頭に残り、ずいぶん前から登りたいと思っていた山だった。標高も2,418mあり、瑞牆や金峰に登った時も縦走路の西端で目立つ山で、その山にようやく登れ、感無量。去りがたい頂上だったが、のんびりしてはいられない。先に進む。小川山から南に下る途中に展望所があり四周が見えたが、すでに雲が湧き始めて瑞牆山も金峰山も隠れてしまっていた。背後に小川山の大きな緑のピーク、その下の尾根の中腹には越えてきた岩峰も見えている。ずいぶん高いところまで登ってきたものだ。その展望所からの下りの途中、この日初めて人に出会う。女性二人。たぶん富士見平の方角から来たのだろう。丸い大岩の乗っかったピークの横を下っていくが、それはまだ大日岩ではない。さんざん下ってやっと八丁平に着き、3度目の休憩(9:38)。そこは富士見平への分岐で、金峰山荘に下る林道への分岐はもう少し先にあった(10:00)。

今度こそ見上げても姿の見えない大きな岩の西側をトラバース。ガレのナギを渡ると大日小屋への分岐(西方向)があり、回り込みながら東に登っていき、大日岩の根本に出る。そこから登山道は尾根沿いに南へ下るのかもしれないが、とりあえず北へ大日岩の頂上を目指す。すると、平たい大岩の上にペンキの目印があり、登山道はそこから東に下っていた。一応、大日岩の頂上を探ってみるが、数メートル登った先、てっぺんまで数十メートル?のところまでにしておく。簡単ではなさそうだった。東へのルートへの下りにはちょっとやっかいなところもあったが、下った先にはケルンがあり、再び林の中の道となる。林に入ると広場があり、富士見平からの道との合流点になっていた。そこで4度目の休憩をとってウォークマンをいじっていると男性が二人、富士見平のほうからやってきて、金峰山に登っていった。この後、金峰山への尾根登り(表示には2時間半とあり、私は3時間かかった)では、追い越していったのは数人、下っていく人には大勢出会った。

12時半頃に林を抜けるが、周囲には白い雲がたちこめていて高いピークを隠していた。だが、金峰山の西尾根の南側はすさまじい岩斜面になっていて、尾根に並ぶピークの間でナギのようにはるか下まで切れ落ちていた。高いピークの北側をトラバースして越えていくたびに次のナギを見降ろしていく。そして行く手の雲がときどき切れ、五畳岩と金峰山の頂上が見えた。まだだいぶ遠いなあ。めげずに頑張る。岩場に突然、鎖が垂れていたので何だろうと思ったら、その下にある岩はつるつると良く滑る。下ってきた男性は器用に鎖を使っていたが、私は鎖を使わずに登ろうとして足元の岩が滑るのに気づき、上にある岩を両手でもって攀じ登る。尾根道に戻ると真っ赤な紅葉、ウルシかな。

五畳岩の近くに来たとき、一瞬、青空が広がり、巨大な人造物のように見えるこの岩を見上げながら五畳岩の正面に回り込む。冷たい風が吹いていて、人々は岩陰に風をしのいでいた。正面の鳥居の前でお参り(13:22)。お椀に賽銭が溢れていた。百円玉が多い。五畳岩の麓に立ち、それから金峰山の頂上に向かう。途中に方位盤があるが、景色は見えない。金峰山の頂上は岩がたくさん積み重なってできていて、てっぺんに積み重なっている岩の少し手前に三角点と頂上標識があった(13:29)。それらを確認してから最高点の岩に登る。晴れていたら西に瑞牆山や八ヶ岳、南には南アルプスの諸峰が並び、東には国師岳、北奥千丈岳の奥に富士山が見えただろう。だがこの日見えるのは、すぐ近くにある五畳岩のみ。だが奥秩父の雄、金峰山に再び登れて気分は最高だった。満足感にしばし浸る。

まっすぐ北に向かって下る。そこにはルートがロープで示されていて、二本のロープの間を下っていくと下に金峰山小屋が見えてくる。そして突然雲が晴れ、瑞牆山と小川山が見えてきた。さっきまで全く見えなかったのに、まるで手品のように瑞牆山と小川山は現われた。この二つの山を再び見ることができ、幸運だった。岩峰をいくつも立てた瑞牆山、ゆったりと緑に覆われた小川山、全く姿の違う二つのピークがすぐ近くに並んでいる。山小屋が近づくと、山小屋の西側に立っている小さな岩峰の上に細長くケルンが立ててあるのが見えてくる。あのケルンを立てるのは大変だったろう。ヘリポートらしき広場の脇を通って山小屋に着き(13:59)、ベンチに座って5度目の休憩(金峰山頂上は風が冷たかったので休まなかった)。下に向かう道のところに「金峰山頂0:20、川端下3:00」とある。山頂から山小屋まで30分近くかかったから登り20分は信じられない。川端下というのはたぶん金峰山荘のあるところだろう。3時間で金峰山荘なら17:00、廻り目平までは17:30くらいだが、もっとかかるだろう。

廻り目平Pからもう11時間経っており、ネット情報にあった周回10時間というのはとうに不可能だが、鹿島槍の17時間よりは早く戻りたい。尾根から2㎞下ると林道になり、林道を3.5㎞で金峰山荘、更に1.5㎞(林道を5㎞)で廻り目平駐車場だ。尾根も林道も時速2㎞で歩けば3.5時間、17時半に帰着、周回14時間半となるので、それを目標に尾根を早足で下る。(鹿島槍では温泉にタッチの差で入れなかったが、)なんとか温泉に入りたい。下るとき、再び青空の下の小川山を見る。1回スリップし、背中のザックだけでなく左ひじをついてしまい、すこしすりむき傷がつく。お尻とザックで受け身をとるのが正解だ。尾根を下っていくとコメツガの説明「マツ科、本州の中・北部の亜高山帯に多く見られます。短くて小さい葉を米にたとえて名づけられました。」とある。小川山の頂上を取り囲んでいたのもこれかな。沢の音が聞こえて来て、やがて沢沿いに下り、最終水場というのを過ぎ、大きな砂防ダムの脇にある林道に降り立つ(15:25)。尾根下りに1時間半かかってしまった。林道終点は広場になっていて、軽トラが一台。奥に壊れた乗用車。その先に八丁平への分岐がある。

林道は未舗装で、ガレで覆われた部分が多く、歩きやすくはなかった。この調子だととても時速2㎞で歩けない。そこで途中からジョギングでトントン走る。底の厚い登山靴(AKUコネロ)だったのでピョンピョン跳び上がるばかりで歩みはのろいが普通に歩くスピード、時速4㎞は出せるだろう。白い花崗岩の多い川を水は激しく流れ、クライミングに使われているらしい小高い岩峰の脇を通り、黄葉の木々を見ながら林道を駆けていき、やっと奥ゲートのロープに着く。朝は真っ暗だったが、晴れた林道の道脇はテント場になっていて、広いテント場にぽつぽつとテントが張られていて、そこでくつろいでいる人たちがいた。もう山から下ってきたのか、明日登るのか、それともテント泊目的?テント場の向こうには岩尾根が見えていて、すばらしい景色。初めて昼間に見る金峰山荘は巨大で豪華だった。私にはもう無縁かな。そこをジョギングしている男性がいて、なぜか廻り目平に向かう私の後をやってきて、追い越していった。見ると彼は走っておらず、速足で歩いて私を追い抜いていた。それで初めて、私の走り方がいかに遅いかが分かった。ぴょんぴょん跳びはねても上に跳ねるばかりで前に進まない。なるほど。足を前に出さないといけないんだなと実感する。この時は走り方を変えはしなかったが、翌日からさっそく歩き方を変えた。それが、きっかけになった。

廻り目平の駐車場にまだ明るいうちに着き(16:33)、着替え、まだ明るいうちに駐車場を出て、温泉にも買物にも十分に間に合った。早歩きよりも遅い私のジョギングは林道終点から5㎞を約1時間、遅いかもしれないが、まったく休まずに走り切れたのはトレーニングの成果かな。トレーニングの成果を実感したのは初めて。カーナビで翌日の大弛峠を入力すると、16年前に車で登った未舗装の北側からでなく、南側のルートが示された。16年前はその舗装路は通行止めで車で登れなかった。今回は舗装路を登れるのはいいが、そこまで80㎞を走らないといけない。とりあえずスーパーマーケット(オギノ)の駐車場で仮眠をとり、それから大弛峠に向かう。R20に下り、R140を北東に走り、県道219に入るところまできて、その近くに道の駅まきおかがあるのに気づき、そこに入る。翌日は早く起きる必要はない。ゆっくり夕食をとり(ちょっと食べ過ぎ)ゆっくり就寝。

 カモシカ登山道の標識 


カモシカ登山道の分岐表示


夜明け


 夜明けの奥秩父

 

中腹の岩場と岩峰

 

唐沢ノ滝


モルゲンロートの小川山

 

初めて見えた金峰山


 

金峰山の頂上と五畳岩

 


 

小川山の頂上標識と三角点


中腹の岩峰を見下ろす

 

八丁平の分岐標識


大日岩の西側をトラバース

 

大日岩の途中まで登る


大日岩


大日岩の分岐標識


 

金峰山に向かう岩尾根

 

紅葉(ウルシ?)

 

青空の五畳岩


五畳岩の鳥居


賽銭


方位盤


五畳岩


金峰山の頂上標識と三角点


 瑞牆山と小川山

 

瑞牆山

 


 




小川山


金峰山小屋横の岩峰とケルン


金峰山小屋


金峰山小屋の道標


コメツガの説明

本州の中・北部の亜高山帯に多く見られます。短くて小さい葉を米にたとえて名づけられました。

林道に下る


 林道終点の分岐標識と壊れた車

 



林道途中の岩峰


紅葉


金峰山荘のテントサイト


金峰山荘


廻り目平の駐車場