大佐飛山(おおさび) 男鹿連峰の最高峰

栃木県  大佐飛山1,908m、大長山1,866m、西村山1,775m、黒滝山1,754m、河下山1,700m、

山藤山1,588m、さる山1,467m(1,470m)、三石山1,257m、百村山1,085m 2020年3月21日

(大佐飛山)栃木百名山

489

新しい登山口に向かうと明かりが見え、そこにはなんと車が5~6台、すでに駐車していて、出発準備の人たちがいた。

大佐飛までは10㎞、標高差1,200m(GPS実績標高差は1,600mだった)。これを日帰りするためには持ち物を軽量化し、さっさと歩かなければならない。登っているときはそれほど急だとは思わなかったが、帰りに下った時は、尾根の雪斜面はえらく急に思えた。

この日最初の頂上、百村山はすっかり雪はなく、三角点もすっかり見えた。西尾根に比べると百村山はほとんど目立たない高さだが、灌木に囲まれ、頂上標識も二つ。いかにも里山の雰囲気。

踏跡が輻輳していて、間違えたらしい人が思わぬ方向から出てきて歩いてゆく。登り返したところに黒滝山頂上1,754mの標識と三角点。南側が開けた狭い頂上で、見えているのは男鹿連峰の南側にある鴫内山(しぎうち)。その向こうには日光の山々。青空の下に山が立ち並び、平原には市街地が広がっている。人が大勢いて休んでいたので、一番奥でザックを降ろす。

西村山の先は雪尾根のトラバース気味の下り。ここも踏跡がなければとてもアイゼンなしの夏靴では進めなかっただろう。トラバース路から北に、那須連峰が見えた。その中央で白く光っているのは旭岳のようだ。

大長山から行く手に、初めて大佐飛を見る。それは東西に尾根を広げた大きな丸い山頂を持っていて、頂上まで緑の林が雪の白に混じり合っている。

何人か頂上から戻ってきた人に会い、これが頂上だと思ったピークをいくつか通り過ぎ、背後の樹木の間に青空の見えるピークが現われ、そこが大佐飛山1,908mの頂上だった。古い頂上標識に新しい白い頂上標識。

長年の目標だった栃木百名山の最難関、大佐飛山についに到達した。頂上の奥の樹間からわずかに見えていたのは、どうやら男鹿岳らしい。

大長山・二峰1,800mから南に見えていたのは、まさしく大滝山だったようだ。それは東西に尾根を伸ばし、左右にあるピークが河下山と西村山だろう。ずいぶん遠くまで来たものだ。

 大長山から行く手に、初めて大佐飛を見る。それは東西に尾根を広げた大きな丸い山頂を持っていて、頂上まで緑の林が雪の白に混じり合っている。
 大長山・二峰1,800mから南に見えていたのは、まさしく大滝山だったようだ。それは東西に尾根を伸ばし、左右にあるピークが河下山と西村山だろう。ずいぶん遠くまで来たものだ。
 頂上の奥の樹間からわずかに見えていたのは、どうやら男鹿岳らしい。
旭岳:那須連峰が見えた。その中央で白く光っているのは旭岳のようだ。
 この日最初の頂上、百村山はすっかり雪はなく、三角点もすっかり見えた。いかにも里山の雰囲気。
 長年の目標だった栃木百名山の最難関、大佐飛山についに到達した。
  5:42 駐車地点発  5:45 登山口  6:15 百村山1,085m  6:47 三石山1,257m  7:26 さる山1,470(1,467m)  8:15 山藤山1,588m  8:45 河下山1,700m  9:05 黒滝山1,754m  9:53 西村山1,775m10:54 大長山1,866m12:04 大佐飛山1,908m・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り6時間22分12:18 大佐飛山発13:30 大長山14:26 西村山14:59 黒滝山15:19 河下山15:40 山藤山16:26 さる山17:01 三石山17:48 登山口17:52 駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復12時間10分

************************************

秋田南インターから那須高原SAまで走り、ウィンナーと野菜炒めをたっぷり食べ、就寝。翌朝も3時に起きてパンとサラダを食べ、4時頃にSAを出る。大佐飛山へは百村山登山口のある長い林道を走る必要があり、そこがちゃんと走れるかが最初の問題だったが、狭い入口から入り、最初に工事中の砂利道があったものの、その後の数キロメートルは驚くような舗装路が続いていた。壁になっている林道の片側に古い百村山登山口の鉄ハシゴがあり、そこから更に先の新しい登山口に向かうと明かりが見え、そこにはなんと車が5~6台、すでに駐車していて、出発準備の人たちがいた。その最後尾につけようと思ったが、道幅が狭いので、もっと手前に戻ろうとバック。このとき迂闊にも車の後部を少しガードレールに摺ってしまう。やれやれ、板金塗装すると数万円。ヤスリと塗装剤を買って自分で直してみるか(結局、補修テープを貼る)。

200mくらいもどったところに駐車。大佐飛山ではスキーができるかどうか、いや、スキーを持っていくかとうか、いや、どうやってスキーを持っていくかが長い間の懸案になっていて、初雪山や僧ヶ岳にも最初は夏靴で、スキーとブーツを担いでいくプランにしていたので、大佐飛へも夏靴で、スキーとブーツを担いでいくつもりでいた。しかし、全く雪のない林道をやってくる間に決意は変わり、スキーは持って行かないで夏靴で往復することにする。私はこれまで、雪山はスキーで登り、滑走することでプランを立ててきた。夏靴のアイゼンを使ったのは飯豊・石転雪渓と白馬岳・大雪渓を登った時の軽アイゼンのみ。今回も夏靴を持っていくのは雪の無いところだけというプランだったから、軽アイゼンも持ってきていない。ザックからシールを出したとき、スキーブーツ用アイゼンも出すか考えたが、もしかしたらスキーブーツ用のアイゼンも使えるかと思い、持っていく。

新しい登山口は長いアルミハシゴ。その上には急傾斜の植林。まだ下に残っていたのは最奥に駐車していた男性のみ。ハシゴを登り、急な植林を軽快に登っていくが、ここをスキーとブーツを担いで登っていたら、かなり苦しかっただろう。大佐飛までは10㎞、標高差1,200m(GPS実績標高差は1,600mだった)。これを日帰りするためには持ち物を軽量化し、さっさと歩かなければならない。(因みに、毛猛山までは7㎞、1,100m、矢筈岳までは13㎞、1,600m。)登っているときはそれほど急だとは思わなかったが、帰りに下った時は、尾根の雪斜面はえらく急に思えた。植林斜面はオーバーハングしてすぐに下の林道は見えなくなり、ようやく傾斜が緩くなり、右手に百村山への道が見えたので、分岐の手前でその道に入り、百村山に向かう。すると、百村山から戻ってくる男性に遭遇。この人は早く、黒滝山で追いついたが、大佐飛山に向かう途中、もう戻ってくる彼に、大長山の先あたりで出会ったと思う。この日最初の頂上、百村山はすっかり雪はなく、三角点もすっかり見えた。西尾根に比べると百村山はほとんど目立たない高さだが、灌木に囲まれ、頂上標識も二つ。いかにも里山の雰囲気。

西尾根を進むときにブルートゥース・イヤホンを取り出し、音楽を聴きながら歩く。カタクリの群落保護の標識を過ぎ、次の山は三石山1,257m。ここも顕著なピークではない。さっきの男性は最初、背中が見えていて追いつくかもと思ったが、すぐに見えなくなる。百村山手前から西尾根には雪があり、雪を踏んでいくが、両側は笹薮や灌木が出ており雪はなし。次第に雪は増え、道の両側も雪に覆われるようになってきて、次のさる山1,467mに到達。最高点は手前(東側)だが、頂上標識(1,470m)は西側にあった。その先で追いついてきた男性を先に行かせる。その男性が途中でアイゼンを取り付けている間に先行するが、雪に埋まった笹の急斜面のところでまた抜かれる。アイゼンがなくても雪が柔らかい分には登れるが、尾根を少し外したトラバースになっている道がクラストしていると、傾斜はわずかであってもまるで歩きにくい。何度か滑って転ぶ。昨日の雨と風で、クラストしているところはたびたび出てきて、午前中は硬かった。灌木や枝を掴んだりしてなんとか前進。次に追い付いてきた男性はやや広い雪尾根で、踏跡を外してスノーシューで追い越していった。

1,588mある山藤山というピーク(その標識には往路では気づかなかった)に着き、そこからいったん下る。登り返しの途中の小ピークには河下山1,700mという標識がかかっていた。踏跡が輻輳していて、間違えたらしい人(最初に会った男性?)が思わぬ方向から出てきて歩いてゆく。登り返したところに黒滝山頂上1,754mの標識と三角点。南側が開けた狭い頂上で、見えているのは男鹿連峰の南側にある鴫内山(しぎうち)。その向こうには日光の山々。青空の下に山が立ち並び、平原には市街地が広がっている。人が大勢いて休んでいたので、一番奥でザックを降ろす。ペットコーヒー2/3とチーズパン。なんとかスキーブーツ用のアイゼンを夏靴に取付けようといろいろやってみたが、ぐらぐらしていたんではだめだろう。諦める。前週の三ツ石山や茶臼岳のように、全面クラストの地形に出会ったら登れないだろう。ピッケルストックを使って這って登るか。休んでいた人たちは次々に出てゆき、皆、大佐飛に向かう。最初に会った男性も出かけてゆき、私もその後に大佐飛に向かう。最初、尾根通しの踏跡をたどってすぐに間違いと気づき、北に斜面を下る踏跡を辿る。

雪に埋まった深い沢筋を越えるのは、上流の西側を越えるのが正解だが、古い赤テープはやや東側についていて、そこから踏跡は沢に下り、沢を登ってから左岸(北側)に上がる。帰りの時はここから沢に下らず、右岸に渡った。その先でも小さな沢筋を越え、雪尾根を辿って登り返したところが西村山1,775m。途中で休んでいて追い越した男性が追い付いてきて、先に行く。その男性は大きなカメラを持っていたが、再び会ったのは大佐飛頂上の100mくらい手前。西村山の先は雪尾根のトラバース気味の下り。ここも踏跡がなければとてもアイゼンなしの夏靴では進めなかっただろう。トラバース路から北に、那須連峰が見えた。その中央で白く光っているのは旭岳のようだ。

トラバースの先は細尾根の登りで、灌木の中の雪を拾って尾根の左右を登る。こんな細尾根のアップダウンでは、スキーでは登りも滑走も難しい。もってこなくてよかった。たどり着いたのは大長山1,866m。これは男鹿連峰で二番目の標高だったかもしれない。大長山から行く手に、初めて大佐飛を見る。それは東西に尾根を広げた大きな丸い山頂を持っていて、頂上まで緑の林が雪の白に混じり合っている。大佐飛の左に見えているのは最初、男鹿岳だろうと思ったが、それは1,872m峰。真っ白な角張った姿。更にその左に並ぶのが尾根続きの1,870m峰。更にその左は1,846m峰、そして日留賀山1,849mだろう。あの頂上からこちらを見ていたのは4年前。近く見える大佐飛まではまだ2㎞くらいはあるだろう。その間の曲がりくねった雪尾根が眼下に見えていて、雪尾根を下っていくと、もう戻ってくる人たちが小さく見える。最初に会ったのは2度目に追い越していったスノーシューの男性。このときもスノーシュー。その次は二人連れ。黒滝山にはいなかったメンバーだろう。

長い雪尾根を下り、登り返していく間に左右に広がる絶景を何度も撮影。右手(北)に見える那須連峰は旭岳を中心に、右に三本槍、朝日岳、茶臼岳が並び、左に大倉山が白く輝いている。登り返したところにも展望のあるテラスがあり、そこで大勢が休んでいた。私もそこで休むべきだったかもしれないが、皆、頂上に行って戻ってきて休んでいるのだろうと思い、先に進む。広いテラスのところから細尾根に登るあたりにも休んでいるパーティがいて、頂上はそのすぐ上だろうと思ったが、まだ数百メートル先だった。何人か頂上から戻ってきた人に会い、これが頂上だと思ったピークをいくつか通り過ぎ、背後の樹木の間に青空の見えるピークが現われ、そこが大佐飛山1,908mの頂上だった。古い頂上標識に新しい白い頂上標識。三角点は雪の下。ザックを降ろし、2度目の休憩。八甲田で食べ残したドーナツとホットレモン2/3。ウォークマンで聞いていたのはソフトマシーン。長年の目標だった栃木百名山の最難関、大佐飛山についに到達した。頂上の奥の樹間からわずかに見えていたのは、どうやら男鹿岳らしい。

休んでいる間に男性が一人やってきて、入れ替わりに下山。スキーならここからは滑走モードに入り、登りよりもかなり早く下山できるのだが、今回は夏靴。この下山は辛かった。少し東に張り出している大長山・二峰から見えていたのはどうやら黒滝山で、右手前に西村山が重なり、左肩は河下山、尾根続きの一段低いピークは山藤山と思われる。頂上を下り始めてすぐであった二人連れには西村山のあたりで抜き返され、頂上で会った男性もそのすぐ後で追い抜いていた。私が頂上から下っていくときにまたテラス付近で休んでいたパーティも大長山への途中で追い抜いて行った。テラスの先で出会った登ってきた二人連れを除き、この日に大佐飛に登った全ての人の中で、結局、私が一番遅かった。登りの6時間強はほぼ予定通りだし、帰路の約6時間もそう悪くないと思うが、健脚のレベルにはまだ遠いということだろう。まあ、昨年までのスローペースに比べれば、だいぶましになったと思うが、上には上がいるということだ。しかも大勢。苦しんで歩いている間、下山したら温泉に行き、サシミとニギリを買ってのんびり食べているのを想像する。大長山・二峰1,800mから南に見えていたのは、まさしく大滝山だったようだ。それは東西に尾根を伸ばし、左右にあるピークが河下山と西村山だろう。ずいぶん遠くまで来たものだ。

帰りも休憩は黒滝山だけにしようと思ったが、疲れがたまってきて辛い。だいぶ下ったところで行く手に見えたのは西村山。緑と白の丸いピーク。黒滝山はその陰で見えていない。追い越していった二人連れと男性が休んでいた西村山の頂上でザックを降ろし、ペットコーヒーを飲み干し、ナッツを少し食べる。もう一本、ペットコーヒーかポカリをもってくるんだった。ブルートゥースイヤホンのバッテリーが切れたので、取り換える西村山からの下りには広い雪斜面があり、そこはグリセードの跡だらけになっていた。スキーなら快調に滑るのだが、夏靴でのグリセードは全く下手。かかとを立て、ぐずぐずと降りていく。ようやく急な下りを終え、例の沢を二つ越え、黒滝山頂上に着くと、頂上で会った男性がいた。往路で黒滝山頂上に気づかず、通り過ぎてしまったらしい。いったん雲がちになった空はこのときには再び青空になり、本当に良い天気。朝に強くなりそうだった風もほとんど吹いておらず、朝クラストしていた登山道の雪は柔らかくなっていた。これなら夏靴でも下れる。

それでもサル山までは急な雪の下りが続き、ストックで支えてぎこちなく降りていく。腰が痛くなってきて、サル山の手前の雪の消えたマイナーピークで4度目の休憩。ホットレモンを飲み干す。GPSを見ながら苦しい下り。あと2㎞強。サル山を過ぎても急な下りは続く。よくこんな急なところを登ったものだ。ようやく三石山に着き、最後の休憩。あと2㎞弱。だいぶ傾斜が緩くなり、もうじき分岐かなと思ったが、まだ数百メートル先だった。やっと雪の消えた分岐に着き、残り400mの植林の急傾斜を下る。頭の中を温泉とサシミが駆け巡る。下の林道が見えたのはだいぶ下って残り80mくらいのところ。頂上出会った男性の車以外は誰もいない。200m歩き、駐車地点に戻り、ゆっくり片付けと着替えをしている間にあたりは暗くなってきて、車のヘッドランプを点灯して林道を下る。今日はよい一日だった。

林道から幹線道に出て、左折して温泉に向かうが、カーナビ入力した温泉の手前に別の温泉(幸の湯温泉・美肌の湯)があったので、そこに入る。500円。打たせ湯のある露天があり、露天で温まり、内湯でもっと温まる。大佐飛で会った人たちがいたような気がするが、確かではない。

 登山口

壁になっている林道の片側に古い百村山登山口の鉄ハシゴがあり、そこから更に先の新しい登山口に向かうと明かりが見え、そこにはなんと車が5~6台、すでに駐車していて、出発準備の人たちがいた。その最後尾につけようと思ったが、道幅が狭いので、もっと手前に戻ろうとバック。このとき迂闊にも車の後部を少しガードレールに摺ってしまう。やれやれ、板金塗装すると数万円。ヤスリと塗装剤を買って自分で直してみるか(結局、補修テープを貼る)。

 

登山口表示

 

植林の急な登り

私はこれまで、雪山はスキーで登り、滑走することでプランを立ててきた。夏靴のアイゼンを使ったのは飯豊・石転雪渓と白馬岳・大雪渓を登った時の軽アイゼンのみ。今回も夏靴を持っていくのは雪の無いところだけというプランだったから、軽アイゼンも持ってきていない。ザックからシールを出したとき、スキーブーツ用アイゼンも出すか考えたが、もしかしたらスキーブーツ用のアイゼンも使えるかと思い、持っていく。

 稜線の百村山への道

 


百村山の頂上

新しい登山口は長いアルミハシゴ。その上には急傾斜の植林。まだ下に残っていたのは最奥に駐車していた男性のみ。ハシゴを登り、急な植林を軽快に登っていくが、ここをスキーとブーツを担いで登っていたら、かなり苦しかっただろう。大佐飛までは10㎞、標高差1,200m(GPS実績標高差は1,600mだった)。これを日帰りするためには持ち物を軽量化し、さっさと歩かなければならない。

百村山の三角点


百村山の白い頂上標識


カタクリ保護の標識


 

次第に増えてきた雪

 

三石山の頂上標識


べったり張り付いてきた雪

西尾根を進むときにブルートゥース・イヤホンを取り出し、音楽を聴きながら歩く。カタクリの群落保護の標識を過ぎ、次の山は三石山1,257m。ここも顕著なピークではない。さっきの男性は最初、背中が見えていて追いつくかもと思ったが、すぐに見えなくなる。百村山手前から西尾根には雪があり、雪を踏んでいくが、両側は笹薮や灌木が出ており雪はなし。

さる山の頂上標識

雪の尾根


河下山の頂上標識


黒滝山


黒滝山への広い雪斜面


黒滝山の頂上

1,588mある山藤山というピーク(その標識には往路では気づかなかった)に着き、そこからいったん下る。登り返しの途中の小ピークには河下山1,700mという標識がかかっていた。踏跡が輻輳していて、間違えたらしい人(最初に会った男性?)が思わぬ方向から出てきて歩いてゆく。登り返したところに黒滝山頂上1,754mの標識と三角点。南側が開けた狭い頂上で、見えているのは男鹿連峰の南側にある鴫内山(しぎうち)

 黒滝山の頂上標識

黒滝山の三角点


黒滝山からの景観、地平線と鴫内山


西村山の頂上標識

雪に埋まった深い沢筋を越えるのは、上流の西側を越えるのが正解だが、古い赤テープはやや東側についていて、そこから踏跡は沢に下り、沢を登ってから左岸(北側)に上がる。帰りの時はここから沢に下らず、右岸に渡った。その先でも小さな沢筋を越え、雪尾根を辿って登り返したところが西村山1,775m。途中で休んでいて追い越した男性が追い付いてきて、先に行く。

 

西村山(中央)と黒滝山(奥)

 

大長山の頂上標識


初めて見えた大佐飛山

トラバースの先は細尾根の登りで、灌木の中の雪を拾って尾根の左右を登る。こんな細尾根のアップダウンでは、スキーでは登りも滑走も難しい。もってこなくてよかった。たどり着いたのは大長山1,866m。これは男鹿連峰で二番目の標高だったかもしれない。大長山から行く手に、初めて大佐飛を見る。それは東西に尾根を広げた大きな丸い山頂を持っていて、頂上まで緑の林が雪の白に混じり合っている。

 男鹿連峰: 日留賀岳、1,846m峰、1,870m峰、1,872m峰、大佐飛山、1,635m峰

 

1,872m峰と大佐飛山

 那須連峰: 1,635m峰、三倉山、大倉山、流石山、旭岳、三本槍岳、朝日岳、沼原湿原、茶臼岳、南月山、白笹山、黒尾谷岳

旭岳

 


 


高原山


大佐飛山頂上まであとわずか

広いテラスのところから細尾根に登るあたりにも休んでいるパーティがいて、頂上はそのすぐ上だろうと思ったが、まだ数百メートル先だった。何人か頂上から戻ってきた人に会い、これが頂上だと思ったピークをいくつか通り過ぎ、背後の樹木の間に青空の見えるピークが現われ、そこが大佐飛山1,908mの頂上だった。古い頂上標識に新しい白い頂上標識。三角点は雪の下。

 大佐飛山の頂上

 

大佐飛山の古い頂上標識

 大佐飛山の新しい頂上標識

男鹿岳


大長山

休んでいる間に男性が一人やってきて、入れ替わりに下山。スキーならここからは滑走モードに入り、登りよりもかなり早く下山できるのだが、今回は夏靴。この下山は辛かった。少し東に張り出している大長山・二峰から見えていたのはどうやら黒滝山で、右手前に西村山が重なり、左肩は河下山、尾根続きの一段低いピークは山藤山と思われる。

 大長山・二峰から見る黒滝山: 山藤山、河下山、黒滝山、西村山

 西村山

帰りも休憩は黒滝山だけにしようと思ったが、疲れがたまってきて辛い。だいぶ下ったところで行く手に見えたのは西村山。緑と白の丸いピーク。黒滝山はその陰で見えていない。追い越していった二人連れと男性が休んでいた西村山の頂上でザックを降ろし、ペットコーヒーを飲み干し、ナッツを少し食べる。もう一本、ペットコーヒーかポカリをもってくるんだった。

 グリセードだらけの西村山からの南斜面

 それでもサル山までは急な雪の下りが続き、ストックで支えてぎこちなく降りていく。腰が痛くなってきて、サル山の手前の雪の消えたマイナーピークで4度目の休憩。ホットレモンを飲み干す。GPSを見ながら苦しい下り。あと2㎞強。サル山を過ぎても急な下りは続く。よくこんな急なところを登ったものだ。ようやく三石山に着き、最後の休憩。

林道に向かって下る

あと2㎞弱。だいぶ傾斜が緩くなり、もうじき分岐かなと思ったが、まだ数百メートル先だった。やっと雪の消えた分岐に着き、残り400mの植林の急傾斜を下る。頭の中を温泉とサシミが駆け巡る。下の林道が見えたのはだいぶ下って残り80mくらいのところ。頂上出会った男性の車以外は誰もいない。200m歩き、駐車地点に戻り、ゆっくり片付けと着替えをしている間にあたりは暗くなってきて、車のヘッドランプを点灯して林道を下る。今日はよい一日だった。

 幸の湯温泉・美肌の湯

林道から幹線道に出て、左折して温泉に向かうが、カーナビ入力した温泉の手前に別の温泉(幸の湯温泉・美肌の湯)があったので、そこに入る。500円。打たせ湯のある露天があり、露天で温まり、内湯でもっと温まる。大佐飛で会った人たちがいたような気がするが、確かではない。