大中子山(おおなごやま)     桧枝岐の雪尾根の旅

福島県  1,844m  2020年3月1日

会津百名山

473

除雪終点のスペースをスコップで広げ、そこに駐車して出かける。雪の車道には古いスノーモービルの跡と新しい踏跡。

目標の牛首橋に達し、その手前を舟岐川右岸の支尾根に向かう。支尾根が行く手に見えているが、その手前に沢があり、そこでスキーを外し、歩いて沢を渡る。ちょうどそこにピンクリボンがあった。

支尾根の取付きが本日の最難関で、支尾根左端(北端)の細尾根を登る。傾斜が緩くなると行く手の支尾根が見え、もうしばらく登ってから最初の休憩。

支尾根は南東方向から東に向きを変え、東西長く伸びていて、その東西部分がよく見える。ただし、大中子山頂上はその先端のピーク(JP)の南側で、そこからは見えていない。

東西尾根は楽だろうと思ったのは間違いで、先に進むにつれて傾斜が増し、尾根幅も狭まり、苦戦。時々、南西方向に丸いピークの長須ヶ玉山、北に真っ白な会津駒の一角が見える。

広くて平坦なJPの南端に細尾根があり、細尾根の二つ目のピークが大中子山頂上だった。細尾根の狭い林の頂上には古い頂上標識が一つ。細尾根からは東にある山(帝釈山)が見えていた。

さあ、シールを外して滑走。東西尾根中盤あたりから尾根幅が広くなり、幅をとって灌木の間を滑走。前日の雨で朝はモナカ気味だった雪は日に照らされ、風で乾いてやや湿り気味のパウダーになっており、まずまず楽しめる。オープン斜面を見つけてショートターン滑走を数度、試みる。

そして最初の支尾根取付き斜面。急斜面下部にはオープンスペースがあり、思い切ってショートターン滑走。まあ、ここが本日のハイライトかな。

********

二日後、長須ヶ玉山・頂上からの帰りに、間違って北東斜面に滑り込んだ時、図らずも大中子山を見る。・・・・・滑り込むと突然、目の前に景観が広がっていた。樹木がないから当然なのだが、正面右に見えているのは帝釈山で、その左にあるごついのはどうも大中子山らしい。ふーん、こんな格好をしていたのか。


 二日後、長須ヶ玉山・頂上からの帰りに、間違って北東斜面に滑り込んだ時、図らずも大中子山を見る。・・・・・滑り込むと突然、目の前に景観が広がっていた。樹木がないから当然なのだが、正面にあるごついのはどうも大中子山らしい。ふーん、こんな格好をしていたのか。
 東西尾根から北に真っ白な会津駒の一角が見える: 左から会津駒ヶ岳(木の陰)、大戸沢岳、三岩岳
支尾根は南東方向から東に向きを変え、東西長く伸びていて、その東西部分がよく見える
 急斜面下部にはオープンスペースがあり、思い切ってショートターン滑走。まあ、ここが本日のハイライトかな。
 細尾根の狭い林の頂上には古い頂上標識が一つ
  8:11 駐車地点発、雪の車道  8:48 牛首橋、雪斜面取付き  9:02 渡渉点、最初の急坂10:49 尾根屈曲点13:44 JP・1,830m14:21 大中子山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り6時間10分14:36 大中子山発、滑走トラバース15:00 細尾根、往路合流15:27 広い尾根15:54 最初の急斜面16:08 渡渉点16:16 雪の車道16:32 駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復8時間21分

*************************

磐梯高原SAで3時に目覚めると、なんと雨が降っていた。天気予報を確認すると、やはり今日の天気は曇時々晴。天気予報がなんといおうと現実に雨が降っているのはどうしようもない。仕方ない帰るか、いや、せっかく来たんだ、下見に行っておこう。ガソリンは青森で129円で入れてきて、まだ170リットル残っていたので高速では給油しなかった。会津若松で給油しようと思ったが、エネオスは開いておらず、唯一開いていたコスモ・セルフはなんと155円なので寄らず。しかし、道沿いにたくさんあるエネオスは早朝にはみんな営業していない。田島まで来て、ようやくシェルが開いていて、そこも単価が高かったが、生協カードで払う(3月の協議価格は147円、まあいいか)。これでとりあえず桧枝岐まで行ける。雨が突然小雪に変わったが、また雨に戻り、がっかり。ところが、桧枝岐が近づくと、なんと青空が見えてきた。これなら登れそうだ。そこで道の駅桧枝岐でトイレにより、大中子山に向かう。今日は土曜。会津駒の登山口にスキーを並べているパーティがいた。

燧の湯の先の道は旅館街の先。侵入禁止の標識が立っていたが、雪の上に轍があり、様子を見に車で入る。すると、作業小屋の先で轍は消え、そこから先は轍のない雪の積もった車道が続いている。これならシールで歩けるな。除雪終点のスペースをスコップで広げ、そこに駐車して出かける。雪の車道には古いスノーモービルの跡と新しい踏跡。踏跡は途中の取水設備?のところまで、スノーモービルはずっと続いていたので、帝釈山あたりまで行っているのだろう。帝釈山登山口まで車で35分の表示。地図に無い橋が一つ。目標の牛首橋に達し、その手前を舟岐川右岸の支尾根に向かうが、雪壁が高くて登りにくいので、少し戻って登りやすいところをシールで登る。支尾根が行く手に見えているが、その手前に沢があり、それを越えるためには上流に向かわなくてはならない。そこで、手前北側の緩い斜面を登っていく。問題の沢はザアザア音を立てて流れており、こいつはだいぶ上流まで行かないとスノーブリッジはないだろう。

しかし、手前北側の斜面は次第に傾斜がきつくなり、それを登ってもしかたないので沢筋に下り、沢筋右岸を登ることにするが、すぐ先で右岸の雪が切れていて辿りにくい地形になっている。だが、沢もそこで幅が狭まっており、越えられそうだ。そこでスキーを外し、歩いて沢を渡る。ちょうどそこにピンクリボンがあった。そのピンクリボンはこの先もずっと頂上まで続いていた。支尾根の取付きが本日の最難関で、支尾根中央の沢状のくぼみをつづら折りで登るのが正解だったかもしれないが、支尾根左端(北端)の細尾根を登る。ブッシュがたくさん出ていて行く手を遮り、尾根幅も狭いので、数歩登ってはキックターンという効率の悪い登り。この頃は元気だったのでぐんぐん登るが、これでだいぶ体力消耗したかもしれない。ここを登り切ったら休憩しようと決めて登ったが、傾斜が緩くなると行く手の支尾根が見え、もうしばらく登ってから最初の休憩。ビスケットを半分食べ、ペットコーヒーを半分飲む。支尾根は南東方向から東に向きを変え、東西長く伸びていて、その東西部分がよく見える。ただし、大中子山頂上はその先端のピーク(JP)の南側で、そこからは見えていない。南西方向に長須ヶ玉山を見る。冷たい青空に丸い頭の大きな山。頂上は平だが、その手前の斜面はきつそうだ。登路の佐惣沢は裏側で見えていない。

東西尾根は楽だろうと思ったのは間違いで、先に進むにつれて傾斜が増し、尾根幅も狭まり、苦戦。しかも、恐れていた雪がシールに付くようになり、残り2kmくらいのところでブラシでシールの雪を落とし、2回目の休憩。ビスケットの残りを食べ、ホットレモンを2/3ほどまで飲む。時々、南西方向に丸いピークの長須ヶ玉山、北に真っ白な会津駒の一角が見える。シールの雪はこの後もしつこく付き、5~6回、ブラシで落とすが、凍り付いて取れない氷はブラシの台座で落とす。東西尾根の東端手前も結構な急斜面だったが、登り切ると、そこ(JP)はだだっぴろい平坦な林になっていた。こいつはGPSがないと方角が分からないだろう。やや南東方向に向かう。広くて平坦なJPの南端に細尾根があり、細尾根の二つ目のピークが大中子山頂上だった。ここもGPSが無ければ、どこが頂上なのか分からないだろう。細尾根の狭い林の頂上には古い頂上標識が一つ。もう一つの標識は何かの記念?頂上の眺望はないが、細尾根からは東にある山(帝釈山)が見えていた。

さあ、シールを外して滑走。登り返しがあるから、東西尾根の東端ピークまでシールでもよいのだが、あんなに雪がつくのではかなわない。最初の細尾根ピークは西側トラバース。東端ピーク(JP)もトラバースだが、滑走一辺倒だと下りすぎてしまうので、半分横登りで往路ルートから離れすぎないようにする。これもGPSが無ければ難しい。東西尾根に戻るとき、これだろうと思った尾根は一つ南の枝尾根で、それを乗り越えた先で東西尾根の往路トレースに合流。東西尾根の東半分は細尾根急斜面で灌木ブッシュが多くてすこぶる滑りにくい。ときどき南もしくは北斜面を滑走するが、ここも滑れるところは限られていた。東西尾根中盤あたりから尾根幅が広くなり、幅をとって灌木の間を滑走。前日の雨で朝はモナカ気味だった雪は日に照らされ、風で乾いてやや湿り気味のパウダーになっており、まずまず楽しめる。オープン斜面を見つけてショートターン滑走を数度、試みる。さんざん疲れていたのに、足もまったく痛くなく、気ままに滑走を楽しむ。

東西尾根の西端も細尾根になっていて、ここも北斜面をトラバースして南東尾根に滑り込む。そして最初の支尾根取付き斜面。ここは登ってきた狭い北東端尾根ではなく、広い沢状斜面に滑り込む。上部は結構な急斜面にブッシュなどの障害物も多くいのでショートターンとはいかず、斜めにブッシュを避けて滑走。右に滑走して北東尾根の往路トレースを確認しようとしたが、無い。それは一つ南西側の枝尾根で、それを越え、沢状を越えて北東尾根の往路トレースを確認。急斜面下部にはオープンスペースがあり、思い切ってショートターン滑走。まあ、ここが本日のハイライトかな。終盤でもう一本、ショートターンを滑り、渡渉地点に帰着。スキーを外して沢を渡り、後は雪の車道までゆるゆると(結構スピードが出る)滑走。車道の前半は傾斜があまりなく、かかとのビンディングを外して滑り歩き。後半は傾斜が出てきて滑走し、駐車地点に戻る。

駐車地点の雪は少し融けていた。ブーツとスキーを片付け、着替えてから燧の湯に行く。山のすぐ近くに温泉があるというのは実にいい。2月にしては穏やかな日だったが、さすがに露天は寒くて、2度目は内湯で温まる。翌日の予報は雨だが翌々日は晴予報。次は長須ヶ玉山にチャレンジしよう。大中子山には5hのプランだったが、中国ツアーのときの調子からもっと早く登れるだろうと思って最初は快調だった。だが、シールに雪が付きはじめ、ペースも落ち、頂上は遠かった。たぶん登りは6h。帰りの滑走も前半は苦戦し、途中から陽射は夕陽になっていた。でも、これだけの山に朝8時から17時、9時間(8時間半弱)で往復できたのはまあまあか。昨年までの体力だと10時間以上かかっていただろう。

********

二日後、長須ヶ玉山・頂上からの帰りに、間違って北東斜面に滑り込んだ時、図らずも大中子山を見る。・・・・・滑り込むと突然、目の前に景観が広がっていた。樹木がないから当然なのだが、正面右に見えているのは帝釈山で、その左にあるごついのはどうも大中子山らしい。ふーん、こんな格好をしていたのか。

 R352から燧の湯、舟岐川沿いの車道へ 

磐梯高原SAで3時に目覚めると、なんと雨が降っていた。天気予報を確認すると、やはり今日の天気は曇時々晴。天気予報がなんといおうと現実に雨が降っているのはどうしようもない。仕方ない帰るか、いや、せっかく来たんだ、下見に行っておこう。ガソリンは青森で129円で入れてきて、まだ170リットル残っていたので高速では給油しなかった。会津若松で給油しようと思ったが、エネオスは開いておらず、唯一開いていたコスモ・セルフはなんと155円なので寄らず。

 

雪の車道を行く

帝釈山登山口まで車で35分の表示


牛首橋

燧の湯の先の道は旅館街の先。侵入禁止の標識が立っていたが、雪の上に轍があり、様子を見に車で入る。すると、作業小屋の先で轍は消え、そこから先は轍のない雪の積もった車道が続いている。これならシールで歩けるな。除雪終点のスペースをスコップで広げ、そこに駐車して出かける。雪の車道には古いスノーモービルの跡と新しい踏跡。踏跡は途中の取水設備?のところまで、スノーモービルはずっと続いていたので、帝釈山あたりまで行っているのだろう。

 車道から雪斜面への取付き点

 

取付いた先はなだらかな雪原


渡渉点


最初の急登、細尾根を登る


 広い尾根

 

行く手のJP


尾根の屈曲点

しかし、手前北側の斜面は次第に傾斜がきつくなり、それを登ってもしかたないので沢筋に下り、沢筋右岸を登ることにするが、すぐ先で右岸の雪が切れていて辿りにくい地形になっている。だが、沢もそこで幅が狭まっており、越えられそうだ。そこでスキーを外し、歩いて沢を渡る。ちょうどそこにピンクリボンがあった。

 会津駒ヶ岳(木の陰)、大戸沢岳、三岩岳

 


大戸沢岳


三岩岳


だだっ広い斜面


尾根の中間点付近、次第に細尾根


頂上を垣間見る


長須ヶ玉山

大中子山への尾根から南西方向に長須ヶ玉山を見る。冷たい青空に丸い頭の大きな山。頂上は平だが、その手前の斜面はきつそうだ。登路の佐惣沢は裏側で見えていない。

 長須ヶ玉山

 


 

真っ平らなJP頂上


帝釈山


吊尾根


大中子山の頂上

東西尾根の東端手前も結構な急斜面だったが、登り切ると、そこ(JP)はだだっぴろい平坦な林になっていた。こいつはGPSがないと方角が分からないだろう。やや南東方向に向かう。広くて平坦なJPの南端に細尾根があり、細尾根の二つ目のピークが大中子山頂上だった。ここもGPSが無ければ、どこが頂上なのか分からないだろう。細尾根の狭い林の頂上には古い頂上標識が一つ。もう一つの標識は何かの記念?頂上の眺望はないが、細尾根からは東にある山(帝釈山)が見えていた。

 頂上標識

登頂記念?


 

頂上のスキーとストックとザック

 


頂上からのトラバース滑走

さあ、シールを外して滑走。登り返しがあるから、東西尾根の東端ピークまでシールでもよいのだが、あんなに雪がつくのではかなわない。最初の細尾根ピークは西側トラバース。東端ピーク(JP)もトラバースだが、滑走一辺倒だと下りすぎてしまうので、半分横登りで往路ルートから離れすぎないようにする。これもGPSが無ければ難しい。東西尾根に戻るとき、これだろうと思った尾根は一つ南の枝尾根で、それを乗り越えた先で東西尾根の往路トレースに合流。

 

尾根の滑走


広い斜面の滑走


最初の急斜面の滑走

上部は結構な急斜面にブッシュなどの障害物も多くいのでショートターンとはいかず、斜めにブッシュを避けて滑走。右に滑走して北東尾根の往路トレースを確認しようとしたが、無い。それは一つ南西側の枝尾根で、それを越え、沢状を越えて北東尾根の往路トレースを確認。急斜面下部にはオープンスペースがあり、思い切ってショートターン滑走。まあ、ここが本日のハイライトかな。

 雪の車道の滑走

駐車地点の雪は少し融けていた。ブーツとスキーを片付け、着替えてから燧の湯に行く。山のすぐ近くに温泉があるというのは実にいい。2月にしては穏やかな日だったが、さすがに露天は寒くて、2度目は内湯で温まる。翌日の予報は雨だが翌々日は晴予報。次は長須ヶ玉山にチャレンジしよう。大中子山には5hのプランだったが、中国ツアーのときの調子からもっと早く登れるだろうと思って最初は快調だった。

 

燧の湯

(2020年3月3日)

 長須ヶ玉山・北東斜面から見る大中子山

二日後、長須ヶ玉山・頂上からの帰りに、間違って北東斜面に滑り込んだ時、図らずも大中子山を見る。・・・・・滑り込むと突然、目の前に景観が広がっていた。樹木がないから当然なのだが、正面右に見えているのは帝釈山で、その左にあるごついのはどうも大中子山らしい。ふーん、こんな格好をしていたのか。

 大中子山(上記の拡大)