芦別岳  迫力の景観と圧巻の大斜面滑走

北海道・夕張山系  1,727m  2020年4月18日

日本二百名山

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雲峰山頂上の西側をトラバースして正面に芦別岳を見る。壁のような雪の大斜面、その右上にそびえる岩峰の芦別岳は迫力満点。

雲峰山とP9の間のコルでアイゼンに変え、最後の登り。まっすぐ上に登っていくと次第に傾斜が増し、最大斜度のところでは両方のピッケルストックのピッケルを雪に差し、両手両足を使って登り、頃合いで岩尾根の上に上がる。すると、芦別岳頂上はすぐ先だった。

14年ぶりの芦別岳頂上標識に二等三角点。北には真柏山、御茶々山、西富良野岳が並び、東には大雪山と十勝連峰、南には釣鐘のような姿の夕張岳、その左奥に見えているのは日高の山々(沙流岳?)だろうか。ゆっくりホットレモンを飲む。

頂上の少し下にあるトラバースルートの起点までスキーを持って下り、滑走開始。絶壁の上から大斜面の上までトラバースし、大斜面の滑走開始。

広めのターンを数回。下っていくと適度な雪質になり、ショートターン開始。この日のハイライト・・・・は短かった。そのまま滑っていくと谷底なので、途中で往路トレースに戻り、雲峰山のハイマツ帯の少し下までトラバース滑走して南側に回り込む。

そのままトラバースしていって雲峰山の南東斜面をショートターン滑走。ここも結構な急斜面なので、この日二つ目のハイライト・・・・・だが、そこを下ると登り返しになりそうなので、雲峰山の南正面に戻り、そこから半面山の北側に向かう。

尾根の北側をトラバースして往路に戻ると、そこからはもうベタベタの雪。次第にヤブがうるさくなってきて滑りにくくなり、P4を超えたところ(呻吟坂(序曲)の手前だった)でシートラに変更。ストックを使ってゆっくり下る。

二度目の芦別岳はやはり強烈だった。頂上直下の大斜面滑走は圧巻。雲峰山から見る迫力の芦別岳はすさまじかった。

 二度目の芦別岳はやはり強烈だった。頂上直下の大斜面滑走は圧巻。雲峰山から見る迫力の芦別岳はすさまじかった。(この写真は前日、南東方向から見た芦別岳)
 雲峰山で振り返り、迫力の芦別岳を再び見上げる。岩峰の芦別岳頂上に向けて最短ルートを登ったアイゼンの踏跡。左に広がる大斜面には圧巻の滑走トレース。
 夫婦岩とXルンゼ(2006年5月3日)
 芦別岳頂上とアトミック・バックランド
 頂上からの滑走
 4:32 駐車地点発、徒歩  4:39 登山口  6:28 シール、P3・617m10:04 半月山10:49 アイゼン1,470m11:09 雲峰山・西側通過12:45 芦別岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り8時間13分13:02 芦別岳発、滑走13:16 雲峰山西側通過14:28 滑走終了、徒歩16:13 登山口16:16 駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復11時間44分

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道の駅みなみふらので夜トイレに行くとき、前夜ほどではないが星が見えていて、この日も晴れることが予想された。2時に起きて着替えて朝食を食べ、道の駅を出る。芦別登山口は遠くなく、暗いうちに着いてしまいそうだ。スピードを抑えて進むが、やがて行く手にシルエットの芦別が見えてきて、そして登山口の少し奥にある駐車場に駐車。昨晩見たネットでは、今年3月の芦別スキー登山が記録されていて、登山口からシールで登っている。これは夏道尾根とは違う尾根のようだが、もっとよく調べておくんだった。ヘッドランプを付けて準備するが、歩き始めるころにはもう明るくなっていた。ヘッドランプを仕舞い、歩き始める。登山口のゲートは動物除けと思われるが、その両側のネットが機能しているかは不明。ゲートを開けて入り、閉めておく。まだ早朝の夏道は硬く、それほどスキーブーツは汚れないだろう。だが、帰路のときは泥んこだろう。往路の時はしばらくずっと土の道だと感じていたが、復路のときは夏道の上の雪をずいぶん長く歩いた。ほとんど雪が無かったのは登山口から300mくらいだったと思う。

P1・460mはほとんど雪なし、P2・540mあたりで雪を踏むようになり、P3・617mの先でシールに変える。全行程6㎞弱のまだ1/4。早めだが最初の休憩。パンを食べる。その先に呻吟坂(序曲)があったが、シールで登れる。スノーシューとスキーシールのトレースがあり、スノーシューは尾根沿い、シールトレースは尾根のマイナーピークをトラバースしていく。辿りやすいシールトレースを辿る。P4・720m、P5・980m、P6・1,107mをトラバース。二度目の休憩はP5を越えたあたり。距離は1/2。バナナを食べる。P5からは半面山がすぐ近くに見えていたが、半面山は遠かった。そこからは細尾根で、ほとんど尾根の左右いずれかをトラバース。細尾根を抜けて広くなってくると視界も開け、右手樹間に見えていた夫婦岩が障害物なしに見え、その左奥に雲峰山と芦別岳頂上が見えている。あんなに近く見えているが、半面山から雲峰、雲峰から芦別まではそれぞれ1時間はかかるだろう。夫婦岩は、前回(2006年)来たときはXルンゼが見事だったが、今回ははっきり映っていない(ちゃんと見なかったのかもしれない)。

半面山の手前の眺めの良い広い稜線から東に並ぶ十勝連峰を写していると、男性が一人やってきた。その人は半面山に寄らずにトラバースしてゆき、雲峰山の方角に登っていった。その後、その人が屏風岩のあたりにいるのを見たが、雲峰山や芦別岳にはやってこなかった。私は一応、半面山頂上に向かう。そこには14年前に見た記憶がある頂上標識はなかったが、小さな鐘があった(熊鈴?)。半面山から雲峰山へはいったん下り。さっきの男性のたどったルートだと復路で登り返しなしに戻れるのかもしれない。シール滑走で滑り降りると雲峰山に登るシール・トレースがあり、それを辿るが、そのトレースは急斜面をつづら折りなしにほとんどまっすぐ登っていた。雪は次第に硬くなり、次第に不安になる。両手で支え、少し斜めにトレースを辿り、そしてトレースを逸れ、最初は右、切り返して左に進んでトレースに合流し、雲峰山頂上の西側をトラバースして正面に芦別岳を見る。芦別の南西斜面には滑走トレースが数本ついていて、彼らはだいぶ下まで滑り降り、そこから雲峰山の西側に登り返したらしい。雲峰山と芦別岳の間にはマイナーピーク(P9・1,560m)があり、先行トレースは雲峰山と芦別岳の間の二つのコルに全く下ることなく、緩く登るトラバースを描いていた。雲峰の西ではハイマツが出ていて、少しその上を歩く。

先行トレースは芦別岳頂上への急斜面を相変わらずシールで登り続けていたが、私にはもう限界だ。雲峰山とP9の間のコルでアイゼンに変え、3度目の休憩をとる。P9をトラバースし、最後の登り。斜め左に登っていくスキートレースを外れ、まっすぐ上に登っていくと次第に傾斜が増し、最大斜度のところでは両方のピッケルストックのピッケルを雪に差し、両手両足を使って登り、ようやく傾斜が緩くなってストックで立てるようになる。岩の出ている頂上稜線の少し下の雪の上を頂上に向かってトラバースしていくトレースに乗が、このトラバース・トレースはほとんど水平で歩いて進みにくいので、頃合いで岩尾根の上に上がる。すると、芦別岳頂上はすぐ先だった。14年ぶりの芦別岳頂上標識に二等三角点。北には真柏山、御茶々山、西富良野岳が並び、東には大雪山と十勝連峰、南には釣鐘のような姿の夕張岳、その左奥に見えているのは日高の山々(沙流岳?)だろうか。ゆっくりホットレモンを飲む。

頂上でスキーを履き、少し下にあるトラバースルートを西に滑走しようと思ったが、狭いところをターンしないといけない。だが、その下は絶壁なのでターンするのはやめておこう。トラバースルートの起点までスキーを持って下り、そこでスキーを履き、この日のための滑り止め(リーシュ)をセットするが、片方のリングがうまく入らないので片方だけで滑走開始。絶壁の上から大斜面の上までトラバースし、一安心。そこでもう片方の滑り止めもセットし、大斜面の滑走開始。14年前のあの感激をもう一度・・・・と思ったが、この日の雪は強い風のためか硬く、とてもショートターンできない。広めのターンを数回。右ターンの加重のときに左スキーがガタつくが、下っていくと適度な雪質になり、ショートターン開始。この日のハイライト・・・・は短かった。そのまま滑っていくと谷底なので(先行滑走トレースはずっと続いていた)、途中で往路トレースに戻り、雲峰山のハイマツ帯の少し下までトラバース滑走して南側に回り込む。そのままトラバースしていって雲峰山の南東斜面をショートターン滑走。ここも結構な急斜面なので、この日二つ目のハイライト・・・・・だが、そこを下ると登り返しになりそうなので、雲峰山の南正面に戻り、そこから半面山の北側に向かう。そこから尾根の北側をトラバースしていけば往路に戻れるはずだが、途中に深い谷があってトラバースしにくいので、横登りで広い尾根の少し手前まで登り返す。

尾根の北側をトラバースして往路に戻ると、そこからはもうベタベタの雪。細尾根のところは南側をトラバースしていくが、もたもたしたいると雪が崩れてずり落ちてしまうので、さっさと滑走。復路の最初の休憩は往路と同じP5のあたり。次第にヤブがうるさくなってきて滑りにくくなり、P4を超えたところ(呻吟坂(序曲)の手前だった)でシートラに変更。シートラにしてからはストックを使ってゆっくり下る。ブーツが泥で汚れないよう気を遣う。風が湿り気を帯びてきて、こいつは雨が降りそうだと思う。残り1㎞のあたりからGPSを何度も見ながら歩き、残り数百メートルで登山口ゲートが見えるが、その少し前から雨が降り出した。土砂降りでないから道はそれほど変わらない。工事の音が聞こえていたが、それは駐車場の近くだった。車に戻り、ブーツの汚れをブラシで落とし、更にウェットティッシュで拭き、助手席の下に入れて乾かす。スキーにもワックスを塗り、着替えて車に入り、少し仮眠をとってから車を出す。二度目の芦別岳はやはり強烈だった。頂上直下の大斜面滑走は圧巻。雲峰山から見る迫力の芦別岳はすさまじかった。

 早朝の南富良野市街

道の駅みなみふらので夜トイレに行くとき、前夜ほどではないが星が見えていて、この日も晴れることが予想された。2時に起きて着替えて朝食を食べ、道の駅を出る。芦別登山口は遠くなく、暗いうちに着いてしまいそうだ。スピードを抑えて進むが、やがて行く手にシルエットの芦別が見えてきて、そして登山口の少し奥にある駐車場に駐車。

 

朝焼けの夕張岳

 南東から見る芦別岳

 


北から見る芦別岳


 槙柏山、御茶々山、松籟山

 

芦別岳


登山口のゲート


雪が増えてきた夏道

P1・460mはほとんど雪なし、P2・540mあたりで雪を踏むようになり、P3・617mの先でシールに変える。全行程6㎞弱のまだ1/4。早めだが最初の休憩。パンを食べる。その先に呻吟坂(序曲)があったが、シールで登れる。スノーシューとスキーシールのトレースがあり、スノーシューは尾根沿い、シールトレースは尾根のマイナーピークをトラバースしていく。辿りやすいシールトレースを辿る。P4・720m、P5・980m、P6・1,107mをトラバース。

 呻吟坂・序曲


見晴台


 広くなった尾根

 

夫婦岩


夫婦岩とXルンゼ(2006年5月3日)


屏風岩


 十勝連峰:美瑛富士、オプタテシケ?十勝岳、前富良野岳、富良野岳?境山?

富良野岳

 大雪山連峰:愛別岳?比布岳、北鎮岳、旭岳、白雲岳

 

芦別岳と雲峰山

 


半面山の鐘(熊鈴?)


 半面山の頂上標識(2006年5月3日)

芦別岳

半面山の手前の眺めの良い広い稜線から東に並ぶ十勝連峰を写していると、男性が一人やってきた。その人は半面山に寄らずにトラバースしてゆき、雲峰山の方角に登っていった。その後、その人が屏風岩のあたりにいるのを見たが、雲峰山や芦別岳にはやってこなかった。私は一応、半面山頂上に向かう。そこには14年前に見た記憶がある頂上標識はなかったが、小さな鐘があった(熊鈴?)。

 芦別岳

 芦別岳

 芦別岳

 

沙流岳?

 

芦別岳


急斜面を登る


 

背後の踏跡と雲峰山

 


芦別岳の頂上

先行トレースは芦別岳頂上への急斜面を相変わらずシールで登り続けていたが、私にはもう限界だ。雲峰山とP9の間のコルでアイゼンに変え、3度目の休憩をとる。P9をトラバースし、最後の登り。斜め左に登っていくスキートレースを外れ、まっすぐ上に登っていくと次第に傾斜が増し、最大斜度のところでは両方のピッケルストックのピッケルを雪に差し、両手両足を使って登り、ようやく傾斜が緩くなってストックで立てるようになる。

 芦別岳の頂上標識とアトミック・バックランド

 岩の出ている頂上稜線の少し下の雪の上を頂上に向かってトラバースしていくトレースに乗が、このトラバース・トレースはほとんど水平で歩いて進みにくいので、頃合いで岩尾根の上に上がる。すると、芦別岳頂上はすぐ先だった。14年ぶりの芦別岳頂上標識に二等三角点。北には真柏山、御茶々山、西富良野岳が並び、東には大雪山と十勝連峰、南には釣鐘のような姿の夕張岳、その左奥に見えているのは日高の山々(沙流岳?)だろうか。ゆっくりホットレモンを飲む。

二等三角点


 大雪山連峰:愛別岳?比布岳、北鎮岳、旭岳、白雲岳

 頂上から北の景観:1,490m峰、崕山、中天狗、夫婦岩、布部岳、御茶々山、松籟山、富良野西岳、槙柏山

 

夕張岳

 


北東の谷を見下ろす


 頂上からの滑走

頂上でスキーを履き、少し下にあるトラバースルートを西に滑走しようと思ったが、狭いところをターンしないといけない。だが、その下は絶壁なのでターンするのはやめておこう。トラバースルートの起点までスキーを持って下り、そこでスキーを履き、この日のための滑り止め(リーシュ)をセットするが、片方のリングがうまく入らないので片方だけで滑走開始。

 東斜面への滑走

 絶壁の上から大斜面の上までトラバースし、一安心。そこでもう片方の滑り止めもセットし、大斜面の滑走開始。14年前のあの感激をもう一度・・・・と思ったが、この日の雪は強い風のためか硬く、とてもショートターンできない。広めのターンを数回。右ターンの加重のときに左スキーがガタつくが、下っていくと適度な雪質になり、ショートターン開始。この日のハイライト・・・・は短かった。

東斜面の滑走、ショートターンを少し

そのまま滑っていくと谷底なので(先行滑走トレースはずっと続いていた)、途中で往路トレースに戻り、雲峰山のハイマツ帯の少し下までトラバース滑走して南側に回り込む。

滑走トレースと登りトレース

そのままトラバースしていって雲峰山の南東斜面をショートターン滑走。ここも結構な急斜面なので、この日二つ目のハイライト・・・・・だが、そこを下ると登り返しになりそうなので、雲峰山の南正面に戻り、そこから半面山の北側に向かう。そこから尾根の北側をトラバースしていけば往路に戻れるはずだが、途中に深い谷があってトラバースしにくいので、横登りで広い尾根の少し手前まで登り返す。

滑走トレースと登りトレースと頂上


2006年の滑走トレース


雲峰山からの滑走

 

尾根の滑走

尾根の北側をトラバースして往路に戻ると、そこからはもうベタベタの雪。細尾根のところは南側をトラバースしていくが、もたもたしたいると雪が崩れてずり落ちてしまうので、さっさと滑走。復路の最初の休憩は往路と同じP5のあたり。次第にヤブがうるさくなってきて滑りにくくなり、P4を超えたところ(呻吟坂(序曲)の手前だった)でシートラに変更。

細尾根の滑走


 

雪が減った夏道を歩いて下る

 


駐車地点