富良野西岳 姿を変える山
北海道・夕張山系 1,331m 2020年4月15日
北海道百名山
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富良野西岳を初めて見たのは旭川から富良野に向かってR237を南下していたとき。富良野スキー場の上に鋭い針のようなピークが立っている。あれはなんという山だろうと思い、カーナビを見てそれが富良野西岳だと分かった。
富良野スキー場に近づくと、富良野西岳は鋭いピークの手前に平らな稜線を張り出し、次第に横長の姿に変わっていく。富良野西岳は見る方角によってまるで姿を変える山だった。
でかいゴンドラの左側に立っていると、やがて富良野西岳が見えてくる。それはあの針のようなピークではなく、横長の平べったいピークだった。
リフト・トップから細尾根を慎重に下り、でシールを貼る。北西方向から見る富良野西岳はずんぐりした丸い姿になっていて、北から見た鋭鋒の姿は微塵もない。
コル1,130mに着くとトレースは二手に分かれ、富良野西岳に向かう。この日は早めにアイゼンに変更。頂上のやや右(北)の稜線に上がり、稜線を北にたどり、ピークを二つほど左からトラバースすると、富良野西岳の頂上が間近に見えた。そこには頂上標識が立っていて、三角点も雪の上に見えていた。
登りたかったこの山に登れてうれしかった。まるで空の上にいるような狭い頂上に立っているのは特別な気分だった。
スキーを履いて帰路につく。狭い稜線を横滑りで下り、往路のオープンスペースをさっそくショートターン滑走。
(2020年4月18日)
道の駅みなみふらのから芦別岳に向かうと、稜線の上から雪庇を垂らした横長の山が見え、それは東側から見る富良野西岳だった。北側から見る細い鋭鋒の富良野西岳とはまるで違う山に見える。
その後、芦別岳の頂上から見た富良野西岳は右に傾いた細尾根の姿。東側には雪庇。これらが同一の山だとは、一瞥しただけでは分からないだろう。
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富良野西岳を初めて見たのは旭川から富良野に向かってR237を南下していたとき。富良野スキー場の上に鋭い針のようなピークが立っている。あれはなんという山だろうと思い、カーナビを見てそれが富良野西岳だと分かった。たぶんオプタテシケか十勝岳に登った時だろう。その後、その針のような山に、富良野スキー場からスキーで登れるということが分かり、プランを組んだが、いつでも登れるだろうと思い、なかなか足が向かなかった。スキー場のリフトトップからすぐのように思っていたが、細尾根を行く以外に難しいコースのようで、ガイドにも4月以降と記載があった。だから、富良野西岳をチャレンジ・ファイブに入れ、今回、登ることにした。
「道の駅丘のくらびえい」というのはホテルの隣にある蔵の中に店やトイレがあり、駐車場はその横。ちょっと変わった造り。Wifiが他の道の駅と違っていて使えないのが残念。スキー場は9時からなので5時に起き、8時頃に道の駅を出る。国道を南下していくと十勝連峰は雲をかぶっていたが、真っ白な芦別岳が見え、そしてその手前に富良野西岳がスキー場の上に見えた。ようやくあの山に登ることができる。だが、富良野スキー場の雪は下の方は消えているように見えた。ロープウェイで上がって上の方だけやっているのだろうか。富良野スキー場には乗り場が二つあり、最初に向かった北ノ峰のほうはもうクローズしていて、ロープウェイの方に向かう。富良野スキー場に近づくと、富良野西岳は鋭いピークの手前に平らな稜線を張り出し、次第に横長の姿に変わっていく。富良野西岳は見る方角によってまるで姿を変える山だった。雪の消えた砂利の駐車場には10台程度駐車していたが、少し上にも別の駐車場があった(従業員用かもしれない)。準備をしている間にも何台かがやってきた。ここにも関東(関西だったかな?)ナンバーの車がいた。フェリーで来たのだろうか。
シニア一日券を4500円で購入。一日中乗るつもりはないが、富良野スキー場の記念にしたかった。だが、プリンスホテルのマークしかなくていまいち。9時の始発は行ってしまい、次の便を待つ。若いボーダーたちにベテランのスキーヤー。私の後にチケットを買っていた人もシニア券を買っていた。でかいゴンドラの左側に立っていると、やがて富良野西岳が見えてくる。それはあの針のようなピークではなく、横長の平べったいピークだった。あの切り立った細尾根を登っていくのは難しい。登路は北側からだろう。ロープウェイから一番上にあるリフト(ダウンヒル第三ロマンス)に乗り、北ノ峰の頂上付近に至る。左右のコースのうち左に少し下ったところかなと思ったが、GPSによるとルートはリフトの真後ろ。そこに踏跡が一つあったので、そこに上がるが、実はゲレンデ外へのゲートが右コースの少し下にあった。まあ、大差なし。リフト・トップからGPSによると最初は下りなので、シールを貼らずにスキーで行くが、最初は傾斜がなくてストックで押していく。林を抜けたところに北ノ峰1,084m頂上があったが、往路のときは気づかずに太いトレースを辿る。登っている人は多そう。スキーとスノーシューだろう。
細尾根を慎重に下り、トラバース気味のところがコルのようだったのでシールを貼る。北西方向から見る富良野西岳はずんぐりした丸い姿になっていて、北から見た鋭鋒の姿は微塵もない。まだ1㎞以上あるだろう。細尾根の途中にあるP2・1,124mもトラバースし、富良野西岳のすぐ北西にあるP3・1,237mに向かう。P3・1,237mにも登らずにトラバースするのだろうが、ルートはP3に向かってしばらく登っていき、途中からP3と富良野西岳のコルに向かって登っていく。コル1,130mに着くとトレースは二手に分かれ、スキートレースはコルの南西に下っていた。たぶん布部岳に向かっているのだろう。まず富良野西岳に向かう。傾斜は急になってくるが雪が柔らかいうちはシールで登れるだろう。だが、やがてクラストした斜面が現われ、この日は早めにアイゼンに変更。やはり柔らかいところもあってそんなに楽ではなかったが、つま先を差し込んでおいて体重を前にかけ、それから踏み込んでいくというアイゼンの歩き方を思い出し、リズムをとって登っていく。やがて稜線手前にある雪原に出るが、正面に見える富良野西岳の頂上まではまだ200mほど。そこから頂上のやや右(北)の稜線に上がり、切り立った東斜面とその向こうの平原を見下ろすが、遠景は曇っていて見えない。稜線を北にたどり、ピークを二つほど左からトラバースすると、富良野西岳の頂上が間近に見えた。そこには頂上標識が立っていて、三角点も雪の上に見えていた。
登りたかったこの山に登れてうれしかった。雲が増え、雪も降りだしていたので景色はいまいちだったが、まるで空の上にいるような狭い頂上に立っているのは特別な気分だった。南に布部岳が見えていたが、そこまではまだ細尾根が続いており、雪も降っていたので今日は止めておくことにする。無理をすると翌日に影響するだろう。腰を下ろしてパンを食べ、ホットレモンをゆっくり飲み、それからスキーを履いて帰路につく。狭い稜線を横滑りで下り、往路のオープンスペースをさっそくショートターン滑走。ややモナカ気味で、1回転倒したと思う。それからはスキーがとられないように慎重に滑走。北ノ峰にはシールで登り返そうと思ったが、その手前はスキーで通したいので、P2手前で登り返さずに往路よりも下をトラバースしていくスキートレースを辿り、頃合いでシールを貼る。P2を越えてから少し登り返し、雪庇を越えて往路に戻るが、登り返さずに雪庇の下を更に進んでいるスキートレースもあった。北ノ峰に登り返し、GPSを見ながら北ノ峰頂上1,084mまで登ってみる。踏跡はあったが、頂上には何もなかった。北ノ峰頂上でシールを外し、滑走再開。雪庇の間を豪快に滑り下り、林を抜けてリフトの真後ろに出て、右(北)コースに向かうと、そこにゲレンデ外のゲートと注意書き*があった。
*「バックカントリーに出る前に、ここより先はスキー場ではありません」
最上部リフト北コースを豪快に滑り、そこからロープウェイ沿いのザイラー・ゲレンデを滑ろうと思ったが、初級とある。背後を見ると、最上部リフト南コースを軽快に滑っているスキーヤーがいて、それを滑りにもう一度最上部リフトに乗る。確かにそれは急な斜面で、ターンするとスキーがガタガタぶれる。ロープウェイの右(南)ルートが中級だったのでそっちを滑り、合流点をいくつか通過し、そして麓駅に着く。ところどころ雪が薄くなっているところはあったが、滑り切れた。ただし気温が高いせいか雪はべたべた。トイレによってから駐車場に戻り、ゆっくり片付け。
白銀荘へは東の道が閉鎖されているので、再び道の駅びえいに泊まることにし、プリンスホテルの温泉は営業していなかったので、富良野と美瑛の中間にあるスーパー(BESTOM)と温泉(万華の湯)に寄っていく。980円だったが、温泉は良かった。
(2020年4月18日)
道の駅みなみふらのから芦別岳に向かうと、稜線の上から雪庇を垂らした横長の山が見え、それは東側から見る富良野西岳だった。北側から見る細い鋭鋒の富良野西岳とはまるで違う山に見える。その後、芦別岳の頂上から見た富良野西岳は右に傾いた細尾根の姿。東側には雪庇。これらが同一の山だとは、一瞥しただけでは分からないだろう。
富良野西岳(北より)
富良野西岳を初めて見たのは旭川から富良野に向かってR237を南下していたとき。富良野スキー場の上に鋭い針のようなピークが立っている。あれはなんという山だろうと思い、カーナビを見てそれが富良野西岳だと分かった。たぶんオプタテシケか十勝岳に登った時だろう。その後、その針のような山に、富良野スキー場からスキーで登れるということが分かり、プランを組んだが、いつでも登れるだろうと思い、なかなか足が向かなかった。
富良野西岳(北東より)
「道の駅丘のくらびえい」というのはホテルの隣にある蔵の中に店やトイレがあり、駐車場はその横。ちょっと変わった造り。Wifiが他の道の駅と違っていて使えないのが残念。スキー場は9時からなので5時に起き、8時頃に道の駅を出る。国道を南下していくと十勝連峰は雲をかぶっていたが、真っ白な芦別岳が見え、そしてその手前に富良野西岳がスキー場の上に見えた。
富良野ロープウェイ麓駅
富良野西岳(ロープウェイ麓駅より)
シニア一日券を4500円で購入。一日中乗るつもりはないが、富良野スキー場の記念にしたかった。だが、プリンスホテルのマークしかなくていまいち。9時の始発は行ってしまい、次の便を待つ。若いボーダーたちにベテランのスキーヤー。私の後にチケットを買っていた人もシニア券を買っていた。
ロープウェイ頂上駅
最上部リフト(第三ロマンス)
リフト・トップの奥から滑走
富良野西岳(登路より)
P1・1,124mから見る北ノ峰
細尾根を慎重に下り、トラバース気味のところがコルのようだったのでシールを貼る。北西方向から見る富良野西岳はずんぐりした丸い姿になっていて、北から見た鋭鋒の姿は微塵もない。まだ1㎞以上あるだろう。細尾根の途中にあるP2・1,124mもトラバースし、富良野西岳のすぐ北西にあるP3・1,237mに向かう。
登路の先の富良野西岳とP3・1,237m
コル1,180m
頂上直下から見る富良野西岳
稜線付近から見る富良野西岳
稜線に向かう雪原
熊鈴?
稜線から東側を見下ろす
稜線の向こう側
富良野西岳の頂上
頂上標識とスキー
三角点
頂上から南の景観
布部岳
稜線からの滑走
登りたかったこの山に登れてうれしかった。雲が増え、雪も降りだしていたので景色はいまいちだったが、まるで空の上にいるような狭い頂上に立っているのは特別な気分だった。南に布部岳が見えていたが、そこまではまだ細尾根が続いており、雪も降っていたので今日は止めておくことにする。無理をすると翌日に影響するだろう。腰を下ろしてパンを食べ、ホットレモンをゆっくり飲み、それからスキーを履いて帰路につく。
往路の滑走
雪庇の下のトラバース
北ノ峰の頂上
北ノ峰の頂上にて
バックカントリー入口の標識
*「バックカントリーに出る前に、ここより先はスキー場ではありません」
バックカントリー・ゲート
最上部リフト北コースを豪快に滑り、そこからロープウェイ沿いのザイラー・ゲレンデを滑ろうと思ったが、初級とある。背後を見ると、最上部リフト南コースを軽快に滑っているスキーヤーがいて、それを滑りにもう一度最上部リフトに乗る。確かにそれは急な斜面で、ターンするとスキーがガタガタぶれる。ロープウェイの右(南)ルートが中級だったのでそっちを滑り、合流点をいくつか通過し、そして麓駅に着く。ところどころ雪が薄くなっているところはあったが、滑り切れた。ただし気温が高いせいか雪はべたべた。トイレによってから駐車場に戻り、ゆっくり片付け。
国設・富良野スキー場の標識
白銀荘へは東の道が閉鎖されているので、再び道の駅びえいに泊まることにし、プリンスホテルの温泉は営業していなかったので、富良野と美瑛の中間にあるスーパー(BESTOM)と温泉(万華の湯)に寄っていく。980円だったが、温泉は良かった。
(2020年4月18日)
富良野西岳(東より)(2020年4月18日)
道の駅みなみふらのから芦別岳に向かうと、稜線の上から雪庇を垂らした横長の山が見え、それは東側から見る富良野西岳だった。北側から見る細い鋭鋒の富良野西岳とはまるで違う山に見える。その後、芦別岳の頂上から見た富良野西岳は右に傾いた細尾根の姿。東側には雪庇。これらが同一の山だとは、一瞥しただけでは分からないだろう。
富良野西岳(芦別岳より)(2020年4月18日)