尾瀬・笠ヶ岳  白いピラミッド、尾瀬と上越の景観

群馬県  笠ヶ岳2,057m、小笠1,960m  2019年4月13日

(笠ヶ岳)関東百名山、群馬百名山

393

おまえさん、雪山には慣れてるね

なあに、トレースさえあれば楽なもんだ

空気はピンと張りつめて

神々しい純白の山々

晴れて視界が広がると

すっかり名山に取り囲まれている

☼☼☼☼☼

5月連休の2週前、前週に登り損ねた尾瀬・笠ヶ岳のリベンジに向かう。MTBを持って行っていいところまで行っていたのに、シールが破損したこともあり、引返していた。間をおかずに登ってしまいたい。

前週よりも格段に早く笠科橋に到着。約1時間半短縮、特に津奈木橋からは前週徒歩2時間が今週シールで1時間!こんなに違うのか。

ようやく稜線に至ると、南には強烈なピラミッドの笠ヶ岳が立っていたが、小笠は対照的におぼんのように平べったい真っ白な笠。その奥には尾瀬や越後の山々が勢ぞろいしている。

二つ並んだピークの至仏山。強烈なナギの奥白根山。その右奥の台形の黒い山は皇海山らしい。至仏山の左奥には平ヶ岳が見えており、その左に越後の稜線が巻機山に続いている。巻機山の更に南に朝日岳や谷川岳が連なっているが、いつもとまったく違う姿。一ノ倉岳と茂倉岳の隣には苗場山。

笠ヶ岳の頂上ピラミッドの基部までシールで登り、アイゼンに替える。今度は背後に燧が見えている。燧も少し形が変わっているが、ごつごつした力強い姿はいつもの燧。

笠ヶ岳の頂上からの見ものはすぐ南にある武尊山。平らな頂上、大きな山体に横の筋を数本引いた模様のある姿。よく見ると尖った剣ヶ峰山が小さく見えている。

笠ヶ岳頂上でスキーを履いて滑走開始。少し往路を北に滑り、東斜面を見ると、急だがまっさらで広大な一枚バーンが広がっている。はるか下に林の雪原、その向こうには武尊山。こいつは滑らないといけないだろう。そこでその東斜面に滑り込む。頂上付近は急で、大きなターンを刻み、往路に戻るため、やや北に向かって斜めにターンを切っていく。停止して上を見上げると、冬の太陽の下の巨大な雪庇がもう遠い。この数分の東斜面滑走がこの日のハイライト。

津奈木橋からは本日二つ目のハイライトといっていいMTBの快走。何ヶ所か登り坂になっている部分は勢いで越え、ゲート手前の上り坂で止まるまでノンストップ。カーブで時々ブレーキを握る程度で、風を切ってビュンビュン走る。

鳩待峠までのゲート開通前、静かな雪の尾瀬を楽しむ人々は意外に多いらしい。

 ようやく稜線に至ると、南には強烈なピラミッドの笠ヶ岳が立っていた
笠ヶ岳頂上から少し往路を北に滑り、東斜面を見ると、急だがまっさらで広大な一枚バーンが広がっている。はるか下に林の雪原、その向こうには武尊山
 二つ並んだピークの至仏山
 笠ヶ岳の頂上ピラミッドの基部までシールで登り、アイゼンに替える
 東斜面に滑り込む。頂上付近は急で、大きなターンを刻む
津奈木橋からは本日二つ目のハイライトといっていいMTBの快走。カーブで時々ブレーキを握る程度で、風を切ってビュンビュン走る。
  6:55 戸倉駐車地点発、MTB(ほとんど押し歩き)  8:08 津奈木橋、シール  9:08 笠科橋  9:21 尾根取付き点12:55 稜線13:09 小笠13:55 笠ヶ岳麓、アイゼン14:26 笠ヶ岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り7時間31分15:00 笠ヶ岳発、滑走15:51 尾根取付き点16:04 笠科橋16:31 津奈木16:41 津奈木橋発、MTB16:58 戸倉駐車地点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復10時間3分

************************

5月連休の2週前、前週に登り損ねた尾瀬・笠ヶ岳のリベンジに向かう。MTBを持って行っていいところまで行っていたのに、シールが破損したこともあり、引返していた。間をおかずに登ってしまいたい。3時のアラームが鳴るが起きられず、着替えと食事をしてSAを出たのは4時過ぎ。ホットレモンを沸かすのを忘れる。北関東道から関越に入ると赤城山に朝日が差し、正面に谷川岳が見えたので赤城山SAによって谷川連峰を見る。

尾瀬方面に向かう車はそれほどでもなく、R120からR401に左折したのは私のみ。気温マイナス11℃。ところが、戸倉に着いてみると、駐車スペースは満車で、道脇にも数台が駐車し、準備しているパーティもいた。その後に駐車し、私も準備。先週と同じように準備し、今回はブラックダイヤモンドを担ぎ、コスモスをMTBのハンドルにぶら下げて出発。尾瀬は雪が降ったらしく、ゲート脇の雪を踏んでゲートの中に入る。最初の下りは快調に飛ばし、登り坂になったところで押して歩く。大きなザックとスキーのパーティに挨拶して先に行く。先週よりはペースが速いが、距離6km、高低差300mの車道は結構な登り坂。ところどころの下りでペダルを漕ぐ以外は歩き。すると、スキーを担いだ自転車の男性が軽々と漕いで追い越して行く。あんなふうに漕げるようになりたいが、一番軽いギヤでも結構辛い。車道にも朝は雪がところどころ残っており、凍った水の跡もあった。やってきたのは軽トラが数台にスノーモービルを積んだり引いたりした車が数台。途中で行く手に笠ヶ岳を見る。本日初めて見る笠ヶ岳。津奈木橋にはMTBが3台置いてあり、坤六峠方面も数十メートル、除雪されていた。ガードレールにMTBをチェーンロックで固定し、最初の休憩。ホットケーキを食べ、ペットコーヒーを飲む。暖かいのでホットレモンは無くても問題なし。コスモス・シューズをはいて歩き始める。除雪終点の雪壁を登り、シールを貼って歩く。まだ固い雪の上に微かなシールの跡。3人が先行しているらしい。雪のため、前週の踏み跡は全くなし。

前週よりも格段に早く笠科橋に到着。約1時間半短縮、特に津奈木橋からは前週徒歩2時間が今週シールで1時間!こんなに違うのか。すると、先行トレースは沢岸に降りず、右岸の土手を登っていく。ちょっと迷ったが、当初計画通りに沢岸に下り、小笠への尾根を目指す。雪に埋まった沢を渡って尾根取付き点に至り、2度目の休憩。シールに雪がついてきたので裏返して乾かす。バナナを食べたと思う。この尾根は最初は細くて急で登りにくい。何度もキックターンを切り、立木を避けて登っていく。やがて広い尾根となり、登りやすくなる。疲れたので3度目の休憩。GPSによると、尾根取付き点からまだ300mほど。次第に視界が開け、背後に奥白根山、行く手左に笠ヶ岳が時々見える。1,650mピークを越えて少し下る。シールに雪がついてゲタになるが、辛抱してシールを雪に押し付けると何度目かにゲタは外れてくれる。4度目に休憩した地点も中間点あたり。ペースは思ったより遅い。右手上に最初に見えていたのは悪沢岳で、次に小至仏山が見え、稜線に達すると、至仏山が小至仏と並んで見えていたが、最初はそれが至仏とは分からなかった。時々立ち止まって休まないといけなくなる。小笠はいっこうに見えてこず、その前に稜線を横切るトレースに遭遇。それは笠ヶ岳方面から北に滑っていくトレースだった。悪沢岳の方まで大きく回っていったのだろうか。

ようやく稜線に至ると、小笠は稜線から更に西の奥にあり、南には強烈なピラミッドの笠ヶ岳が立っていたが、まず小笠に向かう。それは尖った笠ヶ岳とは対照的におぼんのように平べったい真っ白な笠。小笠の頂上には思いがけず頂上標識があった。その奥には尾瀬や越後の山々が勢ぞろいしている。ザックを下ろし、四周の越後や尾瀬の山々を何度も撮影。二つ並んだピークの至仏山の南西斜面は北東側の真っ白な姿とは対照的に荒々しく、同じ山とは思えないほど。強烈なナギの奥白根山も良く見る姿だが、その右奥の台形の黒い山は皇海山らしい。至仏山の左奥には平ヶ岳が見えており、その左に越後の稜線が中ノ岳・越後駒ヶ岳から巻機山に続いている。巻機山の更に南に朝日岳や谷川岳が連なっているが、いつもとまったく違う姿。一ノ倉岳と茂倉岳の隣には苗場山。小笠でナッツを食べ、ポカリを飲んでから笠ヶ岳に向かう。長いシール滑走を2本。このときはまだ雪は柔らかかった。稜線のトレースを南にたどると、東からの登りトレースに行きあたる。ここに来るためにどのようなルートを辿ったのだろう。その登りトレースを辿り、笠ヶ岳の頂上ピラミッドの基部までシールで登り、アイゼンに替える。シールの調子が良ければシールでも登れないことはないだろうが、雪はやや硬くなっており、しかも濡れたシールははがれる寸前になっていた。もう限界。今度は背後に燧が見えている。燧も少し形が変わっているが、ごつごつした力強い姿はいつもの燧。先行のアイゼンは斜めにうまく登っていて、辿りやすかった。私ならこうは登らず、まっすぐ登っていただろう。斜面はオーバーハングしていて先が見えず、何度も頂上と思った先に斜面が現われ、だいぶ傾斜が緩くなってから、行く手に頂上標識が見えた。やっと着いた。

笠ヶ岳の頂上標識と山・三角点が雪の上に出ていたが、本物の三角点は雪に埋まっていたらしい。ここからの見ものはすぐ南にある武尊山。平らな頂上、大きな山体に横の筋を数本引いた模様のある姿。よく見ると尖った剣ヶ峰山が小さく見えている。眼下の「ならまた湖」(1391)は、武尊山に北西尾根から登ろうとしたときに近くを通っていたはず。長い間、笠ヶ岳頂上にいて四周を眺め、スキーを履いて滑走開始。少し往路を北に滑り、東斜面を見ると、急だがまっさらで広大な一枚バーンが広がっている。はるか下に林の雪原、その向こうには武尊山。こいつは滑らないといけないだろう。そこでその東斜面に滑り込む。頂上付近は急で、大きなターンを刻み、往路に戻るため、やや北に向かって斜めにターンを切っていく。停止して上を見上げると、冬の太陽の下の巨大な雪庇がもう遠い。往路に近づいたときはもう背後の斜面は見えない角度になっていた。ともかく、この数分の東斜面滑走がこの日のハイライト。あとは付け足しのようなもの。ただし、雪の表面がやや硬くモナカ気味になっており、ちょっと滑りにくい。稜線のトレースを北に向かい、途中でトレースを離れて北東に斜めに滑走し、往路の尾根の登りトレースに向かう。

広い尾根は傾斜も適度で、通常ならショートターンで滑りまくるところだが、モナカ雪ではそうもいかない。無理やりショート・ターンを何度も試みるが、うまく滑れたのは数回。木々が混んでくるとそれもできず、ひたすら空間を探して滑るだけ。そして終盤の細尾根にやってきて、ここは往路の狭い所をたどるのは面倒なので、滑りやすそうな斜面をトラバース滑走。最後は南側の沢の上の斜面をトラバースし、取付き点に到達。足が痛い。笠科橋の下のスノーブリッジを渡ってからスキーを外し、橋の上に登って休憩。そこからはビンディングを廻してかかとを外し、歩き滑走していく。津奈木橋まではおよそ1㎞、標高差50mほどあるので、トレースの上なら結構滑る。津奈木橋に着き、MTBのところに戻り、コスモス・ブーツからスニーカーに履き替えると、足がものすごく楽になる。3台あった他のMTBは2台になっていたが、別のMTBだったかもしれない。

津奈木橋からは本日二つ目のハイライトといっていいMTBの快走。何ヶ所か登り坂になっている部分は勢いで越え、ゲート手前の上り坂で止まるまでノンストップ。カーブで時々ブレーキを握る程度で、風を切ってビュンビュン走る。途中で歩いて戻っている登山者一人、スキーヤー二人連れを追越す。かえって失礼かと思って挨拶しなかったが、どこを滑ったのだろう。戸倉駐車地点に戻り、ゆっくり片づけ。車は減っていたが、後から増えた車もあり、MTBのスキーヤー二人連れが二組、戻ってきた。鳩待峠までのゲート開通前、静かな雪の尾瀬を楽しむ人々は意外に多いらしい。

夜明けの赤城山

谷川岳

5月連休の2週前、前週に登り損ねた尾瀬・笠ヶ岳のリベンジに向かう。MTBを持って行っていいところまで行っていたのに、シールが破損したこともあり、引返していた。間をおかずに登ってしまいたい。3時のアラームが鳴るが起きられず、着替えと食事をしてSAを出たのは4時過ぎ。ホットレモンを沸かすのを忘れる。

北関東道から関越に入ると赤城山に朝日が差し、正面に谷川岳が見えたので赤城山SAによって谷川連峰を見る。

 谷川連峰: 仙ノ倉山、万太郎山、俎嵓、オジカ沢ノ頭、谷川岳

車両通行止めの舗装路(県道63号)

尾瀬方面に向かう車はそれほどでもなく、R120からR401に左折したのは私のみ。気温マイナス11℃。ところが、戸倉に着いてみると、駐車スペースは満車で、道脇にも数台が駐車し、準備しているパーティもいた。その後に駐車し、私も準備。先週と同じように準備し、今回はブラックダイヤモンドを担ぎ、コスモスをMTBのハンドルにぶら下げて出発。尾瀬は雪が降ったらしく、ゲート脇の雪を踏んでゲートの中に入る。最初の下りは快調に飛ばし、登り坂になったところで押して歩く。大きなザックとスキーのパーティに挨拶して先に行く。先週よりはペースが速いが、距離6km、高低差300mの車道は結構な登り坂。ところどころの下りでペダルを漕ぐ以外は歩き。すると、スキーを担いだ自転車の男性が軽々と漕いで追い越して行く。あんなふうに漕げるようになりたいが、一番軽いギヤでも結構辛い。

初めて見えた笠ヶ岳

車道にも朝は雪がところどころ残っており、凍った水の跡もあった。やってきたのは軽トラが数台にスノーモービルを積んだり引いたりした車が数台。途中で行く手に笠ヶ岳を見る。本日初めて見る笠ヶ岳。津奈木橋にはMTBが3台置いてあり、坤六峠方面も数十メートル、除雪されていた。ガードレールにMTBをチェーンロックで固定し、最初の休憩。ホットケーキを食べ、ペットコーヒーを飲む。暖かいのでホットレモンは無くても問題なし。コスモス・シューズをはいて歩き始める。除雪終点の雪壁を登り、シールを貼って歩く。まだ固い雪の上に微かなシールの跡。3人が先行しているらしい。雪のため、前週の踏み跡は全くなし。

津奈木橋の分岐

除雪終点

雪に埋もれた車道

笠ヶ岳

笠科橋

前週よりも格段に早く笠科橋に到着。約1時間半短縮、特に津奈木橋からは前週徒歩2時間が今週シールで1時間!こんなに違うのか。すると、先行トレースは沢岸に降りず、右岸の土手を登っていく。ちょっと迷ったが、当初計画通りに沢岸に下り、小笠への尾根を目指す。雪に埋まった沢を渡って尾根取付き点に至り、2度目の休憩。シールに雪がついてきたので裏返して乾かす。バナナを食べたと思う。この尾根は最初は細くて急で登りにくい。何度もキックターンを切り、立木を避けて登っていく。やがて広い尾根となり、登りやすくなる。疲れたので3度目の休憩。GPSによると、尾根取付き点からまだ300mほど。

尾根取付き点

細尾根

広くなった尾根

笠ヶ岳

奥白根山

次第に視界が開け、背後に奥白根山、行く手左に笠ヶ岳が時々見える。1,650mピークを越えて少し下る。シールに雪がついてゲタになるが、辛抱してシールを雪に押し付けると何度目かにゲタは外れてくれる。4度目に休憩した地点も中間点あたり。ペースは思ったより遅い。右手上に最初に見えていたのは悪沢岳で、次に小至仏山が見え、稜線に達すると、至仏山が小至仏と並んで見えていたが、最初はそれが至仏とは分からなかった。時々立ち止まって休まないといけなくなる。小笠はいっこうに見えてこず、その前に稜線を横切るトレースに遭遇。それは笠ヶ岳方面から北に滑っていくトレースだった。悪沢岳の方まで大きく回っていったのだろうか。

笠ヶ岳

稜線

初めて見えた至仏山

中ノ岳と越後駒ヶ岳

小笠

小笠頂上から笠ヶ岳

ようやく稜線に至ると、小笠は稜線から更に西の奥にあり、南には強烈なピラミッドの笠ヶ岳が立っていたが、まず小笠に向かう。それは尖った笠ヶ岳とは対照的におぼんのように平べったい真っ白な笠。小笠の頂上には思いがけず頂上標識があった。その奥には尾瀬や越後の山々が勢ぞろいしている。ザックを下ろし、四周の越後や尾瀬の山々を何度も撮影。二つ並んだピークの至仏山の南西斜面は北東側の真っ白な姿とは対照的に荒々しく、同じ山とは思えないほど。強烈なナギの奥白根山も良く見る姿だが、その右奥の台形の黒い山は皇海山らしい。至仏山の左奥には平ヶ岳が見えており、その左に越後の稜線が中ノ岳・越後駒ヶ岳から巻機山に続いている。巻機山の更に南に朝日岳や谷川岳が連なっているが、いつもとまったく違う姿。一ノ倉岳と茂倉岳の隣には苗場山。

 小笠から北の景観: 至仏山、小至仏山、悪沢岳、奥白根山、錫ヶ岳、皇海山、赤城山、武尊山、笠ヶ岳

 小笠から南の景観: 赤城山、武尊山、笠ヶ岳、浅間山、谷川岳、一ノ倉岳、茂倉岳、苗場山、朝日岳、巻機山、小沢岳、下津川山、本谷山、中ノ岳、越後駒ヶ岳、平ヶ岳、至仏山、小至仏山、悪沢岳

至仏山

平ヶ岳

小沢岳と下津川山

巻機山

朝日岳と大烏帽子山

一ノ倉岳、茂倉岳と苗場山

俎嵓と谷川岳

笠ヶ岳

皇海山

奥白根山

小笠からのシール滑走

燧岳

日差しの笠ヶ岳頂上に向かう

笠ヶ岳への踏み跡

笠ヶ岳頂上

笠ヶ岳頂上

小笠でナッツを食べ、ポカリを飲んでから笠ヶ岳に向かう。長いシール滑走を2本。このときはまだ雪は柔らかかった。稜線のトレースを南にたどると、東からの登りトレースに行きあたる。ここに来るためにどのようなルートを辿ったのだろう。その登りトレースを辿り、笠ヶ岳の頂上ピラミッドの基部までシールで登り、アイゼンに替える。シールの調子が良ければシールでも登れないことはないだろうが、雪はやや硬くなっており、しかも濡れたシールははがれる寸前になっていた。もう限界。今度は背後に燧が見えている。燧も少し形が変わっているが、ごつごつした力強い姿はいつもの燧。先行のアイゼンは斜めにうまく登っていて、辿りやすかった。私ならこうは登らず、まっすぐ登っていただろう。斜面はオーバーハングしていて先が見えず、何度も頂上と思った先に斜面が現われ、だいぶ傾斜が緩くなってから、行く手に頂上標識が見えた。やっと着いた。

武尊山

笠ヶ岳の頂上標識と山・三角点が雪の上に出ていたが、本物の三角点は雪に埋まっていたらしい。ここからの見ものはすぐ南にある武尊山。平らな頂上、大きな山体に横の筋を数本引いた模様のある姿。よく見ると尖った剣ヶ峰山が小さく見えている。眼下の「ならまた湖」(1391)は、武尊山に北西尾根から登ろうとしたときに近くを通っていたはず。

頂上直下

頂上直下の急斜面と武尊山

長い間、笠ヶ岳頂上にいて四周を眺め、スキーを履いて滑走開始。少し往路を北に滑り、東斜面を見ると、急だがまっさらで広大な一枚バーンが広がっている。はるか下に林の雪原、その向こうには武尊山。こいつは滑らないといけないだろう。そこでその東斜面に滑り込む。頂上付近は急で、大きなターンを刻み、往路に戻るため、やや北に向かって斜めにターンを切っていく。停止して上を見上げると、冬の太陽の下の巨大な雪庇がもう遠い。往路に近づいたときはもう背後の斜面は見えない角度になっていた。ともかく、この数分の東斜面滑走がこの日のハイライト。あとは付け足しのようなもの。ただし、雪の表面がやや硬くモナカ気味になっており、ちょっと滑りにくい。稜線のトレースを北に向かい、途中でトレースを離れて北東に斜めに滑走し、往路の尾根の登りトレースに向かう。

頂上からの滑走

頂上からの滑走

尾根の滑走

尾根の滑走

尾根取付き点

広い尾根は傾斜も適度で、通常ならショートターンで滑りまくるところだが、モナカ雪ではそうもいかない。無理やりショート・ターンを何度も試みるが、うまく滑れたのは数回。木々が混んでくるとそれもできず、ひたすら空間を探して滑るだけ。そして終盤の細尾根にやってきて、ここは往路の狭い所をたどるのは面倒なので、滑りやすそうな斜面をトラバース滑走。最後は南側の沢の上の斜面をトラバースし、取付き点に到達。足が痛い。

除雪終点

笠科橋の下のスノーブリッジを渡ってからスキーを外し、橋の上に登って休憩。そこからはビンディングを廻してかかとを外し、歩き滑走していく。津奈木橋まではおよそ1㎞、標高差50mほどあるので、トレースの上なら結構滑る。津奈木橋に着き、MTBのところに戻り、コスモス・ブーツからスニーカーに履き替えると、足がものすごく楽になる。3台あった他のMTBは2台になっていたが、別のMTBだったかもしれない。

MTB

津奈木橋からは本日二つ目のハイライトといっていいMTBの快走。何ヶ所か登り坂になっている部分は勢いで越え、ゲート手前の上り坂で止まるまでノンストップ。カーブで時々ブレーキを握る程度で、風を切ってビュンビュン走る。途中で歩いて戻っている登山者一人、スキーヤー二人連れを追越す。かえって失礼かと思って挨拶しなかったが、どこを滑ったのだろう。戸倉駐車地点に戻り、ゆっくり片づけ。車は減っていたが、後から増えた車もあり、MTBのスキーヤー二人連れが二組、戻ってきた。鳩待峠までのゲート開通前、静かな雪の尾瀬を楽しむ人々は意外に多いらしい。