「6年間を振り返って(ヘルペス・生理痛・リウマチ手記)」
46歳2016年4月17日
46歳2016年4月17日
私が初めて松本漢方クリニックを訪れたのは2010年12月でした。その頃の私は生理痛がひどく、生理になると3日間ほどは鎮痛剤が手放せませんでした。規定以上の量を飲み、それでも痛みがきれいにとれることはありませんでした。そんな話を友人(松本漢方クリニックで看護師をしていた方)にしたところ、漢方で治るということを聞きました。私は岐阜に住んでいたので、大阪の高槻はとても遠く感じましたが、年末の休みを利用して行くことにしました。
待合室に入ると漢方の匂いが強かったのが印象的でした。初めての診察は問診に長い時間をかけてもらいました。友人の看護師さんとの問診も長かったし、松本先生との問診も長かったです。先生と会ったときは緊張して印象はあまり覚えていませんが、何でも話を聞いてくれたことは覚えています。他愛もない世間話から体のちょっとした不具合のことまでこと細かく聞いてもらいました。その中で、朝起きた時に手がこわばることがあるという話から、膠原病かもしれないから一応血液検査をすることになりました。その日は生理痛の薬を処方してもらいました。
一週間後の血液検査で出た結果は、抗核抗体が40ということで膠原病と診断されました。本当にびっくりしました。生理痛で来院したのに、自分が膠原病なんて思いもしませんでした。それからはリウマチの煎じ薬も追加してもらい、飲み始めました。当時私の体調はかなり悪く、生理痛だけでなく倦怠感が常にありました。休日は寝て過ごすことが多かったです。食料品の買い出しだけでもとても疲れて、帰るとすぐに寝ていました。お腹も常に鈍痛がある感じで何に対しても意欲的になれませんでした。何か自分の生活の歯車が狂っているかのようにどんよりとした状態でした。そして、漢方を飲み始めると今まで感じたことがなかった手足の指の痛みが出始めました。足の裏も普通に靴を履いて舗装された道を歩いているのに、裸足で石のごつごつしたところを歩いているかのように痛みがありました。お灸、薬草風呂、鍼の治療を実践しました。お灸は熱くてあまりできませんでしたが、薬草風呂と鍼は続けることができました。鍼は地元の鍼灸院に通いました。2つとも即効性があり、特に鍼に行くと痛みがすっとひいてびっくりしました。けれど、鍼治療から自宅に戻ると微熱が出て寝込むことがしばらく(多分3カ月程度)続きました。ボロボロになった体が、漢方を飲み始めてやっと「もう限界ですよ」と痛みのサインを出せたかのようでした。
2011年4月の血液検査では、水痘帯状ヘルペスのEIA価が35.3と高く、ヘルペス感染症という診断がありました。漢方薬の煎じ薬の飲用と鍼は地道に続けていきましたが、状態は一進一退という感じでした。それでも2年ほどすると体のだるさは幾分よくなったように思います。ときどき肩こりがひどく、先生に話すとヘルペスの症状と言われ、抗ヘルペス剤を処方してもらい飲み始めました。初めは3日分、症状が治まったらやめて、また痛くなったら薬をもらうという感じでした。このような状態が3年程続いたと思います。その間の血液検査は初めとあまり変わりはなく、ひどくもならなければ良くもならない状態が続きました。手足の指の痛みもよくなったり、痛んだりという感じでした。すると、だんだんと私の根気も続かなくなり、しばらく薬をやめた時もありました。その時に足の付け根がジンジンと熱をもつように痛み、また薬をもらい始め治療を再開しました。再開後、先生から「抗核抗体が40で、足の付け根に痛みが出たり、手足に痛みがあるのは、リウマチの痛みではなくヘルペスの症状かもしれない」と言われました。私はピンと来ず、そうなんだ・・・と漠然と思うことしかできませんでした。ヘルペスという病について説明を受けても、なかなか自分の中で理解できない、そんな感じでした。診察に行くたびにヘルペスについての文書を借りてその都度読むのですがなかなか理解できないのです。
しかし、今回自分の6年間を振り返り、その頃の自分と今の自分を比べると違う、体の調子がかなり良くなっている自分に気づくことができました。自分の体の不都合がヘルペスからくるものだということを、本当に理解するのに6年かかりました。痛くなっては抗ヘルペス剤を飲んで症状が和らぐという経験を、何度も何度も体験していくうちにそうだと納得できました。少しずつ、少しずつ体がよくなっていった6年間だったと改めて思います。細々とでも治療を続けてきてよかったと思います。
少しでも、ヘルペスの治療に理解が深まっていくことを願うばかりです。私はあまり熱心に治療に取り組んできませんでした。最初の3年程はがんばっていたと思いますが、それからずるずるとなんとなく薬を飲んでいました。私はリウマチも初期の状態で厳しい症状がなく、危機感がなかったこと。それと治療を続けても治らないのではないかというヘルペスに対してのあきらめがあったのかもしれません。
自分に対して冷たかったという思いと、それでも治療を続けてくださる松本先生にありがとうございますの思いが広がります。また、この6年間を振り返り、自分の幸運を感じました。自覚症状がひどくなる前に病を見つけてもらえました。改めて、自分を大切にしていこうと思いました。松本先生、これからもよろしくお願いいたします。