【第章】The Armored Island

「弟子にしてください!!」

そう叫びながら、エンジンシティに本部を構えた誓剣騎士団の元に二人の少年がやって来た。

誓剣騎士団への新たな依頼主は、ガラルの東にある孤島『鎧島』からやって来た少年アガートラムアイフェ

彼らの暮らす道場の師範が体調を崩したため、その間臨時講師になってほしいのだと言う。

そんな彼らの熱意に押し負け、プリドゥエン、ロン、アロンダイトは鎧島へ向かう事になる。

ダイマックスの調査でやって来たウィザード達魔術協会一行、それに同行するマリーク探偵事務所の二人と濃い面々が揃った中、鎧島道場での『特別講習』が始まった。

が、修行が始まって早々の事。

プリドゥエンの正体を知ったアガートラムは彼に反発し始める。

「人を殺した悪者の指図なんか聞くもんか!!」

お互いの正義と誇りを認められず、険悪になるプリドゥエンアガートラム

それに引きずられて、ロンアイフェの間にもすれ違いが生まれ始める。

一方、アロンダイトは道場の手伝いをしている少年ヘクサグラムと仲良くなり、彼に料理や洗濯を教わり親交を深めながら考えを固めていく。

家族に勘当され、貴族でなくなった今自分は何をすべきなのか、何者であるべきなのか。

「--あぁそうさ、数えきれないほど殺したさ。そうしないと僕が、僕の家族が殺されるんだ!」

「戦場を知らない君に、半端な正義しか語れない君に!」

「--お前に、何が分かる!?」

プリドゥエンの過去を、絶死の戦場を知ったアガートラムは何を思うのか。

青い海に閉ざされた孤島で、仁義なき“修行”が始まる。