【第1章】The Divine Trick
ガラル地方の片田舎、ハロンタウン。
そこに暮らす少年クラレントは、その日16歳の誕生日を迎えていた。
捨て子の自分を村ぐるみで育ててくれた村の人々から、仲の良い友人達から盛大に祝福されたクラレントの元に、遠出していた父アーサーからのプレゼントが届いた。
そこに入っていたのは2本の剣と鎧、そして一通の手紙だった。
「君に話さなければならない事がある。社会勉強も兼ねて、この国を旅しておいで。王都シュートシティで待っている」と。
クラレントは剣を携え、親友のガラティン、ロン、アロンダイトの4人で王都へ向けて旅立った。
多くの街を訪れ、色んな人に出会いながら辿り着いた文化の街ナックルシティ。
国王のパレードを観覧する事にしたクラレント達だったが、国王キャメロットの姿を見た途端ロンが倒れてしまう。
動揺するクラレントの元に現れたのは、魔術師のウィザードとガラルの王子アヴァロンだった。
「お探ししていました、“もう1人の王子”様」
「やっとお会い出来ました…兄上!」
16年前母親と共に消えた“もう1人の王子”
突如行方知れずになった先代騎士団長
過去の因果により、普通の少年だったはずのクラレントの運命は大きく動き始める。
……しかしこれらは、まだ始まりでしかなかった。