グリム
Profile
原型:★イダイトウ♂
年齢:16歳 身長:164cm
出身地:ヒスイ地方群青の海岸
一人称:僕 二人称:君、貴方、お前
性格:まじめ/体が丈夫
技:ウェーブタックル/こおりのキバ/しねんのずつき/めいそう
「神の力で人が獣と化すのなら、僕らが思うより人と獣、獣と神の境界線は曖昧という事だ。その理論なら、人から神も作れるんじゃないか?僕はそれを知りたいんだ。分かってくれるね?」
「また父さんに怒られた……やっぱり、邪魔だな」
メリュジーナとシトナイの間に生まれた長男。
非常に好奇心旺盛で勉強家な少年。両親に似てどこか掴めない雰囲気の上に勉強ばかりで自分の世界に篭りがちに見えるが、意外と頼まれ事ややるべき事はしっかりこなす辺り真面目。
…が、知的好奇心のためなら何をしてもいいと思っている節があり、好奇心を満たすためなら命を弄んだり他人に危害を加えるような真似にも躊躇がない。ついでに自分を実験台にする事は絶対しないタチの悪さも持ち合わせる。
10歳の頃、「妖精の子だとかよく言われるが、人間の身体構造と何が違うのか気になった」という理由で隣にいた弟の目を突然潰してからその傾向が顕著になりつつある様子。友人にも家族にも引かれ散々注意されているが反省の色は全く見えない。
とにかく読書好きで、哲学や神学、医学など国内外問わず多岐に渡る本を読んでいる。特に両親が綴った【神威病】とその最中で出会った【神】に関する記録を愛読しているが…?
全ての始まり
「…父さんはなんで怒ってるの?なんで母さんは泣いてるの?僕はただルノーが、妖精と人の何が違うのか知りたかっただけなのに」
きっかけは母の友人、スルクの自殺だった。
齢6歳にして身近な人の死を目の当たりにしたグリムは、偶然耳にした母と友人達の会話から冥界の存在と【神威病】の真相、そして母やその友人が人間ではなく神の眷属だった事を知る。
最初はただ会ってみたいという好奇心だけだった。
その日から彼は冥界の神(ついでにその兄妹神であるという他の神々)に会えないかとヒスイ地方の神話について学び始める。
父は引きこもってないで外で友達と遊ぶよう苦言を呈したが、母は勉強熱心な息子に感心してよく勉強を見てくれた。
が、その好奇心はやがてエスカレートし、獣を殺しては冥界に繋がると言われる泉に投げ込んで反応を観察してみたり鏡を利用した呪術に手を出してみたりし始める。
そしてついに「神の力を生まれ持ったなら、何か人間の身体構造と違う点があるのでは」と閃いたグリムは、好奇心の赴くまま弟のルノーに襲いかかって彼を解剖しようとし、その片目を抉り取ってしまった。
父に殴って止められようやく大人しくなったグリムだったが、何故自分が怒られたのか、何故泣き叫ぶ弟を抱きしめる母が怯えているのか、理解出来なかった。
彼がまだ10歳の、ある夏の日の事だった。
研究と仮説
「母さんは新たな神になるんだ。本当は冥界の眷属も欲しかったけど、見つからないものはしょうがないし…なんにせよ、もうお前はいらないよ。邪魔しないでね、父さん」
やがてめきめきと知識をつけて14歳まで成長したグリムは、調査隊隊員の息子という立場を活かして母の書いた報告書や数多の文献を読み漁ったり、親友のオウナや家出して各地を旅しているルノーの協力で各地の伝承や遺跡を調べたりと、本格的に【神威病】や神について研究するようになっていた。
その頃には父は自分のやることを否定ばかりする様になっていて、母もあまり自慢の息子の勉強を見ることは無くなっていて、グリムは自由に行動できるようになった。
親友のオウナは創造神に神楽笛を捧げる神官の一族故に神話や文化に詳しく、彼とはよく議論を交わしていた。
そうして研究を重ねたグリムは「高濃度の神の力を浴びた人間が発症するのが【神威病】で、その症状が世界が神の加護に満ちていた原始の姿に戻る事ならば、その姿は獣ではなくより神に近い姿なのでは」と考察。
それに気付いたグリムはある恐ろしい発想に至る。
「神の恩寵で僕達が持ち得る獣の力が暴発した現象が【神威病】…それで人が獣に化すなら…神の因子を持つ者が【神威病】になる、或いは擬似的にその症状を再現出来れば…!獣なんかじゃない、神に近い新たな上位存在を生み出せるんじゃないか?」
神の因子を持つ者、やはり特に力が強い者がいい。少し加護を受けているだけの神官一族などでは全然足りない。冥界神の眷属エペタムは今どこにいるか分からないから使えない、それについて行っている弟も同様。
--そうだ、母さんがいるじゃないか。
そして現代へ
邪魔するシトナイを殺め、メリュジーナを奪い取ったグリムは彼女を素体に新たな神を生み出す計画を始動した。
しかしそのためには恐らく数十年程度では足りない。何百、何千の魂が必要となるが、法を掻い潜って暗躍しなければならない以上恐らくすぐには集まらない。資金も人手も必要だ。
そのためグリムは同時並行で【魂を別の肉体へ移す禁術】の研究を始めた。
また自身を教祖、メリュジーナを御神体とし、「神聖な御神体に魂を与え、さらに神へ昇華させる」という教えをでっち上げ【妖龍教】とという教団を作り、信者という人手を、お布施という形で資金を集めた。
いくら寿命を迎えても若く新しい肉体へ乗り移り続けることで、永遠に研究を続ける事を閃いたのだ。
そうして自分の子孫達の魂すら食い潰し、何百年もの間妖龍教の教祖として君臨し続けた。その間研究は続けられ、メリュジーナは【神威病】を発症、妖精の枠も獣の枠も超えた存在へ成りつつあった。
そして現代、一家から逃げた長男の下に、優れた戦闘の才と冥界神の加護を受けた娘が一族に生まれた事を知る。
『有栖』と名付けられたその少女を手に入れるべくグリムは長男…誄(ルイ)の魂を食って肉体を乗っ取り、彼女を巫女として、そして次代の自分の肉体とするべく育てることにした。
……彼女の魂にかけられた加護の真実を、その影に潜む憎き父の存在を知る由もないまま。