【第3章】The End of Blacknight
「古代の災厄『ブラックナイト』が復活する」
リアファルの予言を受け本土に戻ったクラレントだったが、ナックルシティに戻った彼等を待っていたのは赤黒い夜空と、人工願い星の力でダイマックスを暴走させる人々だった。
混乱する街の中でクラレントは、人工願い星の制作者であるカラドスからこの事件を起こしたのがアンブローズであると聞き、彼を止めるように頼まれる。
ロンはケイやアグラヴィンと共に残った王立騎士団を率いて暴走する人々を止めに、
ウィークトス達マリーク探偵事務所は無事な住民を避難させながらベドグレインの元へ、
フェルノートとリアファルは【黒夜】を滅するための聖剣を造るべく微睡みの森の神殿に留まり、
クラレントはアヴァロン、ティンタゼルと共にアンブローズを止めるため地下プラントへ向かう。
エネルギープラントで待ち受けていたアンブローズは、自身の母が20年前の【ペンドラゴン革命】で追放された女王の息子であること、そして自分こそが正統なるガラル王国の真王だと明かす。
そして母を殺したキャメロットへの復讐として彼の手でこの国を壊させるのだと、そう宣言したアンブローズはキャメロットへ更にエネルギーを注がんとエネルギープラントの塔の頂上へ向かう。
追いかけたクラレント達が塔の頂上、赤黒い雲の真下で見たのは過去の災厄【黒夜】へと変わり果てたキャメロットで…!?
20年前の革命の裏、ワイルドエリアで起きていた復讐の火種。
自己を見失い自壊していくキャメロットと、世界の柱たる神を失いかけたことで崩壊を始めるガラル地方。
アンブローズとクラレント。 命を削っても全てを壊す者と魂を捧げても全てを救う者。
二人の王子が命を賭けた戦いを繰り広げる中、次の王(アヴァロン)は何を思うのか。
革命の渦に呑まれたガラル地方で、最後の夜が明ける。
「後悔してるか、だって?」
ふと問いかけた言葉に振り向いた彼の紫の長髪が揺れた。僅かな明かりだけが照らす暗がりなのもあって、その色は星1つない夜を切り取ったかのようにも見える。
それに見惚れていると、彼は薄く笑いながらゆるゆると首を横に振った。
「まさか、そんな訳ないだろう。そもそもまだ始まってすらいないのに、後悔する余地がどこにあるんだ?」
徐に肩をすくめているけど手の震えは隠せていない。普段気丈な彼でも、もう戻れない場所まで行き着いてしまった恐怖は感じるんだなとふと思ってしまう。
自分に出来る事としてせめて場を明るくしようと、ようやく今までの人生が報われるね、と冗談めかして言ってみせたが、彼はいいや、とまた首を横に振った。
「俺が生きた意味はまだ此処じゃないよ」
少し憂いを帯びたその瞳に、淡く星が瞬いた気がした。