ピース語には動作の状態を表す相(アスペクト)が5つあり、準備相、開始相、進行相、終末相、完了相という名前です。
相は動詞に接中辞を付けることで表します。
・準備相
動作を行う前の状態を表します。
動詞に接中辞「-axă-」を付けると準備相になります。
【例】
Çaŗzecŭi rugaxăuļof.
イスラームに入信しようと思っている。
Çaŗzecŭ-i「イスラーム」 ruguļ-「信仰する」
・開始相
動作を始めた直後の状態を表します。
動詞に接中辞「-op-」を付けると開始相になります。
【例】
Mutacu metĭin vişpa maçaz purŗoputesuc.
多国籍軍がちょうど敵の地上部隊への空爆を開始したところだ。
mutac-ø「多国籍軍」 metĭin-ø「地上部隊」 vişp-i「敵」 maçaz「ちょうど」 purŗutesc-「空爆する」
・進行相
動作を行っている最中の状態を表します。
動詞に接中辞「-iň-」を付けると進行相になります。
【例】
Cu sume ăeju şûăĭiňenoħe penze ļupçiňig.
彼は今、フォロワーと殴り合っている。
cu+奪格「~の時刻に」 sum-ø「今」 ăej-e「彼」 şûăĭiňenoħ-e「フォロワー」 penze「互いに」 ļupçig-「殴る」
・終末相
動作が終わる直前の状態を表します。
動詞に接中辞「-uz-」を付けると終末相になります。
【例】
Mimic Teļăeŗpeđe pezvo ŭotuzăaĭor.
赤軍はファシストとの戦争に勝利しようとしている。
Mimic-ø「赤軍」 Teļăeŗpeđ-a「ファシスト」 pezv-ø「戦争」 ŭotaĭr-「勝利する」
・完了相
動作が終わった後の状態を表します。
動詞に接中辞「-el-」を付けると完了相になります。
【例】
Culuçe şe ģuħapņaģva toteh ļelipesaň.
このアニソンの歌詞はすでにロシア語に翻訳してあります。
culuç-e「歌詞」 şe「あの、この」 ģuħapņaģv-e「アニソン」 toteh「すでに」 ļipesaň-「ロシア語に翻訳する」
相接中辞は行為動詞のみに付き、状態動詞には付きません。
動詞に相接中辞が付くことはピース語の規則上、状態動詞への派生として扱います。
状態相の他に、ピース語には接頭辞で表される完結相があります。