ロシア語の転写規則

ロシア語由来の外来語は、原則として綴り字(スペリング)を元にして転写します。

 

・母音

上の5つは硬母音で、下の5つは軟母音です。

注1:

[о」は、アクセントがある場合は「o」で、無い場合は「a」で転写します(語尾を除く)。

注2:

「я」、「ё」、「ю」は、語頭に現れる場合、もしくは直前が子音字の場合は「ìa」、「ìo」、「ìu」で、直前が母音字の場合は「ĭa」、「ĭo」、「ĭu」で転写します。

注3:

「е」、「и」は、語頭に現れる場合は「ìe」、「ìi」で、直前が子音字の場合は「e」、「i」で、直前が母音字の場合は「ĭe」、「ĭi」で転写します。

注4:

語末の「-ия」、「-ие」などは、「-ìa」、「-ìe」のように転写します(「и」にアクセントがある場合を除く)。

注5:

硬母音同士が隣接した場合、間に「ă」を挿入します。

 

・子音

子音字は原則として1字1音で転写します。

注:

「н」、「л」は、直後が硬音の場合は「n」、「l」で、軟音の場合は「ņ」、「ļ」で転写します。軟母音の直前に現れた場合、その母音字を硬音として扱います。

 

・記号

原音

ъ

ь

転写後

ă

ì

注:

「ь」は子音字に挟まれた場合、無視されることがあります。

 

○諸規則

・名詞

名詞は原則として単数主格の形状で取り入れます。語尾(格変化する部分)はそのままにしておき、使用する際はピース語の格語尾を連結させます。

 

・形容詞等

語尾を切り離して取り入れ、使用する際はピース語の格語尾を連結させます。

 

・動詞

現在語幹部分を抜き出して取り入れ、使用する際はピース語の人称語尾などを連結させます。

同じ動詞の完了体と不完了体のうち、原則として語形が短い方を取り入れます。

 

・副詞、接続詞等

変化しないのでそのまま取り入れますが、使用する際はピース語の文法に従って修飾対象の形容詞や動詞と同じ格語尾、人称語尾を連結させます。

 

・性対応

男性名詞、女性名詞、中性名詞はそのままピース語の男性名詞、女性名詞、中性名詞として扱います。

 

・色対応

取り入れる際、6色のうちどれかに決定しますが、ロシアなので全て赤で良いかも知れません。

 

・子音連続対応

発音しにくい子音の連続がある場合、挿入母音を連結させた状態で取り入れます。挿入母音は「ロシア」の「ロ」の母音である「o」です。

 

нра-ヌラ→onra-オンラ

 

・アクセント

元々のアクセント位置のまま取り入れます。格語尾、人称語尾が連結されるか、アクセント後方の音節数が増えた場合、ピース語の規則に基づいた位置に変更されます。

 

Советサヴェート(ソビエト)→Savétサヴェト

Savétサヴェト(ソビエト)+-í(~が)=Savetíサヴェティー(ソビエトが)

 

○転写例

・Ленинリェーニン(レーニン)→Ļeņin-øリェーニン

・союзサユース(同盟)→saĭúz-øサユズ

・Шагоходシャガホート(シャゴホッド)→Şagacód-øシャガコド

・Чебурашкаチェブラーシュカ(チェブラーシカ)→Çeburaşc-aチェブラシュカ

・современныйサヴリェミェーンヌイ(現代的な)→savremenn-サヴレメン

・удалойウダローイ(勇ましい)→udalÁ-ウダル

・красное знамяクラースナイェ・ズナーミャ(赤旗)→znamen-ø krasẻn-øズナーメン・クラーセン

・хорошоハラショー(良く)→caraşó-カラショー

・еслиイェースリ(もし)→ìesļiイェスリ

・сегодняスィヴォードニャ(今日)→sevodņa-セヴォドニャ

・целоватьツェラヴァーチ(キスする)→ţelavú-ツェラヴー

・победитьパビェヂーチ(打ち勝つ)→pabedìÁ-パベディ

・записатьザピサーチ(書き留める)→zapíş-ザピシュ