品詞転換辞は、単語の性質を変化させ、派生語や分詞を作る接辞です。単語に連結させることで、名詞を動詞にしたり、動詞を形容詞にしたり、単語から別の意味を持つ単語を新たに作ったりすることができます。原形品詞転換辞もその名の通り品詞転換辞の一種です。
○種類、連結点
品詞転換辞は純粋に単語の品詞を転換するもの、特定の意味を付加するものなど多数が存在します。同じ意味の品詞転換辞でも連結する単語の原形語尾、原形品詞転換辞の種類によって異なる形状を取ります。
品詞転換辞の連結点は計6箇所あり、どこに連結されるかは品詞転換辞ごとに決められています。
・語頭連結点
語幹の直前に存在する連結点で、「^」の標識で表されます。これを用いる品詞転換辞は、動詞用・名詞化品詞転換辞「^fez-」などが存在します。
【例】
joņţem-(爆発する)+^fez-(~する○○)=fezjoņţem-(爆発する○○)
・語中前方連結点
接中辞の連結点の直後に存在する連結点で、「-;」の標識で表されます。これを用いる品詞転換辞は、動詞用・形容詞化品詞転換辞「-;ỉň-」などが存在します。
【例】
poģimş-(揉まれる)+-;iň-(~している○○)=poģiňimş-(揉まれている○○)
・語中後方連結点
接中辞の連結点の直後に存在する連結点で、「-“」の標識で表されます。
・合成部前方連結点
複合語の連結点の直前に存在する連結点で、「-(」の標識で表されます。
・合成部後方連結点
複合語の連結点の直後に存在する連結点で、「-)」の標識で表されます。
・語末連結点
語幹末と格語尾、人称語尾の間にある連結点で、「-」の標識で表されます。これを用いる品詞転換辞は、名詞用・形容詞化品詞転換辞「-eħ-」などが存在します。
【例】
gişc-a(奴隷)+-eħ-(~的な)=gişceħ-(奴隷的な)
○約束事
単語を名詞化する品詞転換辞の中には、自前の原形語尾と隠し語尾を持つもの(語末型が多い)があります。この種の品詞転換辞が単語に連結された場合、単語の原形語尾と隠し語尾は品詞転換辞のものに書き換えられます。
【例】
set-(死ぬ)+名詞化品詞転換辞-ojt-e-ø(~する場所、原形語尾-e、隠し語尾-ø)=setojt-e(死に場所、原形語尾-e、隠し語尾-ø)
自前の語尾を持たない品詞転換辞(ほとんど語末型以外)によって単語が名詞化した場合、その語の隠し語尾が発現します。
【例】
ŭìeţun-(略奪される、隠し語尾-u)+名詞化品詞転換辞^riţve-(~するもの)=riţveŭìeţun-u(略奪者)
名詞以外に転換するものは、必ず自前の原形品詞転換辞を持ちます。品詞転換した語を原形にするときは、そちらを使用します。
【例】
hujģimaħ-(嫌われる)+-(ĭu-eŗ-(~したくない○○、原形品詞転換辞-eŗ)=hujģimaĭuħeŗ(嫌われたくないこと)