この曲と、13,14,15に解説する4曲は1910年、モスクワの「歌曲の家」主催第5回作曲コンクールでラヴェルが編曲して同時入賞したもの。これは、各国の民謡のメロディーを提示され、それに自由な和声でピアノパートを加えて歌曲に編曲するもの。
彼は7曲応募し、そのうちこの4曲が入賞した。
この4曲はまとめて出版されているので、何となく組曲のように『民謡集』という扱いになっている。
すべて、その国の言語で歌われる。
「スペインの歌」
ラヴェルの母親はスペインのバスク地方の出身。
このため、ラヴェルはスペインの血が半分入っていて、スペインの旋律を子守唄のように聞いて育ったと言われる。
スペインの歌(スペイン語)
―民謡ー
さようなら、いとしい人よ、さようなら
あなたが戦争に駆り出されてしまってから
この世には何もない
ああ!私は笑いもしないし、遊びもしない
ラララララー
カスティリアよ、若者どもを連れてお行き
お前の大義を通させるために
彼らは薔薇のように晴れやかに出かけ
炭のように固くなって戻ってくる
ラララララー