『不思議ちゃん』猫の秘密
声楽家、動物愛護家 橋爪雅子
人間の親友と言えば迷わず犬と猫をあげることが出来るでしょう。
しかし、犬と猫は正反対の特色を待ちます。
あけっぴろげな犬に対して、猫は『不思議ちゃん』です。
その不思議をちょこっと謎解きしていこうと思います。
(私なりの謎解きです。聞きかじりや経験からですので、ご了承ください)
・猫の語源は『寝る子』なの?
草食動物はエネルギー量の少ない草を大量に食べなければならないので、人生の大部分を食事に費やします。
しかし、肉食動物の猫は食事に時間を費やさないので、余った時間は寝ているのです。寝ていた方が無駄にカロリーを消費しないし、安全なのです。
・夜の運動会の謎
猫は夜行性です。夜になると狩りに出かけたくなるのです。
飼い猫が夜に運動会をするのは体内時計が正しく働いているからなのです。
・『腹黒い』猫はいない
猫の毛色には『チョコレートの法則』というものがあります。(ネーミングは私です。あしからず)
頭からちょうどチョコレートをかけたように色がついてくるのです。
なので、頭や背中が白いのにお腹だけ黒い子はいません。
白い手袋をつけたような子がいるのもこの法則があるからなのです。
シャムネコには別の理由があります。シャムは生まれたては真っ白なのです。しかし、成長していくにしたがって、体温の低いところ(先っぽ)が濃い色になるのです。
・猫の思い、犬の思い
犬は群れで生活します。なので彼らの命題は「誰がボスか、誰が自分より偉いのか」です。犬と飼い主の関係で理想的なのは飼い主がボスになることです。
猫と飼い主との理想的な関係は「親子」です。それも母親と子です。
気分がいい時、膝の上やクッションの上で前足をモミモミするのは赤ちゃんの時のおっぱいを飲んでいた時の気分になっているのです。
・猫同士は「ニャー」は使わない
猫の事を「にゃんこ」と言いますが、野生の猫同士では「にゃー」はつかいません。あくまでも「にゃー」は人間に対しての猫語です。
野良猫同士て「にゃー?」「にゃー!」って会話しているのを見たことありますか?私はないです。(シーズンの時の「ぐわーあああ」「ふんぐあーーーー」はあるかもしれませんが)
子猫の時、母親に「ここにいるよ」という意味で短く「にゃ、にゃ」と泣いていたものを人間に対して使ってみているのです。
耳のいい子は人間の言葉をまねしてみます。
わが家の猫は「おはよう」とはっきり言います。テレビでマグロを食べながら「マグロうまいなあ」と言っている猫も見ました。
・猫の性格は父親譲り
獣医さんのどなたががテレビでお話してました。「猫の性格は父親譲りなのです」と。それを聞いて私が夫に「猫の性格は父親譲りなんですって」と言いましたら「なんでわかるんだ」と言いました。ごもっとも。
本当かなあ?
・トイレの前後に大騒ぎするのはなぜ?
わが家の猫はとてもおとなしい子ですが、夜中にトイレに行くとき「何事?」というくらい雄叫びをあげてから用を足し、終わった後も雄叫びをあげます。
前に飼っていた子はトイレの直後に猛ダッシュで走り回りました。
専門家の加藤由子さんによると「トイレ」と「やる気」と「エネルギー」は3点セットで、野生の猫は、安全な巣穴から離れたところで用を足すので危険が伴います。なので、かなりの「やる気」と「エネルギー」がトイレには必要だったのです。雄叫びをあげたり猛ダッシュをするのもその名残のようです。
安全な家の中のトイレなのにそうしちゃうのは、きっと雄叫びをあげないと首尾一貫しないのでしょうね。
・猫はきれい好き
犬は獲物をどこまで追跡して仕留め、猫は待ち伏せて狩りをします。なので、猫は自分の匂いを極力消すためにお手入れを怠りません。自分の匂いがしたら獲物は出てきませんから。
わが家の猫にキスの嵐をした後、彼女は必死になって私のにおいを消そうと自分の体をなめまわします。ずうーっと、何分も。
私のにおいを消すためなので「ものすごく感じ悪い」と私は思いますが、彼女にとっては匂いがついていることは一大事なのです。
・猫は平和主義
恋の季節になると、あちらこちらで猫の二重唱、三重唱が聞こえてきます。時には喧嘩も・・
しかし基本的には猫は平和主義で、相手に致命的な怪我を負わせることはまずありません。喧嘩相手が「まいった」と降参した時は少しだけ追いかけて後は見逃してやります。
猫は環境が整っていることが大切なので周囲が平和に維持されていることが大事なのです。
・見つめられるのは苦手?
「猫好きが猫に嫌われるのは、しつこく見つめ過ぎるからだ」という説があります。では、猫は見つめられるのが嫌いなのでしょうか?
わが身に置き換えてください。
あまり親しくない人が、あなたの事をじっと見ていたら・・・
怖いですよね、嫌ですよね。失礼な人って思いますよね。
そんな時、猫も目をそむけます。目を背けるのが面倒くさいときは目を閉じます。
では、大好きな人が優しい目であなたを見つめていたら・・
幸せな気分ですよね。
同じことです。恋人や愛しい人同士が見つめあう事は猫にとっても愛情表現なのです。
猫の不思議はまだまだあります。
それはきっと、猫が野生を捨てていないからなのだと思います。
わがままで、自由な猫・・・
そんな彼らに私たちは強く惹かれるのです。
猫の好きな理由と嫌いな理由の両方が『わがまま、自由気まま、人にこびない、気まぐれ・・』というのも興味深いですよね。