有名な『月あかり』がこの時期に作られた。
そして、この曲によってヴェルレーヌの詩との素晴らしい出会いの時期である第2期がはじまるのである。
第2期(1887-1906)
すぐれた作品を数多く生み出した時期である。
『優しき歌』や、アメル社版歌曲集第3巻の歌曲が含まれる。
第三期(1906-1922)
本当に美しい4つの連作歌曲、『エヴァの歌』『閉ざされし庭』『蜃気楼』『幻想の地平線』もこの時期に作られた。
そして最後の歌曲集『幻想の地平線』で彼の作曲は幕を下ろした。
フランスの作曲家、ガブリエル・フォーレ(1845-1924)は、しばしばフランスのシューマンと呼ばれてきた。しかし、それは2人の作曲家が歌曲の分野でそれぞれの国を代表する作曲家という点のみである。
フォーレは約60年の生涯で100曲以上の歌曲を生み出した。
そして、この間、同時代の作曲家(ドビュッシー、ラヴェル、ストラビンスキーなど)の影響を全く受けなかった。
フォーレの芸術には、めざましく着実な発展を認めることが出来る。
1870年以前に書かれたロマンス(この時点ではまだフランス歌曲とは呼ばない。)から、1922年に書かれた最後の作品『幻想の地平線』にいたるまでの間、フォーレの歌曲は形式とハーモニーがますます緻密となり、また表現がより純粋に、より控えめになって行った。
第1期(1863-1887)
アメル社版の歌曲集1、2巻の中のほとんどの曲がこの中に含まれる。