ライオンズクラブの青少年健全育成プログラムである、ライオンズクエストについてご紹介します。
ライオンズクエストは、10歳から15歳くらいの(小学校5年生から中学校3年生)思春期の子供たちに『ライフスキル』を教えるプログラムです。ライフスキルとはあとで説明しますね。
クエストは1975年アメリカの青年、リックリトルより始まりました。
当時、大学生だった彼は、母親が睡眠薬を大量に飲んで倒れたり、彼自身も交通事故に会って大怪我をし、半年以上入院をするなど困難な状況におかれました。その時、この状況をどう乗り切ればいいか、だれも教えてくれない事に気が付きました。
それから彼は様々な調査をし、専門家、学校教員の協力を得て、クエストの開発に取り組みました。
こうしてできたのが、ライオンズクエストプログラムです。
このプログラムは、大人が子供にこういうことを教えよう、というのではなく、青少年がこういうことを学びたい、というニーズの側から生まれたことが特徴です。
その後、リック・リトルはクエストインターナショナル財団を作り、クエストプログラムの普及に取り組みました。
1984年、ライオンズクラブ国際協会がこのクエストインターナショナル財団とともに世界的な普及を開始しました。
1989年にはこの財団のために6、500万ドルというアメリカ史上2番目の巨額の助成金が交付されました。
2002年、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)が著作権を買い取り、ライオンズクラブが国際プログラムとして普及活動をしています。
ライオンズクエストの「ライオンズ」と「クエスト」はどちらもこのプログラムの開発・普及にかかわってきた団体の名前です。
年表
1975年
当時、アメリカの大学生であったリック・リトルが自らの経験から青少年が健全に成長する過程で必要な高い自尊心、責任感、他の人も 大切にする心といった生きる力(ライフスキル)を学校で学べるようにと提案し、クエストインターナショナルセンターを設立し、その後、財団法人クエストインターナショナルとなった。そして専門家、大学教授など学識経験者によるプログラムの開発が行われた。
1977年
クエストは、ケロッグ(あのコーンフレークスで有名な)財団、ジョージガンド財団、リーダーズダイジェスト社からの助成金を得て、高校生向けのプログラム「Skills for Living」を完成させた。
1984年
ライオンズクラブ国際協会とクエストインターナショナルは共同して「思春期のライフスキル教育」Skills for Adolescence(小学校5,6年生から中学生用)を開発した。
1985年
ライオンズクラブ国際財団は、アメリカ、カナダ地区での普及促進のために90万ドルの助成をした、この年には520校がライオンズクエストの授業を実施した。
1986年
「思春期のライフスキル教育」がイギリスに導入された。
スエーデンでは全教材がスエーデンの国に合うようにスエーデン化された。
1989年
小学校低学年用プログラム、Skills for Growingは1,400校で、思春期のライフスキルプログラムは17,221校で実施され、世界で一番使われているプログラムとなり(薬物乱用防止プログラム)アメリカ大統領表彰を受けた。
1990年
このプログラムはデンマーク、フィンランド、オランダ、スイス、アルゼンチンに拡大した。
2000年
330複合地区(東京)は、「ライオンズクエスト日本導入パイロット地区」として、4大交付金を得て、日本語教材、日本人講師の養成に着手した。
2002年
ライオンズクラブ国際協会はライオンズクエストの著作権を所得
2011年
日本語訳の改訂版が完成
2013年
小学生版完成