(その16)
「その14」で書いたように、大介が亡くなってから数か月後に三郎も亡くなりました。
わが家にはトンちゃん一人(?)になってしまいました。
しかし、トンちゃんは元気です。
本当に陽気で、テレビでフルートや口笛の音が聞こえるものなら一緒になって歌います。
リズムカルな音楽が流れると止まり木の上でダンスをします。
なんて素晴らしいオカメインコなんでしょう。
祖母から『ドバトみたい』と悪口を言われた同じことは思えない美しい鳥になりました。
トンちゃんとの別れは突然やってきました。
トンちゃんはもう24歳になっていました。
オカメインコの年にしたら驚異的な長生きです。
「いつか、お別れする日は来るのだろう」と心構えだけは持っていました。
2010年の11月は袋田の滝がある茨城県の大子でコンサートの予定が入っていました。
そのコンサートを次の週に控えた11月6日の朝、
いつもと何も変わらなく元気にしていたトンちゃんが突然バタバタバタバタと羽を羽ばたかせ、
止まり木から底に落ちました。
びっくりしてトンちゃんを見ると、足が引きつっています。
あわてて、夫を呼び、トンちゃんを籠から出して手の中に乗せると、だんだん意識が遠のいていくようです。
私と夫は「トンちゃん」と呼びながら一生懸命彼の体をさすりました。
間もなく私たちの手の中でトンちゃんは息を引き取りました。
私と夫は、もちろんものすごく悲しいけれど、寂しいけれど「こんな幸せな事はない」とトンちゃんに感謝の言葉を何度も何度も書けました。
鳥が死ぬことを『落鳥』と言います。
犬や猫と違ってどんなに可愛がっている鳥でも死んで発見されるのが普通なんです。
それなのに、トンちゃんは私たちの手の中で息を引き取ったのです。
さすがに『お告げによってわが家に来た子』です。
小さな鳥でもお骨にしてくれるところを一生懸命探しました。
そこで、お骨にしてもらいました。
そこはすごいのです。
普通は火が強すぎて粉のようになってしまったり、真っ黒になってしまうのに、素晴らしい状態のままお骨のなりました。
「24歳だったんですよ」と係りの人に言うと「小鳥がそんなに生きるのですか!!」とびっくりしていました。
もし、一週間後になったら私たちは演奏会に行くために早く家を出なければなりません。
そうしたら、まさに『落鳥』の状態でトンちゃんを発見した事でしょう。
うちの子たちは本当に親孝行です。
素晴らしい!!!