(クエストを導入した学校ではいじめ、暴力、不登校が激減している)
(4)地域との連携
このプログラムでは教員や保護者に加えて、ライオンズクラブやその他の社会団体、企業、行政、青少年団体関係者が学校を支えたり、外部講師などとして授業をするなど地域と学校が連携することを推奨しています。
(5)ワークショップ
このプログラムを効果的に実行するためにすべての指導者はワークショップへ参加することが義務付けられています。
以上が概要ですが詳しくはワークショップへご参加ください。
ワークショップ修了者には、このプログラムを詳しく解説している『概要書』をお渡しいたします。
以下は2014年4月27日のゾーンチェアーパーソン研修会にお渡しした資料です
ライオンズクエストの概要 ライオンズクエストプログラム説明員
橋爪雅子
1、 ライオンズクエストの生い立ち
2、 ライオンズクエストの理念
3、 ライフスキルとは
4、 よい雰囲気の中で系統的に学習する
5、 ライオンズクエストの理念を支える理論
6、 ライオンズクエストプログラムの柱と目標
7、 ライオンズクエストの学習内容、スキル
8、 サービスラーニングとは(ボランティア体験学習)
9、 ライオンズクエストワークショップの主題
10、ライオンズクエストの授業の構成
11、千葉県での展開方法
1、 ライオンズクエストの生い立ち
1975年 アメリカの青年リック・リトルが「人生で直面する困難にどのように対処すればよいか、誰も教えてくれなかった」という経験から、困難を乗り越え、よりよく生きる力を包括的に学べるプログラムの開発を開始、クエスト財団(後のクエスト・インターナショナル)を創立。
1984年 ライオンズクラブ国際協会(LCI)がクエストインターナショナルのパートナーとして、プログラムの普及活動への協力、支援を開始。このプログラムの開発と普及活動に携わった2つの団体名が≪ライオンズクエスト≫の名前の名前の由来。
1999年 330複合地区がLCIFの4大交付金を活用しプログラムの日本国内への導入事業に取り組んだ。
2002年 ライオンズクラブ国際財団(LCIF)が組織をあげての普及活動を行うため、クエストインターナショナルから著作権を取得。
現在、世界50カ国近くで、1,100万人以上の青少年にこのプログラムが伝えられている。
1-2 333-C地区での経緯
2007年7月~ 小西ガバナーの時代にライオンズクエスト委員会が作られ、
委員がワークショップに参加し、内容を勉強する。
333-B地区と共にLCIF4大交付金助成申請を提出し、 ここからライオンズクエスト拡大委員会が始まる。
(2008年1月から3年間で10万ドル)
現在、3回目の助成金を受けている。
2、 ライオンズクエストの理念
ライオンズクエストプログラムを通じて次の事を推進する。
(1)すべての子供たちが、それぞれが持つ可能性を最大限に発揮できるようにサポートする。
(2)「生きる力」としてのライフスキルを育て、子供たちの人格を高める。
(3)自分らしさを大切にしながら、社会の一員として責任を果たせるようその能力を伸ばす。
(4)保護者(親)は子供にとっての一番の教育者であると位置づけ、保護者(親)を支援する。
(5)すべての子供を支援する思いやりのある大人の輪、教育の輪を広げる。
3、 ライフスキルとは
3-1ライフスキルの定義
WHO(世界保健機構)は「ライフスキルとは日常生活で生じる様々な問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な心理社会能力である」
簡単に言い換えると、私たちが悩んだり、困ったり迷った時、
そういえば、あんな方法があった!あれを使えばひょっとして
うまくいくかも
というような、知恵やコツの集まり、何かあった時、さっと取り出せて使える、とても便利な,“道具”。
3-2 今、教育界で導入されようとしているライフスキルとは
(1)日常生活の中で、自分らしさを大切にしながら多くの人と上手く関わるためのスキル
(2)長い人生のうちには誰もがどこかで出会う心に強い影響を受けるような問題(怒り、悲しみ、ストレスなど)、それらを受け止め、自分を励ましながら乗り越えるためのスキル。
(3)学んだこと、身につけたことを基礎に、積極的に社会に関わり、他の人のために、社会のために、あるいは自分の将来のために自分の力を創造的に生かすためのスキル。
3-3 スキルの特徴とライフスキル学習
「スキル」を日本語に訳すと「技術」「技能」
「やり方」がわかって、それが「出来る」
「やり方」伝えたり教える事が出来る。他の人の言動や書物などから自分で学ぶ事も出来る。
「出来る」練習する事、体験を積み重ねる事によって、楽に出来る、速くできる、上手く出来るようになる。
ライフスキル学習とは
(1)学んで、使って、身に付ける
(2)自分の背丈に合わせて繰り返す
(3)だれでも身に付けられる
4 よい雰囲気の中で系統的に学習する
学校、学級は子供たちにとって安全で安心できる居場所であるべき。
また、互いに支え合い伸ばしあう、好ましい社会のモデル
ライオンズクエストのプログラムは、よい雰囲気の集団づくりを根幹において、子供たちの発達段階にあわせ、子供たちが、それぞれの歩幅で昇って行かれるステップを用意し、系統的にライフスキルを学習する。
(1)互いによく知り合い、理解を深めるための学習を授業に取り入れている。特に授業のはじめに行う『エネジャイザー(元気が出る活動)』は、学級の雰囲気を盛り上げるのに効果的。
(2)一人一人がしっかりと学習するだけでなく、仲間との「協力を通した学習」を重要視している。これにより、互いの理解が深まり、よりよい人間関係が育つ。
(3)どの子にも発言のチャンス、発表のチャンスが与えられるよう、ペア(2人組み)、小グループ、大グループなど多様な学習形態を活用する。
(4)文字で書く、言葉で表すだけではなく、絵で表現する、もので表現するなど、どの子も伸び伸びと、自分に合った表現が出来るよう、多様な表現方法を取り入れている。
5、 ライオンズクエストの理念を支える理論
5-1 学習意欲、効果
・安全で安心できる環境のもとで、やりがいのある課題が提供されると、若者たちはよく学ぶ。
・人との結びつきは学習を促進させる。
5-2 安心できる人間関係と若者の行動
・ 思いやりのある人間関係は若者を健やかに育て、危険行動を防止する。
・ 思いやりのある大人との関係は若者を強くする。
5-3 ・失敗を恐れず、安心して思いっきりやれる環境。そして子供たちへの期待。これが学習効果の向上をもたらす。
・よいルールは、子供たちを縛るのではなく、子供たちにより自由を与える。
6、 ライオンズクエストプログラムの柱と目標
6-1 プログラムの柱
① ともに生きるために必要なライフスキルの学習
② 市民性の育成(社会の一員としての自覚)
③ 薬物乱用、暴力等の問題行動の防止
④ 社会参画体験学習(Service Learning)
6-2 プログラムの最終目標
① 互いを尊重し、高い期待感を抱き、意味のある参画が出来る学習集団作り
② 健康で生産的な生活をするのに必要なライフスキル学習の指導
③ 薬物(喫煙・飲酒を含む)を使用しない、安全で健康な生活の促進
④ 市民の一人として、他者との協調、助け合いを促進
⑤ 家族、よき友人、学校、地域とのつながりの強化
7、 ライオンズクエストの学習内容、スキル
7-1内容
子供たちが良い雰囲気の中で系統的に学習できるよう9つの単元から成り立っている。これらの学習を通して、社会の一員として好ましい価値観を備えた大人に成長するように支援する。
学習を通して身につけたい好ましい9つの価値観
1、 自律心
2、 責任感
3、 正直さ
4、 勇気
5、 親切さ
6、 健康な生活習慣
7、 自分や他人を大切にする
8、 家族との絆
9、 他者への貢献
7-2 スキル
次の9つのカテゴリーに属するスキルを学習する
① 自己規律、責任感、自信の形成
② 他者との効果的なコミュニケーション
③ 感情や態度の上手な表現
④ 家族や友人との好ましい関係の強化
⑤ 問題解決や健全な意思決定
⑥ 仲間からのよくない誘いや薬物のすすめの拒絶
⑦ 批判的思考力
⑧ 目標設定と計画的な実施
⑨ 自分の力を他者のため、社会のために生かす
そして、これらのスキルの学習を通して、次のような能力を高める
① 自己認識力(自分の良さ、特徴、自分の今の感情などがわかる力)
② 自己コントロール能力(自分を励まし、前向きな行動をとる力)
③ 社会認識力(他者の気持ちを理解したり、集団や社会のメカニズムを理解する力)
④ 対人関係能力(他者とよい関係を結ぶ力、言葉で相手に行動を促す力)
8、 サービスラーニング(ボランティア体験学習)
ライオンズクエストプログラムの特徴の一つに、サービスラーニングがある。
子供たちが自ら
① 地域や学校のニーズを探し出し
② その中から実現可能なものを決定し
③ 計画や準備を行い
④ そして実行し
⑤ 最後にその意義や成果を振り返る
このプロセスを、体験を通して学習する
参画することの意義
・ 一方的に話されると、すぐに忘れてしまう。
・ 教えられたら、覚えていられる。
・ 参画すれば、習得できる。
この学習では教室だけでは学べないことを地域で学ぶだけではなく、子供たちが教室で身につけた文章を書く力、数学的な考え方、論理的思考力などの“学力”に加えて、コミュニケーションスキルなどさまざまなライフスキルを実践する事が出来る。
すでに多くの学校ではよく似た体験学習は行われているが、これはほぼ全プロセスに生徒たちが主体的に関わり、スキルとして身に付けようとする事が特徴。
9、 ライオンズクエストワークショップの主題
私たちは、子供たちがしっかりとした人格を備え、持てる力を十分発揮できる、健やかな大人に成長することを願っている。その願いを実現するために、学校を核として、教師、保護者、地域の人々には何が出来るか考える。
ライオンズクエストを授業で活用するために2日間のワークショップへの参加が必要。
2日間のワークショップでは、互いに協力してよい集団の雰囲気を作り、ライフスキルとその指導方法について学ぶ。ワークショップを模擬的な学級に見立て、参加者がその学級の構成員になり、体験を通してプログラムの内容、方法そして効果を学ぶ。
目的
二日間のワークショップを通して次のことを学ぶ
① 子供たちが、しっかりとした人格を持ち、持てる力を十分に発揮できる、健康的な大人に成長するために、私たちに出来る事は何かを考える。
② ライオンズクエストが提唱する青少年の望ましい成長と問題行動防止の要点を理解する。
③ さまざまな活動や学習方法を体験しながら、プログラムの内容や教材を理解し、授業の構成や授業方法を理解する。
④ 学級や学校、地域の教育活動の中でライオンズクエストプログラムをどのように活用していく事が出来るかを探る。
10、 ライオンズクエストの授業の構成
授業を構成する4つのパート
第一段階 導入
前回までの授業の流れを確認したり、今日の学習内容について、子どもたちの理解度を探る。同時に子どもたちの興味関心を刺激しながら、学習への意欲を高める。ここで短時間でできる『エネジャイザー(元気が出る活動)』を使うと効果的。
第二段階 情報とスキル
子どもたちがすでに持っている知識を元に、新しい情報とスキルを学ぶ時間。話し合いやロールプレイ、ポスターづくりなどを通して楽しく行う。
第三段階 活動
第2段階で学んだスキルを、先生の指導のもとに練習する時間。グループワーク、ブレーンストーミングなどの学習方法を活用して、実施練習をする。子どもたちの自主的な活動が中心なので、活動前の役割り分担、活動課題の明確化、的確な指示などが重要。
第四段階 振り返り
学習内容を振り返る。
① 何をした?:学習した事実についての振り返り
② 何を感じた?どう思った?:自分が感じた事、興味があったこと
③ さあ、どうする?:このスキルをどう活用するか、応用するか
11、千葉県での展開方法
2008年1月より333-B地区(栃木県)と一緒にライオンズクエストを広めてきたが、栃木県は次々に学校での導入が進むのに千葉ではまだ1校も全校でライオンズクエストの授業をしている学校がない。
その理由は、学校の先生が不勉強だったり怠けているのではない。
堂本前知事の時、堂本氏の肝いりで[ピアサポート]というプログラムを学校に導入した。このプログラムを使っている学校が今でも多数ある。
そして、千葉は東京に近いという事から、先生方は東京での色々な教材の勉強会に参加しているため、ライオンズクエストに対してあまり新鮮さを感じないのも事実。(ライフスキルは当たり前のことを教えるのだから)
しかし、どんなプログラムにも賞味期限がある。
学校で、役に立つ日が来るまで気長にライオンズクエストを普及し続けることが大切。
ライオンズクエストは2つの大きな目的がある
1、 生徒たちに役立ててもらう
2、 教材を学ぶことによって先生方のスキルアップを図る。このことにより最終的には生徒たちのためになる。
千葉県では校内型のワークショップを行って、その後、学校全体で取り組むという方法はかなり難しい。
しかし、個々の先生方に公募型ワークショップへ参加してもらい、指導スキルをあげてもらう方法ならば可能。
そのために、8月に千葉(8/23,24)と東京(7/31,8/1)で公募型ワークショップを、4月に東京(日程未定)で公募型ワークショップを333-B,C地区主催で開催する。
ここに、たくさんの先生方の参加を求める。
費用は4大交付金から出せるものもあるので
必要ならばライオンズクエスト委員長に相談して欲しい。
青少年の学習の成果をより高めるためには学校内外における保護者の協力が不可欠。
教材として『保護者用読本』と『保護者会運営手引書』がある。
(3)良い学校の雰囲気の形成(これはクエストの最大の特徴ともいえる)
このプログラムの重要な目的の一つは、学校の雰囲気を明るく前向きにすること、学校を生徒たちや教員をはじめ大人も「居たい」と思うような場所にすること。
「良い教育とは何か」に関する最新の研究報告によると、学校の雰囲気が明るく前向きなほど、生徒の成績が良いとの結果が出ている。
また、学校の雰囲気が良い事が健全な青少年育成や危険行動防止に不可欠な要因である。
この『思春期のライフスキル教育』プログラムは青少年の健やかな成長と薬物乱用防止を願って作られた総合的なプログラムです。
小学校5,6年生から中学3年生までの十代前半の子供が対象です。
家庭、地域、学校が連携して思いやりと誠意ある環境の中で青少年に必要なライフスキルを身に着けさせることを目指しています。
Ⅰ このプログラムが目指すもの
1、家庭、学校、地域が連携して、青少年の健やかな成長を支援する。
2、青少年が、自律心、正しい判断力、責任感、そして他者との共生という前向きな態度を身に着けられるよう支援する。
3、青少年が、家庭、学校、友人関係、地域の一員として責任ある行動がとれるように支援する。
4、青少年が、協力して他の人のために何かをすることによって、良き市民として貢献できるチャンスを提供する。
5、一人ひとりの違いを大切にし、自分も他の人も大切にすることを奨励する。
6、好ましくない勧めにうまく対処し、薬物のかかわらない健全な人生を送ることが出来るように支援する。
7、このプログラムの実施に関わる教員、管理職、その他の人々に対して効果的な教材の提供、指導者研修の実施、継続的支援体制によるバックアップなどを行い、プログラムが円滑に実施できるよう、サポ―トする。
Ⅱ 青少年に身に付けさせたい9種類のスキル
このプログラムでは、次の9つのカテゴリーに属するスキルを学習します。
1、自己規律、責任感、自信の形成
2、他の人との効果的なコミュニケーションと協力
3、感情や態度の上手な表現の仕方
4、家族や友人との良い関係の強化
5、問題解決や健康的な意思決定
6、仲間からの良くない誘いや薬物の拒絶
7、批判的思考力
8、目標設定と計画的な実施
9、他の人のためにする活動の実施(ボランティア)
Ⅲ プログラムを構成する5つの要素
(1)授業用カリキュラム
このプログラムには全部で83時間(1単位時間は50分)の授業があり、それらは以下の8つの単元とサービスラーニングに系統的に配置され ています。実際に学校でこのプログラムを導入する場合には授業を選択して実施する「集中コース」から、3年間ですべての授業を実施する「総合コース」までアレンジが可能で使用勝手の良いプログラムです。
単元1:十代のみんな、思春期へGO!
単元2:本当の自信とコミュニケーションスキルの形成
サービスラーニング
単元3:心の成長と感情のコントロール
単元4:友人関係の改善
単元5:家族の絆の強化
単元6:健康への道を選ぼう
単元7:人生の道のり
まとめ:可能性の追求
(2)保護者の協力