その4
ポンポンが来て1年たったころ、ポンポンにお嫁さんを迎えてあげようという事になりました。
またまた、父と私はそごうデパートのペット売り場に行きました。
毛色はブルーポイントがいいと決めていました。
ブルーポイントとは白っぽい全身に体の先っぽが明るいグレーの毛色です。
猫のショーケースに行くと居ます。他の猫より一回り大きなブルーポイントが。
そして、私を見つけると近寄ってきて手を差し伸べるのです。
あらーこんなに人懐っこい子初めて!!!
と言っても、私以外の人にはそうでもないようなのです。
何だろうこの子!!顔を見るとちょっと目が寄っていて面白い顔です。
お世辞にも美しいって顔じゃありません。
毛足も少し長いようで、ポンポンの『ベルベットのような』とはほど遠い感じです。
でも、うんとかわいい!
「パパ、この子にする。」
店員さんは「この子は男の子です。しかも、只今円形脱毛症でお売りできません」と言うのです。
「ブルーポイントの女の子は取り寄せますので少々お待ちください。」
という事で2,3日待つことになりました。
美しい、きゃしゃなブルーポイントの子が来ました。
一回り大きな寄り目のブルーポイントは「えっ、僕じゃないの?」と寂しそうです。
私と父はきゃしゃなブルーポイントを買って帰りました。
家に着くと・・・・・・・
なんか違うのです・・・・・
この子はすごーくきれいな子だけど・・・・・・
あの大きな、毛足の長い、バサバサした、お世辞にもきれいって言えない子の事が頭から離れないのです。
2日後に誰にも相談しないで取り換えに行ってしまいました。
「まあ、円形脱毛症ももうすぐ治りますし、お客様がご承知ならいいです。」と私の必死な様子に店員さんも了解してくれました。
体が大きいってことは、簡単に言えば『売れ残り』です。店員さんも心なしかホッとした様でした。
家に着いて箱から出した途端「絶好調!!!」です。
高い棚の上に登りました。そこから下を眺めています。
父が部屋に入って来たとたん、父の背中に飛び降りました。父はびっくり!あのおとなしいブルーポイントが急変してお転婆になったのです。しかし、顔を見ると『ファニーフェイス』。
「雅子、取り換えに行ったのか!」「そうです」「パパもこの子が気になっていたんだよ。でも、よく取り換えてくれたな。」
この子が大介です。
ポンポンは私が選びました。
大介は、大介が私を選んだのです。ショーケースの中で手を伸ばしたのです。
ポンポンと大介(大ちゃん)は本当の兄弟のように仲の良い関係になりました。