2018年5月11日~20日 イタリア旅行
毎年イタリアに旅行すると二人で決めたので、今年もイタリアに行ってきました。
(一年間のスケジュールを上手くまとめると10日間くらいの連続した休みは取れるものです。今回もかなり前からこの日程を決定しました。)
一昨年、ローマとヴェネツィアが楽しかったので今回もその2都市を拠点にしました。
昨年、フィレンェに行ったとき、イタリア国内の移動を飛行機で計画しておりました。しかし、帰りの日の国内線がストで、そのためなぜか国際線までキャンセルされてしまったので2日間滞在を伸ばしました。今回はそのリスクが無いように、国内の移動は鉄道にしました。
2018年5月11日(金)
出発前,有彩がクーちゃんを連れてやってきました。
「これ、栃木のお土産。気を付けて行ってきてね。」有彩は連休中、栃木県の友達のところに遊びに行ったのでした。
さあ、出発。
【早め早めに行動しよう】が私たちのモットーです。
車をパーキングに預けて、かなり早めに成田に着きました。
12時35分発アリタリア、ミラノ行き。フライト時間は12時間強。
今回は強い味方を用意しました。
足がむくんでしまわないように、足を高く上げられるフットレスト、それと首を支えるマフラーです。フットレストはかなり効き目がありました。携帯にも便利です。かなりのお勧め!
首を支えるマフラーも良かったです
アリタリアは倒産の危機で今崖っぷちです。昨年のフライトは超最悪なサービスでしたが、いよいよとなった時に物凄い力を出すのがイタリア人です。今回はとても快適なサービスでした。アテンダントさんたちがセッセ、セッセと働いているのがわかりました。
機内用クッションもこんな工夫が!!
真ん中から二つに裂くと、首を支えるUの字枕になりました。
現地時間の18時15分、ようやくミラノ マルペンサ空港到着。
その後、Malpensa Expressでミラノ中央駅まで。
中央駅に着くとけっこうな雨が降っておりましたが、駅からすぐ近くのホテルを選んだためすぐにチェックイン。アンドレオラ セントラルホテルです。
チェックインの後、次の日の用意のためもう一度ミラノ中央駅(ミラノチェントラーレ)に行きました。メトロの乗り方チェックとメトロ一日乗り放題券を買うためです。
そして、二人は疲れ切って寝ました。
私は疲れているのに、頭がさえてなかなか眠れません。毎回、着いた日はこんな感じです。
2018年5月12日(土)
本日のメインはレオナルドダビンチの最後の晩餐Cenacolo Vincianoです。
予約なしでは入れないので、前もって旅行社を通じて予約しておきました。
9時45分に入るので、それまでに行かないと取り消しされてしまいます。しかもすでに料金を払ってあるのですが、それも戻ってきません。という恐ろしい条件でした。
メトロ2号線(緑のライン)でCadorna (ミラノ北駅に隣接)そこから徒歩5分。
1時間も前に到着したので、Santa Maria delle Grazieを先に見学しました。
そしていよいよ最後の晩餐へ。
素晴らしいのですが、あまりにもテレビや本などでたくさん見ているので・・「ああ、同じだ」という感想です。不謹慎ですね。
それより、この場所は旧ドメニコ派道院の食堂にあります。最後の晩餐の真向いにはロンバルディア地方の画家ジョバンニ・ドナート・モントルファーノが1495年書いた「キリストの磔刑」があります。(最後の晩餐は1494年から1498年にかけて製作されました)
同じ空間にキリスト受難の最初と最後のエピソードの絵を見ながら食事をとっていた当時の修道士たちのことを思い浮かべました。
15分間だけ見られて総入れ替えです。
ダーリンが「レオナルドダビンチ記念国立科学技術博物館を絶対見たい!」というのでそこへ。
ただ、ここは現在の科学技術の知識を広く一般の人々に普及すべく開設された博物館だったので、期待外れでした。
しかも€10とお高め。
入場券を買うときintelとridottoという料金設定。
Ridottoって小さくされたとか縮小したっていう意味だよね・・きっと全館を見るのでなく一部分を見るってことねと思い、ダーリンがチケットを買うときにridotto2枚 って言わせたら「なんでridottoなの!!大人はintel!」と言われました。
そうか、ridottoは子供料金ってことだったのです。
館内は「きぼーる」にあるこども科学館って感じです。ダーリンが思っていたものとはかなり違いました。そのあと一日中「レオナルドダビンチ館は間違った!損した!€10は高すぎた」と繰り返し言ってました。
次はBasilica di Sant’ Ambrogioに行きました。
ここはミラノの守護聖人である大司教アンブロージョを祀る最古の聖堂。
386年にアンブロージョ自身によって建てられ、現在は9~11世紀に再建されたロンバルディア・ロマネスク建築の傑作です。
ちょうど、地元の若者たちの結婚式がおこなわれるところに遭遇しました。
ヴァージンロードをお父さんと入ってくる花嫁、とても素敵でした。
ただ、音楽は演奏を頼んだのか、フォークソングみたいなのでちょっとがっかり。
これに関しては日本の結婚式では声楽を勉強した人たちによるコーラスがあります。もっと厳かな感じです。ホテルに付属したチャペルではアヴェマリアや賛美歌が流れますよね。・・・あ、賛美歌ってカトリックでなくプロテスタントのものだ!
次は邸宅博物館を見ようとおみました。
私はこういったお宅拝見が大好きです。
Villa Necchi CampiglioはVilla Necchiはミシンで財を成した実業家がミラノ滞在の時に利用した別荘です。ここのプールサイドにはカフェもあるとのことなのでゆっくりお茶したいと思い行きました。
先ほどのメトロのCadorna駅から1号線でSan babila駅で下車。ここからダーリンの機嫌が悪くなる・・外はかなり暑くて・・場所もわかりづらい。
やっと見つけてチケットを買おうと思ったらちょうどお昼であと1時間しないと見学できないと言う。
「もう、こんなとこ見ない」とダーリンがキレて、とりあえずどこかで休もうとカフェに入ったが、ここでのジュースが『健康第一がおしゃれの街ミラノのトレンド』とばかりのジュースのため高い、不味い、健康にはいいらしい で、またまたダーリンの機嫌が・・・万歩計を見るとすでに18000越え!「こんなの、旅行じゃない!アスレチックだ」と毎回のダーリンの決め台詞が出ました。
もう一度地下鉄に乗ってCadornaに戻り、Catello Sforzesco(スフォルツァ城)へ行きました。ここはミラノルネサンス期最大の宮殿。かつての領主、ヴィスコンティ家の城跡にスフォルツァ公爵の命により1450年に城兼城塞として建てられたものです。ここのある博物館は目を引くものがたくさん。本日の観光の一番はここでした!
「€10でこんなに楽しめた。それにしてもレオナルドダビンチ館は損した。」とまた言ってました。
たくさん歩いて疲れ果てたので、ホテルに戻ろう‥と近くのメトロの駅に行くとまたもや1号線。そうするとこれに乗りCadornaで2号線に乗り換えてMilano Centraleまで。本日何回Cadornaに行ったことか!
ホテルにたどり着き、万歩計を見るとやはり2万歩!
「俺は疲れ果てた」というので夕食はホテルの上にあるレストランでと思いきや「本日はお誕生日パーティー」の張り紙がしてあります。
「もう、外に行く気力がない」とダーリン。仕方ないので近所のスーパーで食材を買って部屋で食べました。大量の生野菜も食べ、復活しました!
やはり、私たちには大量の葉っぱものが必要なんですね。
安物のワインも飲んで「これで€10。それにしてもレオナルドダビンチ博物館は損した!」(まだ言ってる)
二人ともよく眠れました。
2018年5月13日(日)
本日はミラノからヴェネツィアへの移動日ですが、ミラノを目一杯堪能するために18時37分の列車を予約しました。
ホテルに荷物を預けてDuomoへ、手慣れたメトロで移動。
Duomoのテラスにエレベーターで上がれるチケットを買いました。
階段でのぼるのは€11、エレベーターは€16です。
テラスに登ると素晴らしい眺めと素晴らしい装飾にびっくりです。
Duomoは約400年かけて完成させたもの。ヨーロッパに何度も行っている私も一番感動しました。
実は本日、日曜日。Duomoではミサが行われていました。パイプオルガンと聖歌に包まれて感動いたしました。
その後、Duomo博物館を鑑賞した後、ガレッリアへ。
今から38年前、ダーリンと出会った旅行でここに来たんだと思い起こしました。
その後、スカラ座へ。
スカラ座は博物館を持っています。そこは声楽を生業としているものは見ておかないと!
時間的にうまく行って劇場の中も見学できました。本当に運が良かった。
ゆっくりミラノを堪能して列車でVeneziaへ。
今回は奮発して一等車に乗りました。
飲み物とお菓子のサービスも付き、満足です。
Veneziaに着きダーリンが「ただいま」と言ったとたんにびっくりするような雨と雷が!!
笑っちゃいました。
今回は駅の近くのAbbaziaという修道院を改装したホテルをとりました。
「びちゃびちゃになっちゃいました」と入っていくととても感じにいい対応。
部屋までスーツケースを運んでもらいましたが、とても大変そう。
「エレベータはないの?」と聞くと「ない!!」
実はミラノで500mlのビール6本と750mlのワインを買いスーツケースに入れてあったのです。そのほかにミニオンの柄のついたマスタードとケチャップ4本、とてもおいしいバルサミコ酢2本も入ってます。超重い!!
チップは€2かな?と思っていたらダーリンが「お札はないの?」というので€5を差し上げました。
ダーリンはミラノからこの超重いスーツケースをずっと2つも持ってきたのでその大変さが身に染みてます。ダーリンは€10のつもりだったようです。
さあ、明日はVeneziaでゆっくりします。
見るべきとこは一昨年、ばっちり見たので、今回はカフェ フローリアンで行き交う人を見ながら一日過ごしたいと思います。
2018年5月14日(月)
疲れがたまっていたのか、Veneziaが合うのかわかりませんがぐっすり気持ちよく眠れました。ゆっくり朝食をとっていざ、出発。
ダーリンが一昨年、「内部の一部しか見られなかった海洋史博物館だけは見たい」とリクエストなのでまずはそこへ。
ヴァポレット(海上バス)の一回券は€7、一日乗り放題券は€20です。3回乗ると元を取るので一日乗り放題券にしました。
海洋史博物館の前に行くと一昨年と同じ張り紙が・・・どうやら私たちが一部と思っていたものがすべてだったようです。これが全てって・・・。
思っているより寒かったので、ヴァポレットでいったんホテルに帰り、
フロントでカギをもらうためにダーリンが部屋番号を言います
「トレチェント クアット@*ディチ」そうするとフロントのポチャポチャしたお兄さんが「COME?」(何?)もう一度ダーリンがトライすると、カウンターから出てきて耳を傾けます。何度かトライしましたが伝わりません。仕方なく私が「314」と言いました。
その後、暖かい服装に着替えてもう一度出かけましたがダーリンは何度も「クアットールディチ(14)」を練習してました。
またまたヴァポレットに乗ってガラスで有名なムラーノ島に行きました。ガラス博物館を見学し、サンティ・マリア・エ・ドナート教会というとてもかわいらしい建物の教会に行きました。
その後ヴァポレットを乗りつぎサンマルコ広場へ。
実は一昨年の旅行の際、やり残したことがあったのです。
一昨年はサンマルコ広場の近く、フェニーチェ劇場の裏の「ラ・フェニーチェ・エ・デザルティステ」というホテルに泊まったのですが、運河に隣接していてそこから素晴らしい音楽が聞こえてきました。それはゴンドラに乗った歌手が歌う「サマータイム イン ベニス」です。初めて聞いた曲でしたが、それから私たち夫婦のとても大切な曲になりました。
私が演奏会をするたびに、どさくさに紛れて歌ってます。
私たちの今回の旅の目標の一つに、『サンマルコ広場のカフェ・フローリアンでサマータイム・イン・ベニス(ベニスの夏の日)をリクエストする』でした。
ダーリンは少し遠慮していたので、私が、「リクエストしたい曲があるのだけど」と言うと「もちろん!」しかし、そのあと何度も曲名を言ってもわかってもらえません。メモに「Summer time in Venice」と書いて演奏者に持って行ってもらうとすぐに演奏が始まりました。演奏者の方々は私にウインクを送ってます。「よくぞリクエストしてくれた」とばかりに。だって、この曲は映画『旅情』でここフェ・フローリアンで演奏されたモノですから。(一昨年、帰宅してすぐにDVDを買い、チェックしました。)
そこにいる皆さん、とても感激してくれて、踊りだす人まで出ました。
カフェ・フローリアンの演奏家の皆さん、この曲はMustです。欠かせません!リクエストなしでも必ず演奏してほしいです。
余談ですが、私たちが毎年一度は行く箱根ガラスの森美術館でも必ずこの曲をリクエストしてます。
涙が出るほど感激しました。
駅に戻り、翌日のVerona行の切符を買いに行きました。
イタリアの鉄道は元国鉄のトレニタリアと民間のイタロという会社があります。たまたま駅の入り口にイタロの自動券売機があったので、時間を調べ購入することにしました。
朝、9時1分の列車。安い席があったのでそれを購入しようとし、キャッシュカードで支払う段になってなぜかダーリンが差し込んだキャッシュカードを引き抜いてしまいました。(ビジネスホテルでカードキーで部屋に入る際、すぐ引き抜くでしょ?どうやら無意識にそうしてしまったらしいです。いわば職業病です。)エラーになってしまいました。それを見ていたイタロの女性が助けてくれましたが、もう、安売りチケットは売り切れてました。
二人で1000円くらい高いチケットを買う羽目になりました。帰りのチケットは安売りのがとれましたけど。
ダーリン:余計なことをして損をしてしまった・・・ぶつぶつ・・・とずっと言ってます。
ミラノのレオナルドダビンチ博物館以来、急にケチな人になってます。
夕食はホテルの前のトラットリアで。
お昼にのぞいたときものすごく混んでいたのでここがいいと思いました。
あまりお腹がすいていないので€12と€15の定食を頼みました。
スパゲッテイとメインと付け合わせです。
ダーリンはトマトスパゲッテイと肉とミックスサラダ
私はボンゴレスパゲッテイとイカ墨とミックスサラダ
それとビールです。
しかし、スパゲッテイだけでもうお腹いっぱい。
サラダもセコンドもほとんど残してしまいました。
私たちがサラダを残すのは極めてまれ!
ここのトラットリア、地元のガテン系の人たちの集まるところだったようです。
食事の最中にも作業服のポチャポチャしたガテン系のおじさん、お兄さんがたくさん入ってきました。量が多いはずだ!
お会計の時に「ごめんなさい、本当にお腹いっぱいになっちゃって」と謝りました。プリモ(スパゲッテイ)は残さず食べたからわかってくれたと思います。
この日はすぐホテルに帰り胃薬を飲んでそのまま寝ました。
ちなみにフロントでダーリン、「314」をたどたどしく何とか言えてました。フロントの人「よろしい!」と褒めてました。(お世辞)
2018年5月15日(火)
9時1分の列車でVeronaに行くために7時30分前に朝食に行きました。朝食は7時30分からという決まりでしたが既に数名朝食をとってます。
「ぐずぐずしてられないぞ!!」とダーリン。
物凄くせかされて、あっという間の朝食でした。
駅に8時10分には着きました。
実は去年、ゆっくり朝食を食べ過ぎて列車に乗り遅れるという事件があったのです。
なので「熱さに懲りてなますを吹く」ってことですかね。
駅までとても近いし、10分前に行けばいいのに。
Veronaは雨でした。
駅のTabacchi(タバコ屋さん、今はキヨスクのようなもの)でVerona cardを買いました。€18、これでバスも博物館などもフリーパスです。
まずはバスでアリーナへ。
夏にオペラが開催されるところです。
でも、このシートで何時間ものオペラ・・ちょっと大変かな?トイレも遠いし・・
そのあとはジュリエットの家へ行きました。
「おお、ロメオ、あなたはなぜロメオなの?」と愛をささやいたバルコニーなど想像を働かせてしまう家でした。ただ、ロメオとジュリエットはシェークスピアの戯曲なんですよね。でも、本当に彼女たちがいたのでは?と思ってしまう街でした。
ジュリエットの像はバストのあたりがピカピカです。それはジュリエットのバストを触ると幸せが訪れるということのようです。
そしてランベルティの塔へ。€1足すとエレベータに乗せてもらえます。もちろんエレベーターを使いました。塔の上からはVeronaの街が良く見わたせます。
12時ちょっと前になったのでゆっくり昼食を食べることにしました。
ダーリンはまたもトマトのスパゲッテイ、私はもちもちした太いパスタにひき肉とトリュフ、そして二人とも大量のミックスサラダ。
ここも地元の人が良く訪れるとこのようで、お客さんと店員さんが親しげに話してます。
ポチャポチャした6人組のおっさんが入ってきて各々ピッツアとマケドニア(フルーツポンチ)を頼んでました。
ダーリン:イタリア人の平均寿命ってどうなんだろう?こんなに甘いもの食べて大丈夫なのかなあ?
と心配してました。朝食も数種類のケーキ、甘いパンばっかりですから。
食後、ゆっくりしてから駅まで歩きました。
雨の中、そしてとても寒かったのですが、かえって空気がきれいになっていた気がします。
3時50分のイタロで戻りました。
駅の近くでパニーニを買い、ホテルでビールを飲みながらVenezia 最後の夜を過ぎしました。明日はRomaです。
2018年5月16日(水)
本日はローマへの移動日です。
私たちのホテルAbbaziaは本当に素晴らしいホテルでした。次回もここにしようと二人で話しました。が、ただ一つ、エレベーターがないことが玉にキズです。
しかし、ダーリンは「俺が運ぶ」と言います。
「じゃあ、私は応援してればいいのね」
ということでダーリン、踊り場で一息つきながら一人でスーツケースを下しました。
その後も、駅まで一人でスーツケースを運びました。
早目早目に動くので、駅で時間がありました。
駅はお店がいっぱい入っています。
姪の有彩と彩香にいつもイタリアで若い子に人気の化粧品メーカーがあります。それはKIKOというブランド。ヴェネツィア駅にそのお店があったので、フェイスパウダーを買いました。
11時発のItaloでRoma 到着は14時45分です。
列車に乗り込むとき、どこにスーツケースを置くか把握しておりました。
MilanoからVeneziaに行くとき、大きなトランクの置場が少なくて、かろうじてトランク置き場に置けましたが、もしそこに置かなかったら・・・この巨大なトランクを網棚に乗せなければなりません。
早めに駅に行き、プラットホームを確認し、列の一番前に並び、列車に乗りこんだらすぐにトランク置き場を確保しました。しかも一番下の段の。
イタリアの男性は女性の前で弱み(体力的な)を見せられないので、20キロくらいあるトランクも、顔を真っ赤にして網棚に持ち上げます。
お年寄りが(おじいちゃんはわかりません。女性に限られると思います。)困っているときもどんなに若い男の子でも「手をお貸しします。シニョーラ。」とほっそっこい子が網棚に乗せます。
昔、私が一人でフィレツェにお勉強しに行った帰りの列車で、網棚に乗せられなくて途方に暮れていると、おばあちゃまが孫に「お前が乗せてあげなさい。」と言い、その子が私の重いスーツケースをプルプルしながら乗せてくれました。どうも見ても小学生です。おばあちゃまはとても誇らしげでした。私は日本の男の子はこうなってもらいたいと思ってます。男の子はおじいちゃんになっても女性を助けられるようになってほしいです。
発車直後、若い女性が男性に「あなたは誰?」と言っています。乗客はその人の方を見ます。どうやら不正乗車のようです。
実は私たちMilanoから乗る時、若い女二人が私たちに「あなたの席じゃない。」と難癖をつけてきました。私たちを困惑させてモノをとるか、何か悪い魂胆があったようです。
日本だったら考えられないことが起こります。でも、ダーリンが凛としてやっつけてくれました。
ホテルに着くまで気を抜くことが出来ません。
トラベルの語源はトラブルと聞いたことがあります。少しもトラブルはのちに笑い話になるでしょうが重大なトラブルは嫌ですよね。
さあ、時間通りにRomaに着きました。
ダーリンはローマの地図が頭に入っているようです。
ほぼ迷いなくスターホテルズメトロポールに着きました。
ここは豪華なホテル。バスタブもあります。近くのスーパーで大量のグリーンサラダとビール、プロセッコを買い、部屋でゆっくりしました。
やはり、私たちは日本人なんだなあって思いました。お風呂に入ると疲れが取れるんですね。
2018年5月17日(木)
今回の旅の目玉です!
天空の城ラピュタのモデルとなったCivita di bagnoregio と中世の街Orvieto、怪物公園に行きます。ここだけは個人で回るには限界があるのでツアーに参加しました。
マイバスという日本人向けのツアーです。
私たち夫婦の他に3名、合計5名のツアーです。
たった5名なのでワゴン車で移動です。そのため、街の中も入れるので長く歩かなくて済みました。時間と体力の節約になりました。
まずはダリも訪れた「ポマルツォの怪物公園」です。ここはローマと同じラッツィオ州ですがローマから105キロ北にあります。上野樹里がサントリーのお水のコマーシャルで放映されました。(ヘラクレス カークス)
そのほかに傾いた家、ここに入ると本当に気持ち悪いです。昨年、ピサの斜塔に行った時と同じ感覚でした。
ドラゴンや象など全部で30以上の石で出来た怪物たちがいます。
確かに、オブジェは面白かったのですが、それより、もっとうれしかったことがあります。
この公園の切符売り場の建物に入る時、今回の『イタリア旅行第1号猫』がいました。
名前はプーチンといいます。茶トラです。
トイレを済ませていよいよ公園に入ると、小柄な子がこちらに向かってきます。
本島に人懐っこい女の子の猫。名前はヒラリー。私の抱っこもされました。おっぱいが張っています。お母さんだそうですが生まれるとみんながすぐにもらって行くそうです。こんなにかわいい子の子供だからみんな欲しがるのね。
帰りにヒラリーを見つけたので「ヒラリー」と呼ぶとまた走ってきてくれました・
今回は会えなかったけれどヒラリーの旦那さんはオバマだそうです。ちょっと難しいね。
次に向かったのはCivita di Bagnoregio
ここは『死にゆく街』と呼ばれています。そして『天空の城ラピュタ』のモデルになった街とも言われています。宮崎駿さんはここの取材のため数か月滞在したとのことです。
もともとはエトルリア人が山の上の築いた町。その山が崩れやすく地震などによりどんどん崩れて現在かろうじて残っている部分が町として存在しているのです。
しかしそこに行くにも長い橋を渡っていかなくてはなりません。
崩壊によってだんだん町が小さくなるにつれたくさんいた住人もふもとのBagnoregio
に移り住み、今日現在は2組の夫婦、たった4人だけが住んでいるとのことです。
崩壊は今でも進んでいて、まさに『死にゆく街』です。
昼間は観光客のためにレストランやお土産屋さんなどたくさんの人がいますが、この人たちは近隣の街から通って来てます。
Civitaの入り口でまたまた猫ちゃんがお出迎え。
近くのお土産屋さんおお兄さんに名前を聞くとアーダという女の子です。
街を散策すると、あるおうちのお庭に2匹の猫が昼寝をしていました。お年を召した女性がお庭の手入れをしていたので、多分この方が住人のお一人でしょう。
次に訪れたのはOrvieto
丘の上につくられた要塞都市。古くからここもエトルリア人が住んでいましたが、紀元前280年ごろにローマに攻め落とされ、エトルリア人は近隣に逃れた。以来この街をUrbs Vetus(ラテン語で古い町)と言われそれがなまってOrvietoと呼ばれるようになったとか。
ゴシック建築のDuomoをはじめ中世の街波を残している。ウンブリア州のテルニ県。人口2万人。前橋市と姉妹都市。
ここでは3時間の自由時間があるので、まずは昼食をとることにしました。
他のツアーメンバーは『昼食付』を選択したのでここで別れました。
日本で調べて行ったMezza Lunaというレストランは満員で入れませんでした。
もう一つ、La Palombaというところには入れました。私たちが入った後、どんどん混んできて・・・よかった入れて。
お勧めはカルボナーラとトリュフ。
ダーリンはトリュフの太麺パスタ。私はカルボナーラを注文いたしました。
そうしたらどちらもお店にお嬢さんがさらに大量に黒トリュフを削ってかけてくれます。
テーブルクロスにも黒トリュフが飛び散ってます。
美味しかった!
ドルチェはパンナコッタのブルーベリーソースがけとパンナコッタケーキを頼みました。
それが出てくるまでにテーブルクロスに飛び散った黒トリュフのかけらをチビチビいただきました。美味しかったです。お行儀は悪いけど。
お店を出て街をゆっくり散策することにしました。お店でビールと白ワインを1杯ずつ飲んだのでほろ酔い気分。
とても素敵な街。
歩いていると、大きな扉が開いていて、その奥に駐車場みたいなところがあります。なんか、急にそこに入って行ってみたくなって・・・・・
そうしたら・・またまた猫ちゃん。私たちに向かって歩いてきます。
身体をこすり付けて、その後、私たちの間に寝そべって。
撫でてあげるととても気持ち良さげ。
ずっとここにいてもいいなあ。でも、もう行かなくちゃ。
ごめんね、さようなら。と言ってさっき入ってきた扉の方に歩いていくと、今度は三毛ちゃんがいます。」「あら、こんにちわ」と声かえると、先ほどの猫がものすごい勢いで近づいてきます。
嫉妬かな?
今度こそ本当にさようなら。と門を出て行こうとすると猫ちゃんがついてきます。
別れられなくなる。本当にさようなら。
するとまたすぐに今度は白い男の子。
自分になわばりをパトロール中のようです。
この子たちのほかに、ダーリンは黒ネコちゃんも見つけたそうです。
本日、3か所すべてで猫ちゃんに会えました。
『橋爪準一・雅子猫歩き』でした。
待ち合わせの場所に戻ろうとしていたら
ちょうど1000Migliaが!!
MigliaはマイルMiglioの複数形。
ミッレミーリアとはボルシェとかアロファロメオとかフェラーリなどが千マイルのラリーをするのです。ちょうど私たちそこに居合わせました。
かっこいいスーパーカーも見られました。
今回は本当に個人で行くとなったら一日で一か所もやっとのところです。時間もゆっくり、そしてどこもその場所にだけ連れて行ってくれて後は自由散策だったので私たちのペースで見ることが出来ました。ナイスチョイス!!
Romaに6時に帰り、お昼に食べ過ぎたので、またまた近所のスーパーで大量の葉っぱと今回はブラックオリーブ、アメリカンチェリー500gを買って帰りました。
2018年5月18日(金)
明日は日本への帰国日なので今日が観光できる最終日です。
ゆっくり、ゴリラのような朝食をとって(大量の生野菜とフルーツ)まずはTorre Argentina 広場に行きました。ここは猫ちゃんにいっぱい会えるポイントです。
ローマの遺跡でたくさんの猫に会えると思うでしょうが、たくさんの観光客、ひっきりなしの車など、ローマの、私たち観光客がいくローマは猫にとってあまり暮らしやすい環境ではありません。
でも、Torre Argentina広場にはたくさんの猫がいます。
それは猫を保護するボランティア団体の事務所とシェルターがあるからです。
『Torre Argentina Roman Cat Sanctuary』 です。
今日はここに行くのが目的でした。
行ってみると早速、何匹かの猫が広場にいます。
只今11時。ボランティア教会のホームぺ―ジを見ると正午からということなので、あと1時間、パンテオンなどを見て回ることにしました。
一昨年はパンテオンの中には入っていなかったようです。中にはエマニエルヴィットリオⅡやラファエロのお墓などもあります。
その広場には馬車をひく馬が3頭。
早速、あいさつしてきました。
馬も機嫌よくしてくれてました。
さあ、12時になったので猫の事務所へ。
中には後ろ足を怪我して切断された子など外になかなか出られない猫や、貰い手募集中の子猫ちゃんなどがたくさんいます。
「触ってもいいですか?」と聞くと「もちろん!」
ここのシェルターは遺跡の神殿の中に迷い込んだり捨てられた数百匹の猫を救うために1993年に二人の女性が始めたものです。最初は医学的ケアを受けていない猫のコロニーを組織化すること、そして不妊手術です。
また新しく来た子猫の里親探しもしています。
ここではグッズ販売もしています。このグッズを買うことによっていくらかの寄付が出来るのです。
私も€18のエプロンを買いましたが、€20札をだし、そのお釣りもおいてきました。(本当に微々たるものですが)
この団体は毎年3000を超える猫の避妊手術もしています。
しかし、2012年にこのシェルターは遺跡の不法占拠ということで、市当局や建築家たちによって閉鎖されようとする圧力攻撃を受けました。幸い、政治的局面が変わり圧力はいくらか軽減されたようですが、将来が保証されたということではありません。
Roma訪問の際はたくさんの人がここを訪れたらある意味『観光の目玉』となり、寄付を受けやすくなったり、市当局の圧力もなくなったりするのではないでしょうか?そして、その際には気に入ったものがあればそれを購入したり、お釣りを寄付したりしてください。
さんざん猫ちゃんたちといちゃいちゃした後はフォロロマーノへ。
一昨年はここにいるカモメの写真しかとらなかったので今度こそと思った矢先、私たちのすぐ近くにカモメがやってきました。
「こりゃあ、写真をとらねばならない!」とまたもやカモメの写真。
その後、一回ホテルに帰ろうということで、行きつけのスーパーでパンと(昨日食べて美味しかった)アメリカンチェリーとビールを買ってホテルに戻りました。今日、ここまでで1万3千歩以上!
ダーリンがメトロを使おうといったのですが、どうしてもRomaのメトロは使いたくなくて。汚いし怖そうなので。
只今の時刻は14時50分。ダーリンは疲れ果ててお昼寝中です。すやすやとかわいらしいこと。
あと一時間ぐらいしたら、また歩くぞ!
今度はスペイン広場へAndiamo!
16時過ぎにホテルを出てスペイン広場の上の三位一体教会へ。
ここの広場からスペイン広場が見渡せます。
何度もローマに行っているのに、三位一体教会は初めての訪問。
内部は柔らかい色彩と優しい作りです。「私、ここ好き」
たくさんの教会を見てきましたが、ここが一番好きかもしれません。
その後、スペイン広場に行って、マンウオッチング。
いろいろな人がいて、本当に面白かったです。
広場には馬車をひく馬がたくさんいます。
中に『口籠族』の子がいます。そろそろボナ夫やアーモンド、アクアマリンブルー、ただひろさんが恋しくなりました。
ダーリンはローマに行きつけのネクタイ屋さんがあります。スペイン広場のすぐ近くです。そこで3本のネクタイと3枚のポケットチーフを買いました。
ローマに来たらやはりトレビの泉は行かなくてはなりません。たくさんの人でしたが、行ってきました。
そしてホテルに帰る途中、大きなスーパーが。「もしかしたらタコのマリネ、売ってるかも」とダーリンが言うので入ってみました。
お気に入りのタコのマリネとお米のマリンサラダ。今晩もホテルのお部屋で夕食にしました。
意気地が無くなったんですかね。レストランで食事を終えてホテルまで帰るというのが億劫になってしまいました。
イタリア最後の夜の夕食もスーパーで調達したものです。
タコのマリネ、お米のサラダ、グリーンオリーブ、大量のグリーンサラダ、キノコと鶏肉のサンドイッチです。お酒はビールとプルセッコ、そしてワインです。
でも、本当においしくて、私は日本に帰ってからもずっと同じものでいいかも!!って思ってしまいました。
サンドイッチの包装にダーリンは不満があるらしく、それを写真に撮ってました。
彼の仕事は物つくりに関するコンサルタントですので、「ただ単に遊びに来たわけじゃないんだ!!」と言ってました。きっとこれを仕事に活かすのでしょう。
5月19日(土)
10日間のイタリア旅行と言っても最後の日は移動日です。
13時間のフライトののち、20日の朝10時30分に成田に着くので、2日間は移動。
初日も移動日なので、実質7日間なんですね。また、今回は3都市に宿泊しましたので、その間も移動。
昨年はフィレンツエのみに10日間居たので、楽でした。時間も節約しました。
来年はよく考えて一つの都市に滞在して、廻りを遠足しようと思います。
ローマテルミネ駅からレオナルドダビンチ空港までは慣れたもので、列車で移動です。
前日にPCで席の確認とチェックインをすでにしているので、楽々です。
早めに着いたのでこれで安心!と思ったら出国審査がものすごく混んでいます。
結局、搭乗手続きがすでに始まっている時にゲートにたどり着きました。
免税店などでグズグズしていたらたいへんなことになっていたでしょうね。
私たちの席の通路をはさんで窓側にイタリア人の3人の(ごめんなさい!)おばさんたちがいます。
旅行に慣れていない感じですが、とても楽しそう。
箸が転んでもおかしいお年頃のようです。
たぶん初めての日本旅行、テンパってます。
イタリア人のスッチーに「Signorina!」と呼びかけてます。
スッチーはちょっと年配の女性だったので「え?誰がSignorina なの!」
そうしたら敵もさる者「Ragassina !」と返してます。
その受け答えがおかしくてずっと耳をダンボにしていました。
今回の長時間のフライト、優れものグッズを持って行きました。
脚を高く上げるハンモックです。
私がそれをしているのを見て
「いいものね!どこで買った?」と聞くので「日本で。アマゾンで買った。」
「アマゾン?(知らないらしい)」
「インターネットよ」
などとだんだん話が盛り上がって、私のコップにビールをついでくれたり
イイカンジにお友達になってます。
しばらくして「もう、いい加減にしなさい。」とダーリン。
13時間この調子でしゃべり続けられると思ったのですかね?
一番大事な
日本のどこのに行くのか、何をしたいのかを聞きそびれてしまいました。
でも、このおばちゃま(ごめんなさい)達だったらどこに行っても楽しく過ごせるだろうな。
成田で降りるときに「楽しい旅行を」と言って別れました。
今回、アリタリアの人たち、頑張ってましたね。
倒産してどこが買ってくれるのか崖っぷちです。
崖っぷちに強いのがイタリア人。
きっと、盛り返してくれると思います。
今回もとても素晴らしい旅行でした。